陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-27

 心が泥の中へと沈んで行く気がする。それでも立ち上がり、エレベーターへと進み、地上へと戻る。そうやって次へと進むことを止めてはならない。それは今まで自分が打倒した全てに対しての非礼であり、無礼である。故に動く事の出来る間は、進む事しかできない。もはやそれは過去の自分がどうとか、そういう事ではなく、

 今、歩いている自分を、裏切りたくない気持でもあるから。

 涙を流して、再び校舎へと戻ってくると、そこにはブロンズレッドの制服姿の少年がいた。

「―――貴女は死を悼んでいるのですね」

 レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイの姿がそこにはあった。その姿は偶然立ち寄った、というわけではなく、最初からそこで待っていたように思える。何故、と質問をしたくなる気持ちもある。が、それを口にするだけの力はない。ただ目の前にはレオと、ガウェインがいる。それに抗うように、セイバーを横に立たせる。セイバーの姿は既に修復が終わり、血の跡も傷跡も服の乱れもない。まるで、ありすと戦わなかったかのような状態に戻っている。

「命が失われるのは悲しい事です。それがこのような無慈悲な戦いであればなおの事」


 レオはこれを無意味ではなく、無慈悲と呼んだ。それは―――

「我々は憎しみによって殺し合っているのではありません。互いに同じ目的を持って、それに相容れず戦うしかなかった。故、無慈悲です。人としての心を持ったまま、人を殺める事は悲しい。結果はどうあれ、その事実に変化はありません。そして渇望するからこそ、人は聖杯へ、奇跡へと手を伸ばす。自分以上のものに采配をゆだねる」

 レオは自身を持って言う。

「誰しも、自分がこの世で一番正しいと信じる事が出来ないから」

 この言葉で解った。レオは根本的に視点が違うのだ。これを悲しいと言える少年は確かに、救世主の視点で物事を見て、語っている。この少年は太陽であり、闇を照らす存在だ。救いのない人間、救われる事のない人間、それを心の底から憐れだと感じ、救われるべきだと思っている。

 間違いなく、この少年は自分とは違うステージに立っている。

 戦う以前に、勝てる気がしない。

 少しだけ、ほんの少しだけ前進した今の自分にだったら、レオと自分の間の決定的差が理解できる。

 この少年は洗脳をされたわけでもなく、そう教育されたわけでもなく、心の底から人々の救済を願ってこの価値観へと至ったのだ。だからこそそれはレオに他の者にはない覚悟と信念を植え付けている―――この少年の心を、力と暴力で砕くことは不可能。

 この救世主は、現実を理解して話しているのだから。

「待っていてください、岸波さん。僕は僕の王道を行きます。貴女の悼みも、そして貴女が殺めた彼女の痛みも認めます―――いずれ、誰も無意味な死を迎えない様に」

 素晴らしく優しい言葉ではあるが―――レオは無意味な死を止めると言っているだけだ。想像はできるレオの統治下で停滞し、そして平和が続く世界を。自分だって馬鹿ではない。すこし外の世界の現状を調べている。

 魔力は消失し、アトラス院が最後の魔導で、オイルは枯れ、西欧財閥が地球の資源の六割を所有し、中東は反旗を翻し―――。

 あぁ、そうだ。

 レオは無意味な死を止めると言った。

 だが無慈悲な戦いを止めるとは言っていない。

 レオは戦いを許容しているのだ。必要な犠牲を。それが更に進む為ならと。

 それが、自分には、どこまでも、重い。

「僕はその為に来た。徹底した管理と秩序の調停。欠乏がなければ争いはおきません。岸波さん、彼女の消滅を悼んだ貴女であれば産道してくれるはずだ―――無慈悲な死を生まない為の管理と秩序を」

 毒か、あるいは癒しか、それは判別がつかないが、レオは管理こそが全体の幸福につながると思っている。だが―――それは一側面からすれば真実だ。人は怯えないで済む。それにおいて西欧財閥、いや、この小さい救世主の言葉は真実だ。

「さあ、どうする白野。理想に賛同するか否か。ちなみに産道したらおっぱい揉んでやる。揉むとアレ大きくなるらしいな」

「セイバー自害しろ」

「……?」

 レオに聞こえない小声でセイバーといつも通りのやり取りをする。というかセイバーの言葉は賛同したら許さんと言っているのと同義だ。確かにレオの言葉はきれいごとの中に闇を許容する、器の大きさと意志を感じる。だがそれをセイバーは気に入らないらしい。いや、セイバーの事を知っていればそれは嫌でもわかる。そしてどうやら、自分もこのセイバーに近いバカ者らしい。管理とかノーセンキューが本音である。

