陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-15

「反省か―――い!」

「わー。ぱちぱちー」

 セイバーが死んだ魚の目をしながら口でリアクションを取ってくれている。実際に手は動かしていない。というか妙にテンションが低い。セイバーよ、ダンとアーチャーとの決戦は明日なんだぞ。一体何がどうしてそんなテンションになったのだ。

「食事は人生を彩るものだと思うんだ」

 うん。

「だから時間を見つけては購買へ食い物探しに行ってるんだよ」

 うん。いや、ちょっと待て。たまにPPTが減ってたりしてるのはそれが原因か! おのれセイバー!

「それで言峰神父オススメっつーから麻婆豆腐食ってみたら口の中マグマでなぁ……あの神父絶対苦しんでるところを見て楽しんでやがったぞ。対魔力でも防げない麻婆豆腐の辛さってなんなんだよ……!」


 むしろ何故麻婆の辛みを対魔力で封じる事を考えたのだ我がセイバーは。それだけヤバイものだったのだろうかその麻婆は。なんだか少し興味が出てきた。

「言峰神父が言うには三回戦から購買での販売を始めるらしいから、今回の戦いを勝ち抜けば好きなだけ食えるんじゃないかなぁ」

 これはまた戦う理由と勝利するための理由が増えた。もはやあきれた表情のセイバーはスルーするとして、改めて反省会だ。既にダン達と戦ってから一日が経過している。その日のうちに反省会をするのもいいのだが、あえて一日考える時間と頭をスッキリさせる休息を得てから改めて考える。あの戦いにおいて反省すべき事はなんなのか。

「それはマスターの考える仕事であり俺の仕事じゃないなぁ」

 ニヤニヤと笑みを浮かべ、そんな事おセイバーは言う。そんな表情をしているからにはセイバーには解っているのだろう。

「もちろん。こう見えても俺は軍団の王だぜ? 人の動かし方、集団・個人での戦い方、魔術、禁術、経済、心理、建築、料理と、戦闘必要な知識なら何でもそろっているぞ。我は全の一にして一の全也。我が手足は我の全てであり我が全てが手足也、っとな」

 今セイバーがさりげなく真名へと辿り着くためのヒントを出した気がするが―――それがマトリクス化する程の力を持った言葉ではなかった。このセイバー、自分の出店というか原典をバラさない範囲で上手く情報を喋っている。なんというか……実に巧妙である。

「ま、俺の話なんて今はいいだろう。それよりも、だ。問題はアーチャーとの戦いだ。何が悪かったのか考えてみろ」

 そう言われ、先日のアーチャーとの一戦を考える。

 まずアーチャーの戦い方はどうだったのだろうか?

 当初は隠れてからの毒による一撃必殺のハンティングスタイルだと思っていた。事実、自分とセイバーはアーチャーに誘い込まれた上に”イチイの矢”による毒を受けてダウンした。それが原因でセイバーは唯一の武器を失うハメとなり、大幅な戦闘力低下を迎えている。だからこそ自分たちはアーチャーを接近戦の出来ない、狙撃のプロフェッショナルと考えていた。

 だが実際は違った。

 アーチャーのマスターであるダンが令呪を使ってアーチャーに正々堂々と戦えと命令したからこそアーチャーは初めて一騎打ちに応じた。そこでアーチャーは宝具である”祈りの弓”を使い、魔術を含めた曲芸にも似た動きを見せてセイバーをじわりじわりと追い込んだ。一撃一撃は威力が低いが、攻撃に毒を前、確実に此方の攻撃を回避してからカウンターに攻撃を繰り出すスタイルはゼロレンジでのヒット&アウェイだ。距離を詰められたらひたすら避け、僅かでも攻撃を挟めると確信すれば回避行動と同時に攻撃を繰り出す。だがそれだけではない。アーチャーは距離をキープするための魔術も使っていた。アレは……。

「ドルイド魔術だな。森に住むシャーマンの魔術だ」

 そう、あのアーチャーの動きにはシャーマニズムが見える。イチイの毒も祈りの弓もアーチャの魔術も全ては森に通ずるのだ。それだけではない。セイバーがアーチャーと争いながらもしっかりと言葉を引き出してくれた。アーチャーの正体を暴く最後のマトリクスを。それは―――

「―――シャーウッドの森」

 シャーウッドの森の殺戮技巧とアーチャーは語った。シャーウッドの森に存在する、破壊工作と毒物に特化されたアーチャー。そんな英霊は歴史や逸話を調べても一人しか現れない。

 つまりロビン・フッド。あのアーチャーの正体はロビン・フッドだ。

「正解。と言っても、アレは数多く存在するロビン・フッドの一人だろう。ロビン・フッドはその時代、圧政者に苦しめられた民衆たちの願いを受けて襲名した存在の事をいう。あのアーチャーもそうやってロビン・フッドを襲名した者の一人なんだろ」

 こともなげにセイバーはそんな事を言う。つまりなんだ、セイバーはある程度、というかある時点で既にアーチャーの正体を完全に見切っていたのだろうか?

