陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-38

 4回戦六日目。

 マイルームは何時もはない賑やかさを見せていた。

 ソファでくつろぐセイバーは何時も通りだが、それとは別にこの部屋で見る事のない人物が二人ほど椅子ワオ引っ張ってきて、座りながらマイルームを見ている。

「へぇ、これがアンタたちのマイルームねぇ……ハッカーとしてのスキルが低いからあんまり手が加えられていないものだと思っていたけど」

「それは彼女に対してのみですよ。サーヴァントの方は優秀なスキルを保有しています。部屋の改造ぐらいはするでしょう」

「私だってそれぐらい解ってるわよ」


 セイバーの横に座りながら、そうやって見るには今まで保健室にいた凛とラニだ。既に聖杯戦争を敗退してしまった彼女たちには端末は与えられず、そういう理由からマイルームも所持敷いていない。いや、端末を持つことで得られるはずの恩恵を得られていない。だからこうやって次の居住先として、この二人をセイバーと自分のマイルームへと導いた。それは凛とラニに対する信頼の証でもある。

 彼女たちの部屋と、そしてマイルームへのアクセスキーはセイバーがくつろいでいるように見えながらも”アスタロス”というハッキング術式を使って現在作成中とのことだ。本来なら敵の脳をハッキングし、意のままに操るモラル的に流石にヤバいんじゃないか、というものなのだが、何やらレギオンには電子空間のプロフェッショナルがいるとかで、実に頼もしい。この幅広い手段は自分だけではなく、部下の技能も含まれているらしい。

 まあ、凛とラニにいらっしゃい、適当な椅子に座って、と休むように提案した。それを素直に受け入れた二人は手短な椅子に座ると話を始める。

「それでは此方で解析した情報と、其方が”ハンティング”で得た情報の整理と行きましょう」

 ラニがそう言うと虚空にホロボードを出現させ、データを表示させる。それはハッカーがハッキングするときに見る電子情報で、普段は不可視設定により他人には見えなくしているものだ。だがそれをラニは共有している。それを開示するという事は自分のスキルや秘術を公開しているに等しい。

「デレてるなぁ……」

 セイバーが小声で何かを言った気がするが、よく聞こえなかったのでスルーし、此方も端末からデータを共有用に表示させる。朝早く言峰神父から送られてきた対戦相手、バーサーカーの情報はステータスと、一部スキルに関する内容だった。それが見えるように表示する。

「んで、ラニがバーサーカーについて調べたから私はマスターの方、ガトーの方を調べておいたわ」

 そう言ってラニもホロウィンドウからデータを表示させる。改めて、この状況を異常だと思う。この聖杯戦争は見方がサーヴァントのみの勝ち抜き戦だ。なのに、自分は今味方を二人も増やしている。サーヴァントのいない彼女たちだが、そのスキルは新たなサーヴァントを得るのよりもありがたい状況なのだ。

 ともあれ、全部いっぺんに見るのも面倒な話。一つずつ、まずは自分の所からデータを見るとしよう。そうやって表示されるバーサーカーのステータス、

 筋力A+、耐久B、敏捷A、魔力C、幸運D。

「やったなマスター! 魔力だけだったらこっちが上だぞ―――他は全部死んでるけどな!」

「うっさい!」

 隣のセイバーに軽くエルボーを叩き込む。わき腹に突き刺さり軽く悶絶する姿を無視し、ステータスの次の表示された。スキルを―――”原初の一”を表示させる。

「―――星の触覚ね。改めてステータスとこのスキルをみれば相手がどれだけ凶悪なのか理解できるわね。ステータスは主要ななのがほとんどAとB、魔力と幸運の低さを抜けば確実に一流のサーヴァントとして言い張る事の出来るレベルよ。だけど一番厄介なのはこのスキル、”原初の一”よね」

 えぇ、とラニが頷く。

「星の触覚である事を表すこのスキルはつまり”己が星そのものである”という事の証でもあります。このスキルの説明内容が正しければこのサーヴァント・バーサーカーはムーンセルという存在そのものとなります」

「いや、正確には違う」

 セイバーがラニの言葉に訂正に入る。

「アルクェイドは真祖の吸血鬼であり、星の触覚だが、彼女が本来象徴すべきなのは”月”でありムーンセルではない。さて、アルクェイドは本来は月の触覚である故、”月の全て”でもある。そういう概念的存在でもある。だからムーンセルで英霊として召喚されれば月の意志の体現、そういう意味でムーンセルと同一の存在、ムーンセルそのものとも言える存在だったはず―――というのは朱い月だったアルクェイドの話だ。アレは正真正銘タイプムーン。このアルクェイドは星の触覚という精霊としての部分の具現だな。タイプムーンと比べりゃあ劣るが、ムーンセルさんが本当にお仕事してるので月の精霊さんになっちゃってるけどな」

