陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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証明の証明 ―――ランブリング・セオリー

推奨BGM:Burlesque
*1推奨BGM:Unus Mundus
*2推奨BGM:Burlesque


「ちょ、ちょっと」

「あははは! 大丈夫大丈夫、こっちこっち!」

 翅を広げて空に飛び上がる。アスナが困惑しているようだが、ガッチリと手をつかんで離さない。もうそろそろハラスメントコードが発動してもいい頃だろうが、それを知らせるブザーや表示が出現する事はない。どうやらギリギリハラスメントコードに引っかかってない様子だ。まあ、引っかからないのであればそれで便利だ。このままアスナを引っ張って行く。

「お姉さんにはお願いがあるんだ! お姉さんの様な人を探して僕はずっとあんな戦いを続けてきたんだ!」

「え……?」

「ほら、お姉さんも翅を広げてよ!」

 世界樹を超えて上昇し、雲を抜けた所で体を手死する。雲海を抜けた所ではユグドラシルシティが見えるだけではなく、空に浮かぶ浮遊城アインクラッドの存在が見えるそこでやっと翅を広げたアスナは横で浮かぶ。そこでアスナから少しだけ離れ、そして両手を広げる。

「ねえ、お姉さんはこの空は好き?」


 両手いっぱいに手を広げ、空を見せる。その光景をアスナは最初は驚いた小素で見ていたが、少ししてから落ち着いてきたのか、笑わずに此方の目を見てくる。

「私は―――少しだけ怖いよ」

 それが、アスナの正直の感想だったのだろう。瞳には少しだけ、怯えが見える。

「私ね、一年ぐらい前にALOで怖い目にあったの。凄く、怖い目に。無事解決したし、何の後遺症もなかったけど、たまに夜になるとその時の事を思い出すの。……私何を言ってるんだろ、初対面の、しかも年下の女の子に……」

 そう言って自分に対しての呆れなのか、アスナは一度溜息を吐く、そして次に見せる表情に怯えはなかった。戦闘の時見せていたような、瞬間を楽しむ、凛々しい、そして美しい笑みだった。酷く大人びた笑顔だった。まるでかけがえのない物を失いは拾って、それを学んできたような、そんな感じの笑みだった。

「でも、まあ、私は好きよ。この空」

 そう言ってアスナがアインクラッドの方向へ視線を向ける。色々と複雑な感情が込められているように見える。

「私、あそこに家を持っていてね―――」

 そう言ってアインクラッドの下層を指さしている。指さしている辺りからして、大凡二十層辺りだろうか。

「―――SAOの時もあそこで住んでたんだ。一緒に。そして終わった後もこうやって、また暮らせるのは一種の奇跡だと思うんだ。いろんな都合と思惑と、そして願いが重なって絡み合って、そうやって出来上がった人為的な奇跡。多分そんな所。だから私は好きだよ。この世界。皆がいて、私が要られて、一緒に笑えるこの世界が大好き」

 アスナの手を握り、目を見つめる。

「―――お姉さん」

「……」

「……僕と一緒に、アインクラッド攻略しようよ!」


                           ◆

*1


「―――かくして二人の少女の物語は始まる、というわけか」

「然り」

 テーブルを挟んで二人の男が向かい合っている。二人とも、黒いスーツに身を包んでいる。そこは仮想の世界から遠く離れている現実の世界であるはずなのに、まるで全知かのように、別世界での出来事を全て把握していた。そこには一切の遊びが存在しなかった。ただ向かい合い、淡々とした口調で話を進めていた。

「悪趣味だと思うか」

「無論」

「されど、命とは思いものだよ、ラインハルト」

「卿は命の重みを知っているというのかね、アキヒロ」

「もう一度言わせてもらおうか、然りと」

 黄金の頭髪の男、ラインハルトと、っして青髪の男、明広は向かい合いながら静かに談笑していた。その空間にいるのは二人だけだが、誰も来ないという可能性はありえない。むしろ頻繁に使われる部屋だ。何時誰かが入ってきてもいい状態であるはずなのに、不思議と誰もその部屋には寄ってこない。

