陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-35

 凛とラニはただ厄介になっているのも心苦しいと、協力を申し出てくれた。かなり危険が伴う事だが、正直ハッカーとしても、魔術師としても彼女たちは自分の一歩も二歩も先を行っている。あの凶悪な二人がコンビを組んでいるのだ。収穫は期待できるに違いない。だから無事であることを信じて、セイバーと共にアリーナの中へと入る。

 まるで海底洞窟のようだと思った。少しずつだが、勝利する度に、このアリーナは段々とだが浅い所へと、海面へと向かって浮上していっている様な気がする。最初は光さえ届かない闇の海の底だったが、今では少しずつだが、光の差す場所へと浮かんできている感じがする。今度は照明ではなく、太陽光にも似た光で迎えてくれそうな、そんな予感がする。


「いるな」

 セイバーのその一言が何を意味しているのかは解っている。このアリーナへと踏み込んだ瞬間から、重くのしかかるような空気を逆側から感じる。もはや疑うこともなく、これがで敵の―――バーサーカー・アルクェイドのプレッシャーであることを理解する。一つ前のアリーナで対峙していた時は歯牙にすらかけていなかったのだろう。だが今、エネミーとの交戦を経て、バーサーカーは盛大に狂っている。倒した的の血の臭いに酔っている。それを持って闘争反応を表している。

 此方に対して直接的に向けているわけでもないのにこの迫力、相手は間違いなく”神話”クラスの化け物に違いない。―――まあ、それは既にセイバーがネタをバラしてしまったのだが。

 と、そこで端末から音が鳴り響く。それと同時に前方でワニの頭の様な形をしたエネミーが出現するのを目撃する。間違いなくそれこそが今回の討伐対象のエネミーのはずだ。予め用意しておいたスキャニングプログラムを使用し、アリーナの中を調べる。

 そうやって調べて確かめられる対象の反応は七体。どうあっても引き分ける事の出来ない数だ。まあ、ハンティングと言うからには競走になる事は目に見えていた事だ。

 ガトーたちよりも素早く動き、エネミーを狩る必要が出てくる。

 故に、セイバーの首に後ろから抱きつく。

「じゃ、よろしくセイバー」

「あいよ」

 軽い返事と共にセイバーは弾丸の如く飛び出した。前方に見える対象エネミーを捕捉した瞬間、セイバーにしか理解できない必殺の線、首の位置を把握し、すれ違いざまに一撃でその命を刈り取る。エネミーは一撃受けただけでその構成ポリゴンが、テクスチャが崩れ、此方の端末に一匹狩った事を示す電子音が鳴り響く。だがそれを着にする余裕はない。アリーナに進入する前に移動速度上昇のコードキャストをセイバーと、一応自分にもかけてある。

 目を開ける事が難しい程の速度でアリーナをセイバーは”跳ね回った”。

 顔に強い風の感触を受けながらも、必死にセイバーの首にしがみ付く。セイバーは直線的に体を飛ばすと、その先にある壁や、もしくは岩などを足場に体を直角に鳥羽市、一気に加速してアリーナを進む。そうやって再びエネミーを発見し―――すれ違いざまに斬首する。恐ろしい程に効率が良く、そして素早い動きだが、

 激しく酔う。

 七匹全部をこの状態で倒すとかかなり無理。というか絶対途中で吐く。だからセイバーに出してある命令は実にシンプルなもので、

 ―――四匹。四匹倒すまでは絶対止まるな。

 それだけの話だ。だがそれを全力で達成するために更に加速する。壁を蹴り、一直線に前進すると同時に刃を振るう。その動きで道を阻むように存在していたエネミーは一撃で崩れ去った。だがそれに対して執着を見せるkと鳴く、セイバーは見て、感じて、覚えたエネミーの場所へと一直線に向かう。それを阻むことができるのはガトー・バーサーカーのコンビだけだろうが、

 遠くで光の柱が立つのが見える。ガトー組が対象エネミーを撃破した事の証だ。それが更にもう一本発生する。ガトーももちろん此方の情報を求めている―――手を抜く気は一切ないだろう。だがそれを考慮しても、

 一撃必殺という絶対のアドバンテージは崩れない……!

