陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-11

 シャヘル曰く、バゼットと調査したのは噴水付近のエリアだけで、それ以上は進んでないとの事。その際にそこそこ経験値を溜め込んだらしく、本来なら完全に初期化されてレベル1の所、レベル8まではレベリングに成功しているとの事。

 まあ、結局は奥まで行って元のレベルまで上げる予定なので軽い誤差だ。シャヘルを引き連れてサクラ迷宮の奥を目指す。基本的に一本道に偶に脇道ができる程度だが、自分の立ち位置から脇道の先が行き止まりであることが見える……それでもやはり、最後までその通路を歩いてしまうのはマッパーとしての性がろうか。

『白野、目の前に緑色のフォルダが見えますか?』

 今進んでいる通路の一番奥にひっそりと浮かぶフォルダが見える。これはたしか、

『アイテムフォルダです。その中には色々とアイテムデータが詰まっています。アリーナに見かける筈のそれが何故サクラ迷宮のなかで見かけられるかは解りませんが、憶測としては虚数空間に漂っていたアイテムデータが迷宮に紛れ込み、固定化される際に一番―――』


 あぁ、うん。難しい話は正直困るのでそこらへんで止まってくれないだろうかレオは。難しい話には抜きにして、このフォルダからはアイテムが回収できるって事が解れば十分すぎる情報堕。早速アイテムフォルダに触れ、その中に収納されていたアイテムデータを回収する。

「こりゃコトミーショップで売ってる一番安い回復アイテムだな。外れだ外れ。次に期待しよう」

「ドンマイよ!」

 そこまで落ち込んでもないのだが……まあ、二人の気遣いは心に染み入ると言っておこう。シャヘルを背後に、サクラ迷宮を探索してゆく。

 次々と出現するエネミーは正直シャヘルの敵にはならない。どれもパターンが単調で、それでいて構成が甘い。おそらくガウェインやバゼットであれば一撃で葬れるレベルの脆さだ。その脆さだからこそ今の所シャヘルとのコンビでどうにかなっている。正直、想像以上の苦痛だ。

 シャヘルの動きを全く思いだせないとは。

 本来の自分はもっと的確な指示を出していたはずだ。それこそどうやって攻めろ、等も言えたと思う。なのに今の自分は相手を観察し、それに対処する動きを漠然としてしか伝えられない。それが悔しい。自分がシャヘルの事を忘れてしまっていると、そう認めてしまう事になるのだ。シャヘルに中型サイズのエネミーを葬らせながら、その事で申し訳なく思ってしまう。

「白野」

 シャヘルは肩越しに首だけを此方へと向けて微笑む。

「気にすることはないさ。お前が俺を忘れようと、それは俺達に会った絆や積み重ねてきた時が消えるわけではない。何度時が回帰しようが今までの努力は絶対に俺達を裏切らないよ。それを今は信じよう」

 シャヘルの癖にかっこいいのは卑怯だ。というかおかしい。貴様もキャラ崩壊しろ。

「おい、せっかく人が心配してのによぉ……!」

「記憶を失ってキャラ崩壊が進んでいるこの月の裏側で一人だけ元のキャラ通しても辛いわよー」

「お前をいい加減に捨てるぞ猫」

『ところでその猫、小生どこかで見た事のある気がするのだが……むむむむ!』

「き、気のせいじゃないかにゃあ……か、神でも精霊でも吸血鬼でもないにゃあー」

 そう言えば姿が変わっているだけで元々シャヘルはキャラがカオスな気がする。となるとこの月の裏側で一番キャラ崩壊的被害を受けていないのは彼女なのかもしれない。……まあ、激しくどうでもいい話なのだが、まあ、こういう馬鹿な話を敵だった人たちと、賑やかにできるのは実に楽しいだけではなく、心強い。今までの戦いはこういう事が極端に少なかった気もするが―――。

『お話の途中すいません、その先に巨大なシールドの反応を感知しました! 気を付けてください!』

 桜の声によって、通路を進んだ先に何らかの反応がある事を知る。それを知り、シャヘルに前に立ってもらいながら進む事とする。開放的なこの迷宮で、その構造物が視界に入ってくるのにはそう時間はいらなかった。通路を歩いて数分、そうやって奥に見えてきたのは―――壁だった。

 ハッキングには詳しくないし、プログラムに関してもそこまで知識はない。だが開けた場所に出て、見るその壁は少々異様に思えた。丸く、未知を阻むように存在し、そして星形のマークが中央に存在した。端末を取り出し、それを扉へと向け、採取できるデータをモニターしている生徒会室の方へと送る。

