陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-26

推奨BGM:鮮血魔嬢


 黒色の剣閃が何度も空間を跳ねながら斬撃を叩き込む。

 火花を散らしながら銀色の槍撃と黒い剣閃はぶつかり合い、そして弾きあう。だが地力が圧倒的に違う。筋力E+相当のサーヴァントでは筋力A相当のサーヴァントの攻撃に耐えられるはずがない。いうなればダンプカーと軽自動車の正面衝突だ。エンジンが違う、積み込んでいる燃料が違う、硬度が違う。圧倒的にパワーが不足している。一瞬で黒い剣閃は大きく弾かれる。明らかに力任せの強引な槍撃。美しさの欠片もない。だがそれもそうだろう。もとより、

「美しくないなあ、エリザベート・バートリー!」

「私を捕まえて美しくないとは言ってくれるわねぇ!!」

 弾かれた瞬間に素早く魔力を消費し魔術を発動させる。

「ハガル!」


 素早くシャヘルの筋力を強化する。完全に一ランクとは行かないも、半ランク程度の筋力上昇支援となる。そしてそれに、シャヘルの魔力放出が混じり、筋力に対する一時的な強ブーストと化す。

 弾かれた刃をそのまま、体を回転させることで遠心力を得て、舞いを踊る様に後ろ側から引き戻し、相手へと向かって斬撃を叩きつける。

「むっ」

 魔力放出によって大幅な加速を得た斬撃がエリザベートへと叩き込まれる。それを彼女hア受け流さない、”受け流せない”のだ。これがガウェイン程の英霊であれば明らかなテレフォンパンチ、見てから回避は出来なかったとしても、受け流す事は余裕のはずだ。だがエリザベート・バートリーは反英雄。悪道と非道によってサーヴァントとなった存在、その本質は武人ではなく、拷問と快楽にふける悪魔だ。故にエリザベートは絶対に受け流し等という行動はとらず、最低限の動きで【防御】が取れる、弾くという行動に必然的に出る。

 真名の看破は観察以上に多くの情報が得られる。

 相手の逸話、出自、それを知れるだけで大きなアドバンテージとなる。

「行くぞ……!」

 刃を弾かれたシャヘルは更に深く踏み込む。それに反応し、エリザベートは身を引こうとする。実際、敏捷で勝っているエリザベートが逃れようとすれば追いつけるはずがない。ランサーというクラスは最速であり、敏捷のステータスに対しては大幅な強化が与えられる。魔力放出にルーンの強化があってもそれは難しい。

 だからこそ、此処で攻勢に転じる。

「刻め、罪姫・正義の柱」

 次の刹那、シャヘルはエリザベートの背後に出現し、そしてエリザベートは首から血を流した。両手で柄を握り、振り抜いた形で背後へと移動し終えていたシャヘルは笑み浮かべているが、その笑みは若干引きつっている様にも思える。

「浅いなぁ……!」

「私に傷をつけたわね―――!」

 エリザベートに刻み込まれた首への一撃は浅かった。本来のシャヘルであればこの一撃で殺す事に成功していただろう。だが、スキルとしては処刑術は存在しない。首を問題なく断つという宝具も完全には存在できていない。足りない。ステータスも、スキルも、クラスも、どれも足りない。それがこの場における最大の足かせになっている。

「流した分の血を払いなさいよぉぉ―――!!」

 悲鳴にも似たヒステリックな叫び声がエリザベートの口から飛ぶ。明らかに目が正気の色をしていない。傷つけられた、というよりは己の血を流す事となった事態に対してこのランサーは怒りを覚えている。だが、怒りは身を滅ぼす。ここで単調になれば―――

「―――落ち着きなさい」

 だが、そう。そこには凛がいる。

「真名がバレたのもステータスもバレたのも良しとしましょう。ついでにその一撃も甘んじて受け入れましょう。だから落ち着いて。私も、貴女も強い。強いのよ、ランサー。そこの二人とは比べ物にならない程に。此方の優位を保ちながらリソースを削る様に戦うわよ。そうすれば確実に息切れするのは向こう。趣味じゃないかもしれないけど、確実に勝てるわ」

