陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-11

「ごきげんよう。こうして人間らしく対応するのははじめてですね。早速ですが―――貴女は何者ですか?」

 そう言ってマイルームから出て、アリーナへと向かおうとした足を止められる。昨日のアーチャーによる毒の攻撃で受けた体のだるさは完全に消えている。流石ムーンセル、校内にいる間はアリーナでのダメージを引きずらせない。一晩寝る必要はあったが、完全に体の方は回復している。まだ情報マトリクスもレベルも足りない。探ったり強くなるためにもアリーナへと向かおうとしたところで、足を止めてきたのは褐色の少女の存在だ。現れるなり此方を見て誰だか質問してくる。

 ならば答えぬばなるまいな……!


「二年A組岸波白野! 趣味はない! 存在しないのではなく覚えていない!」

『おい。おい!』

 何やら後ろでセイバーが騒ぎ立てているようだがスルーする。答えたのだから胸を張ってドヤ顔をしてみる。反射的に答えたが後悔はない。

「困ります。今の回答は正解ではありません」

 褐色の少女は此方のリアクションを完全にスルーしてただ自分の聞いの答えだけを認識している。その様子から機械的という印象を強く受ける。桜よりもAIらしいと言えばAIっぽい印象を受ける少女。その視線に気づいたのか、褐色の少女は一例する。

「私はラニ。アトラス院のラニ。貴女と同様、聖杯を手に入れる使命を負った者」

 アトラス院……? 聞いたことのない名前だと思う。アトラス院とは何か、それを問う前に答えが後ろからやってくる。

『地上に残されたキチガイの巣窟だよ。詳細に言うと、あー待て、今記憶(アーカイブ)からこの時代だとどんな風かを……あぁ、科学ベースのこの時代を唯一魔術組織として成立させてる所だ。たしか生き残りは一人で錬金術を駆使するんだっけかな。まぁ、マスターアルケミストの褐色ガールだと思えばいい』

 セイバーが以外にも博識だった。ムーンセルに記録されているサーヴァントだから基本的な情報を持っていたのだろうか? まあ、セイバーが”キチガイ”と評する場所から出てきた人物なのだ。これはもう色々と覚悟するしかない。

『お前の俺に対する信頼が凄いよ』

 ともあれ、ラニと名乗った少女に対して何の用だと聞く。

「困りました。私は我が師の言った者が誰なのかを探しているのです。私は新たに生まれる鳥を探しているのです。その為に多くの星を詠み、貴女とダン・ブラックモアの星を詠みました。貴女は彼らに対しては無防備でしたが、私には答えてくれないのですね」

 なるほど。解らん。

『つまり俺達の動きを見ていたって事だ。占星術ってやつだ。あーくそ。占星の話をしたらいやーな奴を思い出した。やべぇ、アリーナで激しく暴れたい気分』

 占いで動きを監視する事が出来るのか。凄い、と思う反面怖いとも思う。つまり自分が何か情報を零してしまえばこの子に拾われてしまう可能性があるのだ。敵意は感じなくとも、凄腕の霊子ハッカーというだけで自分にとっては脅威の対象だ。

「そう身構えないでください。私はより多くの星を詠みたいだけなのです。ですのでブラックモアの星を詠む為の協力を要請します。ブラックモアの星を詠み、それを知る事は貴女としても決して悪いことではないと私は判断します」

 ここは―――。

「蔵書の巨人(アトラス)の最期の末としての価値を、私は示したい」

 受けるしかないだろう。

『ほほう』

 セイバーの愉快げな声が後ろからする。が、否定も肯定もしてこない。つまり私にこういう事の判断を任せている、信を置いてくれている……と、自惚れたい。

「師はいいました。この戦いに人形である私に命を入れる者がいるのかを見よ、と。貴女がそうなのかは解りません、しかし、貴女からは他のマスターとは少し違う星が見える。どうでしょうか、私が貴女を利用し、貴女が私を利用する」

 ラニの言葉に頷く。同盟とかは良くわからないが、これぐらいの協力関係なら互いにメリットがあるだけだ。何も問題ないだろう。

「じゃあよろしく頼むね、ラニ」

 口に出して言葉を伝えると、ラニが一礼をする。

「ではブラックモアの遺物を集めてきてください。私は三階の廊下の奥にいますので、三日後、星を詠むのに適した時間が来るのでその時に再び会いましょう」

 最後まで機械的な印象を残して少女は去って行く。その背中を眺めていると、等々にセイバーが姿を現す。

「うーん、なんかアレは俺やベリアルとかと似た様な空気がするなぁ」

 似た様な、とはやはりセイバー同様キチガイ勢なのか。今の所自分のキチガイリストにはセイバーとレオとガウェインがトップとして名が乗っているのだが。ちなみに凛は審議中でラニは追加する予定である。

「何を考えてるかは夜問い詰めるとして―――あの感じ、たぶん”作られた存在”だろうなぁ。キチガイ錬金術の巣だし、おそらくホムンクルスか? まあ、彼女が完全には人間ではない事を覚えておけ」

