陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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辺境 ―――アーリー・アンサー

推奨BGM:Nacht der langen Messer
*2推奨BGM:Dies irae ”Mephistopheles”


 軽く後ろに倒れ込む様にベッドの中に倒れ込む。ようやく休めるところを得た事から安堵の溜息を吐き、疲労が体に押しかかってくる事を自覚する。一日中歩き回っていた事から本来はシャワーの一つでも浴びたい所だが、生憎ともうそんな時間ではない。教会という場所を祝初施設としか借りている以上、此方は少々厳しいかもしれないが、規律に従う義務がある。そんな事もあって旅人用の客室人案内された俺とキリトは与えられたベッドの上で、ようやく得る事の出来た安息を味わっていた。

 と、そこで教会内の案内をしてくれた少女が出てくる。

「ここにいる間は―――」

「あぁ、お祈りとかに参加するんだろ? 解ってる解ってる」

 妙にお姉さんぶりたいこの少女、セルカの存在は何というか……実に微笑ましい。そう言うキャラは身内の中で言えば香純一人ぐらいで、彼女はちゃんと世話を焼けていたのでいい。というかお姉さんぶりたいで何故か玲愛を思い出した。あの人は都合のいい時だけ年上ぶるから厄介だ。そう言えば最近会ってなかったなあ……。

「……そう、解ってるのならいいわよ。起こしに来ないから起きるのは勝手にやってね。じゃあ」

「あぁ、おやすみ」

「おやすみなさい」

「えぇ、おやすみなさい」

 そう言ってセルカが部屋から出て行った。彼女が部屋から出て行ったことを確認してから、起き上がり、ベッドの淵に座り直す。同じくベッドの淵に、対面側に座っているキリトと顔を見合わせる。

「どうする?」


                           ◆


 今、この状況に対して一番情報を持っているのがキリトであることに間違いはない。だからこそ、この状況で一番判断できるのもキリトである。だがその本人は困った様子で、考え込んでいる。となると、俺も今持っている情報を元に考え付く事しかできない。まあ、やるべきこと自体ははっきりとしている。

「ここから脱出する事が一番だよな?」

「ああ」

 それだけは解っている。ただキリトと一緒にシステムウィンドウを召喚したりして見ようとしたが、全く反応はない。ログアウトの定番として自殺もありかもしれない、と一瞬判断をしたが、それはそれでかなり危険な選択肢なので、とりあえずの保留という結論に至っていた。つまるところ、脱出手段を模索するのが一番の急務であることに間違いはなかった。

「……システムコンソール」

「あると思う?」

「ある。少なくとも一つは絶対に存在する。この世界がVRである以上、外部と連絡するために一つは必要なんだ」

 システムコンソール。それが帰る為、外と連絡をつける為に一番に見つけるべきものだと二人で判断している。だが問題はそのシステムコンソールの場所だ。もちろんだが、システムコンソール程のものが簡単に放置されているわけがない。それが何個、どこに、それを把握する事から全てを始めなくてはならない。

「まあ、定石からするとシステム権限的に上位に位置するラース社員がそうさするんだから、特権階級か、一般PCでは近づけないような場所にあるんだと思う」

「となるとここで言えば―――」

「……教会の中とか?」

「なにもなかったじゃん」

「うぐぅ」

 それとなくこっちへとやってきてから、建物内を調べたが、あやしい者は発見d系なかった。人間型超レーダーであるキリトが何も見つけられないのだ。つまり、この建物にはないとなる。

「となれば村長の家とかが定番だよな?」

「ダンジョンも結構いい線だと思うぜ」

 こんな風に、候補を悩むだけだったらかなりある。そしてアイデアは尽きないのだから厄介だ。とりあえずの方針としてはシステムコンソールを見つける事で合意しているし、ユージオには明日、色々と説明してもらう約束をしてもらっている。とりあえずはそれで説明等は納得するとして、

 問題なのはその後だ。

「もし、システムコンソールがなかったらどうする?」

「コンソール自体がか?」

「いや」

 と、言葉を置き、

「この村で見つからなかった場合。言っておくけど俺達には”過去”がないんだ。何かをするにしろ、身分や紹介といった物は必須だぞ」

 そう、この村でシステムコンソールが見つからないのであれば、どこかへと向かって探す必要があるのだ。お金も過去もない。そんな状況でどこかに雇ってもらおうとしてもかなり無謀な話だ。となると、それなりに下準備とか、信用を得るための準備が必要となるのだが―――キリトが得意げな顔をするので思考を中断する。

「……」

「我に秘策あり」

「……」

 自慢げな顔を浮かべるキリトの黙って、視線で続けるように伝えると、得意げなキリトは手を前に出す。そこには何もない。だがキリトがその手をいったん閉じ、次開いた瞬間には―――粗削りながらも、宝石らしきものが手の平の上にあった。