「ッ、そうね、そう。焦る必要はないわね。……ふふふ、流石ね、リン。少し醜い所を見せちゃったわ、ごめんね子リス。―――これが終わったら貴方達の血で湯を浴びる事とするわ」

「やり辛いなあ、もう!」

 バックハンドからの連撃を交差しながらエリザベートへとシャヘルが叩き込む。その数合、完全に押し切られているのはシャヘルだった。瞬間的に魔力放出によるカバーで筋力差を埋めようとしても、そもそも魔力のランクがE+程度しかない。それでは得られる補正もスズメの涙ほどでしかない―――ないよりはマシではあるのだが。

「で、どうすんだよ」

 シャヘルが目の前に着地する。その頬にはざっくりと切り裂かれた切り傷が存在している。此方側へと戻ってくるまでに交わした数合の間に付けた傷の様だ。……出来る事ならあの最初の交差で仕留めるのが最良の結果だったのだ。シャヘルは断頭の呪いは健在、首を飛ばせば一撃と宣言はしたが、首を飛ばす所まで持っていくことができない。

 ヤバイ、超ピンチ。

「ピンチよねぇー」

「働けよテメェ」

 余裕がないので気づかなかったが、そういえばネコ化しているアルクェイドもシャヘルの頭にひっついているのだ。冷静になって見てみれば、なんというか こう、非常にシュールな光景だという事が解る。

「っとう!」

 ネコアルクがジャンプして飛び降りると、此方の横まで歩いてくる。そこで腕を組み、

「じゃあ私応援してるんで」

 ネコアルクの存在はこの際完全に無視するとして、真剣にこの先をどうするか考える。

 問題は相手が此方よりも強すぎる事と、手札が少ない事だ。―――ならば……。

「あら、そんなに余裕でもいいのかしら?」

 エリザベートが考える時間もくれずに槍を構え、接近してくる。それに合わせリンが指をシャヘルへと向け、

「ガンドッ!」

「くっ」

 素早くシャヘルが刃で防御に入る。もし、シャヘルが対魔力をCでもいいので取得していれば、防御する必要もなく無効化していたに違いない。だが対魔力は存在しない。故にシャヘルはこれを防御するほかなく、

「隙だらけよ」

 エリザベートが槍を大振りに振り上げた。だが一旦【防御】に入ると、それを解除してから避けるのには僅かにラグがある。その場合、防御にできていない体、体勢で受け止めるハメになる。……そうなればダメージは大きい。

「……っ!」

 迷うな、諦めるな、前に進め岸波白野。覚悟を決めて信じろ。

「しばらく持たせて、シャヘル!」

「―――あいよ」

「っ、速攻で沈めるわよランサー―――!」

 大振りに振り下ろされた槍がシャヘルの体に叩きつけられる。轟音と共に空気が振動で揺れ、シャヘルの体が吹き飛ばされる。口から血を吐くシャヘルの姿が見えた瞬間、素早く回復用のコードキャストを発動させる。だが発動と同時にエリザベートは驚異の敏捷力でシャヘルの体に追いつく。傷が治療し始めるのと同時に、高速の突きが連続で襲い掛かってくる。自分の目ではギリギリ振るわれているというのが見える程度だ。左目をシャヘルの左目とリンクし、彼女の視界に移る景色を自分にも見える様にする。

 そこには影に表情が覆われど、歪な笑みを浮かべるランサーの姿が見えた。

「白野はこう言った以上、確実に対抗策を生み出してくるわ―――編み出される前に潰すわよ……!」

「心配性ねっ!」

 口では心配性などとエリザベートは言っているが、その槍の勢いは衰えるどころか逆に加速する様子を見せている。最初は防御で耐える事を選んでいたシャヘルも、それではかすり傷が増えて行くのが解り、魔力放出による短いダッシュを交えながらの回避と防御の連携を繰り出す。

