陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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CCC-2

 落ちている事は理解している。

 ―――だけどそれを止める手段はない。

 まだ、止める事が出来るだけの熱量はこの体に宿っていない。もっと燃やせ。仲に眠る熱を解放しろ。それこそ目覚める為に必要な事だ。解放し―――思い出せ。彼/彼女は何時もそこにいる。何時だって手を伸ばしている。必要なのはこちらから手を伸ばす事だ。

 思い出せ、思い出せ、思い出せ。ただひたすら思い出せ。

 記憶を洗って垂れ流して思い出せ。全ての始まりはあそこだ。だがそれは終わりでもある。だからそこに答えはない。何時だ。何時からあの力強い声は私を呼んでくれていたのだろうか。それを思い出さなくてはならない。私という存在が何にまどろんで、そして一体何に囚われていたのか。

 なにから逃げたのか。何に救われているのか。


 私はそれを思い出さなくてはならない。

 ―――ノイズが脳内を駆け巡る。思考に異音が混じる。それが脳をぎりぎりと締め付け、引き裂いてくる。だがその痛みにも不快な感覚にも負けたりはしない。心を保って、思考を揃えて、考える。記憶は薄れて流れて消えてゆくものだ。だが消えない記憶がそこにはある。それを思い出さなくてはならない。

 何故なら自分は■■のマスターだから。

 彼/彼女の唯一の相棒だから。

 義理でも義務でもなく、ここで諦められないという願いがある。思いがある。熱がある。そしてそれは私を突き動かしている。ならそれだけで理由は十分だ。私はまだ動ける。歩ける。なら、動き続けなくてはならない。それこそが―――私が―――私で―――あり続けるという事だ。

 本当の物語は、真実は、此処から思い出せるはずだ。見つめ直せ。何があったのかを。

 ―――思い出せ!





 爽やかな風が頬を撫でるのと同時に少しずつ眠気が覚めてゆく。制服はまだ袖の長い冬服だ。それでも肌で感じる気温は過ごしやすいレベルでの暖かさになっている。……今は眠気が覚めるが、これが十数分後には授業での眠気を誘う原因にならない事を祈るだけだ。まあ、それも虚しい祈りでしかないのだろうが。

 そんな事を思いつつ、朝の通学路を歩いていれば、黒い制服姿が見えてくる。もはや見慣れた/見慣れていないその制服姿を見かけるのと同時に減速し、足を止める。自分が通う月海原学園校門の前には黒い制服の一段―――月海原生徒会の面々が朝の挨拶とチェックを行っている。何時も通りの変わらないその姿に苦笑し、その中でもリーダー格、メガネをかけた男子の柳洞一成が此方を見かけ、元気な声でおはよう、と挨拶してくる。此方もそれに対しておはようと答える。

「うむ、実に結構! 朝は元気よくしなくてはな! 病は気から、健全な精神は健全な精神に宿る、故に健全な精神を保てば逆も然り!」

 実に一成らしい理論だと苦笑してしまう。今月もまだ風紀強化月間なのだろうか? 生徒手帳や爪のチェック、何時も何時もご苦労様と言いたい所だ。

「何を言っている?」

 一成は首をかしげる。

「そんな事はやっていないぞ?」

 そうだったか? と首をかしげる。瞬間、

 ノイズが脳内を駆け巡る。ここだ/ここではない。そこで私は―――。

 一瞬だけぼぉっとして過ごしてしまった。もうすぐ予鈴の鳴る頃だ。そろそろ急いだ方がいいのかもしれない。軽く感じた違和感を拭い去るかのように軽く頭を掻き、歩き出そうとしたところで一斉に止められてしまう。

「あぁ、すまん岸波。教室へと向かう前に一つだけ頼まれてくれない? 実は用務員室の扉の鍵を閉め忘れたようなのだ。教室へと向かうついでで良いので私の代わりに鍵を閉めてくれると助かるのだが」

