陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-20

 朝食を食べ終わり、活動を再開しようとすると、見慣れない人影がよぎるのを見る。マスターでもないし、NPCでもない。ただふらふらと、アテもなく歩いていく姿はしばらく進むと、まるで真夏の雪の様に溶けて消えた。何故だかその姿に不安を覚えていると、

「サイバーゴーストですね」

 何時の間にか横にいたレオが教えてくれた。此方に顔を向けると頭を下げておはよう、と挨拶をしてくる。それに倣い此方も頭を下げておはようとあいさつを返す。

「大変結構ですね。朝はやはり挨拶から始めないといけません。そこらへん兄は解っていません。……と、本題からそれましたね」

 少しだけ、レオの雰囲気が変わっている様な気がする。本当に少しだけだ。だがこの少年から溢れる才気、カリスマ、オーラといった物は全く変わらない。サーヴァントなのにカリスマの欠片もない我がセイバーとは大違いである。


「ムーンセルは観測と同時に記録を行っています。それこそ何兆、何京という生命を記録し、保存しています。この状況を地球の生命誕生の環境と比べれば、あらかじめ生命の設計図が用意されているセラフの中でセイバーゴーストの様な擬似生命が産まれる事はそう不思議ではありません。干渉しない限りは此方に干渉してこない死者の念のような存在です。貴女が気にするほどのものではありませんよ」

 では、とサイバーゴーストの事を説明するだけでしてレオは去って行った。あの様子は純粋に此方を見かけたから話しかけた、という様子だ。だがそれとは別に、レオからは期待、と言うものを感じる気がする。何やら敵視以前の問題が、また別ンお問題へ変わったような―――。

「相棒」

 セイバーが出現する。

「レオとサイバーゴーストの事もいいが、今日はあのバーサーカーをどうにかするために行動するべきだ。あのロリはヤバイ気配ってか死の臭いとかプンプンするし、少し慎重に行動してくれ。うーん、アイツを思い出す気配だなぁ、アレは……」

 校内である為、直ぐにセイバーが姿を消す。だがセイバーの言っている事は間違っていない。バーサーカーをどうにかする必要はあるし、ありすに関して調べる必要もある。ありすが召喚したバーサーカーがサーヴァントであれ、別の存在であれ、あんなものを召喚するスキルか宝具を持っている事になる。それだけで脅威だ。ならばこそ、慎重に行動する事を心得よう―――。

 そう思ったとたん。

「お姉ちゃん! おはよう!」

 その場で転びそうになった。

『アチャァー』

 セイバーがやっちまったな、何て声を出してくれているがそれは全力でスルーする。自分の笑みが若干引きつっている事は自覚している。だがそれでもロリの前では笑顔を浮かべる。それがロリっこへの礼儀だと信じている……!

「お姉ちゃんね! 今日は校内でかくれんぼがしたいの! ありすが隠れるからちゃんと見つけてね!」

 楽しそうに言葉を継げると白いロリっこは消えてしまった。おそらく校内のどこかへ消えてしまったのだろう。入れ替わりにセイバーが出現する。

「希薄だが気配はアリーナの方へ行ったな? ギリ校内だ」

 腕を組み、気配だけで場所を言い当てるセイバーの姿は何処となく得意げに見える。が、常人には気配で場所を言い当てる芸当なんてできない。そこはやはりセイバーというべきなのだろう。

「これはまだ開示していないスキルの恩恵だ」

 そんな事を言われてしまうと開示されていないスキルが気になる。が、自分はそういうのに関してはセイバーから言ってくるのを待つと決めている。変にあせって今の関係を壊したくない、というのもあるが。それにしても遊ぶことをくだらない、と斬り捨ててもよさそうなのだが。

