陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-28

 光が消えると、世界はあの戦闘の舞台―――ではなく、第三層へと戻った。凛が正気に戻った事によっておそらく心のあの舞台は消えたのだ。となれば、自然と元のいた場所へと戻るほかはない。

「痛っ」

 声の方向へと視線を向ければ、床に倒れるシャヘルの姿がある。何をしているのだろうかと一瞬考えたが、良く見ればシャヘルの下にいたはずのエリザベートの姿がない。おそらく脱出と同時にエリザベートも消えたのだろうか? たぶん、そのせいで転んだのだろう。なんというか実に情けない姿だ。それでもギリギリスカートの中身を見せない鉄壁っぷりは凄まじいと思う……横から若干見えているのだが。

 ともあれ、凛を連れて全員で戻ってくる事に成功した。キアラとアンデルセンの姿がないが、おそらく両者共に、先に旧校舎へと戻ったのだろう。ここは危ないし妥当な判断だと思う。


「アレ……私……?」

 凛が目を瞬かせながら起き上がる。完全に意識は覚醒しているようで、顔を振ってから、しっかりとした目で此方を見てくる。そして、

「はくのん……? え、いや、待って。ここにいるっていう事は嘘じゃない? 夢じゃない? ……うぁぁぁぁあああ!?」

 顔を赤くした凛はそれを隠すように背を向けて、抑える。立ち上がったシャヘルが頭にネコアルクを乗せたままやってくる。

「うん、まあ、記憶がなくなってないとなるとこれ、凄い羞恥プレイだよな」

 あぁ、やっている事はつまり自分の恥さらしなのだ。秘密にしたい事を全部さらけ出して、しかも秘密をベースとした行動をとって、それでいて最終的には……なんというか、凛にはもう同情するほかないというか、良くここまで醜態を晒せたなあ、という感心さえある。振り返ればツンデレ、金に汚い、M願望と凄まじいイロモノ臭しかしないSGのラインナップ、これを突きつけられたうえで正気に戻ったのだ。そりゃあ死にたくなる。

 とりあえず凛を煽るか、心配するか、どっちの路線で行くべきなのか激しく悩む。今なら煽ってもギャグだ、と言えば許してもらえるような気がするが、同時にセブンカラーズ・クラッカーをこの場でぶっぱされそうな気もする。うむ、普通の人間が食らえば確実に即死級の威力だ。そんなものは絶対に食らいたくない。だからたんたん、と凛の肩を叩く。大丈夫、と声をかけると、此方に凛が視線を向ける。

「え、えぇ大丈夫―――!」

 此方に凛が視線を向けた瞬間、何かを思い出したような顔をする。そして急ぐように凛が言葉を吐きだしてくる。

「早くここから出るわよ! 聞こえてるんでしょレオ!? 早く私達を出して!」

 急に、何かから逃げる様に焦る凛の声が迷宮内に響く。返答は素早く、端末の向こう側から反応するレオの声が聞こえる。

『”黒幕”の存在ですか! 兄さん、強制転移させます、手伝いを!』

『了解した』

 黒幕、そう、黒幕。凛のこの惨状を見ていれば、このSGの防壁も、こんな状態になった凛も、全て彼女の意志でなった訳ではない事が解る。だから、確実に悪意の第三者は存在するのだ。存在しているのだ。そして凛がこんなにあせっているのは―――その存在を知っているからに違いない。

『準備―――』

 レオが素早く強制転移の準備を整え、完了させるが、それは完了しない。そこでレオの言葉は途切れ、通信は通じなくなる。静寂が訪れ、そして足音が響く。

 コツン、コツンと、音を鳴らしながら誰かが歩いてくる。

 サクラ迷宮の第四層へと続く通路の方から、空中を歩いてくる姿がある。

 黒いローブに白い服装、長い、スミレ色の髪。そして特徴的なリボンを片側につけている。服装は違うが、その姿は、誰よりも知っている人物のものだった。見間違えるはずはない。その顔の持ち主は―――

「―――さ……くら……?」

 間桐桜と全く同じ顔をした存在だった。あくまでも顔だけだ。その恰好は違うし、空中を歩く事など桜には不可能だ。何よりも此方へと向かってきているあの桜は、旧校舎で保険医をしている桜よりもはるかに邪悪というべきか、もしくは嫌な気配をしている。敵意も殺意もない。

 だがそこには確実に、強者にのみ生まれる様なプレッシャーがあった。

 息をのみ、桜の様な存在を見上げる。彼女が桜であることは間違いなく”違う”と確信できる。おそらく―――AI、桜と同型機。たぶん、そんな存在だ。だが一介のAIにここまでの権限が、此処までの力があり得るのだろうか? 少なくとも、此処まで力をつける事はどうしてもありえないように思える。だが、今はそんな状況ではない。

 まるで蛇に睨まれている様に体が動かない。

 そうして、彼女は近づいてきた。

「はぁい、お疲れ様ですセンパイ。良く頑張りました。飴でもいりますか?」

 声までも桜と一緒の存在はそう言って笑顔で話しかけながら此方を見下している。初めてだ。

 ―――ここまで中身が見えない人物と相対するのは。

「そうやって見つめられちゃうとBBちゃん恥ずかしくなっちゃうー」

 そうやって覆解せに自分の姿を抱く、BBと名乗った存在。彼女の視線は此方を捉えて離していない。おどけたようにふるまってはいるが、その実、ずっと此方を観察している事は解っている。相対しているだけで背中を嫌な汗が流れる。ヤバイ。ここは逃げるべきだ。逃げなくてはいけない。

