陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-17

 マイルームに到着するのと同時にベッドに倒れ込む。途中で凛と話し合ったような気もするが―――あまりよく覚えてない。ただ覚悟の是非を問われた気がする。だが……もう……あまり真直ぐ思考するだけの余裕はない。

 疲れた。

 だがまだ眠る訳にはいかない。体を持ち上げて、端末を取り出そうとする。が、マイルームに入るのと同時に現れたセイバーがその手を止める。

「今回は前回以上に色々と大変だったろ。反省するのは明日でいい。今夜は休め。俺ももう寝る」

 体が疲れで重かったことを含め、眠気はすぐに訪れた。ベッドに横になると即座に意識を失う眠気が襲ってくる。

 ―――が、意識の落ちる僅かな時間、思考が周り、眠気は急に薄れてゆく。


 間桐慎二。

 ダン・ブラックモア。

 彼らは確かに生きており、そして確かにこの手で殺した。間桐慎二とダン・ブラックモアでの間の殺したという意識はかなり違う。なぜなら間桐慎二の頃は心がなかった。聖杯戦争を殺し合いと聞き、そして勝てば相手は死ぬと解っていても”理解”はしていなかった。だから慎二が死んだときはあっさりと事実が体にしみこんだ。あの五月蠅かった男が―――八歳の少年が死んだ、その事実が限りなく非現実的だったのだ。だけどダン・ブラックモアは違う。

 殺すという意志を持って、死が来ると理解して、そして生き残りたいという願いを持って殺したのだ。初めて本当に死ぬと解っていてセイバーにアーチャーを倒させたのだ。自分が生き残るためにダンとアーチャーを殺せ、と命令したのだ。自分の口からセイバーに殺す様に命令した事が今でも信じられない。

 たぶん、初めて、本当の意味で―――人を殺した日だ。

 それを自覚した瞬間、体が震えはじめる。

 怖い。

 死を容認したことが何よりも怖い。自分は違うのだ。このS.E.R.A.P.Hへとやってきた魔術師や霊子ハッカーとは違う。記憶のない、今のところはただの一般人だ。それが全てなのだ。記憶を取り戻せば少しは違うのかもしれないが、それでも自分が今、魔術師でもハッカーでも、なにでもない存在であることに間違いはない。そんな自分は魔術師の様に殺す事を前提に聖杯戦争に参加したわけではない。生き残りたいという願いしか持ってないのだ。

 だから、怖い。

 震える。

 セイバーが前、”覚悟はできている”、なんて言葉は嘘だと言っていた。

 確かにそうだ。口ではどんなにでも言える。現実、その事実に直面する必要ができると覚悟なんてあってないようなものだ。自分はまだ……そこまで割り切れていない。

 こんな思考から逃げる為に目を瞑る。せっかくセイバーが気を利かせてくれて眠るように言ってくれたのだ。だから目を閉じて思考を止めて―――

「はあ」

 ぽふん、とベッドに軽い衝撃が走り、そして頭に暖かい感触を得る。何事かと思い目を開けようとすれば、

「目を開けるな。恥ずかしい。こっち見んなよ」

 ……恥ずかしいという割には優しさで満ちたセイバーの声を感じた。ゆっくりと、そーっと頭を撫でるセイバーは此方の眠りを促してくる。その心地よさから恐怖は消え、思考がにぶくなり、直ぐに眠気が帰ってくる。

「お疲れ様、岸波。お前は良く頑張ったよ。良く眠れ―――」

 父性を感じさせる色の声に抱かれ、眠りは安らかに訪れた。





 ―――その夢は鮮烈に刻まれる。

 周りに築かれるのは死体の山だった。歩いても見えてくるのは屍の山。その人生は屍の道によって舗装されていた。どこまで歩いても増えるのは死者であり、生者は常に手の平から砂の如く零れ落ちるものでしかなかった。

 それでも男は歩きすすんだ。

 それは確実に自分の夢ではない。

 ただ、既に終わってしまった事を見ているだけだった。終わってしまったからこそこうやって見る事が出来ている。

 だからこそ、胸を痛めた。

 そこは自分が最も良く知る世界だった。それが電子の世界であることは疑いようがなかった。その世界で、男は孤独と殺意と戦っていた。血を思わせる程赤い衣を身に纏い、そして無骨な刃を片手に握って血路を開き続けた。

 自分を思う友はいた。

 だが彼らを頼る事は出来なかった。

 男は頼らないのではない。頼り方を知らなかった。止まり方を知らなかった。共にならんでくれる存在が敗北を与えるまでは決して止まる事はなかった。

 それはとても悲しく、不器用で、そして愚かしい事であった。常に後悔と殺意を抱き続ける修羅の道だった。真の願いをかなえる事は永遠にできず、その人生は生まれた瞬間から狂い続けていた。故に男は生まれたその瞬間から狂ったままに奔走していた。

『あぁ、何故だ。何故だ』

 男は刃を握りながらも常に嘆いていた。

『何故消えない。何故終わらない』

 男の怒りと殺意は外界以上に内部へと向けられていた。それだけが彼を突き動かす原動力であった。故に燃料を持って動き続ける為に男は新鮮な憎悪を求め続けた。自身の内部を常に意識し続けた■■■■■■を常に認識していた。それこそが元凶であると、それこそが自分の最大の不幸であると怒りを持ち続けた。

 それが真実でない事を理解しながら。

 男は悲しいことに賢すぎた。己の行動の無意味さ、そしてその結末を誰よりも解っていた。だけど、それでも激情を持って暴れ続けない事には精神を保てなかった。或いは既に精神は壊れていたのかもしれない。形さえ残さない屍の山を築いては進み、そして更に殺す。

