陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-34

 ―――夢を見ている。

 それはひどい欠けた夢で、何かが蒼く、美しいものを眺めている。それはひどく冷たく、そして何も感じていない。ただ虚空のその身を浮かばせ、永遠に記録できる全てを見続けている。目の前にある全てを、それが記録し続けられる限り観測し、そして永遠を眺めている。


 それには始まりも終わりも関係ない。なぜならそれは永遠であり、刹那なのだから。並び立つ者がいないからこその永遠の孤独。だがソレはそれすら感じない。欠けた夢の中で解るのはそれぐらいだ。孤独に浮かぶ青い球体と白い球体。白はただただ青を永遠に演算子、観測し、眺め続ける。それだけの存在。

 それが変わり始めたのはいつごろだろうか。





「どうしたマスター」

 何か―――夢を見ていた気がする。だがここはムーンセルで、霊子状態では夢を見る事は出来ない。それはもう既に確認している事なのだが……なにやら酷く冷たい夢だった気がする。なにやら寂しく、冷たく……そしてどこまでも掬いのない、変わらない夢だったと思う。

 が、まあ、正直どうでもいい話だった。

「どうでもいいって言うのならどうでもいい話なんだろう」

 そうに違いない。それよりも情報だ。

 既に四回戦は四日目となっているのに、ガトー・モンジとバーサーカー・アルクェイドに関する情報が少なすぎる。昨日は凛とラニと話し合いながらもアルクェイドに関する事を調べたつもりだったが、図書館では予想外に情報が見つからなかった。セイバーが教えてくれた情報以外は、全く他の情報が増えていない。あと図書館でレオと会ってしまい無駄にムーンセルの知識が増えてしまった。

 ホント、どうしようもない一日だった。

 レベルが上がり、セイバーがスキルを取り戻しつつあるのが唯一の救いだろうか。

 ―――さて。

「一回当たってみる?」

「ほほう!」

 上着の衣だけを脱ぎ、ソファでリラックスしているセイバーは楽しそうな声を上げた。正直な話ガトーとアルクェイドに関しては情報が少なすぎて困っている所がある。だがこんな状況は前にも何度かあった。そのたびに相手のマスターやサーヴァントと衝突し、戦い方やら言動から真名やスキルを看破してきた。だから今回もまた同じことをすればいい。ムーンセルは直接的な戦いを禁止しているようで、短い時間での接触は見逃している。だからここで一回攻撃を仕掛けて、探りを入れるべきところかもしれない。それに相手の事をセイバーはしっている様だ。自分がある程度探りを入れて覚えるまでは、ある程度セイバーに任せれば、大丈夫なはず……だよね?

「心配そうにするなよ。そうだなぁ、アレと今のステータスで正面から殺りあいたくはないな。魔術を取得宣言させてくれればある程度安定して戦えるはずだ」

 まあ、セイバーの実力に関してはもはや疑う事はない。常に格上相手に自分の指示を必ず実行し、仕留める姿はほれぼれするぐらいだ。

「惚れてもいいのよ?」

 妻帯者相手はノーサンキュー。

「むう……そこかぁ……」

 何やらセイバーが落ち込んでいる様子を見せているが、特にそれを気にすることはなく、端末で知っている情報を振り返ろう―――とした瞬間、端末から音が響く。それは珍しく、言峰神父からの呼び出しであった。伝える事があるので一階まで降りてくるように、と言う呼び出しの内容であった。言峰神父の呼び出しともあれば確実な厄介ごとに違いはない。

 だが同時に、何らかのムーブメントにもなるだろう。

「あいよ」

 もはや名を呼ぶ必要すらない。セイバーは此方の気配だけでしてほしい事を理解してくれた。ソファーから立ち上がると上着を着、出かける準備を完了させる。端末をポケットにしまい、アイテムをチェックすれば此方も準備は完了する。

 ―――聖杯戦争が進むのと同時に少しずつ暮れはじめる霊子虚構世界。

 最初は時間の進みが普通だったが、少しずつ、夕焼けの時間が長くなってきた。

 この聖杯戦争も既に半分終了しているのだ、と、それを理解しながらセイバーを引き連れマイルームの外へと出る。





 最初はマスターで溢れていたこの校舎も、もう十六人……いや、ラニと凛が同時に脱落したのだ、十四人ほどしか残っていないのだろう。NPCの姿はあってもだいぶ寂しく感じ始める。やはり静かな所より、人の騒がしさの方を自分は好むらしい。さっさと一階へと降り、目的の人物を見つける。片手を持ち上げ、挨拶をしながら近づく。

「来たかね」

 何時も通り威厳のある声で言峰神父が話しかけてくる。心なしか、少々楽しそうに見える。たぶん、それは此方に対する用事に繋がっているのだと思う。

「この聖杯戦争もついに四回戦、もう半分プロセスが終了している事となっている。故に少々マンネリ化しているのではないかと危惧してな、麻婆の如くスパイスを投入するため趣向を凝らした」

 そんな事を言峰は笑顔で言ってくれる。なんと、言峰神父はこの情報集めの作業を楽しくしてくれると言うのか。

『そのスパイスは絶対劇薬だな』

 セイバーの発言は確実に正しいのだろうけど聞こえなかったフリをする。たまにはアホにならないとやってられないときもある。と言うわけで、いったい何があるのかと言峰に質問する。

「難しい話ではない。君には君の大戦相手とハンティングで競い合ってもらう。アリーナに討伐目標となるエネミーが存在している。より多くそれを狩った者の勝利とし、勝者には対戦相手の情報を与えよう。アリーナの探索、そして情報収集を刺激的にする趣向だ。どうだ、中々のものであろう?」

 意外とまともなイベントに驚かされた。言峰の事だから麻婆大食い対決とかを期待してたのだが。

「それなら他の参加者へと回しておいた」

 言峰が視線を食堂へと続く階段へと向ける。その階段からスーツ姿の女性、バゼットが上がってくる。

「たった一皿でギブアップとは実に簡単な勝負でしたね。なに? 五皿も食べる私が恐ろしい? 何を言っているのですかアサシン、アレぐらいは基本です」

 どうやら麻婆勝負を引き当てたのはバゼットらしい。とりあえず対戦相手には合掌しておこう。お前は愉悦の犠牲になったのだ。しかし内容からしてどうもムーンセルが思いついたイベントとは考えにくい。どうもこのイベント、言峰がムーンセルへと打診した感じがするが……?

