陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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刀巡り ―――オン・ジ・エッジ

推奨BGM:Thrud Walkure


 曲刀系スキルの中でも高性能なスキル、重単発の上位ソードスキル≪フェル・クレセント≫が発動する。四メートルの距離を0.4秒で埋める事の出来るそのソードスキルは優秀であり、スキル経験値上昇バフアイテムで、他のプレイヤーよりも習得を早くしているために、これを覚えているのはたぶん自分ぐらいだろうと思う。だからこそ使いすぎて自分が課金者であったり、≪ビーター≫とバレないように使いどころは注意しなくてはならない。それに優秀なスキルに身を任せていればその分プレイヤースキルが落ちてしまう気がする。自分自身を律する意味でも、試練を課して自らを鍛えるためにも、パーティーなどでは封印していたスキルを使用する。今回は信用できる仲間がいることと、強敵との戦いと言うことで利用する。

 その一撃が、一番前に居た≪ロックトード≫へと突き刺さる。


 上位系のソードスキルは総じて威力が高く、技後の硬直が長く設定されている。これはゲームとしてのバランスを崩さないための措置と取れるが、スキル自体に慣れていれば問題は一切ない。最近ではトウカが付きまといコンビで戦うことが多くなってきていたが、それでもソロのときはそれなりに使っているためにクセは解る。その硬直の長さも、どれだけの威力を発揮できるかも完全に把握している。

 だからその一撃で一気に体力を五割削ったことに対しての驚きは一切なかった。

 一気にライフバーを半分削られたロックトードに反撃を与える隙など与えない。そこから≪ダンスマカブル≫を放ち、さらに体力を三割削ってからそれに続く≪クロスボーン≫で体力を完全に削りきる。その攻撃による硬直が消えた瞬間、一番近くに居たロックトードの攻撃を掠めるように大きくバックステップし再びカトラスを上段に構える。

 ≪フェル・クレセント≫、≪ダンスマカブル≫、≪クロスボーン≫。この三連撃でロックトードを殺しきれるのは把握した。

 ならば、後はそれを繰り返す作業として行動するのみ。

 ≪フェル・クレセント≫発動の証でもある黄色いエフェクトが刀身に表れるのを見ながら横目でちらりと状況を盗み見ると、自分以外のメンバーも良く戦っていた。トウカの武器は自分より攻撃範囲が広いため一度に複数を巻き込んで削り殺そうとし、ユリウスとミナトはメタルイーターの体勢を二人係で崩そうとしそこからダメージを出そうとしてる。そしてカグヤはその様子を入り口から眺めている。

 カグヤの存在がもはや空気に達しそうなことは気にしない。それよりも敵だ。

 今バックステップを取り距離を作ったことで視界の中にはロックトードが二体見える。先ほどトウカのほうを見たときに同時に三体を相手してたことから合計で六体のロックトードが召喚されたということだ。向こうは向こうとして、こちらは一対多向きの武器ではない。だから、一匹ずつ片付ける。

 ≪フェル・クレセント≫が放たれロックトードの体に斬線が刻まれる。

 再び相手を一撃で倒すために硬直から復帰しすぐに次のソードスキルを放つ。三つ目のソードスキルが突き刺さりロックトードが倒されるのと同時に、体の横から衝撃をまともに受けて自分のHPが減る。これで自分は一割以上死に近づいた。だがそんなことは日常茶飯事。その程度では止まらぬと、次の攻撃が突き刺さる前にカトラスを振るう。ソードスキルではないただの技量を持って放たれる斬撃が右斜め上から放たれ相手を切り裂く。そこで怯んだ所に振りぬいた刃を返すように上へとかち上げながら切り裂く。反撃にと放たれた舌の一撃が体に痛みを与えるのを無視してソードスキルを放つ。緑色の光を纏う斬撃があっけなくロックトードの命を奪う。

 ボス戦では確かにライフの管理が大事ではあるが、少人数でモンスターが召喚された場合、その状況では速さを優先した方がいいと自分は思う。ライフが減るごとに追加される攻撃パターンの事なども考えると、早めに雑魚の処理を終わらせてボスとの戦いに合流したい。