「命の重みとは実際に失ってからでないと気づかないものさ」

「故に卿は命のはかなさを知るために一度は死ねと申すのか」

「いや、それは違う。俺は何も実経験から学べとは言ってないさ。死んで蘇るなんて器用な事が出来るのは俺達ぐらいだろう。そんな高い期待をしても無駄な話だ。だから一度失ってみるべきなんだ。人間というものは。そこで初めて重みを覚える。幾らマニュアルを読んだって上手くならないのと一緒だ。経験がなくては袋に詰め込む品物がないんだよ」

「ほう、しかし卿は今実に矛盾した事を言っている」

「そう、俺は矛盾している」

「卿は命の重みを覚えるべきだと主張している。だが私が知っている限りあの少女たちはどちらも命の重みを理解している。閃光の少女は命を奪い、そして大事なものを失いかける事を経験した。そして卿の娘とも言える少女は肉親を全員失っている。実経験こそが真の教科書であると卿が主張するのであれば、彼女たちほど命の重みを理解している者らもいないのだろう? だとすればやはり、卿の言葉には矛盾しているものがある。どうすれば既に重みを知るものに重みを伝える事が出来るのだろうか」

「あぁ、確かに知っている事を伝える事は出来ない。人にできるのは知らぬことを伝え、教え、そして考え付く事だ。だからあの二人に命の重みを伝える事なんて無理だ。そもそも不要だし、俺には不可能だ。俺もお前も生きているだけで人間という生物、その概念に対して喧嘩を売っている様な存在だ。むろん、それにはメルクリウスも含まれる。真に誰か、それを伝えられるのであるとすれば―――」

「―――あぁ、なるほど」

「得心いったか」

「卿が先ほど使った言葉で返そう。然り、と。なるほど。未だに痛みが彼女には足りぬか。あぁ、なるほど。確かにそういう話なのだろう。あの戦で倒れた二人は縁がやや薄いものではあった。故にそこに悲しみを見出す事はあっても死への慟哭を得る事は出来ぬか。なるほど。実に卿は悪趣味極まりない事をやる。いや、卿一人にこのような考えを思いつくのは無理だろう。おそらくカールの入れ知恵だな。クックックック、ここまで来ると全てが滑稽に見えてくるか」

 そこで両者は黙る。明広もラインハルトも感情を顔には見せず、そして明広は感情を殺した声でつぶやく。

「幾らでも汚い手段は使うさ。罵られ、嫌われようとも、その結果手を放しても俺には後悔はない。十分すぎる。俺は十分すぎるほどに幸せなんだ。だからこの黄昏の空を生み出すためなら喜んで人柱になろう。世界から弾かれる子tになっても本望だ」

「それを殉教であると思っているのであればそれは誤りだぞアキヒロよ。卿は少々その身に受ける愛を見くびっている。それほどまでに卿は女神の愛を信じられぬか」

「戯け。この世で俺以上にマリィを愛している奴がいるか。あぁ、ツァラトゥストラにもメルクリウスにだって負けないさ。だからこそ」

「愛に狂わずにはいられない。愛し依存するほどに別離は恐怖であり、可能性として見えてしまう。あぁ、実に悲しき人の性か」

「あぁ、我ながら実に愚かしい話だよ、ラインハルト」

「だが」

「あぁ」

「―――結局の所、悪趣味という事実からはどう足掻いても逃れられんな」

「参ったね、こりゃあ。話題のすりかえさえできねぇ。お前、ちょっと優秀すぎるだろ……」

「フフフフ、卿との会話は中々に興味深い。あぁ、カールとはまた違った楽しさだ」

「そりゃどうも。あぁ、嫌だ嫌だ。俺に策略は似合わないわぁ……やっぱり情熱のままに身を任せて暴れる方が性に合う。未来とか、そういうのを考えて行動するのはやり始めると難しいものだって嫌でも気づかされるよ。あー駄目だ。こうなるとメルクリウスが化け物染みてくる。あの野郎は一人で”ここまで”進めやがったからな。とんでもない先見だ」

 そう言って、明広は額をテーブルに叩きつけた。先ほどまであった真剣な空気もその一言で霧散していた。ラインハルトも心なしか少しだけ姿勢を崩している様に見えた。

「頑張りたまえ。卿にも目標はあるのだろう」

*2

「まぁ、そうなんだけど、学費や養育費って意外とお金がかかるんだなぁ、って良く俺の様なクソガキをウチの両親は育てられたな、とか子供を預かっていると改めて思うわ。ラインハルトお前すげぇよ。どうやってイザークを一人で育てているんだ」