 斬首の風となってセイバーは驚異の速度でアリーナを疾走する。バーサーカーも驚異の破壊力と速度を持って殲滅しながら進んでいるのだろうが、それっでも確殺できるセイバーには殲滅速度では圧倒的に劣る。

 セイバーがやがて、目標の四匹を狩るのにはそう時間は必要なかった。

 今までと変わらないそれ違いざまに一撃。道中で遭遇したエネミーを全て斬首しながら進んできたセイバーはそこでようやく動きを止める。四匹目の死亡と同時に再び空に向かって光の柱が伸びるのが見える。それはバーサーカーの三匹目の撃破を知らせる光でもあり、バーサーカーとガトーがタスクから解放されたことを示す光でもあった。セイバーの首から腕を放し、アリーナの小部屋の隅っこへと移動する。

「うぉぉおぇぇぇぇ……」

「おい、乙女にあるまじき声が出てるぞ! 白野、吐くの……?」

 おい、こら、人の名前で遊ぶのやめろ。

 実際に中身が出てくる事はないが、それぐらい気持ちが悪いのでとりあえずアリーナの隅っこに倒れておく。意外とこのアリーナは清潔に保たれていて、塵ひとつ見つかりはしない。だから服が汚れる事も心配する必要はない。

「さて……」

 そうやって倒れている自分を庇うようにセイバーは立ち、黙って光の方向へ―――バーサーカー組の方向へと視線を向ける。その視線は確実に敵の気配を捉えている事を伝えてくる。このまま此方へと仕掛けてくるか否か、それをセイバーは黙って見極めようとしている。だから自分も黙ってアリーナの床に倒れて、身じろぎ一つもせずにいると、

「去るか」

 セイバーの言葉と同時にアリーナから重いプレッシャーが消え、自分の良く知るアリーナの雰囲気へと戻る。流石にここまで強大な敵となるとセイバーの様な気配察知系の技能を持っていなくても解るような気がする。まあ、それで視線を逆探知する辺りがサーヴァントがサーヴァントである所以なのだろうが。ともかく、セイバーが確実に去ったことを確認してくれた。これ以上このアリーナで彼らと遭遇する事は気にする必要はない。

 酔いも醒めてきたところで立ち上がる。

「さ、つかの間の勝利だ……褒めてもいいんだぞ?」

 褒めたら調子に乗るので褒めない。ともあれこれで今回のアリーナの目的は半分達成された。あとはガトー組がいたアリーナの反対側、出口サイドの近くにあるであろうトリガーを取得すればレベルアップ作業を抜きにして、本日の活動は終了する。レベルアップにしたってセイバーが本気でヒャッハーしてくれたおかげで大量の経験値を取得している。あまり長くアリーナに籠っている必要もない。とりあえずアリーナのマッピングをしながらアリーナの奥へと向かう。セイバーとバーサーカーがほとんど倒してしまったため、寂しいぐらいにアリーナは静かだった。おそらくリポップまでもうしばらく時間がかかるのだろう。

 と、気になったことをセイバーに質問してみる。

「ん? 言ってみろ。スリーサイズからバラすぞ」

 ……それは少し気になるが、なんとかスルーし、質問する―――現状、バーサーカーに対する勝率は如何程か。

「うーん……」

 セイバーは後ろから腕を組みながらついてくる。その様子は何かを考えているようで、相手のスキルを知っている能力の範囲内でいろいろ想定しているのだろう。そのまま考える様子を始めてから数秒後、うんうんうなっていたセイバーは顔を持ち上げると、宣言する。

「もし、”原初の一”をアルクェイドがファニーヴァンプのまま取得してれば―――勝率はないな」

「おい」

 それは聞き捨てならない話だ。自分は未熟であり、セイバーもかなり力を失っている。それでも常に格上の存在相手に持てる切り札全てを晒し、勝利して来たのではないか。だから今回もそう、自分たちの持てる手札を全て使っていけば―――。

 と、そこですぐ前でエネミーがリポップする。迷うことなくセイバーは前に出て構え、自分もコードキャストを使う準備を完了する。姿かたちは鳥形のエネミー……前のアリーナで見たのと同じだ。なら行動パターンもある程度は予想がつく。素早く支持を飛ばすと、一方的にセイバーが斬撃を浴びせ、敵を消滅させる。

「まあ、確かに格上相手に今までは何とか勝利してきたさ。正直ここまでの奮闘は驚く事だよ」

 エネミーを撃破したセイバーは刃を握ったまま、横に並んでアリーナの奥を目指して歩きはじめる。だがセイバーは、アルクェイドという存在はどこまでも規格外であり、予想されたスキルを取得している場合、現状ではどう足掻いても勝利する確率はないと言っている。

「詰まる所、アリではどう足掻いてもゾウにゃあ勝てないって話だよマスター」

 アリと巨像の対比。小さく弱いものは大きく強い者には勝てない。それだけのシンプルな結論であり、セイバーはそれが一番嫌いだと言っている。純然たる力の差からくる絶対。だがそれが今、目の前に広がっているのだとも言う。

