陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-3

 まず感じたのは柔らかさだった。全身を押し潰す様に、柔らかさを感じている。それが実に心地よいものだと、そしていい臭いのするものだという事にも気づいている。それが人であることに間違いはない。なぜなら先ほど落ちてくるのが見えたし、人の熱を感じるからだ。だから今、私は、先ほど会談で見かけた人に押し倒される形で潰されているに違いない。頭の後ろが痛い。だが問題はそこではない。

 デカイッ……!

 何かは、説明不要。というか説明してたまるか。


 なんだこの大きさは。大きい。超大きい。顔がすっぽり間に挟まれて埋もれる大きさだ。でかすぎるぞこれは。なんなんだこれは。アレか。魔乳と言われる類のものかこれは。マジぱねぇ。柔らかい。いいにおいがする。埋まる。もはや人間ではない。こいつ人間ではない。

 ―――だがそろそろそれに埋まり、呼吸ができなくて苦しい。息を求めて口を開く。

「ぁん、駄目ですよ、こんなところで」

 頭の中がピンクだった。死にたい。だがそろそろ本当に酸欠でヤバイので口を開いて酸素を求める。だが覆いかぶさっている女性は何の間違いか、喘いでいる。そんなサービスは金輪際必要ないので早く退いて欲しい。というかヤバイ。少しずつだが意識が遠くなってくる。何とか頑張って口を開き、少ない酸素を絞り出して声を漏らす。

「oxygen……」

「え……? あ、あぁ!」

 とっさに出た言葉が何故か英語になってしまったが、それでも意味は伝わったらしい。解読能力の高い人で非常に助かった。慌てて起き上がりながら体を離してくれる。おかげでようやく酸素を口にすることができ、消えかけていた意識が蘇ってくる。本当に、非常に危ない所だった。

 死因・おっぱいとかだったら彼/彼女に土下座してでも許されないだろう。

 ―――?

「あの、大丈夫でしょうか?」

 一瞬、何を考えたのかを思い出せなかった。だが目の前の女性に意識を引き戻され、それもすぐに忘れてしまう。此方を心配する様に視線を向けてくる女性は頭の後ろや顔を必死に確かめようとするが、大丈夫だとたしなめる。生憎とそこまで弱くはない。片腕を持ち上げて、筋肉を見せるポーズを見せ、安心させる……まあ、長袖だし筋肉なんてついてないが。

 だがそれでも女性は安心していた。

「いえ、本当に申し訳ありません。私としても前方不注意だったといいますか……」

 会談でバランスを崩すのは誰もがやる事だ。それを特別責める様な小さな人間であるつもりは、自分にはない。まあ、そのまま床にぶつからなかっただけ良かったことだと思おう。何事も人生はポジティブにとらえた方が楽しいに決まっている。だからここは運よく助けられた、私は運よく助ける事が出来たと考えた方がいい。

「いえ、本当にありがとうございます。広いお心の持ち主なのですね」

 そうやって微笑み、頭を下げてくる女性をやっと確認する。

 それは法衣に身を包まれた女性だった。西洋ではなく東洋、仏教の尼が着るような法衣。それに目の前の女性は身を包んでいた。ただ少々カスタマイズされているのは見れば解る。足元には長く、深いスリットが施されていたり、少々動きやすく作られていた。だが彼女の存在で一番特徴的なのはその服装ではない。

 彼女の放つ雰囲気だ。彼女の物腰、恰好、その雰囲気、その全てが淫靡で、そして艶やかな雰囲気を放っていた。俗っぽく言えばエロイ、とも言える。彼女はそう見せるつもりはないのかもしれない。だが彼女の見せるしぐさはそういう”女”っぽさを前面に押し出す、魔性の魅力を持っていた。少々言葉は悪いが、とてもだが学校に関係のあるような人物には見えない―――いや、そもそも学校にいていいいような類の人間ではないと思う。

 この女性はあの女と同様、他者を堕落させるような気がする―――。

 ……まただ。

 また、知らない何かと誰かを思い浮かべた気がする。

 ……最近、夜更かしが多いから少々眠りが足りないのかもしれない。今日の授業が終わったら家に帰って短くてもいいから仮眠を取る事に決める。

「えーと」

 彼女が此方を見て言いよどんでいる。その反応からおそらく名前を知りたがっているのだろう。自分の名が岸波白野、という事を伝える。それを聞いて女性は笑みを浮かべる。

「ありがとうございます岸波さん、このご恩はいずれお返しいたします」

 女性は此方の手を握って握手すると、廊下の奥へと消えてゆく。本当に学校という場に相応しくないような人物だった。なんというか、うん。色々と強烈すぎる。特に出会いとかが。