 だって、足りない自分でもわかる。

 この無慈悲な戦いがなければ―――おそらく、自分はセイバーとも出会う事はなかった。

 無慈悲で、なければいいはずなの”ナニカ”から、素敵な事が起きる事もある、はずだ。

 これは問題のすり替えかもしれないが。

 と、レオに返す言葉を決めたところで―――

「―――ひっどい勧誘だこと。右も左も解らないやつに良くもまあ堂々とつけこめるもんだわ」

 レオに対して言葉を吐いたのは遠坂凛だった。何時も通りの赤い服、何時も通りの様子。校庭の方から現れた彼女は目に強い敵意を持ち、レオに対して正面から臆すことなく立ち向かっている。レオが救世主だとすれば、凛はそれに反抗する抵抗の意志、レジスタンスの女王だろうか。

「話しは聞かせてもらったけど、今のはあくまでハーウェイの、西欧財閥にとっての理想よね」

「万人にとっての、ですっよミス遠坂。理不尽な死が待つ世界は誰しもが避けたいものでしょう」

「はあ? 資源を独占されて生き死にまで管理される社会のどこが理想だっての? 生まれた子供を平気で飢え死にさせる世界のどこが理想なのよ。ほんと、余計なお世話よ。何百何千年と今のままで生き続けたいのなら勝手にどうぞ。聖人君主の国を作りたいのならアンタたちだけでやってろっての」

 ヒュー、とセイバーが楽しそうに口笛を吹いた。楽しそうにレオと凛の主張のぶつかり合いを見て、此方に言葉を耳打ちしてくる。正体バレが怖くないのか、フードは外している。

「いいか白野? これが人間だ。管理、平和、そう願っていても主義主張が違えば争うしかないんだ。あの救世主坊ちゃんがどんなに理想を歌い、実現しようともそれは永遠じゃない。あぁ、形に永遠はあるさ。だけど中身は持たねえ。何時か癌細胞にじわりじわりと殺されるぜ。凛が癌細胞の第一陣って所だな。あぁ―――この星も興亡期に入ってるな」

 セイバーは何とも物騒な事を楽しげに言っている。流石アラインメント:混沌・善というべきなのだろうか。発想がカオスで、やる事もカオスなのに、それはどこか正しいと理解できてしまう。いや、セイバーの場合偽悪的な部分がある様にも見えるが……。

 レオと凛が自分そっちのけで議論にヒートアップしている。なんというか、互いの理想をぶつけ合っているのではなく、信念から譲れぬところがあり、それが衝突している様に感じる。レオもレオで、自分が今までに見た事のないような”熱”言動に感じる気がする。

 そう、今までのレオはもっと機械的―――”信じている”から、という気がするが、少しだけレオに変化がある気がする。

 あぁ、しかしレオと凛の言葉はどちらも理解できる。

 レオは人間を、地球を救おうと考えている。管理をすれば無慈悲で無意味な死は訪れない。そうすれば救えなかった人間を救うう事が出来ると信じ、そしてその為に自分の身を使い潰す事を覚悟しているのだ。レオは理想に準じる覚悟ができている。それは漠然と勝利だけを当たり前と考えていた姿とは違う。

 そして凛は停滞を望まない。管理されるのを嫌っているのではなく、強欲に”次”を欲しがっているのだ。今日の晩御飯は魚だった。明日は少しお金を増やし、少しだけいい魚を食べよう。その自由を遠坂凛は求めている。明日は少しだけいいものを食べたい。勢王財閥、レオの世界では明日の献立も管理の下、決められてしまう。それが徹底した人生の管理だ。だがそれはつまり、ついてこれない人間を置いて行く世界でもある。

 遠坂凛は強い、だが全ての人間が遠坂凛程強くはない。

 遠坂凛は倒れる者には手を刺し延ばせばいい。そう考えている。

「ま、どちらにしろ、両方ともケツの青いガキの理論さ」

 セイバーはそんな事を腕を組みながらいうものだから、双方の視線を集める。レオは面白そうな表情を浮かべる。

「ほう、ではセイバー。貴方の価値観は我々のどちらとも違うとおっしゃるのですね」

「然り」

「へぇ、面白い事を言うわね。ちょっと言ってみなさいよ」

 凛の登場で一色完全に空気となっていた自分だが、セイバーのせいで此方へと視線が集まってくる。セイバーと、そしてセイバーを従える自分に。セイバーは腕を組みながら頷く。その表情は実に楽しげであり、次に口にする言葉は驚きだった。

「あぁ、死ねばいい」

「―――」

 その言葉にセイバーを除いた全員が絶句した。今、このセイバーは何と言った?