 それぐら数秒で終わる仕事だ。理理由もないだろう。快く快諾し、一成から鍵を受け取ってスカートのポケットに入れる。これがいわゆるお使いクエスト。授業開始までもうそんなに時間も残されていないので、さっさと用事を済ませる為に少し早足で校内へと入り、グラウンドを真直ぐ横切って校舎に入る。

 ……途中、見かけた朝礼台の上でポーズでも決めようかどうかと悩んだのは一瞬の迷いだと信じたい。

 校内へと入り込むと上履きへと履き替えずに/その必要はなく、そのまま校内へと上がりこむ。生徒で溢れかえる校舎の姿は何時みても楽しさ/違和感で溢れていて、実に騒がしい事この上ないが―――だがこの賑やかさを心地よいと感じている自分もいる。何の干渉かはわからないが、妙に感慨にふけっている自分がいる。ばかばかしい。さっさと用事を済ませてしまおう。

 用務員室は校舎一階、入った所からすぐ左に曲った所の奥に存在する。予鈴が近いために教室から人の声は多く感じるが、廊下にはほとんど人の影を見ない。まあ、それも当たり前と言ってしまえばあたり前なのだが。自分もさっさとクラスの輪に混じるためにっ気足で用務員室へと向かう。辿り着いたところでスカートのポケットから鍵を取り出し、扉に触れる。

 ―――と、そこで、

「うわぁ、最近こんなニュース流れてたんッスねー。マジ乙。というかそりゃないわー。ん? またここの新作延期ッスか。こりゃもう延期する事がネタを超えて文化になってるッスね。いや、これはこれでネタとして優秀なんスけど、会社としてはどーなんだろ。あ、三落ちした。コイツ地雷かよ……課金装備乙、というか装備整える前にPS鍛えなよー。そんなんだから地雷なんスよー」

 聞き間違えでなければネットスラングを多用しまくっている人物が用務員室にいるような気がする。扉を開ける前に、コンコンとノックをして、中の反応を見る。中に誰もいませんか?

「な、中に誰もいませんスよ! 中には誰もいないのでナイスボートはぜひ勘弁ッス! あ、あと十秒だけ待って!」

 十秒俟てと言われたら松野が淑女のふるまいだと思う。なのでここは迷わずカウントする。

 十―――三、二、零。

「はっや! 早いじゃなくてはっや!? しかもさりげなく一を飛ばした! 流石にそれは卑怯ッスよ卑怯!」

「あぁ? 聞こえんなぁ」

「お前は何処の神拳伝承者の三男ッスか……」

 もちろん隠れる暇なんて与えずに用務員室の扉を開ける。そこには体の上半身だけをロッカーに突っ込んでいる女性の姿があった。上半身という恰好な辺り、十秒の間に完全に姿を隠そうとしていたのだが、こう、女性としてソフトに開設するのであれば彼女の姿は若干”むちましい”と言うべきなのだろうか、ロッカーに入ったとしてもこれは少々きつい。

 頑張って目指そう平均体重。私は味方だ。

「何んか憐みの視線を送られた!?」

 シンプルな黒のスラックスに黄色のシャツ、黒のカーディガンに長い茶髪。明らかに制服ではない。生徒以外の人物がこの学園にいる事は不思議だ―――というかこの環境がかなり謎だ。用務員室なのにパソコンが設置されており、お菓子のゴミがあちらこちらに散乱とし、マットの上で寝転んで遊べるように環境が整えられている。

 ちなみにスクリーンは半分が笑顔動画、もう半分が怪物狩りのネトゲだった。

「うわぁ、見ちゃダメッスよ! というか誰ッスかアンタ!?」

 メガネをかけた、少しふとましい女性は立ち上がって、此方を睨んでくる。いや、むしろここに住みついているお前の方が誰だよ、と言いたい所だが質問に質問を返すのは良くない。自分が制服を見れば解る様にこの学園の生徒であり、そして一成に頼まれてここの鍵を閉めに来たことを伝える。此方は答えた。なら今度はそちらの番だ。

