陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-33

 第四層。そこへ再び踏み込む。生徒会からのサインで既に再構築が完了しているのは知らされている事実である。故に恐れることもなく、再び迷宮へと入り込んだところ、全身を通過する様にプログラムが走るのを目視する。プログラムの内容を軽く解析する程の技量は自分にもある。だがそれを解析する前に、横に出現したシャヘルがあっさりと答えてしまう。

「うん? 医療用スキャンじゃないか」

 ときどき思う事だが、この相棒は何故ここまで電脳空間で使用される技術に関して詳しいのだろうか? 一応電子技術に関してはハッカーである此方の領分なのだが、スコラ編少し秘境ではなかろうか。

「なにを馬鹿な事言ってるんだ。俺がまだ人間だった頃は電子技術が一番発展していた時代だぞ。というか、量子通信技術を確立させたメンバーの一人が俺だ」

 ドヤ顔でシャヘルがそんな事を言うが、量子通信技術って凄まじい技術だ。何せそれは霊子通信技術のベースであり、そしてその発展には必要不可欠な技術だったからだ。―――まて、色々と情報が多くて混乱している。え、元人間? 神霊? 英霊?


 だがそんな事を考える暇は与えられず、迷宮側から声が来る。

『―――チェック完了』

 それはラニの声だった。明らかに迷宮の奥で待ち構える様にするラニの声だ。

『それではこれより採点を開始します。この先には様々な試験が用意されています、それを突破しつつここへと辿り着いてください。ちなみにですがここでのルールは非常に簡単であり、ある事を念頭に置いて行動すれば大丈夫です。それらとは、1.無駄な行動をしてはならない。2.常に完璧でなくてはならない。3.一つのミスもしてはならない』

 それはラニを見ていれば気づく事だ。パーフェクショニスト、完璧主義者的な所がラニには少なからず存在している―――今の言葉はラニのそう言う部分を表しているが、

『4.曖昧な行動をしてもよい。5.たまには失敗してもよい。6.一つぐらいのミスをしてもよい』」

 次に出てきた発言は先ほどのラニ言葉を全て否定するものだった。その発言に若干首をかしげていると、更にラニは言葉をつづけ、今度こそ完全に混乱する。

『7.肉食系よりも草食系の方が好ましい。8.褐色系よりも冷色系を好むべき。9.メガネ女子は至高である』

 もはやただの願望じゃねぇか、と頭を抱えて叫んだ。通神の向こうから桜の声が落ち着けと言ってくるが、今の自分は誰よりも落ち着いている。あぁ、大丈夫。あい・あむ・べりー・くーる。超落ち着いている。超落ち着いているのでさっさとラニの素っ頓狂な発言の真意を探りに行こう。

「Jud.」

 ……?

 今シャヘルが返事として何か聞きなれない言葉を使用した気がするが。

「どっかの世界、どっかの時間、なんらかの挨拶だよ。……ネタの引き出しは結構広いんだ」

 まあ、ツッコミ続けてたらそれだけで世界が終わりを迎える程時間が経過しそうだ。とりあえずシャヘルを横に連れて迷宮の探索を開始する入り口から見て既に最初は行った時と全く違う構造をしているのは見えていた。前へと進むとすぐに分岐が見え、その先の小部屋にアイテムフォルダが見える。

 露骨に怪しく開いている扉がある。

 ……が、無視するわけにもいかないので回収の為に小部屋へと向かおうとした瞬間、目の前でシャッターが下りて、小部屋を入り口で封鎖する。それと同時に、ラニの声が迷宮に響く。

『無駄な行動、マイナス20点です』

「なるほどな」

 シャヘルがそう言う。

「念頭に置けつった事から離れた行動をすると減点されるわけか。次がある程度には有情だな」

 大体予想できたことだったな、というのに頷く。まあ、何というか実にラニらしい発想だと思う。だがそれとは別にアイテムで此方を釣ろうとした事は絶対に許せない。ゲーマーをアイテムで釣っておきながらお預けなんて鬼畜外道の所業を決して許す事は出来ない。

