陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

CCC-29

 転移が終わり、周りの空間が切り替わったと認識するのと同時に自分が旧校舎の校庭へと戻ってきたのを認識する。疲れと緊張から解放された事から大深く息を吐き出しながら膝を大地に突く。生きて帰ってこれた。アレだけの強敵、BBを相手に生き残れたことが奇跡に近い。自分の読みが正しければ、自分たちは間違いなくBBに見逃されたのだ。妨害を振り払う事は出来たが、その後すぐに相手が捕まえられたのは明白だ。

 ……いや、まあ、本当に恥ずかしくて逃げられた可能性もあるけどさ。

「っ、無事なのね……?」

 凛が疲れを隠しながら声を漏らし、旧校舎の外観を見て、此方へと視線を向けてくる。

「で、どうせ集まってるんでしょ? どこなの?」

 生徒会室の事を言っているのだろう。視線を持ち上げて、二階の生徒会室の方角へと視線を向ける。それでどこに生徒会室があるのかを凛は察して、歩き出す。その足取りはしっかりとしていて、先ほどまで倒れていた様子を見せない。


「じゃ、私は先に行ってるわね」

 そう言って凛は校舎の中へと消えてゆく。シャヘルと共に並んで、桜の樹の前からその光景を眺めていると、シャヘルが言葉をぽつぽつと漏らす。

「本当は部屋で休みたいし、引きこもりたいんだろうなぁ……精神的にも、肉体的にもかなりの負荷がかかっていたはずだ。それでもそれをないかのようにふるまい、そして働こうとしているんだ。ああいう友人は本当にかけがえのないものだから大事にしろよ? 俺だったら間違いなく1日は布団の中に隠れているから」

 言われなくても大事にする。凛はかけがえのない友達だ。だからこそああやって辛い所を見せようとしない姿に心配し、そして安堵する―――アレこそが自分の知る遠坂凛という少女だからだ。

『何をボサボサしている。早く上がって来い』

 どうやら少しゆっくりしすぎたらしい。端末からユリウスの声がする。どうやら自分以外のメンバーは全員そろっているらしい。これ以上待たせるのは悪いので、駆け足で旧校舎へと入り、一気に階段を駆け上がる。すぐ後ろをシャヘルがついてくる。ネコアルクは姿を見られるのを嫌ってか、いそいそとシャヘルの髪の中へと自分の身を隠し、生徒会の扉まで到着する。軽くノックしてから反応を待つまでもなく、扉を開ける。

 そこにはジナコを覗いた全員が揃ってた。

「お帰りなさい白野。これで全員そろいましたね」

 凛がレオを少し驚いた様子で見ている―――あぁ、そうか。そう言えば凛はレオに現れている変化を知らないのだった。だがそれを気にするまでもなく、レオは話を続ける。なので、レオの対面側である椅子に座る事とする。見れば凛も既に自分の席を見つけて座っているではないか。

「では此方が今回の最大の成果で遠坂凛です。まずはお帰りなさい凛、というべきなのでしょうか。これで少し情報が増えればいいのでしょうが……」

「悪いけどあまりそっち方面では役に立てないわよ? 私が邪魔をしていた時はまるで夢の様な感じで、夢から覚まされた感じだから。知っていたはずの情報が脳から抜け落ちている感じよ。というかレオ、貴方って誰かを呼び捨てで呼ぶほど親しかったっけ?」

 凛の言葉にレオはニコリ、と笑みを浮かべて答える。

「この際ですからもう少し皆さんとフレンドリーになろうかと思いまして。えぇ、この月の裏側だけでの共闘関係ですが、学生生活なんてもの味わえない者でしたから。この際はっちゃけられるだけはっちゃけて見ようかと思ったりしまして。ともあれ、白野からはいずれ絶対に10万サクラメントは押収します。無理なら体で払ってもらいます」

「マスターにエロイ事するんでしょ! エロ同人誌みたいに! エロ同人誌みたいに!」

 ノータイムで馬鹿な事を言うサーヴァントの頭を叩く。ペシーン、と言い音を鳴らしながらサーヴァントを黙らせ、レオに話を続けさせる。

「こほん、では話の続きとなりますが―――皆さんが想像しての通り、第三者、”黒幕”の存在を確認できました」

 無論、BBの存在の事だ。彼女が凛を洗脳したという事実はもはや疑う必要はなく、そしておそらく、というか確実に、

「彼女が僕たちの記憶を奪い、そしてこの旧校舎へと放逐した人物でしょう。サクラ、AIである貴女から見てBBという存在はどういうモノでしょうか?」

 視線が桜へと集まる。その状況の中で、桜は断言する。

「―――アレは壊れています」

 壊れていると表現した。

「確実に私と同型機のAIです。役割りもおそらく私と同じく”マスター達の健康管理”とのはずですが、あのAIは壊れているか、もしくは完全に暴走しています。その原因も理由も解りませんが、本来は健康管理の範疇を超える行動を取る事が出来ない筈です……」