『サクラ迷宮からデータ来ます』

『来ましたねこれは……なんでしょうか?』

 今、ずいぶんと珍しいものを見た。いや、この月の裏側へと来てから珍しいものは散々見ているが、その中でも珍しいものを見た。レオが首をかしげ、この正体に関して悩んでいる湯に聞こえる声だった、先ほどシールドという発言があったが、

『いえ、確かにシールドであることはその役割から理解できます。が、問題はどういうシールドか、という事です。通路の奥を守る事からシールドであることは解りますが、その正確な種類に関しては僕でも把握してないものですね……兄さんはどうでしょう?』

『俺も見た事の無いものだな』

 レオもユリウスも知らない。ならばシンジはどうだろうか。シンジは確か優秀なハッカーのはずだ。

『シンジなら山盛りマッシュを食べたせいで腹痛になってトイレへ走って行きました』

「し、シンジが死んだ!」

「この人でなしー!」

 シャヘルとネコアルクが互いを見て、そして握手をしている。こいつら実に仲がいいが、昔は敵ではなかったっけ。まあ、それ以前に何かの関係性を感じさせるコンビではある。ともあれ、シンジが死んでいるのであれば他に聞けそうなのは―――バゼットとガトーか?

『あの二人は脳筋枠なので聞くだけ無駄です』

 レオ君、いい声で毒を吐くようになったものだ。若干恐ろしい。

『サクラ、解析は進みましたか?』

『すみません、過去のデータとデータベースで照合していますが、照合するタイプがありません―――解析も不能です』

 過去に類するデータが存在しない、という事は完全なニュータイプのシールドだ。まだ道が別に一つあるので、そちらを進めばいいのだろうが、こうやって進めないとなると実に気になる。……壊してみるか?

「あまりオススメは出来ないぞ。それが原因でこの迷宮が崩れたら死ねる」

 それもそうだ。データは生徒会室へと送っている。解析は彼らに任せて、無理な事を考えずまずは探索を進めよう。

 そう思ったとたん、

「―――あら、どこへ行くのかしら?」

 鈴のような音が鳴る。同時に来た道、そして進める道の先に新型のエネミーが出現する。今まで進んできた道には居なかったタイプのエネミー。そして、声の下方向へと視線を向ける。

 シールドの向こう側から歩いて出現したのは赤い少女だった。赤い服装、黒のミニスカート、ツインテール。自信に溢れたその表情を、私は知っている。そして彼女も自分を知っている―――そう、私達は表側では知り合いで、敵で、そして―――思い出せない。これ以上の記憶は存在していない。忘れてしまった記憶で何があったかは思い出せないが、彼女の名を自分は覚えている。

「遠坂……凛」

「こんにちわ白……岸波さん」

「ネコさんや」

「うむうむ、これはこれは」

 ネコとキツネが激しくウザイ気がするがこの二人はスルーとして、目の前の少女、遠坂凛の存在は喜ぶべき事だ―――彼女が味方であれば。自分は確かにお人好しで、警戒感ないような気もするが、楽天家ではない。聖杯戦争で戦ってきた以上、危険に関する鼻が利く。

 目の前の少女からはどうしても敵意を感じる。殺意はない。が、それでも敵意はあるのだ。故に安心できないし、油断も出来ない。ネコアルクとシャヘルが楽しそうに納得してから、戦闘の体勢へと入る。それは迎撃の意志を見せ、彼女の考えが此方とおおむね同意であることを示している。

「へぇ、いきなり元気そうじゃない」

 そりゃあもちろん元気にやっている。というか一部元気すぎて困っているぐらいだ。主に生徒会室にいる面々。

『待ってください、それって私も含んでいるんですか?』

『は、は、は、は。何を言っているんですかバゼットさん。殺人じゃんけんをする人をノーマルとは言いませんよ』

 まさに正論である。ともあれ、凛はどうしたのだろうか。そちら側からやってきたという事は―――。

「そ、私はね、この”月の女王”になったのよ」

「ぶぷっ」

 シャヘルが思わず口を押えて笑いを押し殺していた。視線が自分に集まっているのを自覚し、凛に手を向け、

「あ、ごめん、どうぞ」

 と言って凛にs回を促す。そこで凛は一回咳払いを差し込み、そして視線を此方へと向けてくる。

「ま、そんなわけで個々の女王様である私は貴女達をこの先に通すわけにはいかないのよ。大人しくしていれば良し、特に何もしないわ。でもそれが聞けないのなら―――解るわよね?」

 実に凛らしいと思う。無駄に話を広げず、要点だけを伝えて此方に撤退しろと告げてくる。理由は言わない。ただ去れと、それだけを伝え、そしてそうでなければ暴力的手段に出ると告げている。だが甘い。