 自分の分の雑魚を倒すと中指と人差し指を右下辺りで振り、インベントリから焦らないようにポーションを取り出し飲む。十数秒後にはポーションの効果により完全回復するだろうが、今はそれを待つ暇はない。カトラスを振り上げながらソードスキルを放てるモーションで待機する。

 その姿をユリウスとミナトが捉えた。

 既にユリウスとミナトのHPはスイッチなしでの戦闘で消耗されていて半分を切りイエローゾーンへと突入していた。POTや結晶での回復のためにも≪メタルイーター≫の引っかき攻撃を強引にソードスキルで相殺するように二人がかりで吹き飛ばす。

「スイッチ!」

 強引に弾き飛ばされたメタルイーターの上半身が僅かに浮く。この瞬間だけは完全な攻撃チャンスだ。再び≪フェル・クレセント≫で加速された体が一瞬でメタルイーターへと到達し、その体を真横から切り裂く。鈍い感触を手の中に受けながらもそのまま攻撃をやめずに≪ダンスマカブル≫、≪クロスボーン≫へと繋げる。ロックトード一体なら簡単に倒せるこのコンボでもメタルイーターの体力を二割減少させるのに止まる。硬直で体が停止している間に、メタルイーターの逆側からエフェクトの光が散らばる。おそらくだがトウカもロックトードの殲滅を終え、ソードスキルでの攻撃を開始したのだろう。トウカのソードスキルもメタルイーターの巨体に突き刺さり体力を削る。体が若干浮き上がり攻撃を喰らって怯んでいたメタルイーターが憤怒の色を見せながらギロっと、瞳をこちらへと向ける。

 どうやら、こちらに狙いを定めたようだ。

 すぐにスイッチするわけにもいかずカトラスとバックラーを構える。型としてはバックラーを前に、
その後ろに上半身を隠すようにしてカトラスを引き気味に立てて上段に構える。体の中心近くにバックラーがあるため、何処への攻撃でもすぐに対処できるようにしてある基本的な防御の型だ。こういうのはソードスキルではなく完全にプレイヤースキル依存だ。そのためソードスキル以上の地味な修練が必要だったりする。

 軽くジャンプする要領でこちらへと旋回したメタルイーターの巨体を眺めながら少しだけ後ろへと下がり距離を作る。するとメタルイーターの口が開き、

「かっ!?」

 一瞬、弾丸のような速度を持って口から放たれた物をギリギリバックラーで防ぐも、上体が大きく揺らぐ。その一瞬でそれがあの口から放たれた一撃、おそらくは舌による攻撃だと判断しゾっとした。アレは距離を空けたほうが危ない相手だと判断した瞬間に無理矢理体を引き戻す意味でも再び≪フェル・クレセント≫を発動させる。自分の意思では復帰が難しい体勢だとしても、ソードスキルを発動させればシステムに登録されたプログラムが体を引っ張ってくれる。その要領を利用して体を無理矢理前へと引っ張らせながら前進する。突進による一撃が突き刺さるが開始の体勢が悪かった。ソードスキルが完全な威力を発揮せず金属質の肌に弾かれる。完全にこちらをターゲットしてるメタルイーターはトウカを無視し、硬直してる体へと向けて水掻きでの引っかきを繰り出す。

「っる、ぁ!」

 絞り出すような声と共に力の限り体を引っ張り、その一撃を掠らせる程度で済ませる。だがそれでもそれは巨大な体を持つボスの一撃。たったそれだけで体力が一割ほど削られる。やはり巨大モンスターは理不尽だと思いつつもいい加減スイッチしないときつい。振りぬかれた水掻きをカトラスでかち上げる。

「スイッチ!」

 一瞬だけ出来た攻撃の空白に体をバックステップで離脱させながら横から突撃するユリウスとミナトを見送る。戦闘開始当初はまだ若干喋る余裕があった自分達も少しずつ増えていく戦闘の時間に比例するように、掛け声や絞り出す気合の声を除き段々と喋らなくなってゆく。後ろに下がりポーションを飲もうとすると飛んでくる物がある。それをキャッチすると、手の中には青色の結晶が収まっていた。

