陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-8

 シンジの連行が終了したが、それは乗り越えなくてはならない過去だ。現在は常に犠牲によって成り立っている―――すまない、サラバ、シンジ。お前の犠牲は忘れない。生徒会室には山盛りマッシュドポテトがあるから、それを食べながら成仏して欲しい。

 まあ、なんだかんだ言ってシンジは悪いやつではない事を自分は知っている。生徒会室に集まるだけ集まってもらおう。次なるマスターを探すためにも端末を取り出し、そこに出ているデータを見る……まだ二階にはマスターがいるらしい。というかユリウス、ここまでデータを揃えているのであればもう直接勧誘しに行けばよかったんじゃないのかと思う。正直私の様なマスターが話に行くよりは、ユリウスやレオみたいな、もっと安心感があり、そして立場的にも恵まれている人がやればいいと思うのだが。


「それは違うさ白野。もうちっと自分に自信を持てよ。大丈夫さ、お前ならなんとかなるって」

 後ろからそんな事をいってくれるシャヘルの声がする。このサーヴァン、ト実に気楽にそんな事を言ってくれる。だが、与えられた仕事をこなすというのは存外気が楽なものだ。……まあ、そう思ってしまうのはいけない事なんだろうが。自分の行動には自分で責任を取らなくてはならない。それは常識なのだ。

「にゃー。解ってるじゃない」

 ネコアルクも段々とネコ化してきているがそれ以上ネコかは止めよう。何かとてつもなくヤバイ生物へとワープ進化しそうな気がする。何故か虚数世界にお城を立てているイメージが。

 そんな変なイメージを脳内から追放しつつ、向う場所は廊下の奥―――シャヘルと合流した教室の更に一個奥、三年生の教室へと向かう。その中には武闘派マスターが二人存在すると、端末には書かれている。マスターの名前を直接出さない辺り、ユリウスというよりもレオの仕込みの芸の細かさが凄く映し出されている。あの少年、完全に王様止めているような気がする。

 ともあれ、教室の扉を開いて、中を見れば一発でそこに武闘派マスターが存在しているのが解った。なぜなら彼らはカスタムアバター、つまりは制服以外の服装に身を包んでいるからだ。

 そして何よりも、

 全力で死闘を繰り広げていたからだ。

「―――じゃんけん」

「死ねぇ―――!!」

 じゃんけんで殺気を込めたグーを振るったり、それをそれをチョキで受け流すじゃんけんとか斬新過ぎてみた事がない。というかグーをチョキで受け流すとかそれルール的には既に負けてはいないのだろうか。

 目の前でじゃんけんという異種格闘技を繰り広げている二人組は臥藤門司、そしてバゼット・フラガ・マクレミッツ。端末のデータが更新され、二人の情報が解禁される。レオ、絶対にこの様子を見ているんだろうなぁ、等とぼやきつつデータを確認すると、臥藤門司は地球上のほとんどの宗教を網羅し、修羅道へと落ちた求道僧、そしてバゼットはとある組織における執行者という存在であり、処刑人的立場にある存在だと書いてある。どちらも生身での戦闘力に関しては、非常に高いと出ている。

 ―――特にバゼットに関しては人類の限界に到達しているとも。

 目の前の光景を見て、アレが人類の限界に到達した人間がやる事か、等と嘆かざるを得なかった。人類の限界がじゃんけんバトル―――

「―――世も末だよなあ」

「そうよねぇ。人間ってホント面白いわ」

 ケモーズは黙ってろ。というかネコアルクに関しては一体どこまでついてくるつもりなのだろうか。

「あ、私隠れるから」

 そう言うとネコアルクがシャヘルの服装の中にもぐりこむ。そして隠れるのが終わるのと同時に、バゼットとガトーが拳を作り、

「あいこ―――」

「でしょっ―――!」

 グーを叩きつけ合う。そしてその結果、ガトーがバゼットの拳に耐え切れず吹き飛ばされる。周りの机やいすを巻き込み、転がりながら吹き飛ばされるガトーは実に谷粗相で、大声で笑っているが、これ絶対にじゃんけんではない。私の知っているじゃんけんという概念からはあまりにも離れすぎている。

