陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-9

 設定された時刻になるとアラームと共に目が覚める。軽く欠伸を噛み殺しながら目を覚ますと、自分がおとめにあるまじき寝相でベッドに倒れている事が発覚する。これはヤバイ。ただでさえ怪しい女子力がヤバイ。

 体を起き上がらせ、周りを見る。セイバーはソファに腰掛けたまま目を瞑っている。身じろぎもしない。良かった、彼には見られていない。フードを被って顔を隠しているし、おそらくこちらは見えていない。ならチャンスだ。スカートはめくれているし腹は思いっきり出ているしなんか寝た時と頭と足の位置が逆になっているし、こんな姿を見られるわけにはいかない。

 そぉーっと、ゆっくり音を立てずに起き上がろうとし―――


「―――んあ」

 ビクリ、とセイバーの声に体を硬直させる。セイバーの手がフードへと向けて動く。今のセイバーは起きている。いや、起きてしまった。ならば体を止めるべきではなく、素早く動くべきなのだ……!

 素早くベッドから飛び降りるとスカートを下へ増すs具引っ張り整え、乱れた服装も直す。セイバーがフードを後ろへ引く二秒間の間に少しだけ服装の乱れている状態へと自分の姿を持って行く。マイルームの壁に立てかけてある鏡を一瞬だけ確認し、そして頷く。

 パーフェクト……!

「起きたか相棒」

「うん、おはようセイバー」

 時間はまだ七時だ。次の対戦の発表は―――端末には九時発表と出ている。少々早く起きてしまったが、これが朝食をゆっくり食べるチャンスだと思えば安いものだ。今朝の危機は乗り切った。マイルームの窓からは気持ちの良い朝日が差し込んできている。まあ、今の所ずっと朝なのだが。

「それじゃ、朝ごはんを食べに行こうかセイバー」

「ヤヴォール」

 ソファから起き上がったセイバーは後ろについてきてくれる。マイルームから出れば姿を消し、情報を遮断するために透明になるのだろうが―――それでも味方が一緒にいてくれると言う事は心強い。

 昨日の出来事は決して忘れるわけじゃないけど、それでも少し心を楽に前に進もうとし、マイルームの扉に手をかける。

「相棒よ」

「うん?」

 扉を開けようとしたところでセイバーが声をかけてくる。なんだろうと思い振りかえようとした瞬間、

「もうちょい寝相はどうにかならんのか。見ているこっちがはらはらしたぞ」

「セイバー!」

「おぉっとぉ」

 振り返った瞬間にはセイバーの姿は消えていた。見られていた事に対する羞恥で顔が赤くなっているが知らない。知らないったら知らない。

 マイルームの扉を蹴り開けて食堂へと向かう。

 今日は麻婆豆腐を食べたい気分だ。





 甘口麻婆でさえ口の中がひりひりするムーンセルの麻婆への拘りが理解できない。何故言峰オススメ麻婆などというバイオウェポンを許可しているのだろうか。あのNPCは絶対に頭がおかしいに違いない。そして言峰の創造者はムーンセルなのだからムーンセルはおかしいという結論になる。そう、ムーンセル、頭おかしい。

『喜んで麻婆食ってたのはどいつだよ』

 だって辛いもの好きだもん。

 あのはふはふしながら水を我慢して口の中に辛い液体を流し込む良さが解らぬと申すか……!

『頭おかしい頭おかしい言いつつ笑顔で麻婆食ってたしな、流石俺を引き当てたマスターだなぁ』

 霊体化したままのセイバーからの呆れたような声が聞こえる。こうやって一々やる事に意見や茶々を入れてくれる辺りセイバーは付き合いのいい奴だと思う。それとも―――これから始まる事に対して少しでもいいから気を使ってくれているのかもしれない。

 朝食を食べ終われば校内に他のマスターの姿も増え始める。そして時間が九時となれば―――次の対戦相手が発表される。

 次殺し合う人物が出てくるという事実を少しでも受け入れやすいように空気を和らげてくれている。その心遣いに口に出すことなく感謝しつつ、食堂から出て二階へと向かう。食堂から一階へ、一階から二階へと向かう為に上る階段が永遠に感じる。

 足が重い。

 どんなに心を入れ替えようと頑張っても、やはり体は思う様に動かない。深海の底で水のプレッシャーに押しつぶされる様な気持ちで階段を上り、二階の掲示板前に到着する。時刻は九時。既に端末は対戦車の発表があると告げている。

 恐る恐る掲示板を見る。

『二回戦―――二の月想海。対戦者―――ダン・ブラックモア』

 名前とアリーナが指定されていた。

「ほう、君が私の相手かね」

 声と共に横へ視線を動かせばそこには白髪の老人がいた。だが老人ありがちな弱さはない。この老人はただ歳を経験したのではなく”積み重ねた”という強固な感覚がある。間桐信二とは根本からして覚悟などが違う。それなりに歳を取っているはずの老人は背筋をまっすぐ伸ばし、歳を感じさせぬ覇気を纏っていた。

「若いが―――いや、この戦いとはそういうものなのだろう。しかし惜しい」

 老人は此方を見てそう呟く。

 惜しい、とは。思わず問い返す。まさか返答があるとは思わず老人は、対戦相手のダン・ブラックモアは少しだけ驚いたような表情を浮かべてから此方へと告げてくる。

「君は迷っている。それが非常に惜しい。覚悟もなく、迷っているように見える。その目には絶望の闇がないからこそ惜しい。このような状況で絶望せずに迷っていられる心の持ち主は稀有だ。立場が違えば私が助言を与え、導く事もあったであろう。故に私は惜しいと思うのだよ……今の君は戦場に迷い出てきた子供に過ぎない」