「頑張る」

「ありり」

 軽い感謝を述べてカグヤから投げ渡された回復結晶を使用する。結晶が砕け散る代わりに即座に欠けていたライフバーが満たされ、そして一瞬で体力がグリーンゾーンの最大値まで回復される。体力が回復した安心感はあるが、それでも先ほどのような急な攻撃もあるために警戒を解かずに武器を構える。スイッチの一言で前に出られるように、常に前線を動きを把握―――

 ―――しようとした所でメタルイーターの体力がなくなり、三本目のライフバーが見えた。

 その表情からは完全な怒りが見えてこれ以上こちらの存在を赦さない意思を示しているようだった。いや、目の前の存在はただのAIだ。そういう明確な意思は存在せず、ただのプログラムだ。一定のアルゴリズムに従い存在するだけのポリゴンの塊だ。プレイヤーとは違う。俺達は生きている。

 だから殺すのは俺達で殺されるのはお前達だ。

 だがその言葉を否定するようにメタルイーターがその口を大きく開けて吼える。先ほどまでのように、その咆哮と共にロックトードは出現しないがそれから感じる威圧感はデータの海を越えてこちらへと届く。怒りを示すようにメタルイーターが先ほどよりも素早くなった引っ掻きを繰り出す。それを好機と見てスイッチの準備のためにミナトが前に出、それを大盾で防ぎつつ吹き飛ばし、ユリウスが両手剣でがら空きの体に大きく斬撃を食い込ませる。これで怯ませたと、そう思い、

「スイッ―――」

 チ、と続きそうなところで言葉を止める。本来ならそこで動きを止めるはずだったメタルイーターがまだ動き、振り上げられた水掻きを振り下ろしユリウスとミナトを吹き飛ばしたからだ。幸いソードスキルなしでのブレイクポイント作成で、硬直がなかったがために防御が間に合ったがその体力は多めに減っていた。

「ハイパーアーマーですか、激しく面倒な!」

「巨大ボス系としては結構あるッスけど、あんまり欲しくなかったッスね」

「方針変えんぞ!」

 ハイパーアーマーとは初期にはなかったが最近になって出て来たフロアボスにある特性だ。それは簡単に言うと、怯まないことだ。攻撃を打ち上げて隙を作ったりすることは出来るが一切怯まず、攻撃を与えて相手を怯ませる、スイッチする、攻撃して怯ませる、スイッチと、そのパターンが使えなくなり、戦闘がさらにシビアになる特性を持っている。攻略方法としては壁を多く用意し無理矢理体勢を崩して攻撃すること、もしくはブレイクポイントを作る際により大きく弾き飛ばして隙を作るというのが有効だが、

 人数が少なすぎる。だから方針を変更する。

「俺がAGI壁する!」

 AGI壁とはVIT振りの壁とはまったく違うスタイルで、前線で壁の役割を果たすプレイヤーだ。普通のVIT壁がどしりと体を構え、盾と金属装備で攻撃を受けながらスイッチを積極的に使用し戦うのなら、AGI壁は敏捷力にモノを言わせ高速で走り回りながら攻撃を全て避け続け、避けながらも相手を攻撃しヘイトを稼ぐ。そしてヘイトによってターゲットを取れば回避に集中する、VITの壁と比べると狂気と言ってもいいロールだ。だが現状VIT壁でスイッチ交代で戦うのは難しい。出来たとしても損耗がひどいだろう。ならばここは、

 打って出る。何より、その方が面白い。

 狂気だといわれても結局のところこのアインクラッドでの冒険を確実に楽しんでいる自分が居る。それは否定のしようのない確実な事実だ。そしてこのままリアルに戻るよりはアインクラッドで冒険者で居た方が、自分の人生は何倍も楽しいとさえも確信している。攻略を目指しているがそれは純粋な脱出からの目的ではなく、ただの完全な自己中心的な考えだ。状況に酔っているとも言える。それでも楽しい。ならそれでいい。出来そうな気がするのならば、それだけで十分だ。

