陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-12

 リターンクリスタルを使用した結果、サクラ迷宮からの脱出に成功する。あの悪魔のような姿をしたランサーはガウェインからの通信が正しければ今のシャヘルと自分をはるかに凌駕する能力の持ち主だ。なんだったか、竜種は確か幻想種としては最強の生物だったはずだ。その尻尾と角を持つあのランサーは間違いなく竜種の遺伝子を受け継いでいる―――それだけでも十分すぎる脅威だ。

 軽く頭を掻くと、横にシャヘルが立ち、肩を揺らす。

「あそこで逃げるのは正しい選択だった。仕切り直しの使用可能回数は一日一回までだが、あそこで襲われてたら完全に詰んでた」

「まあ」

 ネコアルクがしがみ付いていたシャヘルの背中から降りると、くるん、と一回転してポーズを決める。


「私の必殺真祖ビームを出す機会がなくなっちゃったわね!」

「任せろ。どんな手段使っても次回は出番をやるよ」

 シャヘルとあのネコ生物、結構仲がいいんだなぁ、等と考えていると、端末からコールが入る。ポケットから取り出し、そのコールに答える。

『白野ですか? これより生徒会にて緊急会議を行います』

 早く戻って来い、という事だろう。了解したと答え、シャヘル達を連れて校舎の中へと戻って行く。二階へと続く階段を上る前に通る購買。そこでは鼻歌を歌いながら女子セーラー服をこれ見よがしにアイロンしながら見せつける麻婆神父の姿があった。あの男はそこまでしてあのセーラー服を売りつけたいのか。いや、解っている。私も魂で理解している。アレは桜の魅力を引き出す兵器となるだろう。待っていろ、借金してでも絶対購入してみせる。

「貴女のマスター道を踏み外しそうよ」

「それもまた良し!」

 背後で聞こえるサーヴァント共の馬鹿話はスルーするとして、そのまま二階へと上がって行く。廊下の窓際で黄昏ていたはずのシンジの姿はそこにはない。迷宮ではトイレへとに逃げたとか言ってたが、そのまま戻ってくる事はないのがシンジだと思っていた。生徒会室にでもいるのか、等と思い、再び生徒会室の中へと戻って行く。

 そこには大体全員が揃っていた。

 窓際に立つバゼットとガトー、自分の椅子の横に立ってデータを表示している桜、椅子に縛り付けられたシンジ、そしてレオの背後に立つユリウスとガウェイン。そこには平和な生徒会の姿があった。

「僕の存在にツッコメよぉ!!」

「あぁ、お帰りなさい白野。シンジは何故か嫌がっていましたからね。トイレ帰りのガトーにちょっと連行を頼んでもらいました」

 レオの笑顔を受けてガッツポーズをガトーが決める。

「ちょいウザコミュニケーションに関してはこの臥藤門司、一家言があるぞ!」

 ちょいウザコミュニケーションに誇りを持たれても激しく困るだけである。ともあれ、議題に関しては大体解っている。長方形のテーブル、レオの対面側に座り、体を背もたれに預ける。少しだけ疲労を感じる体にこの座った感覚が体に心地いい。まだそこまでは疲れていない。まだ、動ける。

「お疲れ様です白野、まだガウェインを出すわけにも、バゼットさんを前線に出すわけにもいかないので苦労をおかけします」

 いや、それはいい。適材適所というやつだろう。レオの判断を疑う必要はない。なぜならレオは自分よりも賢いし、信頼できるだけの実力を備えた”ライバル”だったはずだ。だから、レオの采配に関して疑う事はない。そんな事よりもバゼットはファミリーネームではないのだが、もしかしてレオはバゼットに認識あったりするのだろうか?