「人間とは人間であるが故に人間だ、というのが俺の持論でな。人間は人間の領分から逸脱してはならない。争い結構。管理結構。どちらも好きにするといい。どのようなあり方であろうと俺は人間の努力するその輝きを愛する。だから努力し、報われず死ぬ姿も愛でよう、死骸を抱きしめよう。だから、そう、死ねばいい」

 あっさりとセイバーは言葉を告げてゆく。

「ま、どちらかというと管理よりは俺は自由の混沌を愛する。それぞれの人間が己にできる事を全力で成し、成せず、届き、届かず、託し、託せず、そして死ぬ。そうやって人間らしく生きる姿は何よりも美しく、尊いものだ。だからその結末が、人生が幸福であるか、否か、それが大事なのではない」

 セイバーの言う価値観は幸福であるか、否かを重視、いや、考えすらしていない。それはレオの管理社会、人間が恐怖に怯えず、不幸な結末を迎えて終わる事良しとしない世界でもなければ、遠坂凛の言うもう少しだけ良い明日を迎える為に助け合い努力する世界でもない。

「人が真に人らしく生きる事が出来たか、それだけが大事だ。どうせ来世では幸せになれる。そこらへんは保証しておく」

 どんな不幸な結末を迎え、不幸な人生であろうと、人間であることを裏切ることなく生き続ける事。それが何よりも大事であるとセイバーは言っている。だがそれは、

「うわ、キチガイの発想」

「完全な暴論ですね」

 レオと凛、両方から話にならないと斬り捨てられる。それをセイバーは腕を組んでうんうん、と頷いてから溜息を吐く。

「やっぱ若い子には通じないかぁ……」

 少しだけ、ホロり、とセイバーが涙を流していた。おい、こら、セイバー、勝手に魔力を使うな。今魔力使って変なスキルで嘘泣きしてるだろ。おい、こっちを見ろセイバー。

「流石魔王と言ったところでしょうか。えぇしかし平行線ですね、これは」

「そうね。平行線とは思ってたけどまさかここまでとはね」

 凛はレオに対して完全な宣戦布告を行い、レオはそれを受け入れ、人類の為に消えてくれと凛に言っていた。余ほどの事がなければこの二人が手を組む事などありえないだろう。そしてこの場での自分のあまりの場違い感に、少しだけ頭が痛くなる。

 とりあえず、セイバーの頭を軽く叩く。っこの二人の討論とセイバーの暴論のおかげでありすの死から少しだけ、立ち直るだけの余裕は得た。だから、

 レオと凛は好きなだけ喋らせるとしてマイルームに帰ろう。お腹すいた。

「ま、今晩ぐらいは好きなものを作ってやんよ」

 睨みあうレオと凛を背後に、疑問を胸に、マイルームへと戻って行く。

 彼らの主張は決して無視できるものではない。そう遠くない未来で、自分が考えるべき事でもある。だが、今は、

 決戦場に残されたありすとアリスのリボンを髪に結んで、マイルームへと戻る。




半覚醒レオ様:管理するのが全体としての幸福である
あかいじょうおう凛さん:今よりもいい明日が欲しい。倒れる人には手を伸ばそう
閣下:不幸でも意味もなく死んでも別にいいんじゃね。人間らしければ

纏めるとこういう主張。ザビ子はどうなるんでしょうね。ではステータス。


マスター:
クラス:アサシン
真明:石神零花
アラインメント:混沌・善
筋力 A(B)
敏捷 A(B)
耐久 D
魔力 B+
幸運 C

スキル
気配遮断:B(C)
サーヴァントとしての気配を断つスキル。
本来はそこまで高くはないが、
気配を”断つ”事によって気配そのものを消滅させている。

神性:A+
神格を所有する存在ではなく、神威そのもの。
生まれ、存在したその時から神であったものの証。
英霊ではなく正確には神霊の部類として存在する。

刀術:A+++
刀という一点の概念の頂点にして根源。
剣術や刀術は奥が深く、A+でようやく極めたと言える。
本来ならば刀や剣に対する絶対的適性を持つが、クラスによる弱体化で耐性は失われている。

精神汚染:D
精神を病んでいる者の証。意思の疎通は可能であり、言葉は通じる。
しかし、根本からして常人とは思想が異なっており、生物の思考としては壊れている。
同じランクの精神汚染か、それを無視できるスキル保有者意外とは意気投合しにくい。

宝具
『斬撃』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0~99 最大補足:1人
刀神としての権能であり、そして刀剣に属する神々の基礎にして基本の権能。
刀剣の神々の実力はこの権能をどこまで突き詰めるかによってその実力が大きく変わる。
石神零花というアサシンはこの一点に対して非凡な才能を見せ、応用力を見せる。
距離を切断して擬似的に敏捷を上昇させ、得物や拳に纏わせることで力を強化する。
果てには己の気配を斬撃する事によって気配そのものをなくすことができる。
アサシンはこれを宝具として活用するときは絶対必殺を誓っており、
使用した場合は加護や魔術を無視して絶対切断の概念を持って対象を両断する。


 そんなわけでリメイク版虚刀の邪神をアッサシーンにしてみた。これがバーサーカーとかになるスキルとかまったく別物になります。
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| 断頭の剣鬼 | 12:50 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

>セイバー自害しろ。
???「自害せよ、ランサー」

クラスはセイバーかと思ったが、アサシンできたか。
いやあ、虚刀典リメイクも先が気になりますな。

| 空 | 2013/05/03 15:35 | URL |















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