「……全力で援護する!」

「やっぱ頭イカレてるッスよ! でも援護するッス!」

 待ってろよ、ッスパシリ。てめぇには終わったら地獄を見せてやる。筋肉に溺れろ。

 胸にそれを固く誓いながらも体を前へと、メタルイーターの横へと回り込むようにして走る。基本的にモンスターに対して稼げるヘイトはダメージを与える相手が一番多い。この場合STRを多めに振っている自分とユリウスだが、ユリウスは壁としての役割として防御行動を優先している。自分がAGI壁としての役割を果たせば攻撃に回ってくれるだろう。そこからは自分がいかにヘイトを稼ぎつつ回避できるかの問題になる。だからカトラスを構え、≪フェル・クレセント≫を放つ。

 一瞬でメタルイーターの横にまで接近するとその横腹を力の限り切り付ける。未だターゲットがユリウスたちへと向かっているため、それをこちらへと向ける意味ももって更に連続でソードスキルを放つ。どうせアーマーを張られてからはこの人数でスイッチはやり辛い。防御している間に横から攻撃してもどうせターゲットがこっちに流れる。だったら早いか遅いかの問題だ。まだユリウスへとターゲットが向いているうちに連続でソードスキルを放つ。普通の攻撃の数倍の威力を持つ技がメタルイーターの体に突き刺さるたびにその体力が削れていく。やっとこっちの方が脅威として認識されたのかその目が再びこちらを捉え、小さいジャンプで旋回してくる。回避動作へと体を移す前に軽くカトラスを振り体を切り付け、こちらを威嚇するように睨む姿へと挑発するように語り掛ける。

「おいおい、一々吼えたり威嚇しなきゃ戦えないのかよダッセェな」

 その言葉が通じたのかどうかは解らないが前足の役割を果たす水掻きが高速で振るわれてくる。バックラーをその方向へと向けたまま体を横へとロールするように転がし、口でカトラスを銜えると≪マルチスロウ≫でがら空きの体に攻撃を入れる。すぐさまカトラスを口からこぼすようにして手で握りなおし、バックステップする。瞬間そこを引っ掻きが通り過ぎ、その余波で体力が僅かに削れる。このまま回避に集中すればその内攻撃を開始した三名にターゲットが流れてしまう。そのようにならないためにも体を動かす。

 迫ってくる巨体の脅威に対して再び体を横へとスライドさせる。総じて巨体のモンスターは旋回が弱い。と言うより少し時間が掛かるためそこが隙になることが多い。だから横へとスライドさせた体から、素早く五連撃の≪ダンスマカブル≫を打ち出し、メタルイーターの体力を削る。そのライフバーは残り半分をきっていた。あと少しがんばればいけると、そう思いカトラスの柄を握りなおしたところで、

 跳んだ。

「……ぁ?」

 前足と後ろ足を使いメタルイーターが高く、広間の天井に届くほどに高く跳んだ。次の瞬間その降りてくる姿を確認して即座にVIT振りの三人は防御体勢へと移り、自分は一人敏捷パラメーターが許す限りの速度でその場から離れた。

 直後、地面へと着地したメタルイーターの巨体が鉱山全体を揺るがしたかと思うぐらいの地震を起こしていた。着地した大地は大きく陥没しておりその衝撃でトウカは少し離れた位置へと押され、ユリウスとミナトは得物を地面に突き刺して耐えていた。そして自分も、その衝撃を受けて吹き飛んでいた。軽くライフバーを見ると今の一撃でライフが一気に四割削られていた。あんなのはもう二度と喰らいたくないと思い、自分の位置が今何処にあるかということを思い出す。