「まあ、”原初の一”さえなきゃあ……そうだなぁ、四割って所だな、勝率は」

 たった一つのスキルが勝率を四十パーセントも左右する。それは暴論に見えて実はよくわかる話だ。実際セイバーから”可能性の覇道者”が消えたとしたら、たぶん自分はここまで勝ち残る事は出来なかっただろう。それだけサーヴァントに付与されるスキルは戦局を左右する重大なファクターだ。

「ま、スキル内容に関しては聞かないでほしい。ぶっちゃけ堪えられない。あの時はベラベラ喋ってしまったが―――」

 ―――解っている。

 セイバーは常に私の事を”想って”いる。その行動は真実セイバーの心から生まれ出ている。此方の事を第一に考え、そして公道している。つらく当たるのはその必要があるから。教えないのは此方が調べ、辿り着くと信じているから。今更セイバーを疑う事はしない。セイバーは相棒であるように、もう半身の様な存在でもあるのだ。だから、セイバーが懸念しているスキルに関しては凛とラニの活躍、もしくはこのハンティングで解き明かして見せる。

「その調子だ白野」

 そうやって笑みを浮かべるセイバーの姿を頼もしく、そして好ましく思う。この相棒は何よりも笑っている姿が似合っている。何時も浮かべている笑みではなく、ふと見せる、心の底から安堵している様な、救われている様な、そんな表情の笑み。それをもっと見せてほしいとも思うが、激しく恥ずかしいのでそれだけは絶対に口にしない。

「お、これだな」

 アリーナの奥へとやってくると、オレンジ色の重要アイテム指定のアイテムフォルダを見つける。位置的に考えてもこれがトリガーの入っているアイテムフォルダであることは間違いない。進み出てアイテムフォルダに振れれば開き、そこから端末へとトリガーがダウンロードされるのを確認する。これで決戦場へと踏み込む準備は完了した。

 残されたのは情報収集と、そしてセイバーの強化だけだ。基本的に筋力と敏捷を中心に、魔力と耐久を少しずつ上げる感じでセイバーには魂の改竄を施す予定なのだが、セイバーとしてはそこらへん、如何なのだろうか。

「サーヴァントが”最適化”されるイレギュラーサーヴァントを抜けば俺の第一適正はキャスターだ。筋力を伸ばすのもいいが、基本的に筋力や敏捷は魔力放出:光をAランクで取得できるから、それを考えて魔力を中心に成長させた方がここら辺からは戦いやすいと思う。俺の最終的なスキルは筋力魔力両方依存だから最終的には二つ共成長させる必要はあるけどな」

 何とも面倒な話だ。セイバーなのに魔力の成長を考えさせるとは。だが一級のセイバーなどは筋力Aで魔力Bとか所有しているらしいし、筋力と魔力を両方共に上げる必要はあるのかもしれない。まあ、何時も通りセイバーの運がDどまりで成長させるつもりが一切ないのはこの際黙っておく。セイバーも運に関しては完全に諦めている様子だった。

「ま、もうそろそろマッキーかマイ・スイート・ドーター(我が可愛い娘)……あー、身内の名前出されても困るか……。死の鎧か攻撃倍化スキルを取得しそうだから、そこらへん考慮して魂の改竄を考えておくれ」

 セイバーの習得スキルも大分復活してきたらしく、数が結構多くなってきた。どれもこれもクセが強く、そして強力なスキルな為に、効率的な運用を考えるハメとなる身としては実に頭が痛くなる話だ。

 ……が、頼もしい話でもある。

 アリーナの出口へと向かおうとしていた足を止める。

 ここまで来たら、セイバーの習得できるスキルを習得できるぐらいまで経験値を止めようと思う。それが、低い勝率を引き上げる為の一助になるだろう。

「そうか。ならもう少し頑張ろうか、マスター。頑張った後に食べるメシはきっと美味いぞ」

 それは実に魅力的な話だ。ならば更に頑張らなくてはならない。

 いつもよりも、少しだけ多く笑みを浮かべて、再びアリーナの中を獲物を求めて歩きはじめる。




次に復活するのはマッキーか! もしくは木綿季なのか! どちらだ!
どっちなんだろうね(´・ω・`)。
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| 断頭の剣鬼 | 15:30 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

どっちなんでしょうかね。
マッキー・木綿季「これが俺(私)達の、デウス・エクス・マキナッ!」

| 空 | 2013/05/10 19:20 | URL |

個人的には木綿季のほうがいいです。
ぶっちゃけ、マッキーの能力は既知の範疇なので。
まぁ、究極完全体レオと七回戦で当たること考えれば、
マッキー復活させたほうがいい気もしますが。

| 断章の接合者 | 2013/05/11 01:20 | URL | ≫ EDIT















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