 首を刈り落とす。それ以外の事が考えられなかった。

 無意味無慈悲の死を与えるのであるからこそ、

 その終わりは死であることが必然であった。

 これが終わりであり、全ての始まりだった。





「―――」

 目が覚める。上半身を持ち上げてみれば、ベッドのふちに座っているセイバーの姿がある。おそらく寝ている此方を心配して傍にいてくれたのだろう。とことん面倒見のいい相棒だと思う。

 だからこそ、夢に見た内容が信じられない。

 ムーンセルへの接続というのは既に一種の夢を見ている状態なのだ。そこで活動しているのだから、S.E.R.A.P.Hでは夢を見る事がない。だが今、覚醒と同時に思い出せるのは夢の内容であり―――その内容で寂しく屍の山の上に立っていたのはセイバーの姿だった。自分の知っている服装と少し違うし、得物も若干違う。だが、それでもあの姿は見間違うことなく、自分の相棒だった。

 セイバーの姿を見れば、セイバーも静かに寝息を立てている事が解る。普段は確実に自分よりも早く起きているくせに、寝ていても確実に寝ているフリなのに、今日ばかりは普通に、ちゃんと眠っていた。珍しいこともあるものだ、とは言わない。

「自分の事ばかりで考えていなかったけど……」

 セイバーも英霊ではあるが、一応人類の範疇に入る生物なのだ。精神的な疲労を感じれば肉体的な疲労も感じる。朝食を食べたり、睡眠を取ったり、その体は限りなく人間と同じ構造をしているに違いない。アーチャーとの戦いはセイバーをフルスペックに活用した場面が連続していた。最後はダメージを魔力に変える為に無理もした。……その疲れがセイバーを襲っているのだろう。聞けば絶対に疲れを感じさせないし、弱るそぶりすら見せないだろう。それ位は理解できる。

 そんなセイバーの過去は、非常に気になる。

「マトリクスがあと1個ぐらい解ればなぁ……」

 そうすれば図書館にでも行ってセイバーの原典などを調べられるのだが、今の所セイバーで解った事と言えば武器である”罪姫・正義の柱”と無価値の炎ぐらいの話だ。無価値の炎と言えば悪魔であるベリアルで有名だが、罪姫・正義の柱なんてものはそもそもきいたこそすらないし、データにも存在していなかった。それに”暴食の王”、何てスキルが出てきて更に混乱してきた。

「何時か、私にセイバーの事が解る日が来るのかな」

 自分の事を支え、助けてくれる無二の相棒。彼の事をもっと知りたいと思う。それに、知る事こそが自分の虚無を埋めてくれるものだと思うのだ。不思議な話だが、記憶を喪失している事実に虚無感や恐怖は全くないのだ、今は。冷静になって考えると、記憶がない事よりも”過去がない”事をもっと重要視している―――そんな自分がいる。

「ま、俺を知る前に自分を知らなきゃ駄目だろうよ」

 セイバーが目を覚ました。軽く目をこすりながら此方を確認すると、欠伸を漏らしながら背中を向ける。大きく体を伸ばすその背中姿は不思議と身長以上の大きさを感じる。戦う時はいつもこの背中に守られているんだな、とどこか関心と共に見つめていると、セイバーが肩越しに視線を送ってくる。

「パンツ。見えてる」

 めくれているスカートを正しながらセイバーの顔面に枕を投げつける。





 前から楽しみにしていた激辛麻婆を朝食に食べ終わる頃には端末が音を鳴らす。それには二階の掲示板に次回の対戦相手を表示する準備が整ったという事だ。セイバーのデリカシーのなさを激辛麻婆を食べられた事で忘れつつ、二階の掲示板へと向かう。そこに他のマスターの姿はない。まだ来てないのか、等と考えつつも掲示板を確認する。

 第三回戦対戦者―――ありす。

 決戦場、三の月想海。

 ありす、と名乗った少女の事なら知っている。白いゴシックロリータ姿の少女だったはずだ。少女と言ってもティーンエイジの少女ではなく、それよりも更に幼い十か、それ以下の年齢の少女の事だ。

「次に遊んでくれるのはお姉ちゃんなの?」

 急に声をかけられたことに驚き、振り返る。そこには次の対戦相手であるありすの姿があった。可愛らしい表情は此方が対戦相手ではなく、”遊び相手”であると勘違いしている故の笑みだ。それを此方に向けられる自分は、

「うん、そうだよ」

 殺し合う相手になるという事を言えなかった。答えを受けた少女は喜びの笑みを見せ、そして姿を消した。

 ありすの姿が消えると、セイバーが即座に姿を見せる。

「子供とは無邪気なもんだよ。本能的に真理を得ているのにそれを理解していない。だから無邪気な悪意なんかが出来上がるんだよ。忘れちゃあならんぜ」

 解っている―――生き残ろうとするのなら、私はあの子を殺さなくてはいけない。あんな幼い―――。

「違うぜ相棒」

 セイバーはフードで隠した顔を此方へと向けてくる。おかげで表情は読めない。声にも色がない。

 だから、

「解らないのか? ―――あの子、ここに来るために最低でマスターを二人殺してるんだぜ?」

 その言葉に隠された感情を読むことができなかった。




 fateお約束の夢を見るイベント。まず1回目。そして三回戦はありすちゃんですね。個人的にはここら辺で精神的ブレイクスルーが欲しいので、戦闘とかよりもザビ子の精神的な所をガンガン攻めたいかと。

 あ、あとCCCギルルート終わりました。お前いい加減全裸になるの止めろよ。あと隠しボスでのコトミーとの会話楽しそうっすね。

 あとは紅茶をクリアすればCCCコンプ!
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| 断頭の剣鬼 | 13:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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