「だから壊れている、との表現ですか。暴走であればあくまでも”健康管理”の大義名分での行動ですが、明らかにその範疇を超える行動という事で壊れている、という事ですか」

 バゼットの言葉に納得する。なるほど、確かにAIはその根幹からシステムに縛られている存在、その設定を超える行動は出来ないのだ。だがあのAIは設定以上の事をしている、間接的にだが此方を害する行動を取る事が出来ている。明らかにエラーとか、そういう次元じゃない壊れ方だ。

「ちなみに本来はマスターへの攻撃行為も禁止されているはずなのですが、先ほどビーム攻撃を受けた事によって自己防衛機能が働いています。そこが壊れていた、壊れていなかったにしろ、確実に攻撃できるようになっているはずです」

 視線がシャヘルへと集まる。だがシャヘルは気にした風もなく、

「これで攻撃されるって解ったな!」

 反省の色はなかった。だが実際、逃げるためにはアレも必要と言えば必要だった。ともなれば、強く攻める事は出来ない。問題はもっと別の事で、BBに対してどうするか、という話だ。

「しかし困ったな」

 ユリウスがつぶやく。

「登場されたのは良い。逆に相手を想定して動けるという事だ。だがそれとは別に相手の意図がつかめない。何が目的で、何をしようとしてここへ連れてきたのが解らないな」

「そうですね、兄さんとバゼット、あと白野にはそこらへんの調査も頼むと思います。ですが―――」

 レオは視線をキアラの方へと向ける。

「―――貴女は元々BBの存在を知って、そして黙っていましたね?」

「……」

 レオが鋭い視線をキアラへと向け、そして生徒会室が一瞬の静寂に包まれる。レオはあてずっぽうでそんな事を言わない。ちゃんとして証拠を集め、そして理論を組み立ててからそういう発言をする。だからこそ、誰よりも早く反応したのはシンジだった。誰よりもキアラに対して入れ込んでいたのは彼だ。というか惚れた弱み、というやつだろう。

「ちょ、ちょっと待てよ!か……キアラさんが知ってたという証拠はどこから来るんだよ!」

 シンジの言葉にレオは淡々と答える。

「一番最初に怪しく思ったのは初めて彼女を見た時でした。……あまりにも取り乱しがない。落ち着きすぎていると、そう感じました。次に白野が勧誘へと言った時に”慈悲がある”と、まるで知っているかのような発言をしました。そして最後、BBの存在を知った貴方は彼女の姿を見て驚きはしなかった。―――僕でさえ桜と同じ姿という事で驚きを得たのに、貴女はしなかった。以上の事から貴女が最初からBBの存在を知っていたと推測しますが、どうでしょうか?」

 レオの言葉をしっかり受け止め、キアラは頭を下げる。

「申し訳ありません。確かに私は最初からBBの存在を知っておりました―――ただ隠していたのではなく、話せない事情がありました」

 そう言うとキアラは頭を上げ、

「実は私、正規の舞台でBBと遭遇しておりまして、その際存在を黙り、そして脱出をする、そして脱出の自主的協力をしなければ見逃してもらえるという慈悲を貰っています。故に今までBBの存在も、その行動をいう事も出来ません」

 キアラの言葉は筋が通っているが……どこか、何か、引っかかるものがある。まあ、気のせいかもしれないが、露骨に嫌そうな顔をしているシャヘルの頭を叩く。貴様そんなにキアラが嫌なのか。いわゆる生理的に受け付けない、というやつなのだろう。ここまで何かを嫌うシャヘルの姿も中々に珍しいものだと思うが、

「では―――」

『―――BBちゃん対策会議の続行ですかぁ? 残念! ここからは可愛い可愛いBBチャンネルのお時間です!』

 それは紛れもなく桜―――いや、BBの声だった。それが校舎内に響く様に聞こえていた。楽しそうな、明るい声。が、それは間違いなく強者の余裕だという事が解る。

「ッ!?」

「回線に進入されました! 防壁をフルに稼働して―――ダメ、視覚と聴覚だけ乗っ取られます!」

『さ、ダメダメ桜がダメダメな所が解った事で行きますよ―――BB、チャンネルー!』

 瞬間、視覚と聴覚がジャックされたのを理解する。

 ―――その一瞬で全てが切り替わる。

 まるでテレビの中身を強制的に見せられている様に視界が切り替わる。白い空間に花びらが舞い、BBのカラフルなシルエットが映り、そして文字が浮かび上がる。

 Are you enjoing this?