 だが足は動かない。

 リターンクリスタルが使えない。

 口が開かない。

 明らかに足を止められている。どういう手段かはわからないが、レオのサポートを軽く振り切ってこのBBという桜に似た存在は妨害し、足止めしている。

「くすくすくす、そう怖がらなくてもいいんですよセンパイ? 私は優しいですからねそう悪い事はしませんよ? ともあれ、本当に無駄な事をご苦労様です。センチネルを一人倒した程度で舞い上がっているセンパイの姿は実に可愛らしかったですよ―――」

 そう言って、笑みを浮かべていた相手は此方を睨み、

「―――踏み潰したくなるぐらいに」

 怖気が走った。

 そしてその瞬間、

「撃て―――!!」

 シャヘルの方へ視線を向ける。今の声は確実に彼女のものだったからだ。だからこそ期待して、振り向けば、

 そこにはネコアルクの頭を掴んだシャヘルの姿があった。

 なにやってんだこいつ。

 絶対に心が凛とシンクロしたその瞬間、

「真祖ビ―――ッム!」

 ネコアルクの目から再び非常識の塊が放たれた。日数制限ないのかソレ。二発目故に若干心の中で若干ズレた事を考えつついると、ネコアルクの目から放たれた真祖ビームは真直ぐBBへと向かって突き進み、そしてその直前で捻じ曲げられる。涼しい顔でビームが飛んできた方角、つまりサーヴァント達をBBは視線を向けるが、いいか、とシャヘルは指先をBBへと向ける。

「―――俺はお前を止める方法を知っている」

「……へえ?」

 シャヘルは後ろへネコアルクを投げ捨てると、腕を組み、BBを睨む。その視線は真直ぐとBBを見ているように見える。自身のある様子で空に立つBBを睨むその様子をBBは受け入れ、

「そうですか。ですが残念な事に”貴方”はいらないんですよ、シャヘルさん」

 そう言ってBBは教鞭を取り出す。それがBBの武器であることに気づくのは一瞬で、それを振り上げようとした瞬間、

「―――パンツ、モロ見えだぞ」

「―――え」

「パンツ、見えてる」

 見上げる。BBは空に立っている。私達は下にいる。つまり見上げる形に立っている。そしてBBのスカートは短い。そしてその下は丸見えの位置に私達は立っている。なるほど。確かに見える。白。どうやらBBさんは白パン派らしい。激しくどうでもいい。いい加減そろそろ我がサーヴァントをなぐり殺すころあいではないのだろうか。

「頭悪っ!」

 凛にまでこういわれる始末だが、

「通信妨害はしても映像切ってないだろ」

「ちょっと待ってくださいそれじゃあ、えっと、た、タイムで! 発言待ってください! タイム取ってやり直しましょう! ノーカン!」

「生徒会室にパンツ放送でしたね! いやぁ、ガウェイン録画してくれたかなあ!」

「きゃああ―――!! 言っちゃだめぇ―――!!」

 ……もしかして残念系?

 BBが顔を赤くしてスカートを両手で押さえた瞬間、シャヘルが此方の体に残った最後の魔力を吸い上げる。次に出すスキルがなんなのかは解っている。だからこそそれに逆らうことなく、疲労困憊の凛の体を抱いて、シャヘルへと向かって跳ぶ。

「仕切り直しっ!」

 シャヘルが地面を踏みつけた瞬間、そこを中心に迷宮が一瞬だけ、光に包まれる。

 仕切り直しのAランクはありとあらゆる妨害からの離脱を約束するスキル。つまり、

『―――出力十分、妨害されている間に完全に完了させました! 強制転移します!』

 端末から桜の声がする。声は全くBBのそれと変わらないが、此方は純粋に心配する色がある。間違いなく本物の桜の声だ。シャヘルに凛共々掴まるのと同時に、周りの空間が変わって行くのを感じる。BBの妨害を完全に振り切っている。体が迷宮の外へと運ばれて行くのを感じながらも、元の場所にいた人物を見る。

 BB、突然の登場、激しく残念な登場。

 しかし、

「―――ふふふ」

 その視線は確実に此方を見ていた。ずっと見ていた。去って行く此方の姿を見て、笑っていた。いや、違う。こっちが必死に逃げようとしている姿を見て楽しんでいるのだ。

 それは、まるで逃がされているようで、

「―――では、また逢いましょう、センパイ。次まではそう長くはないですしね?」

 月の裏側からの脱出が一筋縄でいかない事を改めて認識させられる。

 それを認識するのと同時に、視界は全て黒に染まった。




 パンモロのBB先生ついに登場。スカートが短すぎて前から見てもパンツが見えるという凄まじい暴力の持ち主。あんたはその服装を一度は鏡で確認してきてほしい。レオの教育に悪いんだよ!!

 そんなわけで、次回校舎に戻って、会議すれば1章は終わりですかねぇ。
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| 断頭の剣鬼 | 23:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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