陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-27

「っく……!」

 悔しそうな声を漏らしながら凛が床に膝をつく。少し離れた位置で気絶した状態で可愛らしいしましまのパンツを見せているエリザベートの事は無視し、凛だけを見る。

 ―――かなりヤバかった。

 正直、今回の戦いはほとんど”計算”された戦いだった。……自分のあまり得意とする分野ではない、と思う。レオと、バゼットと、そしてユリウス。この三人のマスターの協力を得て凛の思考の仕方、クセ、動き、指示を考え、相談し、そして実戦で受けて、見て覚える。そうやって出来上がった動きに対して”メタ”を張って対処したのだ。此方が完封する様な動きでやらないと確実に落とされたのは此方だったのだ。レベル差自体はスキルによって十分に埋める事が出来る。だがそのスキル自体が存在しないとなると、話は変わってくる。


 今回は凛が予想通りの動きをしてくれたのが幸いだった。しかし、これで勝利だ……!

「いや、まだだ」

「えぇ、そうよ……私はまだ負けていないわ……!」

 そう言って凛はよろよろと立ち上がる。エリザベートの受けたダメージの一部を凛は受けているようだ。どういう原理は知らないが、今の凛は戦う力はないはずだが―――。

「肉体面では勝利したが心ならどうだ?」

 そう言うシャヘルは既に得物をしまって腕を組んでいる。そして、制圧する様に倒れているエリザベートを容赦なく椅子扱いして座っている。このド外道が、等と思いながらも視線は凛へと向ける。……なるほど、確かにそうだ。肉体的には戦えば勝てる。だが戦いでは決して折れないものがある。それが心なのだ。だとすれば、今度はそれを折らなければいけないのか。

「やれるものならやってみなさいよ……道連れにしてあげる……!」

 そう言って睨む凛の背後には巨大な凛のレリーフが埋め込まれた壁が存在した。そこから空間を塗りつぶす様に闇は広がって行き、自分と凛を飲み込もうとする。視線を素早くシャヘルの方へと向ける、ネコアルクを再び頭上に乗せたシャヘルは腕を組んでこっちを見て、

「既にヒントも答えも全部出ている―――あとはどう伝えるかが問題だ。頑張れ、マスター」

 シャヘルは此方を助けようとしない。ゆっくりと血が剥がれ、消えてゆくその姿を見てから、凛を見る。なるほど、

 ここからが真の勝負、という事だろう。

 それを理解するのと同時に闇が飲み込む。





 次の瞬間、体は虚空に浮かんでいた。目の前には凛もいる。他愛に星空の存在する空間に浮かんでいた。浮かぶ、と言ってもそこには確実に足場がある―――ただ見えないだけで。不思議と、焦る事はなかった。何故だか解らないが、自分には”追い込んだ”という確信がそこにあった。

「ついに私の心まで暴いて、迫って、開いて、追って、そして追い込んで行くのね」

 あぁ、そうだ。今なら確実に見える。凛がどう違うのか。凛がどう変わっているのか。何が凛に欠落してしまっているのか―――それを今から埋めて行こう。教えよう。その心を守る殻を徹底的に剥がす。

「や、やれるものならやってみなさいよ!」

 うむ、ではやらせてもらうとしよう―――何せ、遠坂凛という少女は非常に不器用だと解る。やりたい事と伝えたい事、そして伝えてしまう事。これが非常に上手く機能していない。誰かを助けるにしたって前に出てくるのは建前であり、本音は隠されてしまう。

「でもそれはそうでしょ? 誰だって本音を言うのは恥ずかしいわよ」

 それはそうだ。だが凛の場合それは解りやすすぎるのだ。それは一種の様式美、

「【テンプレーション】という形として表現されている」

「はぅっ! って、ちょっと待って、何この衝撃!?」

 SGを指摘したら何やら凛を衝撃が突き抜けた。

 なんだか白野さん楽しくなってきたぞ―――!!

「露骨にテンションをあげるなぁ―――!!」

 所で凛さんや、お金は大好きですか?

「え? あ、うん、そりゃあ好きよ。もちろん使う事じゃなくて集める事がね」

「ほい、【拝金主義】」

「ちょ……きゃっ!?」

 凛が短い悲鳴を上げて尻もちをつく。2個目のSGを指摘して、段々とだが凛の心の殻が剥がされて行くのを実感してゆく。あぁ、解った。SGの本来の目的はあのk部の破壊ではなく、この瞬間にあるのだ。この空を破り、そしてその一番奥へ、直接言葉を届かせるための鍵なのだ、これは。だから、此処で手心を加える事はしない。どんな厳しい言葉でもいいから、凛へと叩きつけなくてはならない。

 情け容赦は無用。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよはくのん!」

 焦ったような声で、凛は懇願する様な声で話しかけてくる。

「も、もうやめましょうよ、ね? これ以上はだめなの。本当にやめて、お願い。なんでもするから……!」

「そうやって誰かに従わされたい気持ちが―――【隷属願望】」

「きゃあっ―――!!」

 バチ、っとひ引き、凛が前のめりに倒れる。涙を軽く浮かべながらも、頬を紅潮させ、少々色っぽく息を吐いている。今、SGを総べて指摘した事で確実に凛の鎧は剥がれているのだと実感する。自分よりもはるかに優秀で、そして強い凛がこうやって自分の前に倒れ、目を潤ませている光景は背筋をゾクゾクとさせるものがあるが、非常に残念ながら凛を正気に戻さなくてはならない。だから口にする。

「―――正気に戻れ、資本主義者の犬め!」

「あうっ!?」

 バチィ、と大きな音を響かせて倒れた凛の服が破ける。素晴らしい。なんというおしおき空間。凛は自ら我が餌場へと飛び込んでくれた……!