「あははははは! なによそれ! それで避けているつもりなのぉ!?」

 笑い声を、嗜虐的な笑みを浮かべながら、エリザベートは槍を振るう。槍の先端がシャヘルの肩を、腿を、腹を、浅く突き刺す。一撃一撃、大振りの攻撃は見切られる事を相手も理解しているのだろうか。いや、直感だろう。二度目はないと誓っている。先ほどの様な一撃が来れば確実に受け流せると確信している。だから逃げられない、確実に削り殺せる方法で相手は来ている。地味だが、これほどいやらしい戦い方もない。

「ランサー!!」

「見せ場が欲しいのね? いいわ、一発位許してあげるわ」

 攻防の間に刹那の開きができる。その瞬間、凛の両手にいっぱいの宝石と、そして魔力が込められているのが見える。シャヘルの目を通してみるその刹那、思考するよりも早く、体に刻まれた記憶として、コードキャストを唱える。服装に穴をあけたまま、シャヘルの体は傷が癒され、塞がれて行く。体力は完全と行かぬも、大体が回復する。そして次の瞬間、

「―――セイバーじゃなければぶち込めるってものよ! 食らいなさい、セブンカラーズ・クラッカ―――!!」

「エオロー!」

 ルーン魔術による防御支援を挟み込む。が、それも効果が期待できるかどうかはあやしい。凛が放ったガンドによる一撃はただの弾丸ではなく、一つの大砲、魔力のビームとして吐き出された。シャヘル一人を飲み込めるほどの大きさのビーム。それを刃を盾にシャヘルは完全に飲み込まれ―――耐え抜く。

 残ったHPはわずか二桁。一ドットじゃないだけマシ、と思う。しかし魔力はこれ以上使いたくない。

「チ、仕留められなかったのが痛いわね」

 凛が此方を見て露骨に舌打ちをする。―――知っている。凛のあの悪態は此方に対する信頼から来ているのだと。どんな状況でも悪あがきをし、そして立ち上がる私達のこの無様な姿が勝利へと繋がる事を彼女は覚えているのだ。―――私が忘れてしまった事を、彼女は知っている。羨ましい。妬ましい。だから助ける。顔を思いっきりひっぱたいて目を覚まさせてやる。違うだろう、遠坂凛は。自分の知っている遠坂凛は……!

「次の一手で仕留めるわよランサー」

「了解よリン。ふふ、中々元気な子リスだったけど、結局は私達の敵じゃなかったわね。ナイスマネージメントよ」

 素早く辺りを見渡す。把握する。覚える。認識する。―――思いつく。

 シャヘルの視界で見る世界は赤く染まっている―――血の赤だ。何度も傷つけられ、何度も回復され、何度も何度も血を流している。赤色に服装は染め上げられ、髪にもべったりと血がついている。それでもシャヘルはしっかりと前を、ランサー・エリザベートを見つめている。待っているものはもちろん理解している。だから宣言する。

 手を持ち上げ、それを凛へ。

「―――5手」

「へぇ、あと5手は持たせる―――」

 違う。馬鹿にするな。

「あと5手で勝つ」

「……」

 此方の宣言を受けて凛は黙る。その瞳は真剣に此方を睨み、言葉の意味を測っている。だがそれを絶対に視線や行動からは悟らせず―――戦意を持って敵意を迎える。バゼットに貰ったこの礼装、そして直接シャヘルへと刻んだルーン。5手。ここから自分が思う様にこの戦闘を動かす。これは賭けであって、賭けとしてそもそも成立していない。が、できる。分は悪くはない。

 自分を信じるのは難しいけど、自分を信じてくれる人たちは信じられる。

「―――任せな、俺に魂を預けろ」

 答えは口に出さない。文字通り全てをシャヘルへと預ける。自分の意志を、願いを、思い付きを、全てパスを通して、シャヘルへと受け渡す。それが終わると、シャヘルは肩に担ぐようにして大太刀を構える。全身血濡れで無事な所などないだろう。真っ赤に体を染めても尚、シャヘルは笑みを浮かべていた。笑みを浮かべて、構える。

「さあ、行くぜ遠坂凛、エリザベート・バートリー。―――覚悟はできたか」

「本気で倒しなさいランサー!」

 凛が吠えた瞬間、ランサーとシャヘルが同時に出る。一直線にぶつかり合うコースで互いに前に出る。シャヘルは刃を担いだままの状態で、しかしエリザベートは槍を突きだす構えで。リーチは圧倒的で、この速度でエリザベートが外す理由などない。だからこそ、シャヘルの目を通してみる世界のなかで、ゆっくりと時間が積み上げられてゆく達人の領域の中で、接触する数瞬前を捉える。

