陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-22

 SGを取得し、迷宮の先に行ける様になった。だが、次の層の解放は同時に探索を切り上げるサインでもある。基本的に一日の探索は次の層への道を見つけるまで、というのが共通見解となっている。故に探索を切り上げ、再び校舎へと戻ってくる。相変わらず夕陽で赤い校舎だが、人の気配がなくなったことによって圧倒的に寂しく感じ、より世界が赤く染まっている様に感じる。……それは気のせいだろうか。

 サクラ迷宮から帰還し、校舎を見ればそこにユリウスを見つける。どうやら今回も同じ場所で自分の帰りを待っていたらしい。後ろから転移音が聞こえ、シャヘル達もこの旧校舎へと戻ってきた事を認識しつつ、ただいま、と手を上げてユリウスへと挨拶する。コートではなく黒いスーツ姿のユリウスは此方の挨拶を受けると視線を逸らし、


「よ、ぉ……―――おか……えり」

「!?」

「デレた……!?」

 ユリウスが頬を少し赤らめながらも昨日、というか前回リクエストしたフランクな挨拶の仕方を見事採用してくれた。軽い衝撃を受け、驚きを隠せないが、同時にユリウスが此方へと歩み寄ってくれたことにも嬉しく思う。だからユリウスよ、少しだけでいいのでメガネを、どうかメガネをかけてくれないだろうか。この岸波白野、弱点はメガネ系男子なのだ。なので是非ともメガネを……!

「チ、俺のキャラじゃない。もうやらん。さっさと帰って寝ろ……ふん」

 キャラとか口に出す辺り、ユリウスもだいぶ汚染されている気がするが、何やら哀愁漂う背中を追いかける事は出来なかった。ゆっくりと校舎へと消えてゆくユリウスの姿を見届けてから、軽く体を動かす。今日も一日が終了した。こうやって私は生き残った。寝て、次の日を迎えれば今度はまた別の冒険が待っている。

 ―――さて、こうやってふざけていられるのもあとどれぐらいなのだろうか。





「お疲れ様ー!」

 マイルームへと到着するのと同時にシャヘルはベッドに倒れ込んだ。本当にシャヘルにはお疲れ様、としか言うほかがない。戦闘が終了し、凛がいなくなってからシャヘルが戦ったエネミーを改めて解析し、そして相手のステータスやレベルには少々驚かされるものがあった。

 まず一体目の門番がレベル20だったこと。

 そして、その次のがレベル35だったことに。

 流石遠坂凛。レベル11相手にそんなレベルの鬼畜をぶつけてくるなよ。

 まあ、幸いだったのがエネミーの思考ルーチンが非常に単調だったことと、あの姿かたちから動きが非常に読みやすかったことだ。四本足の獣というのは基本的に筋肉が発達し、人よりも優れた動きができるが―――体の動かし方では人間に圧倒的にバリエーションで劣る。人間ほど器用に動ける生物もいないだろう。

 たとえあのエネミーがランサー並のレベルを保有していたとしても、絶対にランサーに勝つことはできないだろう。

 まあ、勝てたとは本当に当たり前の話だ。

「ふふふ」

 ベッドに腰掛け、此方を見ているシャヘルの姿を見つける。なんだかその姿は嬉しそうに見える。

「解るか?」

 露骨に笑みを浮かべて、此方を見ているのであれば解る。で、明らかに此方を嬉しそうに見ているシャヘルは一体どうしたのだろうか? 凛が繰り出してきたエネミーのおかげでレベルが結構上がって、サクラメントも結構回収できたというのは自分的にもかなり嬉しい話だが、それとこれとでは話が違うだろう。

「変わらないお前の姿に惚れ直してただけさ」

 変わらない―――それはつまり聖杯戦争の表側の自分の姿と、とシャヘルは言っているのだろう。もしシャヘルの思うとおりの自分だとすれば、それはそれで自分にとっても嬉しい話でもある。非常に恥ずかしい事に何故か、自分はシャヘルに関する記憶や聖杯戦争に関する記憶を多く失ってしまっている。こうやって再び絆を感じてくれているのであれば、少しは胸を張れる。

「胸なんかないだろ」

 シャヘルの顔面にストーレトを叩き込む。実に失礼な事を言ったな。私は貧乳ではなく、着やせするタイプなのだ。服を脱げば実は凄い事になっているのだぞ。

「服の下を見たことあるぞ」

 そう言えばそうだった。と、軽く落ち込む。解っている。解っているのだ。別に大きいわけでも小さいわけでもない。着やせするタイプでもない、普通にある、というだけの実に平凡なサイズ。特徴がない。そう、普通過ぎてもっと個性が欲しかった……!

「そっちかよ」

 それに比べてシャヘルは実に卑怯だ。なんだそのぼん、きゅ、きゅ、な体は。しかもそれで自分の本来の、というかベースの姿ではないとは明らかに詐欺だろう。おい、なんだこの胸のでかい脂肪の塊は。少し分けろよ、おい。

「嫉妬は見苦しいわよー」

 窓を開けて、窓の外へとネコアルクを全力で投げ捨てる。何やら校舎の裏手に池があって、そこに落ちたアルクェイドが全身から煙をあげながらぎにゃあ、等と叫んでいるが、それは無視する。ほう、流れる池とは斬新な。

 邪魔者は去った。

 いざ……!

