陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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第四話 友達とは



 唐突に、そこに彼女は現れた。姿は大体十代後半、白いローブに全身をすっぽり隠しながらもフードの下から長い、白髪を見せる美女と言っても差し支えない美貌の持ち主。雪のように白い肌がローブの隙間から伺えるがただ一つ、首もとのカウベルのみが黄色と言う、違う色がアクセントとして存在していた。

 まるで神話から抜き出されたような美しさを持つ女が、いきなり現れた。それだけで驚きであったが、何より驚かされたのは彼女の雰囲気だった。カリスマとでも言うのか、頭を下げてひれ伏したくなる様なオーラを持っていた彼女だが、

 自分の中の何かが、彼女だけには『流されて』はいけないと、全力で叫んでいた。

 場所は冥き途の最下層、死者の門がある広間から一つ上の階層、底の見えない湖と砂地がある場所。そこで悪霊となった死者の魂を滅しながら鍛えている中、白いローブの『天使』は現れた。

 目を閉じたまま剣を構えているこちらを見ると、ニコリと笑みを浮かべて口を開く。

「こんにちわ」

「……こ、こんにちわ」

 あまりに普通の挨拶に若干毒気を抜かれる。今まで冥き途でであった生き物と言えばロリ門番、伝説系魔獣、貧乳幽霊美少女、紳士系骸骨、守銭奴メイド、ラメ入りペ○シマンと超最高美少女(俺の)女神。非常に軽く言えばまともなのが一人もいない。最後のを抜いて。どのメンバーとの出会いも決してまともと言えない中、突如現れていった言葉が『こんにちわ』だった。

 それは毒気も抜かれるわ、俺。

 戦闘を続けていたために持ち上げていた剣の切っ先を下げる。否、下げてしまった。今、確実に流されかけていた。警戒を引き上げると同時に剣を構えなおす。

「ふふ、そんな警戒しないでいいわよ。私は別に戦うために来たわけじゃないし、ね」

 最後のね、と言う部分に若干力が入れられている。だがそれでも剣の切っ先を動かさない。なによりも目の前の存在には現実味がなさすぎる。周りにいる人外達よりも現実味がない感じだ。

 あまりにも、『綺麗すぎる』と、そう表現するのがしっくり来る感じである。

 そんな玖楼の内心を知ってか知らないでか、白の女はゆっくりとした足取りで少しずつ玖楼へ近寄り、玖楼の近くにある折れた石柱に腰を下ろす。再び玖楼のほうへと目を閉じたまま顔を向けるとおもむろに口を開く。

「マリーちゃん」

「?」

「私のことはマリーちゃんとでも呼んで」

「……黒川玖楼……です」

「ふふふ、無理に敬語で喋る必要なんてないわ。だって貴方敬語苦手でしょう? せっかく言葉が通じるのに他人行儀ってのもつまらないじゃない」

 ……今、この女はなんていった? 無理に敬語で喋る必要がない?違う。敬語が苦手?

違う。なぜ、言葉が通じている。


 その事実に悪寒を感じる。同時に、何故自分の個人的な情報が知られているか、それすらも薄気味悪く感じる。

 リッチやナベリウス等高位の存在でも自分と言語をあわせるのにほんの少しの間だけだが言葉を聞き、法則性や規則性、類似点などを聞いて覚える必要があった。なのにこの女はそれら全てを無視して『日本語でいきなり喋ってきた』のだ。そして、一度もしゃべったことのない事まで知られている。

 異常と言う状態ではない。相手に対する評価が『警戒すべき対象』から、『底の知れない化け物』へと変わった。

「ヒドイわねぇ、こんな美女をとって化け物なんて言うなんて。こう見えて私はちゃんとした天使よ。聖四天と言う天使の中でもかなーり偉い天使なのよ?」

「ッ!」

「安心して、『見る』つもりはないから。あまりに見すぎても詰まらないし」

 『読む』ではなく『見る』と言う表現と言うことは相手は内側を見れる、一種の透視能力者なのだろう。いや、天使という存在の出鱈目さは話に聞いている。
だとしたら予知ぐらいやっててもおかしくはない。