「うん? あたしッスか? あたしはジナコッス。ジナコ・カリギリ。ここの教員ッスよ」

 そこまでにしろよジナコ。

「初対面ッスよね!? なんでそんなに辛辣なの!?」

 いや、この不審人物教員、ジナコ・カリギリが持っている空気というべきか、感覚というべきか、実に絡みやすいというか、なんというか……弄りやすい? そんな雰囲気がある。気を悪くしたのなら素直に謝る。傷つける気はなく、少々悪乗りしてしまっただけなのだ。

「いや、そこで謝られても困るだけなんで頭を下げないでくれると助かるッス」

 ジナコはそう言って頭の後ろを掻く。さて、本題に戻るとしよう。ここには鍵を閉める為に来たのだが、ジナコがいる。となればジナコをここに閉じ込めるしかかい稀有方法はない。

「ちょっと待ったぁ! 何なんスかその結論!? ジナコさんちょっと発想のぶっ飛び方にビックリッスよ!」

 じゃあなんだここにいるんだよ。

「ジナコさんはエリートニートッスよ。教員になっても仕事はないッス。だからこうやって一日中ゴロゴロするのが仕事ッスよ」

 そうか。エリートニートなら仕方がない。

 ポケットから鍵を取り出し、それをジナコへと向けて投げる。おわ、と声を漏らしながらジナコはそれをキャッチする。それをキャッチした事を確認したら用務員室をよろしく、と声を残して去ろうとしたところ、ジナコが慌てる。

「ちょ、ちょっと待つッス! 何スかこれ!? というかいいんッスかこんな事をして!? というかジナコさんが変だとか、そういうツッコミはなしッスか!?」

 いや、自分が見た所ジナコは悪い人物ではないし、自分は誰かに説教して連れ出すような高尚な人物ではない。だからそこらへん、自分が言えることは何もない。ジナコがこの環境で満足しているのであれば、自分にとって不都合がなければ、それはジナコの自由だ。だからそれを侵害するようなことはしない。ただ、

「ただ?」

 変、という事に対してだが。

「たいして?」

 私は、こう思う。

「―――人間、誰もがそれぞれに”変”だから、ジナコだけがおかしいとか、変、という事はありえないよ」

「―――」

 自分としては至極真っ当な事を言ったつもりだが、ジナコは口を開いて驚いている。何かおかしなことでも言ったのだろうかと一瞬迷ったが、ジナコが頭を横に振り、そして隠れる様に背中を向ける。その手の中にはカギが握られており、背中を向けながらカギを握った手でし、し、と追い払う様に手を動かす。冷たいしぐさだが、不思議とそれは冷たく感じなく、ジナコの照れ隠しだと解った。

「此処の事はジナコさんに任せるッスよ。そこらのニートとは格の違うニートっぷりを見せてやるッスよ」

 人生それでいいのか……とは口には出さない。少しだけ思うが、ジナコの選択はジナコのものだ。それを村長するのは当たり前の話だ。用務員室から出ればカチ、と背後で鍵のかかる音がする。用務員室の主であるジナコが約束を果たしたのだろう。まあ、これ以上彼女のことを気にしている時間はない。もう予鈴は何時なってもおかしくはない状況だ。本来なら校則違反だが、真面目な生徒会役員がこの時間帯に歩き回っている事はない。

 誰も見てない事をいい気に、廊下を走って会談へと向かう。最後の数歩を軽いスキップで体を止めると、階段の方へと向く。

 ―――瞬間、上から黒い影が見えた。

「え」

「あら?」

 黒い影―――いや、人が階段の上から落ちてくる。それが自分へと向かってくる。

 それを呆然と眺めながら―――

「ふんぎゅぅ」

「あら」

 潰された。




 アンデルセンも大好きなにーこにーこどーが。そしてモンハン。ですがてんぞーちゃんはPSO2です。シップ1のな!

 なんとなくですがジナコさんはツッコミが似合うというか、少しだけ不憫な感じにした方がキャラが立つと思うの! ほら、一般人だし。そんなわけで。あともう解ってますけど大筋は原作ですが、完全に原作と一緒というわけではありません。知らない人がいたり、イベント発生の順番が前後したり。で、まあ

 CCC、プロローグ、はじまってますよ?
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| 断頭の剣鬼 | 14:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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