陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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魔法少女リリカルなのはStrikerS ~不良騎士道~ 第28話 不良騎士暴走し続ける

『コーリング。こちらスネークヘッド。スケイルズ、応答せよ』

『スケイル1厨房でスープの仕込みをしてます。これ美味しいからレシピ教えてもらお』

『スケイル2受付で隣の女の子をナンパしてるぜぃ。中々の好感触……!』

『スケイル3立食パーティーに参加している。媚を売る連中がウザイ。死ね』

『スケイル4制服に着替え店内で待機中です……ってあれ、ルシオのパーティー話ってマジだったの? というか死ねはないでしょ……』

『あぁ、マジだ。騎士ウィルフレッド。ホテルを爆破するならこの豚共を確実に葬りたい』


『ルシオさん何を言ってらっしゃるの―――!? 俺っちちょっとルシオさんの過激な発言に超びっくり! ていうか何。ルシオさんそんなにお金持ちな皆様が嫌い? 嫌いなの?』

『豚は死ね』

『やだこの子過激……! でもエリックさんはそういう発想嫌いじゃないよ!』

『お前も死ね』

『あ、俺っちも豚の一匹にカウントされてるのね』

『お前は猿だ』

『何か特別待遇来た!?』

『スネークヘッド! こちらガーディアン6! ターゲット1……カリム・グラシアがホテルに進入しました!
服装は……カソックではありません! 繰り返す。服装はカソックではありません! 青を基準としたドレスとなっています! 化粧もされていて大変美人だと判断できます! 今、映像データをそちらへと送ります!』

『でかしたぞモブ野郎! あとでお前の給料上げるように頼んでおいてやる。今日もカリムは可愛いなあ……』

『……本当にこれ、収拾つくのかな? いや、シャッハを排除した時点でもうストッパーはいなくなっちゃったんだっけ……。うん。だったら楽しまなきゃ損だよね。うんうん。』

『―――スネークヘッド! スネークヘッドへ! 来ました、只今お見合い相手が進入するのを確認しました!』

『よし殺せ』

『判断早いよ!?』

『誰かを確認しました……これは……』

『どうした名も知らぬ警備員!』

『せめて名前で呼んであげましょうよ!』

『見合いの相手が判明しました……が、これは……これは……』

『どうした! 早く答えるんだ!』

『―――ユーノ! ユーノ・スクライアです!』

『裏切り者のクソメガネぇ―――! 血祭りかなのはにあることないこと吹き込んでやる―――!! 行くぞティルフィング! 今こそクソメガネをぶち殺してカリムを強奪する時! 久々にリミッター解除してぶっぱなすぞ!』

『さ、楽しくなってきました』

『年長組が極悪すぎる件』


                   ◆


 びくり、と体を強張らせる。

「どうしたのですか?」

「い、いえ、どこからか凄いプレッシャーを感じたような気がしまして。それより本日は受けていただきありがとうございます。お互いに望んだ場ではないでしょうけども」

「えぇ。しかし親の都合と言うものがありますからね。顔を立てるには参加しないわけにはいきませんね」

 相対するように座るカリム・グラシアはそう言って。ユーノは軽く苦笑する。ユーノもカリムもまだまだ結婚する気などない。だが親は違う。彼らからすれば早く結婚して孫の一人でも見たいのだろう。ユーノはまだまだ無限書庫で働き続けたいし、カリムも教会でやるべきことがある。だからと言って親の好意をないがしろにも出来ず、スクライアとグラシアの間で進められた縁談を会う前に否定することはできないのだ。そのため、ユーノとカリムは互いにこの話を形だけの見合い、とする事で合意を得ている。

「まぁ、お互いに他に意中の人がいるようですし」

「僕となのははそんな関係じゃないですよ」

「あら、私は別に高町さんだとは言ってませんよ?」

「いえ、よくなのはとの関係をからかわれますからそう言う時は大体なのはの事ですから」

 ユーノは積極的に自分をからかってくる赤毛の騎士を思い出す。何時も破天荒な行動ばっかりだが、ちゃんとした信念をもっている男だと言うことは知っている。と、そういえば、とユーノが思い出す。

「"互いに"と言うにはカリムさんは勿論誰か意中の方が?」

「えぇ。今更隠す気などないですけど。とりあえず秘密、という事にしておきましょうか」

「それはそれでなんだかずるい気もしますね」

「良い女、というのはそれなりに秘密を持っているそうですよ」

 カリムが片目を閉じてウィンクする仕草が何処か色っぽく、ユーノがほんの少しだけだがドキ、っとしてしまう。


                   ◆


『殺る。殺れ。殺りに行こう』

『どーどーどー。落ち着こうよウィル。殺るならもっと証拠を押さえてね? もっと色々現場映像集めてなのはちゃんに見せつけようね?』

『まだ水さえ飲んでないんだぜ……これ……』

『メニュー貰う前でコレとか』

『良い感じに混沌としてるなあ……』


                   ◆


 ユーノは再び背筋を撫でる悪寒にホテルの空調が壊れているのだと自身に信じ込ませる。そこでウェイターがテーブルの上に置いてあるグラスに水を注ぐ。

「お客様、此方がメニューとなります」

 メニューを決めたら及び下さいと言ってウェイターが下がる。受け取ったメニューを開き、そこに書かれている料理の値段を確認する。そこに書かれている値段に若干驚きを得る。