 悔しいが、ダンの言葉には何も言い返せなかった。ダンの言葉は昨日確認した通りの事だったからだ。何も間違いはない。だからこそ自分は答えを欲しているのだ。そして生き延びようとしている。まだ答えは見つからない。見つかるかどうか解らないが、それでも見つけたいと思う。

「ふむ、なるほど、此処にいるだけはあるか」

 ダンは背中を向けて廊下を歩きはじめる。

「願わくばその迷いが晴れる事だが―――」

 それに続く言葉が消える前にダンの姿は廊下の奥へと消えてしまった。そのままマイルームへと向かってサーヴァントと話し合うか、校内転移でアリーアへと向かったか、どちらかだろう。ともあれ、ダン・ブラックモアという老人は凄まじい人間であることは今の会話だけでもわかってしまった。

 と、そこで入れ替わりで見た事のある主従がやってくる。

 赤と白の主従―――ガウェインとレオだ。

「ブラックモア卿と当たってしまうとは運がありませんね。貴女と当たる事は楽しみにしていたのですが、それもどうやら難しくなってきたようですね」

「おいおい」

 レオの言葉に真っ先に反発したのはセイバーだった。姿を現すセイバーは赤いフードを深く被っている。そのままでは前が見えないだろうとツッコミを入れたくなるような被り方だが、何となくとセイバーの視線はレオへと真直ぐ向けられているように思える。もしや心眼の類であろうか。そのようなスキルは習得していないはずだが。

「あまりウチのマスターを舐めないでほしいな。流石に退役軍人になんかは負けたりしないぞ」

「退役軍人?」

 セイバーがダンを示す言葉に首をかしげると、レオが笑みを浮かべる。

「おや、ブラックモア卿の事が解りますか? ダン・ブラックモア卿は英国では”女王の懐刀”とまで評された騎士です。現役時代は匍匐前進で数キロ移動して数日潜んだ状態から狙撃するほどの傑物でした。歳を取って群を抜けましたが、それでも度々女王へ如何に呼ばれては―――いえ、ここは関係のない話でしたね。すみません」

 優雅に誤ってくるレオにしどろもどろとなってしまいそうな自分がいるが―――大丈夫。前の様にレオの前に立つだけでその空気に飲まれる事はない。ライダーとセイバーの戦いを見て、そしてライダーの強さを感じたからこそ理解できる。ガウェインは今のセイバーとも、シンジのライダーともまた別次元の強さの持ち主だ。最優のサーヴァントとはよく言ったものだと思う。たぶんこの聖杯戦争最強のサーヴァントだ。

 たぶん。

 だって最強はウチのセイバーになる……たぶん。

「しかし勝機があると見目ますか、セイバー」

「迷いのない人間等いやしないのさ王様。完璧な軍人なんてものも完璧な王もいない。だから完璧な世界もないのさ。残念だったな」

 それを告げるとセイバーは姿を消す。セイバーの言っている意味はよくわからないが、まだ勝機はあると言う事をレオに、そして自分に伝えたかったのだろうと思う。セイバー、かなり負けず嫌いな所があるのかもしれない。英霊というからには頑固で、達観していて、そしてどこまでも完成された存在だと、漠然とセイバーの勇姿を見ながら思いも舌が、それも違うのかもしれない。

「なるほど。確かに黒騎士が得物を剣から槍へと持ち替えていれば可能性もあるでしょう―――」

 レオは神妙な表情で頷くと、真直ぐ視線を向けてくる。

「参りました。私は貴女と、そして貴女のサーヴァントと戦うことを実に楽しみにしているようです。不謹慎かもしれませんが、ブラックモア卿に勝利する事を願っています。それでは」

 レオが去り、そしてガウェインもレオの後をついて去って行く。相変わらずレオはガウェインを隠す気配がない。サーヴァントへの絶対的な信頼は己の力量への絶対的自信へと繋がる。

 ……さて。

「私達、こんな所で躓いている暇なんてないよね、セイバー」

『おうともさ』

 ピピッ、と音を鳴らして端末が存在を主張する。端末を取り出して表示を見れば、その画面にはトリガーの生成を伝えていた。これでアリナーの新たなエリアが解放されたはずだ。まだ自分とセイバーは弱い。自分が未熟なためにセイバーを弱くしてしまっている。セイバーの本来の力を取り戻せればガウェインにだって勝利できると信じてるから―――。

「アリーナにいこっか」

 セイバーからの返答はないが一緒にいる事は解っている。

 迷いを抱えて、答えを得る為に前に進む。




現在二週目でキャス狐でジナコ2層目到達。水晶とスパイクと刀あると攻略すっごい楽ですね。サクサク進む。でもヤバイ。マジヤバイ。

キャス狐の春色の現代服が可愛すぎてヤバイ件。ぶっちゃけもう着替える必要はないんじゃないかなぁ、と思うぐらいにヤバイ。そしてそんなに水天日光さんディスるのは止めてあげて!

 と、CCCのおかげで二日連続更新してしまったというお話でした。
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| 断頭の剣鬼 | 17:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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