 ともあれ、そこでようやく机を巻き込んで吹っ飛んだガトーは此方へと気づき、そしてバゼットも此方に気づく。

「おや、ようやく起きたんですね」

「うむ、良き哉良き哉」

 起き上がり、体についた埃を振るい落としながらガトーもバゼットも此方を見る。こうやって自分が起き上がった事を確認していウrという事は。

「えぇ」

 バゼットは頷く。

「まあ、私達も時折見舞いに行ってました」

 バゼットはそう言う。だが待ってほしい、私達は元々は敵だったはずではないか? 聖杯戦争という立場上、絶対に戦う運命が待ち受けているはずだ。レオは笑いながらごまかしている感じがあるが、本気で……?

「話は大体ユリウスから聞いておる。ここは月の裏側であり、我らは閉じ込められておるのだろう―――ならばこそ、共に脱出を目指す仲間を心配する事に不思議はなかろうて」

 まるで当然の如くガトーはそう言い、此方を見ると苦笑する。

「何、小生が表側で見た修羅のようではなく不思議か? アレは周りが敵であったからそう振舞っていただけだ。ここには味方しかおあらなんだわ。ならば小生もそう振舞うのみ。何より小生今は符意義とアルカディアにいるような気分でな、我が神が”チョットコンビニイッテクル”等という神託をのこして去って行ってしまったわけでそこはいちびーっと不安なわけだが……そうだな、我執から解放された様な気分で不思議と悪い気はせん。む、ここはあまり関係の無い話か。……少々話をそらしてしまったようであるな」

 ガトーは腕を組み、頷くと、ともかく、と声を出して強引に言葉を打ち切る。そして、笑みを浮かべて言い放つ。

「小生に任されよ! この月の裏側では互いの憎しみを忘れ、今一度友として表を目指そうではないか!」

 がはははと笑いながらガトーは教室の外へと出てゆく。たぶんアレでだが、一応恥ずかしがっているのかもしれない。……自分の知っているイメージとはなんだk違うような気がするが、このとこは決して悪い男ではないと思う。そして、

「元々私は対戦相手に選ばれたとしても正々堂々と、現在の赤枝の騎士としてその名を汚さぬような戦いを死体ですからね―――任務とはいえ、それぐらいの我が儘は許されるものだと思いたいものです」

 そう言ってバゼットは苦笑すると、手を握手するように伸ばしてくる。それにこちらも応え、手を重ねる。

「月の表側で我々の関係がどうであったかは思い出せませんが、ここでは同盟を組む中です、臥藤門司の言うとおり、仲良くやりましょう」

 握手を交わすと、バゼットも生徒会室へと向かうと言って教室から出てゆく。彼女を送り出した事で、教室に残されたのは自分と、ケモノ系二匹、そして吹き飛ばされた教室の惨状だけだった。何やらものすごく綺麗な話に終わったわけだが。

「じゃんけんとはなんだったのだろうか……」

「さあ……?」

 そんな疑問を残しながら、残りのマスターは下にいると言われ、一階を目指す。





「無理ッス。でないッス。ジナコさんはニートとしてこの部屋で腐っていくんスよー」

 ダメ人間がいた。

 次なるマスターを求めて一階、購買のある側の廊下の奥、突き当りにある用務員室へと辿り着いてみれば、その扉は閉まっていた。しかもその中からはどこか聞いたことのある声が、外へ出る事を否定している。何があっても外へ出ないという強固な意志を扉の向こうから感じる。どうしようかと、シャヘルと、そしてネコアルクを見る。