 バゼットは苦笑する。

「聖堂教会は西欧財閥に組み込まれている組織の一つですからね。仕事の都合上そこそこ親しい付き合いだとは思っていますが……」

「人類の限界に到達しかけている執行者となかよくしない手はありませんからね」

「下級のサーヴァントであれば一人で倒せるとかもはや人類の限界を突破しているようなものだがな」

 ユリウスの言いたい事は解る。バゼットのあの身体能力は明らかに人間技ではない。もしかして、というよりも確実に今のシャヘルは強いのだろう。

「まあ、あくまでも私は人間です。どこまでも強くなってもサーヴァントの様なスキルが付与されるわけでもなく、宝具も自作か持ち込みでないと使えません。ハッキング技術も武闘の一芸を特化するためにある程度放棄していますし」

 特化するために捨てたんだなぁ、とバゼットに対する認識を若干変え、さて、と言葉を吐いてから思う。これからどうするべきなのかと。その意志をレオが汲み取り、

「ガウェイン」

「はい」

 ガウェインが前へと一歩踏み出しながら答える。純白の騎士。太陽の騎士ガウェイン。彼が出る事ができれば本当に楽なんだろう。だがそうもいかず、期待は此方に乗せられている。

「迷宮でも言いましたが、相手は二級、もしくは準一級のサーヴァントとなります。クラスは最速のランサー、おそらく敏捷が高く設定されているはずです。容姿からして竜の因子、もしくは”無辜の怪物”の影響を受けてああいう姿の変化を得ているかもしれません。攻略法としては彼女の真名を特定して弱点を突くか、宝具での一撃必殺を狙うのが定石ですが―――」

 まあ、それができたら苦労しない。それよりもシャヘルのクラスと、本当の名を思い出す方が先決だ。何せサーヴァントとの絆を取り戻したいという気持ちが自分には確かに存在する。この迷宮の攻略も大事だが、その思いも大事だと思っている。

「―――安心してください」

 レオは微笑む。

「クラスとかはどうにもなりませんが、スキルに関してはどうにかする方法を何とか見つけました。もう少しだけ時間はかかりますが、明日には準備ができるでしょう。ですので今はなるべく戦闘を控え、逃げる事と探索する事だけに集中してください」

 レオのその言葉に頷き、今度は視線を桜へと向ける。ランサーの問題はレオが解決策を用意しているようだしそれを待つとする。だとしたらあの壁だが、

「申し訳ありません、あの後も調べましたがアクセス方法、解析方法と全く持って謎です。本当に申し訳ありません、私はこれぐらいでしか役に立てないのに……」

 桜が本気で落ち込んでいる。AIだという事を忘れそうな娘だ。いや、実際時々忘れてしまう。それだけ真に迫った表現だ。いや、しかし、桜が解析できないという事は、それ自体が大きなヒントではないだろうか?

「エグザクトリー。そうです」

 レオは此方を指さしてくる。ユリウスはその手をゆっくりと掴んでおろし、

「レオ、人に指を向けるのは下品だ」

「オカンかアンタ!」

 シンジのツッコミをいれてから会話を続ける。

「僕の予想が正しければ、おそらくあの壁を解析できない事はAIという存在としての制限があるからだと思います」

 AIとしての制限、と言われて首をかしげる。その制限というものが良く理解できない。ムーンセルのライブラリへアクセスできる権限を持つNPCは優秀であり、ほとんどなんでも調べられるはずだ。たとえ制限があるとしても、サポート要員としては誰よりもこの場においては桜が優秀だが、その桜がAIであるからこその制限とは?

「ぶっちゃけ僕では上手く答えられないので、このデータをキアラさんへとお渡しください」

 そう言ってレオはデータをユリウスへと私、ユリウスはそれを此方へと持ってくる。受け渡したユリウスに対して軽く頭を下げてありがとうと伝えると、珍しい事に微笑を浮かべ、気にするなとユリウスは伝えてくる。

「マスターが寝取られる気配」

「REC、RECの準備ですよガウェイン」

「お前ら月の裏側から脱出する気あるのかよ!!」

 悲鳴にも似たシンジの声を聞きながら立ち上がる。貰ったこれをキアラへと見せればおそらく答えは返ってくるのだろう。ならば庶務らしくここは雑用に走り回ろうではないか、と立ち上がる。キアラの位置は確か一階の廊下奥だったことを思い出しつつ、少し早歩きで生徒会室を出る。





「あら、私に何か用でしょうか?」

 予想通り、キアラは一階にいた。レオはこのエロ尼があのシールド攻略の為の鍵になると思っているようだ。ともあれ、自分とシャヘル、そしてネコというオプションをつけてサクラ迷宮に潜ったという話をまずキアラへと告げる。