「いや、俺はどんどん他人と交流すべきだと思うよ。お前の亡くした記憶が何であれ、交流や他者を理解する事は自分を”人として”深める事へと繋がる。最初はカラッポだった相棒も交流を経て少しずつだが願いや思いによって埋められてきているはずだ。少しずつだが俺から見てもお前は素敵になってきている。相手が何であれ、その努力を俺は美しく思う。愛しく思う。思うが儘、存分にやるといい。あ、ついでにそれとなくロリっこからバーサーカーについて聞きだしておけ。油断しまくってるし」

 途中までは思わずジーントきたり、キュンと来る展開だった。だが最後で完全に台無しだった。このセイバー、もう少し真面目でいてくれればもっといいサーヴァントになるのに……。いや、駄目だ。真面目なだけのセイバーとか思いつかない。というかそれはセイバーじゃない。セイバーの皮を被った妖怪首おいてけだ。それはいけない。

「解った。もう少しふざけるよ。俺」

 セイバーが姿を消す。さて、セイバーがあっさりと場所を教えてくれたことで探す苦労はなさそうだ。見つからなければラニに土下座してでも占いで教えてもらうところだった。





「あーあ、見つかっちゃった」

 楽しく、残念そうにありすは笑みを浮かべている。この少女は本当にこの刹那を、全力で楽しんでいる。不思議とだがこの少女はセイバーにとっては好ましいタイプの人間ではないかと思考する。理由はないが、何となくそう思った。だけどそれだけだ。

「でも楽しかったよ! お姉ちゃん良く遊んでくれるから何か聞いてあげる! なにがいい?」

 ……本当にこの少女は聖杯戦争という存在を理解せずここにいるらしい。この一つの質問で多くの問題が氷解するはずだ。全てを繋げるキーワードはやはり、

「ありすちゃん、あの黒い子は誰なの?」

 それに対してありすは笑う。

「彼女はありす。私もありす。さあ、あの子は誰でしょう? なぁーんて、後で解るわ。ちゃんと答えていないしもう一つだけ願い事いいよ」

 核心に斬り込みすぎたらしい。ありすははぐらかすような言葉で答えを言ってくれない。だとすれば今一番の問題を片づけるとしよう。

「アリーナに出したあの子をどけてくれないかな?」

「ジャバウォックの事? それに関してはあの子に聞かないと解らないわ」

『聞いたか相棒? ジャバウォックだそうだ。しっかり記憶しておけ』

 セイバーの声を把握しつつも、ありすの言葉に耳を傾ける。

「あ、そうだ!」

 ありすが何かを思いついた様子を見せる。

「今度は宝探しをしましょう! ”ヴォーパルの剣”を見つけられたらあの子もどいてくれるわ。あ、でも宝探しなのだからヒントを出さないといけないわね。えっとね、ヴォパールの剣はアリーナを探しても見つからないよ。それは何処にもない架空の剣……じゃあ、頑張ってねお兄ちゃん!」

 ありすはばいばい、と手を振りながら消える。おそらく次の遊びへと移ったのだろう。だがこれであの怪物―――ジャバウォックをどかす方法を解った。ヴォパールの剣というアイテムがあればどうやら退ける事が出来るようだ。

「ジャバウォックにヴォパールの剣か。こりゃあ大ヒントっつーかもうほぼ答えだな」

 セイバーが出現しながらそんな事を口にする。セイバーは相手の真名に辿り着いたらしい。だとすればセイバーよ、相手の真名はなんなのだ?

「教えない」

 えっ。

 此方に対して驚異の返答を送ってくれるセイバーに対して驚いていると、セイバーは肩を振って両手を広げる。

「これで謎が解けた。俺がアレの名前を知ってるの俺とアレが基本的には同じサイドの存在だからという理由だ。だから俺はアレの正体を解るし、アレもおそらくこちらを把握している。というか俺ってそこまで真名見つけるの難しい者でもないんだよな。ゲームでラスボスにされたり萌えキャラ化されたり女体化されたりしてるし。うわ、嫌な事思い出した。テンションさがるわー……ちょっと霊体化して引っ込んでるから捜索ガンバレ」