「おう」

 セイバーが頷く。

 ……。

「な、なんだよ」

 ……セイバーさんや、知っていたのであれば少しはヒントか答えを言ってくれるか、マスターが生存するために必要な情報を口にしてくれても問題はなかったのではなかろうか? 実際情報のあるなしでは生存率が数十パーセント違うのだし、昨日の戦いだってアーチャーに対し有効打を見せる事が出来たかもしれない。

「だがそれでは相棒が成長しないだろ。万能のサーヴァントが全て片付けてそれで満足か?」

 そう言われてしまうと黙るしかない。だがセイバーは思うことがあるのか、話を続ける。

「俺は努力をする人間って言うやつが大好きだ。そして努力をせず、才能におぼれる様な愚図が嫌いだ。何よりも才能を当たり前だと思ってそれを誇る連中が大嫌いだ。反吐が出るね。だから才能と権利を当たり前に主張しているハーウェイの坊ちゃんはどちらかと言うと嫌いな方だ。アレは一度挫折を知るべきだ。まあ、嫌いでも基本的に人類すべて愛してるんだけど」

 人類を愛しているとはまたこのサーヴァントは大きくでた。

「だってみろよ、人間を。彼らは頑張っている。その先が死という未知と結末で満たされていてもそれを恐れ、畏れずとも絶対に前に進むのだ。止まる事はないのだ。彼らは人間が人間であることを本能的に満たしているんだ。それを愛しく思わず何を愛しく思うんだ。俺は大好きだぞ、努力をして精いっぱい刹那の輝きを見せる様な連中は。あぁ、マリィの言葉じゃないけど力いっぱい抱きしめてやりたいな」

 セイバーの意外な一面が見れた。意外とセイバーは博愛主義なのかもしれない。いや、それにしては容赦なく相手を殺しに行っている。それを博愛主義とは呼べないだろう。……情報が増えたところで逆にセイバーを特定する事が出来なくなっている。むむむ、意外とセイバーは特定するのに難しい英霊かもしれない。いや、しかし、アーチャーは既に特定できているようだったし、難しくないのかもしれない……?

 ともあれ、セイバー。

「ん?」

 マリィって誰ですか。

「そっちか」

 うむ。確かに今は作戦タイムであり半sネイタイムではあるが、ここまで口を滑らせるセイバーもかなり珍しい。普段は茶々を入れたりふざけたり、あまり真面目な所を見せないので、こうやって自分の事を語ってくれているセイバーは何気に新鮮なのだ。

「マリィとは本体の嫁の事だ」

 セイバー結婚してたの―――!?

 いや、待て、今セイバーは本体と言った。それは一体……?

「簡単に言えばここにいる俺はムーンセルとの契約を持って生まれた存在と言う事だ。いや、実際に昔この世界でも死んでるし、そうして英霊として登録された。だがその後に俺の本体との交渉・契約によってある程度のアップデートはされている。まあ、本体とは通信途絶状態なんだけどな」

 ……なんかよく意味が解らないが、セイバーは別に本体が存在し、この体は分身という形なのか?

「ま、端的に言えばそうだな。だから記憶や知識は共有していても俺と本体は別の生き物。俺はそのほかにも概念的に”色々と混ざっている”しな。ほんとムーンセルは面白いよ」

 ……なんだか色々と混乱してきた。

 もうセイバーの事は投げ捨てよう。

「おい。おい。話題振ってきたのはそっちだろう……」

 知らん。そんな事よりは今はアーチャーだ。アーチャー対策だ。あのイケメンアーチャーをどうやって泣かすかが問題だ。前哨戦では此方が盛大に泣かされたのでどうしても泣かし返したい。腰が抜けた事に対する借りは絶対に返させてもらう。

「意外と器ちっちぇ……」

 アーチャーとセイバーの戦闘でまず留意すべきなのはアーチャーの回避能力だ。セイバーの最速の攻撃に対してアーチャーは回避を続けることに成功していた。まずはそこから考えるべきだ。アーチャーに攻撃を当てる方法が必要である。攻撃を当てる事さえできればセイバーの”無価値の炎”で一気に倒す事も可能かもしれない。倒す事は出来なくとも、燃焼効果で継続的なダメージを期待する事は出来るだろう。

