陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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プロローグ ―――エンディング・デイズ

推奨BGM:Burlesque


 もはや慣れた道を全力でバイクで疾走させる。通り道は既に暗記している。目を瞑ってても、とは言わないが、それでも完全に道を覚えている。おかげで脳内では小さいが地図が出来上がっている。休日はそれをもとにショートカット何て探してみてもいいかもしれない―――まあ、休日のほとんどはアルバイトかALOで過ごしているから無理なんだろうが。

 そうやって見慣れた道をバイクで分パシながら、ブレーキをかけてマシンの動きを止める。そうやって到着するのはこれも見慣れた場所、ダイシー・カフェとなる。エギルの虚所でもあるこのカフェは度重なる事に集合や会議として使われており、もはや集合と言えばここに集まるという認識さえ出来上がりつつある。それをエギルは新規の客が入り辛くなると文句を言っているが、そんな事は知った者ではない。バイクを止め、エンジンを切ってから鍵を抜く。少し早足で店の扉を開け、中を覗き込む。

「ギリギリセーフッ」

「残念、ギリギリアウトだ」


 見知った道の先の見知った店には、見知った顔がある。店内で時計を指さすのは明広の弟の正樹だ。その横に一列に並ぶようにカウンター席にはシノンとアスナの姿もある。アスナがスマートフォンを手に、何かを見ているが……おそらあくこの胸の中の発信機を見ているのだろう。相変わらず病んでいる嫁は可愛い。

「悪い、シャワー浴びてたら遅れた」

「シャワーなら仕方がないわね」

「臭いのは嫌よね」

「女子ってこういう事には直ぐに納得するよな」

「女の子の嗜みですよー」

 正樹とはALO事件以来、それなりの親交がある。ユウキとGGO事件には関わらなかっただけで、あの兄さえいなければ本当に平和な日々を送れたのだろうと今更ながら少々同情している。だが同情したところで人生が好転するわけでもないので明広が日本にいない間に平和な人生を存分に楽しんでほしいという気持ちはある。

 ともあれ、

「俺で最後か。エギル。酒」

「ウーロン茶な」

 キンキンに冷えたウーロン茶がカウンターを滑る様に運ばれてくる。一番近かったことから正樹の横に座り、ウーロン茶を口にする。冷たい。美味しい。季節は夏、もうすでに七月半ばとなると外はかなり熱い。服装も半袖の、軽いものにしているが、それでも中々に熱い季節だ。エアコンの効いている店内は非常に過ごしやすい。ウーロン茶を飲んでやっと一息つけた気分になる。大きく息を吐き出し、体を伸ばす。

「んっー!」

「三日間のアルバイトお疲れ様」

「やっぱ三日も寝てると体硬くなる?」

 シノンと正樹がそんな事を言ってくる。アスナにしか話してなかったから、と言う事は二人はアスナから聞いたのだろうか。まあ、別段隠し事というわけではないのだから隠す意味もないのだが、

「いや、別にそういうわけじゃないよ。二日目に寝ている間に体をほぐしてくれていたらしいし」

「ほぐしていた……意味深」

「やめてっ!」

 シノンはかなり遊びがあるというか、メンタル的にかなり強くなったような気がする。まあ、心意が使える程の精神の持ち主だったらそれは凄まじいレベルでの精神力なので……っと、此処へ来た意味を忘れるところだった。

「で、今日は俺達を集めたのは―――」

「あぁ、そうだった」

 今日の集いはシノンの先導だ。シノンが助っ人が欲しいと言って集めたのがここにいるメンバーだった。アスナや俺を集めたのは別段驚くところではないが、正直な話、この中に正樹が混ざっている事に驚きはある。シノンとはそこまで詳しいわけではないと思っていたのだが……と、俺の視線に気づいたのか、正樹は両手を振る。