「うわ、高いですねこれ」

「そうですね。一般的なレストランとかと比べると若干高いですけど、そのぶんは味を保証しますよ」

「その口ぶりから察するとカリムさんはこのレストランに来た事が?」

 いいえ、と首を振るが、

「ここのは出張店みたいなもので、本店の方に昔一度だけ行った事があります。誕生日なんてすっかり忘れてたのですけれど、いきなり呼び出されたと思ったら高級なレストランでして……。普段は金欠で苦しんでいるはずなのにいきなり高級店へ連れてきて嬉しさの前に心配してしまいましたよ」

「あー、それはなんというか……似たような知り合いが一人近くにいますのでその気持ちはなんとなく解りますね。でも、そういう人に限っていざ、という時は役に立ったりしません?」

「しませんよ?」

「あ、そうですか」

 ごめんよウィルフレッド。とユーノが何故か心の中で友人に黙祷を捧げる中で、カリムがメニューから料理を選ぶ。最新式の電子メニューではなくレトロな紙製のメニューなため、選んでからウェイターを呼んでオーダーしなければならない。ミッドチルダというよりも科学技術の進んでいる管理世界では結構珍しいタイプだ。雰囲気を壊したくない高級店では割とよく見かけられるのだが、カリムの手馴れた姿からして結構経験があるようだとユーノは判断した。

 カリムがどうやらオススメのメニューを知っているらしく、ユーノは素直にカリムのオススメを食べる事にする。

「ウェイターさん?」

「はい、此方に」

 直ぐ傍に待機していたウェイター、マーシュが笑顔と共に接近する。


                   ◆


『スケイル1へ命令だ。メシに毒を入れろ。なに、ちょっとピリ、ってしたら痙攣しだしてフリークに見えるだけだ』

『此方スケイル1。任務了解。ユーノ・スクライアの分のスープに毒を入れました。
スケイル4、カウンターにスープを載せたからサラダと一緒に持って行ってくれ。うーん、勉強になるなあ……』

『え、やったの? マジでやったの? え、何これガチなの? ホテルとしていいのこれ!?』

『隠蔽するから問題ない。そろそろ豚を斬っていいか』

『お前は堪えろよ! 刃物振り回すなよ!』


                   ◆


「スープをお持ちしました」

 ウェイターに扮したマーシュがトレイに載せたスープとサラダを運んでくる。ユーノとカリムの前に揃えられたそれをユーノ達は疑う事無く口にしようとしている。

 が、

『おい、スケイル4! 逆! 毒の入ったスープと入ってない奴が逆!』

『え?』

『マァァアシュゥゥウウウウ!!』

 マーシュは悟った。

 今、ユーノの命よりも自分の命が危ないと。たぶんガジェットに囲まれた時よりも絶望的にヤバイ、と。

 何故タカヤは毒の入ったスープを指定してくれなかったのかと心の中で恨みつつもマーシュは全力で考える。この状況を、絶望的に自分の命が危ない状況をどうやって抜け出すかを。今、この人生最大のピンチをどうやって抜け出すかをマーシュは全力で考えている。手の中にあるのはトレイと水差。ユーノは笑顔でスープを飲み、カリムもスプーンに手を出している。そして念話を通して上司の呪詛が聞こえてくる中、

 マーシュは去るように足を踏み出しながら滑った。

『その手があったか!』

「うわあー」

 どこか感情の篭っていない声で叫びながら滑ったマーシュは前へ踏み出しつつ後ろへ倒れて行く。それを見たユーノとカリムが驚くが遅い。マーシュの手に握られていたトレイと水差は驚いたように見えるマーシュの手から放たれ背後へ、つまりはユーノとカリムの座るテーブルに向けてぶち撒かれる。

 一秒後、水差からぶち撒かれた水がスープやテーブルの上を濡らし、ユーノとカリムにもかかる。スーツ姿のユーノとドレス姿のカリムも水浸しになる。

 ……毒入りスープを飲むのを妨害できたぁ―――!!

 その思いが脳内を駆け巡るのと同時に、

 騎士カリムを水浸しにしてしまった―――!!

 と、新たな死亡フラグが立つのを感じた。既にフォロー不可能な段階へと来てしまった。これはいよいよを持って辞世の句でも語るべきなのかと思ったが念話を通して聞こえる声は違った。

『ナイス! ナイスだマーシュ! 良くやった! 濡れた姿なんかエロイぞ! 保存だ! 迷わず保存だ!』

 上司の脳が腐ってた。今日のキャラの崩れっぷりが酷いが、多分明日辺り頭を抱えるのだろう。それを心配するのは自分の仕事じゃないから、と頭の中で軽い逃避をしながらすぐさま立ち上がりカリム、そしてユーノへ向けて頭を下げる。

「お客様、本当に申し訳ありません! まことに申し訳ありません!」

 すぐさま頭を下げるマーシュは内心修羅の怒りから逃れられた事にほっとしつつ、二人を店内の外へ誘導する。ユーノもカリムもホテルが用意した服に着替え、また別の席で食事を続けるつもりだ。

 まだまだ混沌とした見合いは続くようだ。
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| 不良騎士道 | 15:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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