「え、サクラさんにそんな大人数で? なんと、これはまあまあ。そんな人数で攻めて苦しくないのかしら? あぁ、だけどそんな話を聞いてしまうとお姉さん体が熱くなってしまうわ」

 一瞬で解った。会話しちゃいけないタイプの人間だと。会話が噛みあう噛みあわないとかじゃなくて、この桃色の脳は根本的に頭のおかしい部類だと。

「それが解ったさっさと帰れ。こいつと付き合っていい事は一つもないぞ」

 そんな辛辣な評価を自らのマスターに与えながら出現したのは蒼い服装の少年、アンデルセンだった。腕を組み、ニヒルな笑みを浮かべながらそう言いきったサーヴァントに対し、キアラは現実へと引き戻される。

「アンデルセン、貴方のその口はどうにかならないのですか」

「色ボケしすぎてついに耄碌したかキアラ。良く話を聞けこの色情魔」

 アンデルセンがキアラを現実に引き戻してくれたのでようやく話を続けられる。つまりサクラ迷宮とは桜の―――ではなく、桜の木の下にできたダンジョンであり、その奥で発見した壁の突破方法が解らないので、何かアドバイスが貰えないかを聞きに来たのだ。真実を知ったキアラは恥ずかしそうに両手を頬に当て、くねくねしている。

「申し訳ありません、私ったらてっきり―――」

「いや、そこで無限ループに入られても困るんで」

 何時の間にか姿を消しているシャヘルの姿を見るに、どうやら激しくこのキアラという女性を嫌っているらしい。本来ならここでシャヘル辺りがツッコミを知れるはずが、ネコまで出てこないので私がする羽目になった。これは後で文句を言うしかない。が、さて、こんな色ボケで大丈夫なのか、と思いつつもデータをキアラへと渡す。

「それでは……」

 そう言って軽く頭を下げてからデータをキアラは確認し、先ほどまでにはなかった真剣さで答えてくる。

「なるほど、たしかに桜さんではこれを解析するのも無理でしょう」

 と言うのであれば、キアラはあのシールド内容を把握できたらしい。生徒会が頑張って解析できなかったものを数瞬で理解する辺り、キアラのハッカーとしての優秀さを感じる。

「いえ、ハッキングも魔術も関係ありません―――あれは心です」

 心、という事に首をかしげる。

「AIはAIです。人間のメンタルはチェックできても心までは理解できません。そういう風には完成されていません。あのシールドは人の心を形として具現化したもの、おそらく迷宮で見たという方のお心でしょう。物理的に破壊する事は不可能でしょう」

 破壊が不可能となればなおさら問題だ。まだ道はあるが、いずれあの防壁を突破する必要は出てくる。

「いえ、手段はあります。それを授ける為に準備をいたしますので、先に生徒会室へとお戻りください」

 微笑むキアラを今は信じるしかないだろう。何とか成果を上げる事に成功し、安堵の息を漏らしながらふと、サーヴァントであるアンデルセンの方へと視線を向ける。アンデルセンは此方を見、笑みを浮かべながら同情する様に息を吐く。

「ご愁傷さまだな。ま、猫にでも引っかかれたと思って諦めろ。あぁ、お前が飼っている猫は行儀がいいから引っ掻いたりはしなさそうだがな」

 それ以上何も告げずアンデルセンは姿を消した。一体何が言いたかったのかはよく解らない。

 が、生徒会室へと一足先に戻りながら考える。

 ―――ネコアルクをアンデルセンに見せた事はあったっけ、と。

「―――温めますか?」

 生徒会室へと戻る途中、制服を持ち上げ、此方を見ながら購買から声を飛ばしてくる言峰店員がいた。

 言峰の奇行は見れたので頑張ろう。そう思った。




 キアラが一番難しいんですよね。最初からキャラ崩壊してるから。

 生徒会室の騒がしさ、このままずっと続かないかなぁ……。
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| 断頭の剣鬼 | 14:40 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

更新お疲れ様です。

この騒がしさが続けばどこぞの海藻ヘアーの少年の胃がやばくなるのでしょうね。

そして神父よ、制服温めてどうする気なんだ。

| 黒羽鴉 | 2013/06/10 23:27 | URL |

Q,あたためますか?

A,───人肌でお願いします。

| | 2013/06/11 03:02 | URL |















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