 警戒はしたまま、剣を下げる。

「で、マリーちゃんはこの超一般人である俺に何の用かな。ちなみに俺のことは玖楼ちゃんでいいぜ」

「ふふふ、マリーちゃんに玖楼ちゃんね。ふふふ。悪くはないわね。度胸がいいというか、いや、やっぱり馬鹿と言うほうね」

「それは酷いぜ(腹黒天使)マリーちゃん」

「うふうふ。くすくす。腹黒天使だから仕方がないわよ」

「しっかり見てるじゃないか」

 突然の登場に驚きはしたものの、対応する。それが自分のスタイルだと言い聞かせて。どんな状況も受け入れて対応する。流されないで流れに乗る。それが自分の処世術。

「くすくす。ごめんなさいね。玖楼ちゃん(の中身)があまりに面白くてね」

「いやいや、マリーちゃん(の腹黒さ)には負けますよ」


「うふうふ。くすくす」「くっくっくっく」


 段々と空気が張り詰めていくのが分かる。先に緊張感を表したのは自分だが空気を掌握しているのは確実にマリーちゃんだ。リタ……最低でもリッチの援護が全力で欲しいところだ。相手の意図がまったく分からない上読めない。これほどやっかいな状況は此方へ来る前に何故か朝起きたら枕が洗面所の石鹸に摩り替わっていたときぐらいのピンチだ。あの時はガチで首が痛かった。そして髪が石鹸臭かった。

 先に口を動かしたのはやはりと言うべきか、マリーちゃんだった。

「実はね玖楼ちゃん。貴方とお話がしたかっただけなのよ」

 話したい。ただそれだけ。

「それだけ?」

「それだけ」

「あんな登場をして?」

「あんな登場をして」

 ……あぁ、なるほど。

 唐突に理解する。いや、理解したような気がする。こいつは今まで自分が考えていたような存在じゃあない。厄介さでは依然に自分の知り合いの中ではダントツのトップだ。だけど、こいつはそうじゃあないんだ。そう、『そういう存在』じゃあないんだ。

 美しく、理性を感じさせ、その動き一つ一つに意味を感じさせ、森羅万象を支配しそうな威圧を発し、全てを統べる様な神々しさを持ち合わせ、そしてなによりもこいつは―――

 剣を握っていた指の力を完全に抜き、剣を砂地に突き刺す。その動作だけで此方に興味を持ったのかわくわくと、表情が簡単に見て取れる。たっぷりタメを作りマリーちゃんに話しかける。

「なぁ、マリーちゃん」

「なぁに?」

 ―――こいつは、

「マリーちゃんさ」

 ―――たぶん、

「友達いないだろ」

 ―――確実に天然ッ!

 次の瞬間マリーちゃんが腹を抱えながら大声を上げて砂地を叩きながら笑っていた。はて?何かへんな事を言ったかな、自分。


                   ●


「は、ははは……あはははは!や、はははやめて、わ、笑い死ぬ……あははははは!」

 最初に見せていた上品さなどはすべて消し飛んでいた。今玖楼の前にいるのは年の割には若干テンションの高い天使っぽい女性だった。

「あれぇー? 自分、何かおかしなことを言ったかな?」

「ど、どうしてぷふっ……天然だって決め付けるのよ! あれだけもったいぶって考えたことが天然! しかも友達がいないとか! ちゃんといるわよ」

「一人?」

「……」

「おい、そっぽ向いてどうした。どうしたんだまりぃちゃぁーん。なぁーんでそっぽむいてるのかなぁ? かなぁ? あれぇ? お友達ぃいないのかなぁ? いないのかなぁ? 一人だけなのかなぁ?」

「い、いるわよ! 私の仕事をしてくれる後輩が!」

「あ、雑用とか部下とか同僚とかはなしで」

「……」

「まりぃちゃぁーん。目を開けてないから分からないけど確実に目が泳いでるよー。たぶん確実に泳いでるよー。まりぃちゃぁーん」

 玖楼の目の前ではただただ狼狽し続けるマリーちゃんがいた。ただ、その狼狽はすぐさま収まり、ニヤっと嫌な気配漂う笑みを浮かべると、

「……ここ数日、夜のオカズに―――「はいストップ! ストップ! 悪かった! 俺が悪かった!」そう、分かればいいのよ分かれば」

 マリーちゃんが上機嫌な笑みを浮かべ玖楼がゲンナリとした表情を見せる。この状態にて、両者の立場は完全に逆転していた。玖楼が藪をつつきすぎたとも言える状況、玖楼が右手をマリーちゃんのほうへ出す。その手が何のためのものかマリーちゃんは分からず、ただ玖楼の差し出した手を見つめる。