 楽しめるかよ。

 次の瞬間、迷宮の一角、もしくはどっかの空間、絵の描かれた板を背景に置いたBBが歩きながら登場する。

「はぁーい皆様こんばんわ、悪い子は愛の鉄拳で制裁しちゃうBBちゃんでーす!」

 BBの服装を見る―――なるほど、スカートが少しだけ長くなっている。前の短さだったら前から見てもパンツが見えそうな気配がしていたが、どうやらその点を改善してしまったようだ。なんというか、お前には非常にがっかりだよBB。痴女で通るのなら最後まで痴女としての維持を見せて貰わないと非常に困る。

「痴女なつもりはありませーん! ふぅ、何かペースが崩されてゆく感じがしますが、まあ、いいでしょう」

 教鞭を握ったBBが此方へと向けて教鞭を向ける。

「はい、ようこそBBチャンネルへ! ここでは先輩以外の皆さんは全員等しく犬なので発言の自由はもちませーん! ですので外野の皆様は心の中で静かにわんわん鳴いててくださいね? ではじゃじゃーん!」

 教鞭を振るうと上から紙吹雪とライトがBBに降り注ぐ。

「そして月の表の聖杯戦争を中断して、センパイ達を月の裏側へと攫ってきたのもBBちゃんです! そこに関しては大・正・解、センパイには二重丸を上げましょう」

 くるくる、と強弁で二重丸を描いてから、BBは腕を組む。

「で、どうでした? 私の事が解りました? なにが目的か解りました? もちろん解るわけありませんよね、BBちゃんはヒントを一つも出していませんからねー!」

「その代わりにパンツは出してたな」

「……」

 その言葉にBBはフリーズした。見逃されたのはとはまた別に、どうやらあのモロパン事件は彼女自身、かなり恥ずかしい事件だったようだ。しばらくはこれでBBに対して苛めの材料が出来た。顔を少しだけ赤くしたBBが教鞭を向けてくる。

「さ、さて、愚かなセンパイの為に今日は軽い解説をしようと思います。ではでは―――サクラ迷宮と貴方達が呼ぶ迷宮に出現しているあの壁は一体なんでしょうか?」

 ふざけたような声だが、質問は至って真面目だ。そして、自分に理解できるのは―――あれがシールドであり、ウォールであるという事だ。

「はい、正解です。こんな簡単な質問を間違えたら流石にセンパイの事を16bit扱いしなければいけませんでしたね」

 何処からともなくど、っと笑い声が湧きあがる。おそらくBB側で用意した演出だろう。チャンネル、と銘打っているのだからそれなりの準備をしてきたのだろう―――暇なのか、こいつ。

「マスター、マスター。あまりそう言う事言っちゃ駄目。落ち込んじゃうから……ぷふっ」

 お前も笑ってるんじゃねぇか。

「ん? なんでシャヘルさんの方も喋っているんですか? ……あぁ、センパイとラインを共有しているんですね、忌々しい……ま、いいですよ。正解したセンパイには説明しましょう。あのシールドはBBちゃんが生み出した画期的なシステムです! なんと乙女の心をプロテクトとして使っているんです。花も恥じらう乙女の心、その花びらをセンパイ達は野暮にも散らさなくては進めない―――既存のロジックは一切通じない、心との衝突、それがあのシールドです。非常に強固、普通の手段では壊せない代わりに、また適応する人物を見つけるのにもすっごーい苦労しました。なんと聖杯戦争参加者の全マスターの中から見つけられたのはたったの二人!」

 ―――二人、つまり、

「はい、もちろんもう一人いますよ」

 では、とBBが言って、教鞭を振り上げる。

「お呼びしましょう! 第四層から六層までを守る”センチネル”の―――」

 BBが教鞭を振り下ろした。軽い煙の爆発とともにある人物の姿が登場する。

 褐色、白のセーター、スミレ色の髪、そしてメガネ。特徴的な彼女の姿を、見間違えるはずはない。

「アトラス院の最高傑作、ラニ=Ⅷさんでーす!」

 ―――現れたラニの姿に、新たな嵐の到来を予感した。




顔を真っ赤にして恥ずかしがる涙目のBBちゃんかわいい! 腹パンしたい!        バンバン>
スポンサーサイト

| 断頭の剣鬼 | 16:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://tenzodogeza.blog.fc2.com/tb.php/433-4fc9a43c

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。