「心意を悪用してみました」

「心の中で一瞬よくやった、と思ってしまった辺り遊佐先輩に染められているんだと思うなあ」

 と、キリトの手の中で宝石は風化して消え去る。

「まあ、こうやって集中力を解くと消えちゃうのが弱点なんだけどな」

「人はそれを生産じゃなくてそれを詐欺というのだよキリト君……」

 だが、まあ、これで餓死する可能性は消えた。必要に狩られたらキリトに詐欺させてお金を稼ぐという手段が現れた。非常にやりたくない事だし市場を荒しそうな行為だが、背に腹は代えられない。本当に必要になったらとる手段として記憶しておく。

「ま、全ては明日からだ」

「だな」

 ボフ、と音を立ててベッドに倒れ、天井を眺める。こうやって落ち着いて、色々と考える事もある。

 ただ、今、思うことは、

 ―――現実はどうなってるんだろ。

 こうなってしまった今、知る方法はないが、現実の自分たちに対するリアクションはなんなのか、それが非常に気になるところだった。

「あ」

 と、ベッドに倒れ込んだキリトが唐突に声を零す。どうした? と質問すると簡潔に答えてくれた。

「アスナがなんかやらかした気がする」

 流石バーサーカー夫婦……。


                           ◆


 レイピアを全力で目標へ叩きつけた。

 突然の奇襲。全く予備動作のない、攻撃の初動のなかった動きは長年レイピアを握ってきたアスナにこそ可能であった動きだ。辻斬りにも近いこの行動、並大抵の人物であれば反応する事無く受け入れていただろうが、生憎とそれを受ける側の反応は尋常ではなかった。レイピアが突きだされるのと同時に、その体は既に動き出していた。レイピアが刺突専用の武器であることを把握しているその人物は最小限の動きでレイピアの刺突を公費氏、そしてレイピアの刀身を人差し指と中指でつかむ。たったそれだけで攻撃は完全に封殺されていた。その事実よりも、別の事実に対してアスナは収まる事のない怒りを見せ、―――ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒを睨んでいた。

 これをドイツの軍人に魅せれば、卒倒している事に間違いはないだろう。あの黄金の獣相手に刃を抜こうとする存在は考えられないからだ。それはバーチャル世界だって変りはしない。遊びや戯れで刃を向けるかもしれない。だが殺意を乗せて刃を向ける事は稀だ。それこそ暗殺、本当に憎しみを込めている事でしかありえない結果だ。そして”今”のラインハルトはその状態から程遠い状況だ。

 微笑を浮かべ、アスナの動きを止めたラインハルトはアスナを迎える。

「これは中々手厳しいものだ。卿はもう少々穏やかな性格をしていたものだと思っていたのだが―――」

「キリト君を出しなさい」

「問いもなく断定と来たか。ふむ」

 場所はALO、アインクラッド内でエギルが所有する店。ラインハルトを呼び出したアスナはアドバンテージを得るためにもノーモションの攻撃を繰り出し先手を取ろうとして―――失敗した。アスナは自分がそこまで交渉などの、口を使ったものに長けているとは思っていない。頭はそこそこ使えるが、SAOを通してどちらかというと脳筋タイプとして完成しつつあると感じている。故に交渉はまず一発ぶち込んでアドバンテージを得る事を始める。それに失敗している現状、ラインハルトから優位を取ることは難しい。

 いや、元々難しいを通り越して不可能だったのだ。結果、拮抗状態へと持ち込めているだけマシ……なのかもしれないとアスナは判断していた。

「おい、暴れるのはいいけどあんまり店を荒すなよ」

 もはや店が荒れる事は目に見えているのか、エギルは店に並べているアイテムをデータ化し、インベントリに放り込んで退避の準備を始めている。ラインハルトとアスナがこうやって動きを止めている間が逃げる最大のチャンスなのだ。

「キリト君を、返して」

「前々から思っていた事だが卿は少々独占欲が強過ぎぬかね? 確かに強欲なのは愛に違いないが―――あぁ、”誰か”の様に過ぎる強欲は身を滅ぼすぞ?」

 瞬間、アスナはレイピアの柄から手を放すと、隠し持っていたもう一本のレイピアを突きだす。愉快そうな表情を浮かべるラインハルトに対して、迷うことなく顔面を狙った一撃は繰り出された。後ろへと軽くスウェーしそれを回避すると、ラインハルトは掴んでいたレイピアを軽くほうり上げて右手に握り、アスナもレイピアを利き手に持ち替える。アスナは間違いなく本気で、勝敗がどうとか、そういう領域を超越している。もはや彼女はキリトの失踪に対する事実を完全にラインハルトのせいだと断定し、そして確信に至っている。レイピアを構えから一瞬で放つ。