「バルサン焚けば?」

「スカンクのデータを再現して匂いぶち込みゃあいいのよ!」

「おい、それやめるッス。外道ってレベルじゃないッス!! というかその外道は発言はシャヘルとデフォルメクリーチャーッスね!? ま、またいたいけなニートをイジメに来たッスね! はんたーい! ニートイジメいくないッス!」

「ニートに人権はぬぇ!」

「やっぱこいつ外道ッス……!」

 シャヘルが妙にいい空気吸っているので、いったいどういう事か、とシャヘルに聞いてみる。

「ん? あぁ、こいつはジナコ・カリギリ、聖杯戦争に参加してた自宅警備員。この用務員室にプロテクトかけてヒッキーしてる三十路だよ」

「あー! あー! あ―――!! 聞こえない聞こえない!! ジナコさんは永遠の十八歳―――!!」

「うわぁ……」

「あ、その声外道猫ッスね!? なにそのドン引きしたような声は!」

 扉の向こうからぜはぁ、と息を切らすジナコの声が聞こえる。ここまで弄られる所を見てしまうと相手がどんな姿か少々気になってしまう。こう、少しだけだが何か新しい性癖に目覚めてしまう感がある。……が、問題はそこではない。彼女がここから出ようとしな事だ―――それでは生徒会室へと参加を頼む事は出来ない。

「あ、ジナコ、あとで上級クエいこうぜー」

「はいはいー、装備整えて待ってるッスねー」

「おう、うんじゃあなー」

 うんじゃあな、じゃないぞ我がサーヴァントよ、とシャヘルのマフラーを掴んでその動きを止める。ぐぇ、と声を漏らしながら首を絞められる自分のサーヴァントの動きを止めて、去ろうとする姿をここに留める。何故去ろうとする。

「このマスターの勧誘は無意味だからだよ、マスター。彼女はここから出ようとしない。彼女にとって月の裏側からの脱出は魅力的じゃないんだよ」

 馬鹿な、と言おうとして、その肯定がジナコ自身から来る。

「そッスよー。ジナコさんは誇り高きニート戦士ッスからねー。別に聖杯戦争とかどうでもいいんスよ。表側に戻って聖杯戦争で殺し合うぐらいならこの月の裏側でヒッキーして誰とも戦わず、平和にネトゲするのが一番ッスよ。知ってるッスか? このムーンセルは並行世界への観測も行っているから全並行世界のゲームを遊べるんスよ? ここはニートとゲーマー聖地ッス。こんな優良物件から誰が引っ越したがるんスか」

 うわぁ……。

 ジナコの発言にドン引きしようと思い―――いや、それも自由なんじゃないかと思う。

 人はそれぞれに思想が違い、願いも違う。あの辛い戦いに戻るなら……と、思う人がいても間違いじゃない。いや、それは正常な判断だろう。ま、何が何でも誘え、とは言われていない。だとすればジナコを見逃しても問題はない。そういうわけでジナコよ、ナイスニート。

「ナイスニートッスよー。……まあ、こっから生徒会室の事を見ることぐらいはしてるッスよ」

 ジナコの勧誘には失敗したが、譲歩は貰ったのでこれでいいとする。ジナコにネトゲで遊ぶ約束を取り付けるシャヘルの事は無視するとして、校舎に残ったマスターは後一人だと端末に出現している。あと少しだな、等と思って顔を持ち上げた時、

 ふと、校舎の外を見た。

 旧校舎の校庭には大きな桜の木があって、そのすぐ近くでは生徒NPCが腰かけて、その様子を眺めていた。大きく、そして力強い、美しい桜の木だと思う。それを眺めていると―――自分が本当に、どこか遠い場所へと着てしまったんだなぁ、と今更ながら自覚してしまう。

「―――どうしたマスター」

 シャヘルが此方を気遣ってくれてか、声をかけてきてくれる。シャヘルへと視線を向けながら頭を横へ振る。なんでもない、そう告げると、シャヘルは苦笑する。

「なんでもなくはないだろう。数十分前までは魂を虚数空間に囚われていたんだ。起き上がりでこんなに活動しちゃってどうしてもない、なんてことはないだろう。お疲れ様マスター。お前は本当によくやっているよ」