「いやぁ、僕もまさかスケッチに呼ばれる日が来るとは思わなかった。ほら、地味だし」

「最上兄がエキセントリックすぎるだけだろ」

「リーファに紹介されたのよ―――変人集団の中でhア比較的まともな変人だって」

「アレの親族ってだけでこういう扱いなんだよ?」

 むしろその程度で済んでいる方が幸いだ。ALO事件の時はお前もそれなりに常識を捨ててた気がするぞ。だが、まあ、シノンがこうやって高レベルにまとまった変態を集める理由は一つだろう。

「なにかGGOで困った事でもあったのか?」

「そうなのよ!」

 そう言って、シノンは少し前のBoBでの出来事を怒りと共に話し出す。


                           ◆


「―――えーとつまり……GGOにアメリカ側から誰かが参加して、そいつ一人に全滅された挙句ナメプだったのが凄い悔しいので全員でチーム組んで次のBoBでフルボッコリンチするって事?」

「違うわよ」

 シノンの言ったことを完結的にまとめるとそうなるはずなのだが、シノンは頭を振って否定してから、

「私達相手にナメプした事を公開させるために徹底的に心を折って立ち直れなくするのよ」

「最近の子供って怖いなあ」

 そこで素直に頷いて正樹に同意した事だが、心の中で全く同意している自分がいるので素直に頷く事が出来ない。やはりシノンと俺の性格は似ているようで、負けず嫌いという点においては非常に似通っている。

「そういう事で私達を呼んだんだ?」

 そうよ、とシノンが頷く。

「キリトが変態であることは今更疑う余地はないし、アスナもALOでは戦いを見ているし、正樹に関してはアレの弟って時点でまともじゃない事は確定だし、これだけの面子を揃えれば勝ちよ!」

「ごめん、何で本名?」

 だがシノンは拳をグッと握り、勝利を確信した様子でいる。

「あの≪サトライザ≫ってやつ、クレイモアやグレネードばかりでほんっ、とうに戦い方がイラつくのよ! アメリカ人なら≪ランボー≫や≪ダイ・ハード≫並のアクションしながら銃を使うってのがお約束でしょー!」

「アレ、何で答えてくれないの?」

 しかし、シノンがここまで悔しがるってのもまた珍しい話だ。BoB中に見た彼女の実力は相当なものだし、ALOに来てからは実力は更に上がっているはずだ。そんなシノンがそう簡単に負けるてゃ思えないのに、聞いた話では完全に裏を書かれて封殺されているみたいだ。クレイモアにグレネードでのサイレントキリング、

「まるで軍人みたいだな」

 正樹がふと、思っていた事を俺の代わりに零すと、それにシノンが頷く。

「ぶっちゃけ私達もアレをグリーンベレーとか、そっち系の職のやつだと中身を疑ってるわ。あまりにも慣れているし」

 それを知っても未だに心を折ろうと暗躍するシノンとは一体。

 まあ、

 こうやってイベントに一喜一憂しながらどうやって攻略するなど蚊を考えるのは平和の証なんだろう。唐突にだが平和ではなかった去年までの事を思い出す。SAOで始まり、GGOで終わった一連のVRに関する事件を。四年だ。こうやって平和な日々を獲得するまで四年かかって、そしてようやく今、俺は平和な日々を送れていると確信に至っている。

「キリト君?」

 アスナが此方の顔を見ていた。愛らしい彼女の顔に微笑み返しつつ、

「いや、ようやく平和になってきたな、って思ってさ」

 その言葉にアスナが懐かしそうな表情を浮かべる。

「そうね……」

 SAOでは茅場晶彦と戦い、ALOでは須郷伸之と戦い、そしてGGOではSAOの悪夢と戦った。気づけば俺の仮想世界での経験は戦いで溢れている。どれも決して楽な戦いではないし、GGOでの結末を考えれば完全に終わりを迎えたとは言えない。今もどこかで生き残っているPohとザザが逃げているのかもしれない。あの二人との勝敗は何時かつけなくてはならないものだが、それもいまではないだろう。