 その言葉にラインハルトが胸を張る。

「何、愛があれば何も問題なかろう」

「つまり鉄拳教育家。アレ絶対若くハゲるぞ」

「ありえんな。私の息子だぞ」

 凄い説得力含まれる言葉だった。イザークも胃にドリルで穴をあける様な苦労をしているが、そういえばアレはアレで黄金の獣の血を引く小さな獣だった。そりゃあ将来大成するはずだ。というより大成しない姿が全く見えてこない。黄金の血筋なのだから。

 だがそれにしても、

「ラインハルト」

「なんだ」

「子供とかを育て始めると人間って結構変わるもんだな」

「ほう、たとえば?」

「―――アレが彼氏とか連れてきたらどうしようってのが最近の俺達の―――」

「目を覚ませ。あの少女はまだそれにはまだ幼すぎる」

「え、いや、だってどう見ても可愛いし……」

「私も私だ中々の親ばかだと理解していたが卿もそこらに関しては中々に才能があるようだな。というよりか、卿の友人に笑われているぞ。ほら、背後を振り返ってみろ。そこには腹を抱えて―――」

「うるせぇ黙れ知った事か」

 前半の会話していた様子は完全に消え去り、後半の会話は完全な子育て談義となっていた。


                           ◆


 アスナの手を引いて到着したのはアインクラッド攻略の最前線、第六十五層この階層は常に闇の中に沈んでいて、光源となるものを持っていなくては視界を確保できない。一寸先は闇、という言葉が非常に似合う階層となっている―――その言葉が正しく使われているかどうかはまた別の問題だ。ともあれ、アスナの手を引いてやってくるのはその主街区の宿だ。その広い一室へとアスナを連れてやってくると、迷わず中に入る。

 そこには既にみんなの姿がある。

「アスナ、紹介するよ。これが僕たち、スリーピング・ナイツのメンバーだ。自己紹介はぶっちゃけ面倒だから暇なときに一人一人覚えてね」

「オイ、待てユウキ」

「流石にそれはないぞ!」

「お前、最近性格が悪化してる一方だけど大丈夫か?」

 手をひらひら振りながら文句をいう連中を軽くあしらう。そして部屋の一番奥に行って、そこで両手を腰に当てて胸を張る。

「僕がこのギルド、≪スリーピング・ナイツ≫のギルマス、ユウキだよ。僕たちはアインクラッドのボス攻略を僕たち”だけ”でやっているんだ。アスナで最後! アスナ以上にオウレイヤーが増えればもう黒鉄宮に刻まれる名前はパーティーリーダーだけになっちゃう。だから僕たちは強くて、そしてアインクラッドの事をよく知っている人が味方に欲しかったんだ。そういう点ではアスナは大歓迎。だからさ、協力してよ。アスナ。少しの間だけでいいから、―――僕たちがこの世界に存在したって証を永遠に刻む手伝いをしてほしいんだ」

 アスナの返答はどんなものになるかは既に分かっている。あの空でアスナの言った言葉で大体理解できている。

「けほ、けほ」

 アスナがいれば、絶対にいける。




今回よんでいれば解るけど結構適当で、難産でした。
今日ばかりは期末で色々アレなので許してぇ……。ヒィ。

そして明広の黒幕ごっこ。
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| 断頭の剣鬼 | 10:47 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

まさかアスナがクラディール殺したことになったのはここの複線だったのか……!

| 無道銀髪天 | 2012/12/07 11:54 | URL |

アスアスのツンデレ具合がパナイ(笑)
流石裏のヒロインw
ユウキに彼氏かぁ―――女神にも見放され、断頭を体現するパパさんが待ってる家とか――やべぇ、彼氏(未来?)涙目どころじゃねぇよ(笑)

| 女神は至高、金髪少女は至宝 | 2012/12/07 12:52 | URL | ≫ EDIT

アスの親バカぶりについてwww

本気だして、彼氏の首が跳ぶとこまで予見www

にしても最近のアスアス、ニートに似てきたんじゃね?

| 断章の接合者 | 2012/12/08 11:38 | URL |















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