 魔力をシャヘルに直接刻んだルーンへと流し込む。

「―――Eoh」

 エオーのルーンを起動させる。自分の様な未熟者ではなく、一流のルーン魔術師が刻んだルーン。それは未熟者が礼装を通して使うよりもはるかに効率が良く、効果が高い。特にちゃんとした儀式的基準をクリアし、”刻んだ”ルーン。それは一瞬でシャヘルの敏捷ランクを引き上げる。

「くっ―――ッハァ!」

「しまっ!?」

 踏んだ。

 ランサーの得物である槍を、躊躇することなくシャヘルは踏んだ。これで、

「1手―――」

 二歩目を踏み出す前に凛が魔力を集め、エリザベートの頭の上に向かって再び魔撃を叩き込もうとする。槍の上に立ったシャヘルの姿はエリザベートよりも高い位置にある。故に打てば当たる。最も、それは邪魔が入らなければの話だが。

「セブンカラーズ・クラッカー―――!」

「真祖ビィィィィィィィィィィィィイイイイイイイ―――ッム!!」

 空気自体を殺しそうなビームがネコの目から放たれた。放たれた目ビームは横から凛のセブンカラーズ・クラッカーに衝突し、完全に消し飛ばす。

「ちょっ、流石にそれは卑怯でしょう!?」

「聞こえませーん! そもそも私が入り込むことを止めなかった事が悪いのよ!」

 たしかにネコアルクを自由にさせていた凛のミスだ―――まあ、自分でもこの時になるまで黙っているとは思わなかったが、逆に凛の印象からネコアルクの存在を隠す事が出来たので良しとする。ともあれ、

 その間にシャヘルが二歩目と三歩目を進み、槍の手元へと到着している。

「―――2手目」

 エリザベートもサーヴァント、接近されたという事実に対する反応は早い。

「おりな、さい―――!」

 槍を全力で振り回し、シャヘルを落としにかかる。だがそれも見えていた動きだ。エリザベートを飛び越える様に動き、挑発する様に角に蹴りを叩き込みながら後ろ側へと回り込む。

「取ったっ!」

 瞬間振り向きながらエリザベートが高速で槍を振るう。ガキィン、と音を立てながら金属音が響く。同時に何かが吹き飛ばされる。確認するまででもない黒い軌跡を描きながら舞台の端へ飛び、突き刺さったのはシャヘルの得物、大太刀。

「温い」

 が、シャヘル自身は大地に伏せ、槍の薙ぎ払いを回避していた。これで、

「3手目」

「踏み潰しなさいエリザベート・バートリー―――!!」

 なりふり構わず凛が叫ぶ。それに反応し、エリザベートが尻尾を持ち上げる。スカートの下から伸びるその尻尾は持ち上げた次の瞬間には龍と呼ぶのにふさわしいサイズへと巨大化し、

「恥ずかしいし、疲れるからあまりやりたくないのよね、これ……!」

 そのまま振り下ろしてきた。が、振り下ろすだけなら回避は容易い。横への大きなステップで回避し、

「避けさせないわよ!」

 その尻尾を振り回してきた。回避不可能なタイミングでの攻撃。普通なら避けられない。

 だが、

 凛なら追いつめる為に絶対やってくると思った。

「時よ止まれ、お前は美しい」

「―――Daeg」

 時間を暗示するルーン、ダエグ。時間―――そう、それこそはシャヘルが一番得意とする奥義に含まれた概念。バゼットにより刺青として掘られたルーンが輝き、そして消費される。が、消費と同時に、シャヘルはエリザベートへと到達していた。目の前に、手を伸ばせば届く距離にまで、シャヘルは接近していた。距離が大きかったのか最後の一歩まで到達は出来ていない。ここが限界だと理解し、