「軍人で思い出した。ラインハルトに聞いたことだけど明広達、もうすぐドイツから帰ってくるらしいぞ」

「うわぁ……」

 実の弟のリアクションがこれだから酷い。人望がないというよりは新rないされすぎて後の結果が予想できるとか、そんなもんだろう。アレが帰ってくると最近は比較的に平和だったALOもまたカオスなイベントの旋風が吹き荒れるだろう。いや、ラインハルト一人でも十分にカオスなのだが、それを煽る人物がいないだけ十分マシだというべきか。

「ま、今のところはまずサトライザとか言うやつを泣かして、菊岡からバイト代をうけとらなきゃな」

「バイト代?」

「そうそう、三日寝ていた分のバイト代。時給制だからすんごいたんまりもらえるんだぜ。具体的に言うと万で二けた余裕ぐらい」

「なにそれ羨ましい」

「じゃあ今日のおごりはキリト君でいいわね―――エギル、じゃんじゃん運んできて」

「お、旦那のサイフを管理し始めたか。じゃんじゃん運んでくるぜ」

 サイフに優しくないアスナの発言であった。そしてそれに悪乗りしてガチで料理をし始めるエギルを止める術が俺にはない。たぶん家に帰ったら直葉に何か買う様にタカられるのだろう。何故、男はこうもンなに対しては弱い生き物なのだろうか。一生勝てる気がしない。まあ、こうなったら仕方がない。お金は浪費するためにあるものだ。そうやって経済は回っているのだ……少しぐらい馬鹿になるのも悪くない。

「あ、そうだ。キリト」

「ん?」

 正樹が話しかけてくる。ウーロン茶を飲みつつ何事かと思い視線を向ける。

「キリトってバイクに関しては詳しい?」

「んー。まあ、そこそこかなあ」

 今使っているバイクは司狼が持っていた古いやつを購入して、そこから自分なりにカスタマイズなりしたものだ。もちろん違法改造ではない。そんな事をする木綿季は自分にはない。だが、その代わりに法律を守っている中ではかなりハイスペックなマシンになっている自信はある。その為にも少し勉強もした。だが、

「俺が使っているバイクってガソリン式で、もうすぐ廃止されるぞ? 今の主流は電気式だし」

「いや、貯金も出来たしそろそろバイクでも買おうと思ったからさ、少し現品を見ながら相談してくれないかと思ってね」

 それは何とも面白そうな話だ。ガソリン式もいいが、近いうちに電気式バイクの購入も考えなくてはいけなかったのだ。渡りに船というやつだろうか。丁度いい。

「一緒に行くよ。丁度俺も電気式の購入を考えなきゃいけないし」

「へぇ。キリト君そんなに貯金があったんだ……」

 アスナが怖い事を言っている気がするが、そのうち私生活まで管理されちゃうのではなかろうか。だが、今のところは問題がないし、これでいいのだと思う。シノンとのGGOに関する待ち合わせや会議を終わらせたらバイクを正樹ともに行く。

 充実した日々だ。

「こんな日が続けばいいなぁ―――」

 そんな事を願いつつ、願いを口にだし、そして会話に戻るとする。


                           ◆


 桐ヶ谷和人、そして最上正樹はこの日を境に失踪する。




さて、書きにくい導入部分を終わらせたし、やっとアリシ編がはじめられるぞ……。
更新遅れて申し訳ありません。朝から買い物とかでいろいろ忙しかったです。
年末ってひょっとしたら大学に行くよりも忙しいかも。
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| 断頭の剣鬼 | 14:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

キリキリの嫁は病んだ状態が平常運転らしいww
てか、一話前の愛で解決した発言といい、もう人を加速的に超越してるwww

そして、今回は弟君も巻き込まれるのか。
兄がいようといまいと関係ない展開――強く生きてください((笑))

| 女神は至高、金髪少女は至宝 | 2012/12/31 16:38 | URL | ≫ EDIT

アスナさん病んでるwww
今回は、キリトさんの他に、弟くんも巻き込まれるのかwww

| とっつき | 2012/12/31 16:56 | URL |















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