 ―――その程度で引っ込むわけがないだろう。

「相手にもサーヴァントがいるんだ。そりゃこうなるわさ」

 そう言ってシャヘルは構える。そう、凛にもサーヴァントはいるのだ。戦ったような、戦っていないような、あいまいな感覚だが、確かいるはずだ。

「そう、なら仕方がないわね―――来なさいランサー」

「来るぞ!」

 凛がランサーを召喚する。その登場に身構える。そう、凛のランサーは神話の大英雄クラスはある、強力なサーヴァントだったはずだ。赤い槍、青い服装が特徴的なランサー。彼の存在を身構え、何時でも指示を飛ばせるように身構える。おそらく今、凛に何故この旧校舎へと押し込んだか、何故敵対しているのか、シールドの正体は、等と答えてくれるわけがない。

 となれば、相手の戦力を壊滅させて、それ無力化したら聞きだすしかない。

 そして、その姿が現れる。

 白と黒のドレス。

 歩くごとに揺れる尻尾。

 赤い髪。

 そして頭から生える二本の角。

 登場し、凛の横に並ぶと”彼女”はマイクスタンドの様な銀色の槍を片手に義理、軽く体を揺らしている。

「ハァイ、私に相応しいステージが用意されているのよね?」

 誰だテメェ。私の知っているランサーと違う。

「ランサーが死んだ!」

「この人でなし!」

 シャヘルとネコアルクに関してはネタに逃げる事にしたらしい。まあ、自分もこのまま正面から向かうのは難しいと思う。いや、だって知っていたはずの敵が全く別物に変化していたのだ。戦闘する以前の問題だ。

「ふふふ、私に視線が集まっているわね? ナイスよ子リス、さあ跪きなさい! 跪いていいのよ? 跪きなさいよ!! なに? どうしたのこれ!? なんで私の言う事を聞かないのよ―――!! 信じられない!!」

 ランサーというよりもバーサーカーに近い感じがする。明らかにこのサーヴァント・ランサーは頭が狂っている。狂ってはいるが―――強敵だ。新しい敵ということは動きが読めない、情報がないということだ。それだけで不利だが、同時にシャヘルのレベルが低いという事も問題なのだ。相手は一方的に狂ってくれているが、此方はそれどころではない。相手のデータはなくとも、経験と勘から大体の実力は把握できる。

『聞こえますかレディ岸波?』

 端末からガウェインの声が聞こえてくる。

『私の目利きが聞く限り、あのサーヴァントはステータス的にAやBで構成されている二級のサーヴァントです。宝具次第では一級にも食い込めそうな相手です』

 シャヘルのステータスを確認する―――オールE。これはひどい。

『えぇ、ですので戦わない事を月海原生徒会の代表としてアドバイスしておきます』

 素直に従おう。―――それを凛が許せば、の話になるが。

「ちょっとランサー、どうせ槍でぶっ刺せば誰だって痛みにのた打ち回って跪くんだからそれでいいじゃない」

 流石凛、というべきか、どう見ても扱いづらいサーヴァントなのい、その手綱を見事に握っている。

「流石ねリン、頼りになるわ。ま、私程じゃないけど」

「そう、流石ねランサー。ほんと頼りになるわね」

「ふふ、解ってるじゃない、もっと褒めてもいいのよ」

 凛の額に青筋が浮かぶのが見える。

「やだ、こいつら噛みあっていない」

 シャヘルが漏らす様に、凛と赤いランサーの会話は噛みあっていない、むしろ凛が一方的に苦労させられているような感じだ。ランサーとは会話が通じないのはこの短い時間で解った。凛とランサーの意識が向けられていない今がチャンスだ。丁度こんな状況でこそ一番効果を発揮するスキルをシャヘルは所持している。シールドの事もあるし、生徒会室へといったん戻ろう。

「あいよ!」

 シャヘルはそう言って地面を叩くと、その瞬間、サクラ迷宮全体を一瞬の閃光が包んだ。その瞬間に凛とランサーが驚愕しても遅い。既に仕切り直しのスキルは発動し、シャヘルは此方を運ぶように掴み、完全に脱出の機会を得ていた。スキルの後押しもあって一瞬で迷宮の入り口まで戻ると、ポケットからリターンクリスタルを取り出す。

 凛とランサーが追いかけてくる前に、素早く脱出用のアイテムを発動させ、脱出する。

 やはり、一筋縄ではいかないなぁ、と苦笑しながら。




 悪魔ランサーと月の女王様初登場。まだまだ出会いがしらなのでインパクトは弱め。新のキャラ崩壊はSGの獲得話になってから(
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| 断頭の剣鬼 | 14:48 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

青タイツの兄貴が死んだ! この人でなし!
あ、ワカメはポテト食ってればいいよ。

| 空 | 2013/06/08 15:49 | URL |















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