「ムーンセルが完璧すぎる程に再現しようとするからそうなっちゃうのかしらね? まあ、道が違うけど終着点は一緒だ、って話ね今のは。ややこしくするからあなたは黙ってなさい」

「ういーっす」

 セイバーがどこからともなくマスクを取り出し、それをつける。大きく赤いバッテンマークの付いたそれは中々コミカルで、ソファの上で体育座りをして黙りこむセイバーの姿は少し可愛らしかった。

「重要なのはこのスキルが使用不可になっている事です。サーヴァントという存在はパスを通してマスターと密接なつながりを持っています。ガトーが強くバーサーカーを神として認識しているために、おそらくバーサーカーの存在自体が揺らぎ、認識に囚われて劣化しているのでしょう」

 そこね、と凛は言い、自分も頷く。セイバーは我執にとらわれ過ぎているとガトーを評したが、その意味は理解できる。ガトーは自分の信仰心に溺れており、そしてそれは鎖となってバーサーカーを縛り付けている。

「そしてそれによる弱体化はそれだけではありません」

 ラニが此方の取得したスキルの情報と併せて自分のッ見つけたスキルの情報を見せてくれる。

 バーサーカー化A→C、

 魔眼A→C、

 原初の一EX→X。

「バーサーカーはガトー・モンジの我執に囚われる事によってそのスキルの全てを無駄なものとしています。バーサーカー化は理性を消すだけにとどまり、魔眼は不完全に目の色を片目だけ変えるにとどまり、そして最も大事なスキルに至っては完全に抹消されています。”星の触覚”という人間では理解できない、手の届かないステージにある存在を”神”という人間の観測の及ぶ範囲の存在として強く信仰してしまったが故に、バーサーカーは十全に力を発揮できていません―――おそらくガトー以外のマスターであれば、ガウェインとレオのコンビでさえ勝利できたかもしれません」

 セイバーもそれには頷く。

「ムーンセル相手に殴り愛をして勝利できるサーヴァントなんてほとんどいねぇよ」

「あら、出来ないとは言わないので?」

「そこらへんはノーコメントで」

 まだセイバーは宝具を見せていない。その宝具の能力にはムーンセル相手でも勝ち目を拾えるだけの効果を持ったものがあるのだろうか? 気になる事ではあるが、それはセイバーが言うまでは自分の胸の内にしまっておくべき話だ。さて、とラニは言葉を置いてからもう一つ情報を見せる。

「で、ここれが宝具となります」

 そう言ってラニは宝具のデータを表示させる。

 が、ちょっと待て。

 英霊の宝具と言えばその英霊を象徴するもの、その英霊の長所であり弱点ではないか。それをラニは調べたと言ったが、正直驚きを通り越している。

「む、やるわね」

 凛が軽く褒めるとラニは無表情のまま答える。

「ナンセンスですねミス遠坂。私は与えられた仕事と信頼に対して最大の力を込めているだけです。ですからこれは当たり前の結果です」

「やだぁ……このホムンクルス笑顔の前にドヤ顔覚えた……」

「腹パンするぞセイバー」

 最近セイバーに対する対応というか、方針が固まってきている様な気がする。生前のセイバー相手に友人や家族は凄い苦労してのではなかろうか? ともあれ、宝具の名は”プルート・ディ・シェヴェスタァ”……おそらく血の姉妹という名の宝具だ。内容を見るに対軍型の宝具で、月を浮かべ、バフとデバフを同時に行う優れた宝具のように思える。継続型の結界型。戦闘が長引けば長引くほど厄介なタイプだ。此方の手札を見る限りこれの対抗策は―――

「うーむ、”愛しき魔姫”を習得した事っだし、宝具中に筋力や耐久を下げられるのなら上げるしか手段はないな。暴食や魔姫で耐久筋力強化、スキルは、まあ、なぐり合うなら魔力放出かねぇ、それで何とかデバフ分を帳消しにしながらリザレク何度もしつつ首を落とす……って所か?」

 なるほど、使える攻撃スキルが増えただけでやる事は何時もと変わらない。本当に解りやすい話だ。まあ、これぐらいの逆境は何時もの事だ。此方も宝具なしで戦う事に関してはもう慣れた。相手だけ一撃必殺の技を持ってるのに此方は使えないマゾプレイだが、それももうセイバーの魅力だと思って溜息を吐きながら諦めよう。バーサーカーがガトーの我執に囚われている限りは勝ち目があるし。