「さ、俺は採点するだけだから頑張って考えてくれ」

 ニヤニヤと笑みを浮かべる努力人大好き発言をしたセイバーを無視し、思考に没頭する。

 アーチャーに対して素早い攻撃で攻める事は決して間違いではなかったはずだ。だがそれをアーチャーはあっさりと回避してしまった。この行動に関しては何が間違いだったのだろうか? 確実に一撃を与える、という点においてはこれ以上ない選択肢のはずだが―――。

「まあ、ヒントもないのはキツイだろう。考えろ。俺達が知っている事は相手も知っているんだぞ? そして相手はエネミーの様なレベルの低いAIじゃない。魂を持った存在だ。さて、それを踏まえてどうする?」

 ―――あ、そうか。

 相手はAIではないのだ。相手も此方の情報を調べ、解析し、そして対抗策を練ってくる人間なのだ。此方が相手に対して必死なのに対して、相手も必死なのだ。だとしたら此方が簡単に汲み上げた作戦位、読まれていると考えていいはずなのだ。

「相手は実力も経験も上だ」

 そう、実力も経験も上なのだ。だったら凡人である私が立てたプランなどあっさりと読み切ってもおかしくはない。ダンはそれだけの戦場を経験している。狙撃手ということは一か所で汝官も沈黙し、たった一つの機会を見抜くための観察眼を持っている存在だ。そしてアーチャーは騎士や兵士達相手にひたすら破壊工作や暗殺を行ってきた英雄だ。だとすれば襲われた時に対する精確なマニュアルを汲み上げていてもおかしくはない。それを踏まえて此方は作戦を立てなくてはいけないのだ。

 失念していた。

「一回戦目、マトウシンジは正直イージーな部類だったな。アレは戦闘の仕方を知らない。本気の殺気でもあてりゃあ戦えなくなるだろう。だからあいまいな指示でも俺は戦えて、勝てた。だがダン・ブラックモア程の戦士となればそれは別だ。ライダーとは違いアーチャーはもっと戦闘に特化しているし、ダンも戦場の空気を知っているというだけで脅威だ。いいか? ―――知っている事は全て無効に筒抜けだと思って行動するのがベストだ」

 此方が知っている事は全て相手に筒抜け。なるほど、

 つまり自分が知らない事こそ本当の武器になる、そういう事になる。

 ならセイバー、そんな事を口にするのであれば、もちろん”知らない事”ができる事前提で話しているのだろう?

「おう、調子ノってきたか?」

 セイバーの笑みに誘われるように此方も笑みを浮かべる。少しずつだが勝機が見えてきた。セイバーの話を聞きながら、自分の手札を一枚一枚増やしていく。アーチャーとダンも新たな切り札を使ってくるだろうが、今の所それは問題ない。

 迷いを抱え、自分自身さえも解らぬ自分と比べ、揺るがぬ信念をもったアーチャーとダンには悪いが、

「私は……まだ負けるつもりはないよ」

 生きたい。その願いを口にし、覚悟を決める。

 私は明日―――また、一人、人を殺す。




 CCCはどうやら四回戦キチガイランサーじゃなくて白バサカルートっぽいですね。っつーことはガトーさんも岸波さんに負けた記憶があったんだろうなぁ、言及は一切なかったけど。ところで現在3週目我様、やっと普段着を手に入れたけど段々とデレはじめてきたなあ……。あと天の鎖使用可能になった時の感動は異常。

 CCCルートネタバレをするのでクリアしてない人はこれ以上読まない様に。ネタバレしてもいいなら読もう。










 ラスボスのアンリマス/CCCとラスボスってかキアラの色々とアレが絶対R-17の原因だと思うの!! キアラエロすぎぃ! っとまあ、CCCクリアすれば皆大体そんな感想かと。でもキアラよりもトワイス+キャスターが一番面倒だった。途中で完全回復のコードキャスト挟むの止めてくれないかなぁ。

 ともあれ、PLのやってる事をNPC側から見たらこんな気分なのか! とか思って99999回復見てました。
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| 断頭の剣鬼 | 12:47 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

更新速度がどんどんあがってるww
断頭本編は練りに練ってるだろうとはいえ、それにしてもこの速度はw Twitterの執筆講座の内容はもはや疑うまでも――
んで、本話感想!
とうとう嫁持ち暴露ww
ザビ子とセイバーの掛け合わせにはやはりぽかぽかさせられますなぁ~
無価値の炎でたし、王発言も出たからその他の要素にも期待大ですヾ(>▽<)ノシ
ああ、決戦はよう(笑)

| 女神は至高、金髪少女は至宝 | 2013/04/18 15:40 | URL | ≫ EDIT















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