「もう数日もキリト君を見てないし連絡もないのよ―――これ以上は寝不足になっちゃうでしょッ!」

「ふむ、久しくレイピアは握ってないが、同じ武器でお相手しよう」

 アスナの突きの一撃にラインハルトが攻撃を重ねる。レイピアの切っ先と切っ先がぶつかり合い、攻撃が相殺され―――ない。圧倒的に筋力で勝るラインハルトが強引にだが、優雅にアスナの攻撃を弾く。流石万物に関しての才を持つ男というべきか、何をやらせても無駄がない、不得手がない。久しく握った、という割にはアスナを超える技量でレイピアを振るっていた。とはいえ、アスナも負けているわけではない。四年間振るい続けてきた実践式のレイピアは子供の頃から習っていたオリンピック選手等と比べれば華やかさには欠けるかもしれないが、実践においてはかなりの有用性を見せる実戦派の剣術だ。実際、勝負をすればアスナが勝利する確率は高い。

 だからこそ、食らいついている。姿勢が崩れる事無く、押し込まれる一歩手前で持っている。最速、必中、一撃必殺。無敵の三拍子が付与された様な動きの前に、ギリギリで戦闘を持たせている。一撃ごとに一歩一歩、後ろへと下がっている事に間違いはないが、それでも戦闘は続いていた。

「くっ」

「卿は結論へと跳びすぎている―――間違ってはいないがな」

 その言葉と共にラインハルトが力を込めて突きを繰り出す。今までの攻撃が全てレイピアの切っ先同士のぶつけ合いだったことから、アスナの体を捉える一撃へと変化した。幸い、そこは街中で、何のダメージもない。だからアスナも声を噛み殺し、衝撃と共に店の中から扉を突き破る様に吹き飛ばされるだけに過ぎない。それでも、衝撃は凄まじい。突き破ったドアの向こう側、家の壁に衝突し、家に軽く割れ目を生み出しながら動きを停止―――しない。まるで狂戦士の如く、血走った目で体を壁から引きはがし、立ち上がる。ゆらゆらと動くその体は淡くだが、光っている。

 その姿を見て、やはりラインハルトは笑う。

「答えは正しいが”順序”が違う。何事も順番が正しくあるべきなのだよ。結論から飛びついた所で全てを理解する気でいるのは早い。次に目を覚ますのであればラースを追うと良い。それで愛しき者にあえるだろう」

 ラインハルトがレイピアを突きだす。それに反応する事が出来ず、アスナが吹き飛ばされ、再び壁に叩きつけられる。だが今度はシステムを超えた衝撃がアスナを襲い―――その意識を一瞬で奪った。レイピアをアスナの横で突き刺し、得物を返却したところでラインハルトが歩き出す。

 ―――その軍服には一線の傷がついている。

「……頃合い、なのだろうか」

 ラインハルトの姿が、街の路地に消える行く。




抜刀妻「夫がいないのなら殺して聞き出すしかないじゃない!」

 流石ヤンデレは格が違った。すいません、感想読んでます。誤字報告確認してます。買い物行ったり、大学が来週から始まるので準備とかあって、修正する時間まじないんです。ごめんなさい。ホント、頑張ってるんです。というか来週からぢ足掻くなてんぞー……。

 さて、原作アリシゼーションと読み比べればわかる事ですが、

 原作関係の一部の謎は比較的簡単に解ける様になっています。キリトの居場所や、言葉の意味や、そういうことですね。それもまあ、伏線……ではなく、これよりも酷いなぞやムリクソゲーがあっているので、此処で躓いたら試合終了ですよ……? 的な意味でもあってですなぁ……。

 ともあれ、今のところは変わりがありませんが、

 次回から少しずつ狂い出しますよ。
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| 断頭の剣鬼 | 15:31 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

アスナさん、怖ッ!
これがヤンデレ(?)の力なのかっ!

| 烏 | 2013/01/04 03:57 | URL | ≫ EDIT

コレから段々と狂っていくのか、やはり天狗の仕業か!。
所で自分はさっき知ったのですが、神咒神威神楽がPSVitaに移植されるみたいです。今から楽しみです。

| ゴロ | 2013/01/04 09:24 | URL |

ア、アスナさん?あなたどんどんバーサーカーに近づいて言ってたけどもう完全にバーサーカーになっちゃったね(;´д`)

ヤンデレ怖いヤンデレ怖い((((;゚Д゚))))

| ガリバー | 2013/01/04 13:17 | URL |

抜刀妻www
いや、単なる誤変換じゃないから恐ろしいw
てか誤字に非ず、平常という(焦
さすがに二大閣下に汚染された世界を生き抜いた御方や格が違う
Σ(( ̄□ ̄))ガクブル

| 女神は至高、金髪少女は至宝 | 2013/01/06 14:48 | URL | ≫ EDIT















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