 ―――まあ、裏を返せばガトーが我執から解放されればその勝機は消え去るのだが。

「んじゃ、今度は私の番ね」

 そう言って凛が見せるのはガトーの人生の断片、ガトーをガトーとして知るための情報だ。

「ほら、白野って結構サーヴァントだけじゃなくてマスターの方の過去とかも気にするでしょ? だからとりあえず解りやすく纏めておいたわよ」

 凛とラニに感謝の言葉を継げ、ガトーの人生を見る。それはまさに破天荒と呼べるものだった。若い頃から神への信仰に目覚め、ガトーは世界を旅した。そうやって多くの文化や宗教、神に触れて……そしてその全てが違うと、どこかで結論を作ったらしい。どういう結論家は解らないが、そうやってガトーはムーンセルへとやってきた。

 ―――なるほど。

 ガトーは目的があってムーンセルへとやってきたのではない。

 答えを求めてムーンエルへとやってきて―――そして英霊の召喚、バーサーカーの召喚によって答えを得てしまったのだ。

 十分すぎる程の情報堕。これだけあればバーサーカーの動きも、ガトーの判断の仕方も解る。ころえで明日、十全にセイバーへの指示を送る事が出来る。

「そう、良かったわ。苦労した甲斐があったわね」

 凛はそう言って溜息を吐くと、此方へと向き直ってくる。

「ほんと、しっかりしてよね? 貴女が握っているのは自分の命だkじゃないんだから」

「えぇ、私達は貴女こそが勝者になると見極め、そして信じた結果ここにいるのです―――負けないでください」

 ラニと凛の信頼が胸を打つ。今までは敵だった彼女たちがこうやって生き延びるためとはいえ、信頼と命を預けてくれる。それに対し胸が熱くならない道理はない。

 その光景をセイバーはニヤニヤと眺め―――表情を変える。

「なら……さて、ミハエルも随神相も戻ってくる前に俺もいい加減に刃を本来の使い方に戻そう」

 セイバーがそんな事を言うものだから、訊き返す。刃と言うにはあの二刀の処刑刃の事なのだろうが、本来の使い方とはいったいなんだろうか。アレが処刑の為、首を落とす事のみに特化された必殺の武器であることはもう疑う事はない。が、アレ以上の役割りがあの武器には存在したのだろうか?

「ま、データは開示しておこう。俺の一つ目の宝具の本来の使い方だ」

 そうやってセイバーは自分が今まで使ってきた己の刃を一つ目の宝具だと断定し、データを見せてきた。その武器の能力に目を見張りながら、確かに今の使い方は”違う”という事が解った。

 予想外の戦力の増強を受けながらも、

 ―――時は決戦へと進む。






NOBLE PHANTASM
≪罪姫・正義の柱≫
ランク:A 種別:- 最大補足:1 距離:1
セイバーの体と、そして魂と完全に合一されたギロチン。
元々は斬首された女神の魂が治められる聖遺物ではあるが、もうここに女神は存在しない。
しかし女神が生まれつき保有していた斬首の呪いは永遠に染み付いている。
それがどんな存在であれ、首を刈られてしまえば蘇生も再生もできずに死亡する呪いを持つ。
本来はこれが破壊されればセイバーは即死するのだが、セイバーの肉体と完全に融合しているため、
この宝具を破壊するにはセイバーの肉体を消し飛ばす必要があり、現実的ではない。
尚、本来の姿は魂の系譜に従い、刃を背中より刃根(はね)として生やす姿である。


 そんなわけで次回vsバーサーカーです。魂の改竄でユウキチャァァァァンが復活しました。

愛しき魔姫:1ターンの間ダメージを2倍化する 100MP

 すっげぇ燃費は悪いけど効果はデカイ、そんなキャラですセイバーは。ちなみにキャスターだと更に燃費が悪くなる。と、まあ、ゲームデータはどうでもいいですよね。とりあえず次回で4回戦は終わらせます。
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| 断頭の剣鬼 | 12:05 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

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| | 2013/05/13 17:08 | |

アルクェイドは月の触覚ではなくね?
朱い月はそうだけど、アルクェイドはあくまで地上の王様のプロトタイプの一つなわけだし。
それに、彼女の宝具は月(ムーンセル)を地球の環境に書き換えるものだから、なおさら地球の触覚だと思うが?

| | 2013/06/13 21:48 | URL |















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