「マリーちゃん友達少ないだろ? だから俺が友達になってやんよ」

「うふうふ。くすくす。本当に、本当に予想外の動きばかりね」

 差し出した手をマリーちゃんがゆっくりとだが手に取り、しっかりと手を握る。

「ハジメマシテ。黒川玖楼です。異世界から漂流人なんかやってます」

「ハジメマシテ。マリーチです。『天』で聖四天なんてものをやらせてもらってます」

手を握り自己紹介し友好を結ぶ。

「あら」

「?」

 同時に、

「結構掌硬いのね」

「まぁ、それなりに鍛えてますから」

 長い、長い腐れ縁の始まりでもあった。


                   ●


「そうそう、あまりに楽しくて忘れるところだったわ」

 握手をしてから十数分、つたないことを語り合いながら時間を平和に過ごす。その最中に、急に本来の目的を思い出したのかマリーチが話し出す。

「私お話ついでに聞きたいことがあったのよ」

「聞きたいこと?」

「そう。聞きたいこと」

「フレンドのためならミーはなんでも聞いてやんぜ」

「あら、嬉しいことを言うわね。なら」

 貴方は神様を信じられるかしら?

 マリーチはそういった。神の存在を信じるのでもなく、神を信仰しているかでもなく、その存在を『信じる』ことができるかどうかをマリーチは問うた。それはつまり、

「俺が神様がいるって確信してるから聞いてるんだよな?」

「そう。私は聞きたいのよ。神が姿を現さない時代、神への信仰が極端に薄れた世界、神なんていなくても存在していって緩やかに滅びてゆく世界の住人。そんな世界からやってきた貴方が、この世界にやってきて神を信じられるかどうかを私は知りたいの。ねぇ、貴方の『目』は神様を信じられる?」

 マリーチは何かを期待するように玖楼を見る。それは玖楼は一息置いてからすぐさまマリーチに答えを出した。

「いるんじゃね? 目の前には美女な天使もいるんだし」

「あらありがとう」

「友達は二人しかいないけどな」

「……」

「悪い。悪かったから無言でにらむのは止めてくれ。……うんそうだな。真剣な話、やっぱり神様は『いる』と言うか信じられると思うよ。俺が暮らしていたところでは爺さんや婆さんを除けば俺の世代では神様を信じるやつなんてほとんどいない。家が宗教関係でそういう教育を受けたって話なら別だろうけど、少なくとも俺は中流家系の超一般人。運動が苦手なほうの人間だったはずだ。今ではこんな風に若干人外染みた強さを手に入れたけどそれでも神様の存在なんて信じちゃ居なかったけど、うん。この世界で暮らしてればわかるよ」

 未だ実際に『神』に出会ったわけではないと思う。目の前の『天使』がそうであるか、魔『神』を神としてカウントしていいのか、そういう細かいことは置いておいて、やっぱり神の存在は信じられると思う。

「だって、実際に不可能を可能にしてるじゃないか」

 現代科学では実現可能でも同じプロセスを通してまったく同じことをできるかと問えば、確実に無理と答えられるだろう。元の時代での達人や金メダリストほどの修練をしてなくても、彼らを遥かに越える力を手に入れてすらいる。

 それだけで信じる? いいや、そういうわけではない。

 昔どこかで、どっかの本に書かれていた気がする。出会いの一つ一つが奇跡で、出会いと別れには意味があるんだって。運命を信じるわけではないが、それでも出会いには意味があると信じたい。だから、出会いに感謝するならそれを引き合わせた者にも感謝したい。とりあえず、それを思いつける存在が―――

「神なのね?」

「人が、自分や他人以外で『何か』を埋めるときに神を頼るのは常套手段でしょう?」

 神は人の心にこそ宿ると言う言葉がある訳であるし。

「昔、先生がこんなことをクラスに聞いてきたんだ」

「どんなこと?」

「『神を信じて本当に神がいなかった場合と、神を信じなくて神がいた場合、本当に残念なのはいったいどちらなんだろう』って。クラスで話し合った結果、結局は皆神を信じないほうにかけたんだけど、答えは逆で信じて裏切られるほうだったんだ。なんとなーくだけど俺にも分かるよ。こう、言葉にできるようなことじゃないけど」

 玖楼の言葉を受けてマリーチが俯くように黙り込む。折れた石柱に腰を下ろしたまま考え込むような仕草をとり何かを見つめるようにしている。玖楼にはまったく分からないだろうが、その様子からはマリーチが何かを真摯に見つめていると言うことはわかる。マリーチが考え出してから数秒後、閉じたままの目を再び玖楼へと向ける。