「間違ってはないな。イベントも、その内容も私がムーンセルへと意見し、採用させてもらった。故に楽しむが良い。ハンティングの適応期間は今日と明日のみだ。該当のエネミーは一度しか出現せず、リポップする事はない。アリーナで湧き潰しの為リポップ地点での待機をする必要はない親切設計だ。対戦相手は既にアリーナにいる。あとは君がアリーナに入れば出現する。では、幸運を祈ろう」

 言峰は此方の疑問を残すことなく説明すると、去って行く。しかしハンティング、とは中々凝った趣向でありながら此方側には有利に働きそうな内容でもある。何せ、セイバーには”処刑術”スキルが存在する。セイバーの宝具らしきものであり、得物である罪姫・正義の柱を使えば一撃でエネミーを倒す事が出来る。だからアリーナをマラソンしながらすれ違いざまに攻撃すれば、それで狩りは完了するのだ。それに報酬は対戦相手の情報。

 今、一番必要としている事だ。

 あのガトー・モンジという大男はキチガイな言動が目立っているが、どうやらマスターとしては結構優秀な部類な事が冷静に考えてみれば解る。本当はどうかはあやしいがバーサーカーの意志をくみ取っているだけではなく、暴走させる事無く制御下に置いている。第一、セイバーが情報を漏らさなければクラス以外の情報は全く入らなかった所だ。ガトーは徹底して此方との交流を断っている。それは聖杯戦争において、情報を隠すためなら最も優秀な手段だ。

 キチガイに見えて、アレは実は優秀な部類の人間なのかもしれない。

『アレは見たところかなり徳の高い坊主だぞ。ごった煮で色々カオスだが、人生のほとんどを信仰へと捧げ、凄い事になっている。アレは聖杯戦争という場と、我執にとらわれ過ぎている―――方から力を抜く事ができれば悟りを開く事が出来るかもしれないなぁ』

 セイバーからしてこの評価。ますます油断のならない相手だ。

 だが、まあ、今までの聖杯戦争、と言うか今までの対戦相手はどれもセオリーから外れた者たちばかりだ。そんな事今更な話で、相手が強いのは当たり前の話だ。ムリゲーなのは今に始まった事ではないので、心の内は変わらない。今日も今日とて全力で頑張るのみ、だ。

「さあ、保健室へ!」

『俺に対する新手のいじめかよ』

 セイバーが投げやりな言葉を投げかけてくるが、何故そう腐る必要がある。ラニは少しずつだが人間臭くなってきているし、凛も完全に、ではないがセイバーの言っている事は納得できるし三井止めていると話している。いい加減一緒に保健室に入ってきてもいいのではなかろうか。

『はぁ……』

 こいつまるでで解ってない、という風に溜息を吐くセイバー。一体何が悪いのだろうか。

「あの二人はそういうのを御前様だから見せているんだよ、愛しき我がマスターよ、そろそろ自分がどれだけ魅力的なのかを自覚しておくべきだ」

 このセイバーは一体何を言っているのだろうか。自分はクラスでは三番目ぐらいの容姿だし、そんな魅力的ではない。凛とラニはただ単に此方の誠意に対して折れてくれているのであって、魅力的だとかどうとかは全く関係ない。あと愛しきマスターとかすっごい違和感あるのでやめてください。

「お……おう……ぬぐぅ……」

 何やら霊体化を解除し、保健室の前でセイバーが項垂れながら動きを止める。全く伝わってないなあ、等と呟いているサーヴァントを放置し、自分一人で保健室へと入る。

 それが終われば、今日もまたアリーナだ。そう、第1回戦から何も変わってはいない。自分は弱い。相手は強い。私はセイバーとアリーナを走り回る。情報を求めて、力を求めて、最良の結果を求めて。だから今も、最良の結果を求めて―――凛とラニと今日こそガールズトークを繰り広げる……!

「駄目だこいつ」




 アリーナの探索がないと基本的に短めです。三日目は保健室で助けた相手との会話イベントが発生しますが、ひたすらツンツンしているだけなのでスルーしてます。四日目は保健室で敵の真名を協力者が調べるというイベントが発生しますが、此方も描写はカット。凛とラニ、ツンツンしている状態で出すと色々とかうぃあとかが面倒になるので、彼女たちの活躍は次回のイベントから登場予定。真面目に素早くCCC入りしようと考えると細かい所はカットしなきゃならんとです。

 ところでこれぐらい進んでいるEXTRAの二次創作ってないんですかね。もしくは完結。全く見ないで御座る……。
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| 断頭の剣鬼 | 11:48 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

予想以上に妖怪が攻略されてた件
流石金ぴかすら攻略したサビ子(

| | 2013/05/09 11:59 | URL |

セイバー―……もう妖怪でいいですよねw デレ具合が半端ないw
 ドSな感じで子リスマスターをおちょくる姿もぐっとくるものがありましたが、一転して朴念仁然とした態度でのらりくらりと期待させて躱すザビ子……恐ろしい娘っw

| tonton | 2013/05/09 19:45 | URL | ≫ EDIT















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