「どうしてそんな酷い事を言うの? 違うわ私はそんなんじゃ……!」

「自覚はあるはずだよ凛!」

「きゃっ! 私拝金主義名だけでイヌなんかじゃ……」

 再び一瞬の衝撃、凛は立ち上がる事も出来ずに心へと受ける衝撃を受け、その結果として服が破けてゆく。ナイス。実にナイス。これが誰の発想で誰のアイデアで誰が採用したかは解らないが、これは実にいい。テンションあがってきたぁ―――!

 少し戸惑うようなな凛の声が来る。

「なんで叱られてホッとしてるの私……? いや、違うわ絶対に違う……でも凄く楽になってきた……どうして、私やっぱり……? ち、違う! ううん、絶対に違う! 私は何時でも理性的、はくのんが解らなくても先の先まで考えて行動してるの! 一度も弱音を吐くわけには―――」

「まるで子豚の鳴き声だな!」

「ひゃぁっ!!」

 普段は言わないような言葉までノリで行ってしまった。ヤバイ。今テンションに任せて素晴らしくおかしな事を言ったのではなかろうか。まあ、テンションおかしいと変な事は良く口走るし、問題ないという事で処理しよう。あぁ、あとで凛は口止めだ。だから更に論破して行こう。

「わ、私鳴いてないもん! 当然の主張をしてるだけだってば! なんで解ってくれないの、本当の私を見てくれないの!?」

「でも―――」

 口で言っている事とやっている事は違うんです、だから内心を理解してください。そんな甘えた言葉を遠坂凛は口にしなかった。第一本当の姿なんて主張しない限り見えてくるはずがない。見えるわけがないのだ。だからこそ凛はそんな事承知の上、嫌われる事を覚悟してあらゆる存在に厳しくあたっているのだ。それが遠坂凛という少女が持つ優しさで、美しさだったのだ。

 だが、

 そうではない。

 今の凛はなんだ? 自分の考えを押し付け、反対されたら泣いて、未来を考えているとは実に片腹痛いわぁ! 今の凛は自分の事しか考えてないではないか。

「私だって楽になりたいのよ! 素直になってみたかったの! 誰だって自分が一番かわいいでしょ!?」

 遠坂凛に言うべき言葉は、

「―――最後まで責任を持て!」

「きゅううううう―――!!」

 可愛らしい悲鳴を上げながら凛の服が一気に破ける。ブラジャーが見えたり、スカートの下のパンツが見えたりと、激しく放送できない姿になっているが、これでいいと思う。

「やめて、……もうやめてください……言う事を聞きますから……私、いう事を聞きますから……。責任を取るのは嫌なの、責任を持ったら言いたい事も言えないの……!」

 それはそうだ。そんな事当たり前だ。だけどそれを理解してっも、我を通すのが凛のはずだ。指導する責任も、憎まれる責任も、それを背負って、それでいて胸を張っていたのが遠坂凛。

「でも、私自分が一番かわいいって気づいたの……!」

 それは足り前だ。自分が可愛くない人間なんてこの世にはいない。だがそれは恥じる事ではない。どこからどう見ても普通の事なのだ。恥じるのはそれを一番最悪の方向へ悪化させた存在、自分だけが可愛い存在なのだ。凛は他人の可能性を見捨てられないから、

 凛の言葉に答える。

「―――自分にも他人にも厳しいのが、遠坂凛だ」

「あ―――」

 遠坂凛は厳しい。だがそれは他人は排除する意志から来る厳しさではなく、相手男思いやる事から来る厳しさで、それは期待から来るものなのだ。そして余裕のあるものは弱者を助け、互いに助け合う、それを理想だと思っている。故に遠坂凛は誰よりも自分に対して厳しい。

「あ……そうか。本当に弱くても、強がっていて、最後まで強がる私―――そうよね、それが遠坂凛だった。私が好きな、私という信念」

 目に涙をためていた凛の瞳に活力が戻ってくる。今、この瞬間、本当の意味で遠坂凛が復活した、という確信を得られる。軽く苦笑しながら深く息を吐いて、笑みを浮かべて凛を見る。

「ああ……気持ちいいけど恥ずかしい……全部見られちゃった……でもこれでいいのよね。心の底の自分だけは変えられない。私はこれでいいんだ―――」

 凛に必要だったのは何よりも受け入れる事と、そして思い出す事だった。敵として対峙していた凛は自分の性質から目を逸らし、そして自分の信念を忘れていた。だからこそ、ここで力の限りケツを叩いて起き上がらせる必要があったのだ。服装がぼろぼろの凛に手を伸ばし、体を持ち上げる。凛が小さく笑みを浮かべてくる。

「此処から出たら忘れちゃうだろうけど、ありがとう。感謝してるわはくのん」

 白野、ではなくあだ名で凛は名前を呼び、空間が消え始める。おそらくシャヘルとエリザベートの下へと戻って行くのだろう。そうやって世界が白く塗りつぶされて行く中で、

「―――ただ帰ったらセブンカラーズ・クラッカー一回ね」

「帰りたくない! 帰りたくな―――い!!」

 未来へ絶望を残して、凛の救出に成功した―――あとは脱出するだけだ。




 次回でパンモロラスボス登場ですねー。第1章もいよいよ終わりが見えてきたという感じで。前回の戦いは此方だけ紙でできたチェスの駒を使って戦うって感じでした。相手が本気で息を吹きかけたらふっとぶって意味で。ほら、宝具がブレスだし相手(
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| 断頭の剣鬼 | 10:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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