 労ってくれはするが、シャヘルは此方を止めようとしない。此方としてはそれは非常に助かる。なぜなら今は体を動かさなくてはならない時で、まだ休むときじゃない。シャヘルは此方の限界を把握しているのだろうが、そう言うわけではないだろう。だとすれば、何故シャヘルは決して此方を止めようとしないのだろうか。

「うん? 気になるか?」

 自分のサーヴァントの事だ。それはもちろん気になる。

「じゃあ教えてやるよ」

 片手を胸に当て、笑みを浮かべ、シャヘルは夕陽をの中で微笑んでくる。それは特別でも難しい問題でもなく、

CCCアスアス



「―――ただ単に俺がお前を愛しているから。その生き方に、あり方に、輝き方に惚れたから。それだけの理由だよ、白野。お前が覚えてなくても、俺だけは永遠に忘れない真実がそこにあるから」

 惚気るようで、それでいて悲しむような、そんな笑みをシャヘルは浮かべてくる。それを自分は美しいと、そう思った。その瞬間を邪魔するのを悪いと思ったのか、ネコアルクも黙り、姿を隠している。自分も言い返す事が出来なく、シャヘルのその姿を数秒間眺め続け―――。

「……」

 急にシャヘルが表情を変える。

「悪い、しばし消える」

「あ」

 そう言ったとたん、シャヘルは姿を消す―――つまりは霊体化を行い、姿を透明にした。

「あ、ちょ、ま、私も隠してよー!」

 ネコアルクがぴょんぴょん跳ね、そして姿を消す。そう言えばこのネコも元はサーヴァントだったらしいし、霊体化しようとすれば霊体化できるのだろうが―――マスターは誰だ、という疑問は残る。しかし急に消えたシャヘルの意味が解らない。一体何故そうも急に姿を消したのだろうか、

 疑問した瞬間、

「―――あら?」

 声とともに振り返る。

 そこにいたのは尼姿の女性―――なんだったろうか、確か、藤村大河だったか。いや、でも違う。藤村大河という人物はもっと自由奔放だ。

「起きられましたか。もうそろそろだと聞いてはおりましたが、こうやって実際に元気な姿を見ますと嬉しいものがありますね。おっと、私としたことが失礼いたしました」

 艶やかに、色気を含んだ動きを持って、人を魅了する美しさを持った尼は頭を下げる。

「初めまして、殺生院キアラと申します。どうぞよしなに」




 毎度ながら絵を描いてくださった珈琲さんに心からの感謝を。毎回素晴らしい絵を描いてくださるおかげで脳内で妄想する時間が無くなりません。


 そしてジャンケンとはなんだったのだろうか。そしてでたよエロ担当。
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| 断頭の剣鬼 | 15:04 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

あの二人がやっていたのはじゃんけんでは無く、邪拳か何かなのでは?
そしてミラクル求道僧と執行者、魔道菩薩の登場。
これからどんなカオスが繰り広げられていくのか。

そして違和感さんが仕事していない。

珈琲様。素晴らしい絵をありがとうございました。

| 黒羽鴉 | 2013/06/05 21:01 | URL |

ガトーにできるということはユリウスもできるのだろうか。
アサシンと戯れにジャンケンをするユリウス……ヤバイ、超見たいwww

そしてアルクェイド、お前理想郷の『これじゃない聖杯戦争』の猫みたいになってきたな。良いぞもっとやれ。

| 裸エプロン閣下 | 2013/06/05 21:30 | URL |

あー、消えた理由はディエスやKKK、CCCをプレイしたことがある人間ならだいたいわかりますね。
魔性菩薩はサイアスにとっての不倶戴天の仇敵と本質的に同じですから。

| イーヴル | 2013/06/05 21:41 | URL | ≫ EDIT















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