「あ」

 そうだ、教室へと向かわなくてはいけなかったのだ。時間が本当に危ない。これ以上ゆっくりしていれば本当に授業に―――。

「―――」

 と、階段を上ろうとしたところで動きを止める。

「……」

「……」

 階段の上には金髪にブロンズレッドの制服姿が特徴的な少年、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイの姿がそこにはあった。彼は階段の上から私を見下ろしている―――養殖場の豚を見るような目で。ものすっごい見下されていた。これでもか、というぐらいに見下されていた。どうしようか、と全力で冷や汗を流していると、レオが階段の上から笑みを浮かべてくる。

「あ、おはようございます岸波さん。朝からリアル無双とかやりますね! シンジにもぜひネットで無双するのではなくリアルで無双してもらいたいものです」

 痛い。レオの言葉が剣となって突き刺さってくる。見てた。一部始終じゃなくて、絶対最初から全部見られていた。だとしたらぜひ弁解の余地が欲しいです。

「却下します。さて、僕はこれを広める系のお仕事があるので、岸波さんが女性の胸にしゃぶりついていたという事実を―――」

「やめて! マジでやめて! やめてくださいレオさん! いや、ホント、マジで」

 このリトル王様、本当に容赦がない。笑顔でさらりとそんな事を言ってのけたり、実行に移す為に携帯端末を取り出したりと、その行動が全部本気だという事が解る。だが、そう。レオに素直にそんな事をさせるわけにはいかない。素早く階段を走り上がる。

「ほ、本気ですね!」

 当たり前だ。これでレズの烙印を押されるとかいやすぎる。こうなったらレオを全裸にひん剥いてノーマルという事を証明してやろう。

「それノーマル突き抜けてただの痴女ですよ岸波さん! 斜め上の反応ですね!」

 レオが端末をしまいながら素早く階段を上って行く。レオを自由にさせるわけにもいかないので、素早くレオの姿を追いかける。そのまま階段を駆け上がり、二階の自分の教室まで校則無視のダッシュで駆け上がる。だがもちろんレオの方が到着が早い。だからレオが教室の扉に手をかけ、それを開け踏み込んだ時、

 思わず跳び蹴りを仕掛けた。

 もちろん、それは止められたのだが。

「お前は一体何をしているんだ……」

 跳び蹴りをくらわそうとした体が中空で持ち上げられるように止められる。首だけ動かして後ろを確認すれば、黒いコート姿の男が制服の襟首を掴んで、此方の事を持ち上げている。葛城先生だ。実にあきれた様子で此方を見ている。が、彼が自分やレオの行動で呆れるのは最近になってよくある事だ。

 ―――しかし―――彼が―――こうやって―――呆れる―――本来は―――。

「ッ」

「……どうした岸波?」

 葛城が此方の体を解放し、そして軽く心配する様な視線を向けてくる。……軽くありえないものを見ている気がする。が、何故それがありえないかはよくわからない。ともあれ、気にする必要もないだろう。なんでもない、と言って教室へと向かう。

「そうか。あまりはしゃぎすぎるなよ」

 そう言って葛城は背を向けて階段を下りてゆく。葛城の担当する授業は時間的にまだまだだし、おそらく教員室で時間を潰すのだろう。―――しかし、歴史の授業でテロの対処方法を教えるのはどうにかならないのだろうか。凛が挑戦的な視線を浮かべてしまう。この二人、絶望的に相性が悪い気がする。

 ともあれ、教室に入る。まだ予鈴はなっていない。かなりゆっくりした感じだったが、まだ鳴っていない事を考えると今日は結構速く学校へとやってきてしまったのだろうか? 特にそんなつもりもなかったので軽く違和感を得つつも、教室の中へと入る。そこには何時も通りの顔ぶれが二人で揃っていた。

「よう岸波。今日は重役出勤だな」

「とか言いつつシンジは岸波さんの事を今か今かと待っていましたよね」

「五月蠅いよ! というかお前なんで僕だけ呼び捨てなんだよ!」

 シンジ―――間桐慎二。上から目線だし、少々傲慢だけど、シンジが悪いやつではない事は誰よりも自分が知っている。かなりとっつきにくいやつではあるが、その線を超えてしまえばかなりいい奴だと思う。ブツブツ文句を言いながら最終的には折れるし、弄ると面白い反応を見せるし。かなり人間臭いやつ、だとは思っている。片手を上げておはよう、とシンジとレオへと告げながら、シンジの机に集まる。基本的にこのクラスで一番仲がいいのはこの二人だ。残念な事に同棲よりも異性の方が仲がいい。よく中身がオッサンとかそのせいで言われたりもする。