 瞬間弾けるように体を横へとダイブさせるがそれより早くカトラスを握った手が弾かれる。

その正体は舌。メタルイーターの口から放たれた舌での高速の一撃だった。

 この距離はヤバイと、カトラスを拾い再び接近しようとしたところで再び口が開く。バックラーを構えブロッキングでも回避でもどちらでもできるようにして準備をしたが―――

 ―――繰り出された舌はこっちではなくカトラスを捉え、舌でつかむとそれを食べた。

「……え?」

「自信作ー!?」

「……そういう意味でメタルイーターだったんッスねぇ……納得ッス」

「いやまぁ、妙に大人しいと思ったらトンデモ攻撃発覚? やべぇ、二度と戦いたくない」

「私はサイアスイーターになりたい」

「黙ってボス殴れ淫乱ピンク」

「武器はないですけど―――いけますか!?」

 唯一常人のユリウスがこちらを心配してくるがそれには及ばない。武器のスペアはないが、その代わりに二層で地獄の責め苦と共に習得したエクストラスキルが自分にはあるのだ。そう。あの習得条件はまさに鬼としか言いようがなかった。あの情報屋いつか泣かす。

 任せろと、サムズアップを見せながら一気にメタルイーターにまで接近する。即座に復帰したユリウスとミナトが攻撃を開始し、それに追いつこうと自分も敏捷力をフルに活用し即座に一瞬で相手の前にまで到達する。無手にバックラーと言う姿のまま右拳をつくり―――エフェクトを纏ったそれで殴る。

 エクストラスキル≪体術≫の中級スキル、≪ハート・ブレイカー≫。

 エクストラスキルでも≪瞑想≫に続いて有名なスキル≪体術≫の、その中でもこのソードスキル≪ハート・ブレイカー≫はクリティカル率が高い。それを証明するように届いた右拳を中心にクリティカルヒットの証である派手なエフェクトが飛ぶ。そのまま慣性に乗るように体を操る。右拳の打撃から右足の蹴り、左裏拳、踵落し。技後硬直が短いスキルをつなげて使用することで、まるで一つのコンビネーション、格闘ゲームのような流れを持って攻撃を決める。零距離でしか当てることができない上に武器によるダメージ補正が掛からないのが唯一の難点ではあるが、それも連続攻撃の流れでひっくり返す。トウカもユリウスもミナトもそれに負けぬように苛烈な一撃を決める。

 やがて、誰が決めたと解らぬ一撃によって廃坑のボスモンスター≪Metal Eater≫はそのHPを完全に散らした。

 ボスドロップとコルがインベントリに入るのを確認しながら皆で顔を合わせる。誰もが疲弊しており、その体力を最後のラッシュで大きく削られていた。だが誰もが充実感で満たされた顔をしており、そして一拍の間を持ってメタルイーターの巨体のポリゴンが消え去り、

「勝ったッスよ! 勝ったッス!」

「やったぁ!」

「俺達の勝ちだ!」

「勝利」

「ぶっちゃけ、カグヤさん殆ど働いてないですけど」

「……」

「何で無言で俺に向かってメイスを向けるんッスか!?」

「パシリだからじゃないッスか」

「パシリだからッスよねぇ」

「気にしてはいけませんッスよ」

「……ッス」

「酷いッス! 全員酷いッスよ! なん俺だけこんな扱いなんスか!?」

 まあまあ落ち着けと、肩を組んでフレンドリストを可視モードで表示する。そこには自分の知り合ったフレンドの名前が映し出されており、そこからいくつかの名前をピックアップしてミナトに見せる。見えるか、と言葉をおいて、

「コマチちゃん(ビキニパンツのみのマッチョ)と、カメリアちゃん(スキンヘッドのムキムキ乙女)と、
ヒジリちゃん(褐色系廃人マッチョオカマ)を紹介してやっからさ……」

「あぁ、アインクラッドって素晴らしいッスねぇ……! 持つべきものは頼ることのできる先輩ッスねぇ!」

 あぁそうだな。お前が見るのは確実にアインクラッドの地獄だがな。馬鹿め。お前は赦さない。絶対にだ。

 トウカは名前の相手を知っているために笑いを必死にこらえようとしているのが解るが、それをミナトは攻略できた嬉しさと勘違いしているようだ。ユリウスは何処となく気がついて既に黙祷している様子。そしてカグヤは既に採掘へと走り去った。

 とりあえず、

「これで、廃坑攻略完了か?」

≪ダウナ鉱山B2廃坑区画A≫の攻略が完了した。
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| 断頭の剣鬼 | 22:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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