「……なるほどね。と言うことは希望はあるのかしら」

「希望?」

「えぇ、未来の希望よ」

「さっきの質問と何か関係が?」

「大いに。丁度迷ってたからいい意見になったわ」

「マリーちゃんが悩む?」

「完璧な私でも、こう見えて中々に悩むことは多いのよ。私の完璧さに比べて世界は不完全すぎるからね」

「へぇ、へぇ、へぇー」

「……まぁ、細かいことは置いて、貴方が言ったように貴方の時代には神を本当に信じるような人間は、もう殆ど絶滅したもいい所よ。今の時代は生活の大半を信仰により得られる魔法と、そして優れた資質を持つ王による統治、そして教会による介入によって成ってるわ」

 玖楼もこの時代については大体をリッチに習っている。生活の基本水準は玖楼が知る『中世』頃のレベルであり、この状態で停滞しているのは分かっている。生活の中でも魔法の力が使われており、魔法は信仰する神によって授けられそれを行使するため、神と人のつながりができている。

 だが遠い未来、玖楼が生きていた様な時代では魔法は必要とされない。燃やすのに魔力を使って疲れるのならライターで燃やしたほうが早い。水が必要なら水を生み出さずに蛇口を捻ればすぐに水を出すことができる。

 将来、科学は神の奇跡をその『利便さ』で凌駕してしまう。

 科学が発達してゆき神の奇跡が、魔法が必要とされなければ信仰もそれに応じて減ってゆく。人は信仰を捨て科学をえる。それが玖楼の『歴史』が証明してくれている事実でもある。

「私は見た、信仰を必要とせず人が住む未来を」

 マリーチに影が挿す。何処となく不安で、そしてやるせない感じを表しながら、軽く肩を振って陰の気を振り払う。マリーチの唇がかすかに動き、そうね、
その一言のみが玖楼の耳に引っかかった。完全に吹っ切れたのか、マリーチの顔に最初にあったような微笑が浮かぶ。

「―――ありがとう玖楼ちゃん。貴方のおかげで私も決心が付いたわ」

「ほーかほーか、そりゃあよかった。全国の美女美少女美幼女の味方だからね」

「うふうふ。くすくす。そうね。私の『友達』だものね。この程度はできて当たり前よね」

 マリーチが音もなく折れた石柱から立ち上がる。もう用事は終わったと言うことだろう。自分の部屋から流れてきたもので数少ない実用性のある代物、腕に巻いてある腕時計を見ると、もう既に結構な時間がたっていることに気がつく。少なくとも、普段なら既に夕飯の準備を始めている時間だ。

「こりゃケルベロスに齧られるな……」

「齧られる?」

 そう言った玖楼を眺めて数秒、マリーチが笑い出す。

「あは、あはははははは!! なにそれ!なによそれ、涎塗れじゃない! 頭からがりがりって、うわ、瀕死に、ぷ、く、あはははははは!!」

「おい! 勝手に人のトラウマで笑わないでくれないか?」

「あはははは……ははは、はぁ、本当に面白い……面白い。あぁ、帰らなくちゃいけないのが本当に惜しいぐらいね」

 腹を抱えて笑っていたマリーチが目元の涙を拭うと、真っ直ぐ玖楼のほうへと向く。

「送ろうか?」

「いい、その必要ないわ。今貴方が見ている姿は展開から映し出された虚構のようなものだから」

「ならばここで胸を揉んでも問題はないのだな……!」

「普通に焼き殺すわ」

「すいませんでしたぁ!」

「ふふふ、許すわ」

 会話が途切れる。居心地の悪い静寂ではなく、ただ話す言葉がないだけ。それだけの静寂。手を頭に回してがしがしと頭をかきマリーチのほうを見る。変わらぬ微笑を携えたまま彼女は、

「じゃあね、玖楼ちゃん」

 閉じていた目を開けた。赤い、宝石の様に輝いて血の様に赤い瞳がそこに見えた。


                   ●


 キィ―――ン。

 その音が響いたのは一瞬。だがその音が響くまでに感じた時間はまるで永遠だった。気づいた時には片膝を地面に付きながら肩で息をしており、必死に肺に空気を送ろうとしていた。

「……っくぅ、はぁ、はぁ」

 目の前を見れば自分より背の低い少女が浮かびながら赤い魔槍を構える姿が見える。少女……リタからは馬鹿でも分かるほどの濃密な殺気を発しマリーチを完全に敵対視していた。マリーチの赤い瞳は既に閉じられ目にすることはできる。