 セイバーは告げてから消える。ホムンクルス。作られた命、作られた体。そうなるとラニの話していたことがおぼろげにだが解ってきた。命が欲しいとかというのは作られたものとしての自己ではなく、自分で見つける真なる自己を見つけ出したいとか、そういう感じの事であろうか。

 ……あの機械的な感じからはまだまだ難しそうな話ではあるが。

 まあ、ダン・ブラックモアの情報が手に入るというのはいい話だ。これを利用しない手はないだろう。ダン・ブラックモアの遺物を探せと言ったが、マイルームへハッキングする技術がなければ探るような技術もない。あるのは足で動き回ってセイバーに首を集めさせるぐらいだ。昨日のアリーナにはアーチャーとダン・ブラックモアがいたはずだ。ならば何か見落とした物か、彼らの所持品が落ちているかもしれない。

 結局、やる事は変わらない。

 階段を下りてアリーナへと足を向けながらそんな事を思う。

「あ、岸波さん!」

 一階に降りたところで藤村大河に呼び止められる。一回戦の時もそうだが、大河は何やら生徒役の自分体tに頼みごとする代わりにインテリアを渡してくれている。

「今回はアリーナのどこかに柿が入っちゃったから岸波さんも自分のアリーナを探してくれない? 先生のとっておきのインテリアを用意しておくから!」

 この人は予選も本戦も全く変わらない人だなぁ、共に、AI以上に人間らしいと思い、少しだけ笑う。ラニも大河の様な喜怒哀楽の激しい”命”を手に入れる事が出来るのだろうか。

 大河の頼みを了承しながらアリーナへと向かい―――踏み込む。

 一瞬の閃光。現れるサーヴァントの気配。デジタルなデザインの壁のアリーナ。毒の気配もダンとアーチャーの気配もない。ここにあるのは自分と、セイバーと、そしてエネミーだけだ。入り口付近にアリーナのエネミーの姿はないが少し進んだ先に入る。今日もノルマ分のレベルを上げて、実力を上げながら経験を積もう。自分とダンの間には天と地とも言える経験の差がある。ダンが騎士として此方に相対している間はその経験もほぼ意味をなさないとセイバーは言ってくれているが、マスターとしてはその差をなるべく埋めたい。

 だから、

「セイバー」

「おう」

「今日はセイバーの動き、私が指示するから……ダメだしをお願い」

 セイバーは此方を少し驚いた様子で見てから、笑みを浮かべて頭をうなずかせる。

「あいよ。無傷で終わる戦争はないんだ。いっぱい傷つきながら進もうぜ?」

「うん」

 アリーナの中を遺物を求め、歩きながらエネミーに接近する。首は狙わない。今までは便利だったが、それでは何の成長もない。緊張感からの削りが消耗と損妙と研鑽であると信じて、

「セイバー、アタック!」

 三つに絞った基本行動の内一つを支持する。アタック、つまりは素早い攻撃。セイバーは一瞬で接近すると、大降りに攻撃を繰り出そうとした箱型エネミーを攻撃する。相手が大振りであるが故に此方の攻撃は決まる。

「ブレイク!」

 今度は大振りな攻撃をセイバーに指示する。攻撃に反応して反射的に防御の姿勢を取ったエネミーは力強い一撃に防御を砕かれる。片手で刃を一回転しながら突き出す動きは見ていて爽快感がある。

「ガード!」

 セイバーが刃を交差させ、防御する。反撃にでたエネミーは素早く攻撃を繰り出す。だが力の乗っていない攻撃では防御を砕く事は出来ない。あっさりと攻撃を防いだセイバーはカウンターに蹴りを繰り出す。そのけりで体を砕かれたエネミーは姿を霧散させながら消滅する。残ったのは経験値とPPT、そしてドロップのアイテムだった。勝利したセイバーが振り向き、頷く。

「最初はこんな感じだ。今は声に出して言えばいいけど慣れたら予めある程度動きを先読みして指示しておくんだ。直前に声に出して言うと相手も解っちまうからな。だからパターンAとか、パターンBとか、そんな風に考えておけ。まあ、本当に慣れればパスを通じて指示を飛ばせばいいさ。それまでは支持を出す事に慣れよう」

「はーい、せんせー!」

「うるせぇ。黙ってろ。もう褒めるのやめた」

 どうやらセイバーのデレ期は終了らしい。残念と、軽く地を叩きながら再びアリーナの中の遺物探しに意識を向ける。今の戦いは駄目だ。全然だめだ。シンジならまだ通じただろうが、ダン・ブラkックモアという戦士に対して今の戦い方だと―――絶対に負ける。

 もっと、もっと強くならなきゃ生き残れない。

 だから、前に進むしかない。

 次のエネミーを捕捉しながら、構える。コードキャストの準備は万端だ。あとは―――

「―――セイバー、ブレイク!」

 指示を飛ばし、自分の出来る事を確認しながら進む。




 キャス狐が可愛すぎて死ねる。早く神話礼装を拝みたい。三週目は女主でギルを遊ぶ予定。それにしてもキャス狐最後の攻撃スキルが一夫多妻去勢拳とは……!
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| 断頭の剣鬼 | 15:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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