「まあ、この体のスタイルは一部アルクェイドのものが反映されているから、こんなスタイルなのはアイツが原因だぞ。文句はあっちへ」

 そう言われてしまったら強く言い返す事は出来ない。いや、羨ましいのは羨ましいのだが……まあ、もういい。くだらないネタに何時までもしがみ付いていてもいい事はないだろう。ともあれ、本日はお疲れ様シャヘル。よく此方の指示に従って戦ってくれている。

 相手を見抜く。

 指示通り動く。

 これは簡単に聞こえるようでいて、実際にはかなり難しい事だ。何せ発音してから聞き、そして行動に移すのにはラグが生じる。思考のラグ、行動のラグ。これらが存在する限り完全な指揮も指示もできる事はありえないのだ。

 だから今日は非常にいい動きであり、良い経験であった。おおかげで対ランサー戦でどういう風に素早く指示をすればいいのか、それが少しずつ見えてきた。

「と言っても俺のレベルはまだ15だ。今日のエネミーから経験値大量にもらって一気にレベルを上げても、あのランサーは最低でも40レベ。今日と同じように隙を作ってから斬首必殺ってコンボは無理だ」

 それは解っている。というよりも、サーヴァント相手に斬首による一撃必殺が通じるとは思えない。確かに時間切断による攻撃、そして光の刃による粉砕。両方とも非常に強力な攻撃スキルだが、それが今の状況でランサーの通じるとは思えない。

「ま、そこは確実にどうにかしなきゃいけない課題だなぁ……」

 そう言ってシャヘルは天井を見上げると、目を閉じる。何をしているのか問うと、目を開けて此方へと視線を向けてくる。

「ん? ちょっとした占いだよ。星占術。俺の親父……いや、創造主が天体操作のプロフェッショナルでな。その術のほとんどを継承している俺も一応色々とできない事はない。もちろんどっかの褐色ノーパン娘を超えるレベルで習得しているぞ。なにせカンストだカンスト。俺は”超越する人の理”の歴史上二番目にカンストに届いた化け物だぞ」

 そこは初めてではないのか。

「いや、俺は元々カンストする様にデザインされてるし、やっぱ偉大なのはツァラトゥストラだよ。どれだけ努力しても足りない」

 デザインや超越する人の理等と色々謎の単語は無視するとして、シャヘルが尊敬する人物というのはちょっと気になる。というかシャヘルが誰かを尊敬する、というイメージ自体があまり湧かない。

「そりゃそうだろう。俺がこの世の中で唯一尊敬して、そして全てにおいて同意できる存在なんだから―――まあ、俺の事なんだけど」

 凄い台無しだこいつ。

「簡単に説明するとツァラトゥストラというのは俺の事であり”俺達”の事なんだな。俺がツァラトゥストラと示しているのは”俺の前”のやつで、永遠の刹那という神号のやつなんだが」

 少し待ってほしい。新しい情報が多すぎて頭がパンクしそうなので、少しゆっくりと話してもらえないだろうか。

「うん? いや、この話自体がそもそも早すぎるか。ま、記憶を取り戻した辺りでもっかい説明するよ。セイバーであれ、キャスターであれ、バーサーカーであれ、……もしくは救世主か、化け物か、どのクラスで呼び出されようとも俺の存在を説明する必要は出てくるだろう。さて」

 ベッドに倒れたシャヘルはゴロン、ところがると壁際へと移動する。なんでもシャヘルはベッドを壁際に押し付けて、背を壁に押し付けて寝るのが好きらしい。そういう事で昨日からそこがシャヘルの寝床となったのだが、ばんばん、とベッドを叩いてくる。

「寝ろ。寝顔を見せろ。占いの結果が正しければ明日は確実に激戦になる―――お前は寝て休んで、俺はお前の寝顔をぺろぺろして英気を養う」

「最悪だよお前!!」

 言っている事は最悪だが、実際早めに寝て、休んでおく必要はある。

 シャヘルに背中を向ける様にベッドに倒れ込み、目を閉じる。

 扉をドンドンンと叩いてにゃーにゃー叫ぶデフォルメ生物の声が聞こえる気がするが、それも絶対気のせいだ。

「ぐへへへへ」

 軽い不安を感じつつも、二人で並んで眠りにつく。

 ―――明日まで私の貞操は持つのか……!




 次回でついに三層目、もうすぐですねぇ。ランサー戦はすぐそこです。

 素敵なあんけぇいとは此方です。
 あんけぇいと
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| 断頭の剣鬼 | 23:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ていそう……? 既に表で豪快に投げ捨てうわなにをするやめ(略)

| アルフィード | 2013/06/22 15:17 | URL | ≫ EDIT















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