「というかお前、今日はどうしたんだよ偉く遅かったけどさ」

「それは野暮というものですよシンジ。岸波さんはリアルで無双していた……それだけの話です」

「おいレオこの野郎」

 拳を作ってレオを脅迫する。レオもそれを見て苦笑しながらまあまあ、と此方を両手で落ち着かせてくる。まあ、お互いに本気ではなくただのじゃれ合いなのでここら辺で止めてくことにする。しかし、なんだったのだろうか。レオと、自分と、そしてシンジ。私達の出会いってなんだっけ、不意にそれが物凄く重要な事なんじゃないかと、考えてしまう。

「何を言っているんですか? 僕は欧州の方からの転校で、此処へ来て偶々見かけた岸波さんと交流を持ち始めたのが始まりでしたよ」

 そうだ。レオは欧州、西欧財閥の若き御曹司だ。未来を約束された王様。しかし彼がその座につくまではまだ時間がある。兄であるユリウス・ベルキスク・ハーウェイと共にこの月海原学園へとやってきたのだ。

「えぇ、やがて僕は世界の王として君臨します。その為にも必ず持ち帰り……あれ? すいません、僕は一体何を持ち帰るんですか?」

「さあ? お前が知らないのに僕が知るわけがないだろう。PJ(ピースジャーナル)のやりすぎで少し寝ぼけているんじゃないのかぁ?」

「はっはっはっ、廃ゲーマーのシンジにだけはそれを言われたくはありませんね」

「お前、最初はここまで生意気じゃなかったよな……」

 あぁ、何かレオのキャラのコレジャナイ感が酷いと自分でも思う。

「そうですか? 僕もこう見えて人間ですね。背負うべき責任、果たすべき宿願、成すべき結果。これらがなければ僕だってただの子供になります。そこらへん僕は結構完璧主義者でして、サボるのならバレないように完璧、というのをモットーにしていますから」

「お前怖いよ」

 シンジがそんな事を真顔で言うと、予鈴が鳴る。それは教師が教室へとやってくる合図でもある。二人にまたあとで、と言って素早く自分の席に座る。そして席に座って待つこと数秒、教室の扉が開く。

 そこからは、驚愕の人物が現れた。

「―――あら? まさかこのクラスの生徒でしたか」

「あ」

 教室に入り込んだのは尼―――階段で上から落ちてきた女性だ。此方を見て、そして此方から見ても驚く。まさかこんな所で会うとは思いもしなかった。ちょっとした出来事に驚いていると、レオが近くの席から此方にだけ聞こえる声で呟いてくる。

「リアル無双」

 お前、次の休みまで待ってろ。絶対泣かしてやる。

「えーと、では」

 優雅で、そして淫靡な動きで彼女は頭を下げる。そうやって注目を集め、生徒を魅了する様に視線を釘付けにすると、

「藤村大河、と申します。今日より皆様の担任となりました。ぜひ、よろしくお願いします」

 ―――違う。

 そんな言葉が一瞬脳内を駆け巡るが、何が違うのかはよくわからない。ただ、彼女は違う、自分の記憶がそんな事を告げている気がする。いや、記憶にそんな事実はない。ならこれは直感だ。

 ただ、解る事は一つ。

「―――綺麗だ」

 シンジの春が来た。




CCC開幕からこのネタの量である。
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| 断頭の剣鬼 | 09:37 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

レオ……CCCでもかなり濃いキャラになったが、
ここのレオはもっとひどいw

| 裸エプロン閣下 | 2013/05/30 10:30 | URL |

とりあえず一言。
てめぇみたいなエロいタイガーがいるかぁッ!

| hunting ground | 2013/05/30 14:13 | URL | ≫ EDIT

これは酷い
何が酷いって原作でもこんな感じなのが酷い

| | 2013/05/30 18:00 | URL |

更新お疲れさまです。

原作と違和感がないのはてんぞー様の文章力のおかげなのか、それとも原作が病気だったからなのか。

取り敢えず、違和感仕事しろ。

| 黒羽鴉 | 2013/05/30 23:23 | URL |

まだまだあるよ!
しかしこれは二次小説・・・やろうと思えば原作よりもネタを自重しなくても良いということ・・・!

| おk | 2013/05/31 08:28 | URL |















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