「4手目」

 静かに宣言し、

「―――!」

 エリザベートの表情から一瞬、感情の様なものが消える。目の前の存在が詰みに来ている事を悟った。そしてその瞬間、最大、最速の一撃が放たれる。今までの中で最高の一撃をエリザベートを繰り出す。が、

「―――チェック、5手目だ」

「っぁ……!」

 それをシャヘルは柳の様な動きで交わしていた。予め動きを予測し、そして対処法をシャヘルへと預けていただけだそれだけでシャヘルはレベル差の不利をひっくり返した。いや、ひっくり返してはいない。此方が不利という事実は未だに変わりはしないのだ。

「引っ繰り返そう」

 そして、全力の蹴りが叩き込まれた。

 真直ぐに―――エリザベートの角に。それを受けて、

「なにを……アレ……?」

 エリザベートの姿がよろめく。それはエリザベートにとってもどうやら珍しい、というよりは予想外の事態だったらしく、体を大きくふらつかせる。槍を支えとしてエリザベートは自らの体を支えている。その視線は真直ぐシャヘルへと向けられている。

「あたしの、体に、何をしたのよぉ―――!!」

「あぁ? 角ってのは頭蓋骨の一部だぞ? つまりは脳を守る機関の一部でもある。脳は頭蓋骨によって守られているから衝撃が届かないわけだが、角が生えていると少し違う―――角という存在は形状上掌撃が”響く”用にできている。竜種はそこらへん非常に化け物だからよほどの衝撃でもない限り叩いても意味ないんだが、まあ女の体してりゃあこれぐらいの衝撃でもそうなるわな。あぁ、つまり」

「脳を揺らしたのね!?」

「Exactly! まだ若いのにゃあ負けねぇよっ!」

 答えつつシャヘルが角を蹴った足を回転させ、回し蹴りをエリザベートへと叩き込む。まだ脳が揺れるのか、エリザベートは動けない。この時こそがチャンスだ。

「シャヘル!」

「おうさっ!」

 シャヘルがエリザベートを蹴りあげた瞬間、その手の中に剣が―――西洋剣の姿へと変化した得物が手の中に握られていた。光に刀身が包み込まれるのと同時に凛が言葉を漏らす。

「なんでっ、さっきまで―――」

「そりゃあ固有結界を武器の形にしているんだから距離や破損状態は全く関係ないでしょ」

 以外にも答えたのはネコアルクの存在で、その瞬間にはシャヘルの刃がエリザベートへと叩き込まれる。刀身にはくっきりとバゼットによって刻まれたルーンの痕がある。だがこれも長くは続かない。ともなれば、この瞬間に勝負を決めるしかない。

 アイテムフォルダから回収した魔力の回復アイテムを素早く使用し、魔力を完全に回復し―――それを全てシャヘルへと注ぎ込む。

 それを受けとり、刃が眩い光を得る。

「受けてみろ、地に落ちても、血に染まりとも、光の神は朽ちぬ……!」

 一撃目を受けてエリザベートの体は上空から落ちてきたところを床へと叩きつけられ、跳ねる様な状況へとなっている。得物を吹き飛ばされ、そして体勢の崩れているエリザベートへシャヘルは容赦の欠片も見せる事はない。

 斬撃が無色の光を軌跡として残しながら八閃となって切り刻む。

「真・猛々しき剣閃(アッタル)」

 斬撃が同時にエリザベートへと叩き込まれ、その姿が吹き飛ばされるのが見える。何度も床を跳ね、転がり、そして動きを止める。

「……きゅうぅ……」

 そんな、可愛らしい声をパンツ全開にしながら漏らしていた。

「嘘……負けた……?」

 ―――間違いなく、私達で掴んだ勝利だった。




 ランサー戦完了、1回目という事でかなりサクサクした感じでした。

 アッタルはググレばどういう意味か解るかも。さて、次回はおしおきの時間だべー。

 本日のMVP:真祖ビーム。
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| 断頭の剣鬼 | 17:04 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

はくのんによる言葉責めターイム

| 那由多 | 2013/06/26 18:22 | URL |

角狙うのって、ホラ世界でアマゾネスが教えたアレなんですかねー?

| | 2013/06/29 12:57 | URL |















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