『そうッスそうッス! アイテム回収したいのにできない、その葛藤を生み出した罪を知れッスよ!』

『カリギリさん……』

 桜の呆れた声が聞こえてくるが、それに軽く苦笑しながら再びまあえへと進む。再び分岐へと差し掛かるが、真直ぐ進んでもシャッターが下りていて先へと進めない事は見えている。だから仕方がなく分岐を曲って進むことにする。が、その先にはエネミーの姿が少々多く見える。倒して進むしかないが、ガトーを救い出した後の事を考えると少しだけ時間が惜しい。

『ならなんでアイテムの回収を優先したのですか?』

 あー。あー。あー。なーにーもーきーこーえーなーいー。と、いうわけで何か手段はないのだろうかシャヘルちゃんよ。

「あるぞ」

「マジか」

 自信満々のシャヘルを横につれて、前へと進む。そしてエネミーが戦闘可能な距離までやってくると、シャヘルが手を背中へと伸ばす。もはやそれだけでこの先に何があるのか予想できた。だがネタは途中で邪魔すると後まで尾を引く。とりあえず黙って最後まで見ておく。

「てれれれっててー! 謎の生物ー!」

「にゃーん!」

 背中に、神の下に隠れていたらしきネコアルクを引っ張り出したシャヘルは見事な茶番劇をやっている。そしてネコアルクをまるで銃を構える様に握り、低く体勢を整えると、ネコアルクの視線をエネミーへと向ける。

「GO!」

「真祖ビ―――ッム!」

 次の瞬間、ネコアルクから放たれた真祖ビームがエネミーを跡形も残さず完全に消滅させる。たぶん、というか確実に今、自分たちが出せる最高火力の威力を超えている。ほぼ反則の領域だ。だからこそ、

『流石にそれを使われてしまったらどうにもならないので―――それを、没収です。センチネルの権限で強制排除します』

「え、ちょ、今回の私の出番これだけぇ―――!?」

 ネコアルクがラニによって迷宮の外へと強制退去させられた。シャヘルは静かに、手を数秒眺めると、急にストレッチで体をほぐし始め、

「さ、探索を続けようか!」

 今までの事をなかったことにした。……まあ、それで正しいのだろう。前を向けばまだまだエネミーの姿は確認できるが、相手は問題となる強さではない。蹴散らし、回収しながら前へと進む事は今までやってきた事と一切変わりはない。





 エネミーひしめく通路を抜ければ、今度は中央に回復用の泉がある広場へと到着する。入り口から見て、シャッターの向こう側の広場だ。無傷というわけにもいかず多少のダメージと、そして魔力的損耗はある。おそらくラニの設置したものだが、有難く利用する事として、泉に触れ、中身を飲む。

 ―――相変わらずマズイ。

「まあ、これで回復するんだからありがたいよ。湧き出てるエリクサーの様なもんだぞ、これ」

 無限エリクサー……これ、ビンに掬って売る事は出来ないだろうか? ほら、エリクサーって貴重な回復アイテムだし。10個ぐらいは持ち歩いておきたい気がする。

『そんな事をすればもちろん消します』

「ですよねー」

 人生そんな上手く事が運ぶわけがない。溜息を吐きながら噴水に背中を向ければ、シャヘルが大太刀を肩の上に乗せて目の前の空間を睨む。そうして正面に出現するのは平べったいヒトガタのエネミーの存在だ。おそらく、というよりは確実にラニが此方へと送ってきたエネミーだ。そしてそれの出現と同時にい広場にあった全ての出口が封じられる。

『―――今までの戦闘を評価したところ、50点と採点します』

 そういえばアイテムフォルダの時も採点してたな、と思いつつシャヘルと共に横へ少しずつ移動する。流石に噴水が真後ろにあるとバックステップで避けるスペースがないのだ。ルーン魔術を使用するための礼装をちゃんと装備している事を手を開け閉めしながら確かめ、エネミーを見る。

『ですがそれでは足りません。完璧を狙ってください―――完勝するまではここから出さないつもりなので』

 そしてラニの声は聞こえなくなる。残されたのはエネミーと此方だけで、このエネミー相手に完勝しない限りは先へと進ませてくれないのだろうが、さて、相手は初めて見るタイプのエネミーだ。此方の筋力はD-相当、支援をいれてDが限界レベルだ。刹那的なブーストを考慮すればD+が最大だろう。すぐ近くに噴水があるので魔力を大量に使った限界ブーストの使用も考慮しておく。