 セイバーは言うだけ言って霊体化した。この駄サーヴァントは自分で自分のトラウマを抉ったらしい。何とも憐れな自爆である。しかしセイバーが真名を看破したのはいいが、教えてくれないのには困った。いや、変わらない。第二回戦でもセイバーは既に真名を見切っていたのに黙っていた。それは此方を信頼していないのではなく、信頼しているからこそ黙っているのだ。

 此方が絶対に相手の真名にたどり着く事を確信して、黙っているのだ……と、思いたい。

『ラニか凛に頼れ。アレレベルの魔術師なら知っているだろう』

 こう、ガンバレ、とか言いつつさりげなくヒントをだしてくる辺り、セイバーは若干ツンデレ属性を持っていると思う。しかし凛とラニか。確かにあの二人なら知ってそうな気配はする。あの二人はどちらも凄腕の魔術師だ。架空の剣の作り方一つや二つ、持ってそうだ。

 ラニは何時も通り三階廊下にいる事は確認している。凛は―――いた。一階の階段の前にいた。見つけた事だし、早速声をかけてみる。

「ん? 何か用かしら」

 今日は機嫌がいいのか、特に嫌味も質問もない。ならばこれはチャンスだ。ヴォーパルの剣を知らないか質問してみる。

「ヴォーパルの剣? 知ってるわよ。理性の無い存在に対して絶大な効果を示す概念武装でしょ? なに、バーサーカーの相手でもしてるの? 凡用性がないから私は持ってないわねぇ。ま、アレの生成は錬金術だし、錬金術に長けたマスターでもいれば作れるんじゃないかしら」

 ほほう、それはいい事を聞いた。セイバーの話ではアトラス院というキチガイの巣窟は錬金術狂いだったらしいので、ラニ辺りに話を聞けば。作ってくれそうだ。

「アンタ、それ絶対に本人の前で言っちゃ駄目よ」

 そこらへんに関しては心得ている。自分も評価を大々的に口にする程頭は悪くない。ただ可能性としては星を詠んでいるラニがこの会話を聞いている可能性があって、その場合はどうしようもなくご機嫌取りの為に土下座をする自分がそこにあるというだけだ。

「ダメじゃないそれ!」

 ウチのセイバーは結構不真面目系なのでこれぐらいは結構慣れる。

 と、テンションが下がっていたはずのセイバーが現れる。

「学生の頃は楽しかったなあ……全裸で走ったり、全裸を殴り飛ばしたり、全裸に首輪をつけたり、窓ガラス壊して歩いたり、教師にジャイアントスイング食らってたなあ……」

「アンタの学生生活頭がおかしいわよ」

「流石に私でもドン引き」

「一般的じゃないのか……」

 露骨に落ち込むセイバーは再び姿を消す。まあ、こんなセイバーだからこそ自分は何時も通り頑張っていられるのだ。記憶がない、という悲壮感にも焦燥感にもかられる事無く、まだ見つからない”自分らしく”を頑張ろうと思えるのだ。

 だが、しかし、なんだろう、この―――

「―――これから凛とラニの間を何往復かする予感はなんだろう」

『凡用救世主型主人公の永遠の宿命だ。黙ってラニの所まで走れ』

 セイバーの言葉に黙って従うしかできる事はなかった。




レオさんに若干変化の兆し。ところでハーウェイカレーはまだですかねぇー。 (バンバン

CCCでは「効率的にサボってました」とか言ってたらしいので、聖杯戦争では見せなかっただけで、実の所、本当はあんな感じの少年かもしれないですねー。レオ株急上昇のCCC。いいぞぉ、もっと金を貸せぇ!
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| 断頭の剣鬼 | 12:38 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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CCCで取り立て戦闘の際、ガウェインの専用ボイスには笑えます。

| 名状し難きナニカ | 2013/04/25 19:37 | URL |















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