 それを玖楼は惜しいと思いつつも安堵していた。

「……マリーチ」

 リタの声には怒りの色が見て取れる。

「うふうふ。くすくす。ちょっとした悪戯じゃない。怒っちゃだめじゃない。そう、友達に対するちょっとしたプレゼントよ。くすくす」

「御託はいいです。さっさと消えないのなら本気で殺ります」

 リタの構えは少々特殊なものがあり、リタが体を構えるのと同時に、得物である魔槍がともに横で浮かぶというスタイルだ。だがその槍にはしっかり様々な『呪い』が付いており、たとえ相手が魔神や天使であろうと容赦なく傷つけられると、リタが前に豪語していたことを玖楼は今になって思い出した。

 くすくすくすくすくす。

 リタをこばかにするようなマリーチの笑い声が漏れ、リタの不機嫌が増す。

「くすくす、まるで弟を護るお姉さんのようね。愛されているわね、玖楼ちゃん」

「感謝しても仕切れない程度には俺も愛し返してるけどな」

 軽口を叩きながら玖楼が立ち上がる。

「クロウ」

「大丈夫だよ、リタっつぁん。だからリタっつぁんはそのナイムネを―――」

 すぱんっ!

「くすくすくす。本当に仲がいいわね。それじゃ怖いお姉さんがきちゃったし、
私は帰るわねクロウちゃん。ばいばい」

 リタが視線をマリーチへ戻したときには既にマリーチは闇に溶けるように消えていた。まるで最初からそこには誰もいないように。あれがマリーチの写し身だと分かっていても、それでもリタは警戒を怠らない。玖楼の無事に安堵しつつも、ため息を吐く。

「……厄介な事になってしまいました」

 玖楼には聞こえないほどの大きさで放たれた言葉はリタにのみ聞こえる言葉だが、だがそれはナベリウスとリッチにも同意ができる言葉である。

 事実、『天』のある程度の事は『タルタロス』を通して必要最低限の事は分かっている。聖四天の構成員、『天』の状況……そして留意すべき存在。

 厄介さで言えば、マリーチはダントツに抜きん出ていた。

 視姦魔人マリーチ。過去も未来も人の心も『見る』事のできる天使。

 これから玖楼に降りかかるであろう災難を考えるとため息しか出ないが、それでも気に入った隣人のためだとリタは気合を入れなおし―――

「あれ、リタっつぁんなにげんなりしてんの?」

 すぱんっ!

 容赦ないハリセンの一撃を玖楼に叩き込んだ。


名前:マリーチ
レベル:491
称号:聖四天に座する魔人
主武器:崩壊の鐘
予備1:なし
予備2:なし
防具: 白のローブ
装備:なし
戦闘スキル:魔術・戦意―――RankM
      魔術・純粋―――RankS
      魔術・神聖―――RankS

HP:4350/4350
MP:1690/1690
TP:80/80
FS:50/100
攻撃力:1183
攻撃回数:85
防御力:631
防御回数:90
魔法攻撃:1394
魔法防御:856
肉体速度:50
精神速度:80
攻撃属性:万能
防御属性:神格+

発動スキル:
反万破壊Ⅲ―――敵が『反万能』属性の場合、攻撃力が上昇する。
MP再生Ⅳ―――戦闘時は一定フレーム毎に、移動時は一定歩数毎にMPが回復する。
オーバーキル―――攻撃時に常に発動し、ダメージMAX桁が一桁上昇


名前:リタ・セミフ
レベル:273
称号:滅殺の守護霊
主武器:封霊の魔槍
予備1:ハリセン
予備2:なし
防具: 漆黒の霊衣
装備:なし
戦闘スキル:必殺・一撃―――RankM
      魔術・冷却―――RankA

HP:2730/2730
MP:580/5800
TP:680/680
FS:50/100
攻撃力:523
攻撃回数:85
防御力:456
防御回数:40
魔法攻撃:471
魔法防御:401
肉体速度:50
精神速度:80
攻撃属性:万能
防御属性:霊体+

発動スキル:
即死Ⅱ―――攻撃時に確率で発動。敵を即死させる。
英雄殺しⅠ―――敵が『神格』属性の場合、攻撃力が上昇する。
霊体破壊Ⅰ―――敵が『霊体』属性の場合、攻撃力が上昇する。
不死破壊Ⅰ―――敵が『不死』属性の場合、攻撃力が上昇する。
反万破壊Ⅰ―――敵が『反万能』属性の場合、攻撃力が上昇する。
ステルスⅡ―――回避率が常に5%~25%上昇。
霊体の守護者Ⅱ―――防具の属性に左右されず、常に『霊体+』の防御属性になる。
ナベリウスが好き―――戦闘メンバーに『ナベリウス』がいる場合、攻撃力と防御力が5%上昇する
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| 神殺しで戦女神な物語 | 13:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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