 ともあれ、

「温い」

「ハッ!」

 シャヘルが踏み込むのと同時にエネミーは素早く反応し、攻勢に転じてくる。素早く攻撃してくるその姿は此方との相討ちを狙った動きだというのが一瞬で解る。だからこそ、温いと言ってやる。

「スキルにすらならない大道芸をお一ついかが?」

 接触の瞬間、シャヘルの刃がまるでグニャリ、と歪んだ。いや歪んだように見えただけだ。体裁きと技術、それを持ってまるで歪んだように刃の動きを見せているだけだ。

 サーヴァントは宝具とスキルだけだとは思ってはいけない。

 彼らは生きている。

 料理が得意であれば、花が好きなサーヴァントがいる。

 歌を愛し、壊滅的に人格が破たんしたサーヴァントもいる。

 サーヴァントはマトリクスとスキル、そして宝具に書かれている事だけではなく、それ以上に多く内包している存在だ。スキルにもならない、マトリクスにもかかれない、彼らだけの秘密や、そして技術というものは多く存在している。それに気が付くのはクラスを失って、そして記憶を失って、本当に何かないかと必死になって探したから、というのは実に皮肉だ。

 ……もうちょい、シャヘルとの交流の時間を作ろうかと思う。

 ともあれ、

 ―――シャヘルの刃はすり抜ける筈だったのを完全に切り払いへの動きへと変化し、相手の攻撃をいとも簡単に切り払う。

「無拍子の斬撃やら回避不能の乱打とか、良く良く考えればスキルの圧倒的性能にかまけちゃって使わなくなった技はいっぱいあるよな」

 全く勿体ない話だ。

 シャヘルへと魔力を送りこみ、攻撃スキルを発動させる。猛々しき剣、アッタル。曙の神格、シャヘルとは同一視されどまた別としてカウントされている者だ。その名を表す剣技は戦神を表す様に猛々しい光を刃に映し、そして切り払った相手へ、シャヘルが回避不能、防御不可能、誘導と死角の斬撃を叩き込む。一撃だけだったはずの斬撃は複数の軌跡を生み、最終的に八つの斬撃へと変化する。

 これが、エリザベートとの戦いで見せたあの攻撃スキルの変化の真実。

「いっちょあがり」

 敵に背中を見せ、西洋剣を手の中で一回転させ、床に突き刺す。その動作が終わるころには大太刀から西洋剣へと姿を変えていた得物は再び大太刀へとその姿を戻し、そしてシャヘルの背後で攻撃を受けていたエネミーは八つのパーツへとバラバラに分解させられていた。

『マーヴェラスです白野。面白い発想ですね』

『やるじゃないはくのん』

『流石です先輩』

『そっちは私みたいに凡人系だと思ってたんですけどねー……ちょびっとだけ裏切られた気分ッス』

『やはりこの程度、私だったらパンチ一発ですね……』

 生徒会の方でも今のはチェックしていたらしい。そしてバゼットよ、お前は本当にどうにかしている。既にサーヴァントの領域に殴りこんできているのではないかと疑う……というか確実に乗り込んでいるだろうコイツ。

 ……しかしまあ、こんな一撃を、しかも限界まで振り絞ったブーストを受けた状態でエリザベートは気絶する程度で済ませていたのだ。なんなんだアレ。なんというか、あまりにも卑怯過ぎるだろ。

 まあ、今はそんな事よりも先へ進む事だ。

 腕を組んで、で、どうだった、と声を出して聞いてみれば、

『戦闘評価に30点プラスしましょう。スキルを一切使用せずに完勝していればなおよろしかったのですが。では障壁を解放します』

 ラニが完勝を認めるのと同時に封鎖されていた入り口と出口が解放され、先へと進めるようになる。この広場には他に何もない事を確かめ、もう一回だけ噴水で魔力を回復させ、先へと進む。

「―――プロメテウ―――ス!!」

 ……迷宮の奥から聞こえるガトーの魂の叫びを耳にし、モチベーションをがりがり削れながらも、早くラニにぶち当たれることを祈り再び前へと進む事とする。




 CCC男勢は全員馬鹿でいい奴だったよ……。
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| 断頭の剣鬼 | 22:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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