陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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証明の証明 ―――ファースト・インプレッション

推奨BGM:Thrud Walkure


「ハァ―――!」

 踏込と同時に長剣を前に突き出す。閃光の様に駆ける長剣はもはやシステムのエフェクトライトとの様に輝き、目でやっと終える速度となっている。かなりの速度が乗っている。故に、威力も乗っている。これを回避する事は至難だ。難しい。避けられない事に自信はある。

 だから、命中する。

 長剣による突きが盾に命中する。盾で防御しつつ敵対するサラマンダーは右手で握る得物、ハルバードを振るう。一見使いにくく人気のないハルバードではあるが、ハルバード程機能に優れた武器はない。突く、薙ぐ、斬る、叩く、引っかける、刺す、等といったアクションをどれも遂行できるハルバードはまさしく戦争の為の武器だ。ただ個人の興味が剣や魔法へと逸れがちなため、優秀ではあるがハルバードという武器は日の目を中々見ない。だから希少とも言えるハルバード使いは優秀だ。彼らは戦い方を熟知し、最も効率的な戦闘方法を取ってくる。


 確実に此方をリーチ外から攻めようと防御著同時に後ろへ下がりつつハルバードで薙ぐ。その際動きは前へ出るものではなく、後ろへと下がるものになっている。もちろんこっちも武器の射程範囲の問題がある。確実に倒すためにも、長剣のリーチにおさめるためにも一歩踏み出す。だが相手は踏み出してくるこっちに対して盾でのバッシュを繰り出してくる。

 キリトとはまた違った強さだ。直接的な強さではなく、戦略的な、戦術的な、ともかくそういう判断での強さだ。動きの一つ一つを計算して動かすタイプ。おそらく頭のいい人間なのだろう。こっちの動きを予測、把握、計算して動いている。はっきり言えばやりにくい。此方を全力に差せない様に動きを封じて少しずつ攻撃を入れ、総合的なダメージレースで勝利するタイプの相手だ。

 一番苦手なタイプだ。

 こう、

 ―――もっと……!

 もっと、激しくしてくれないと困る。こんなの不本意だ。僕はもっと輝きたいんだ。なのにこんな戦いはつまらない。つまらなすぎる。これをあえて表現するのであれば、

「悪い、とは言わない。だけどこんなの戦の王道なんかじゃない。そう、王道じゃないんだよ」

 王道じゃない。それに尽きる。全力でぶつかり合って散るのは結構。だが相手に実力を発揮させない様に牽制と抑え込みでの戦闘など言語道断。そんな王道から外れた戦い方、僕が好むスタイルでもない。それが重要な考えであることは理解しているし、強いってのも理解している。だけど探し求めているのはスリーピング・ナイツに加入できるだけ実力者で、ボス相手にも全線で武器を振るえる猛者だ。こういう戦い方のプレイヤーは正直足手まといにある。

 だからこそ、無謀にも前に踏み出す。瞬間、かかった、と言わんばかりに再び盾でバッシュを繰り出してくる。初撃決着モードの為、一撃でも大きな一撃を通せばそこで敗北となる。―――さんざん宣伝したマザーズ・ロザリオ、このOSSは既に数千万単位で買い取るって話が掲示板で上がっていた。

 そんな話を聞いたら意地でも負けたくなくなる。

 だから盾を踏んだ。

 攻撃に合わせて盾を足場にした。盾を足場にして前へ進む。バッシュはソードスキルだ。故に踏めばダメージが発生する。だからこそ、長剣という唯一の武器と放棄し、縦と足の間に置く。それがワンクッションとなって直接的なダメージ判定を否定する。おかげでカスリ判定ばかりでダメージがほとんどない。長剣という最大の武器が失われたが、まぁこれはこれでいいと思う。人生ギャンブルは必須だと思う。

「よっと―――」

 相手は何もできない。それがハルバードの最大の弱点だリーチの内側に入られたら攻撃しづらいのだ。打撃する事もできるが、それよりも僕の方が速度的には圧倒している。だから盾を歩き、肩を足場にして、そして両足をサラマンダーの首に絡める。そして、そのまま素早く足を閉め、体を捻りながら、

「首を置いてけー!」

 首をひねり千切った。


                           ◆


 何やら二代目首狩り妖怪等と呟きながらサラマンダーが震えていたが、何かトラウマを刺激してしまったのだろうか。ともあれ、首を千切るのは少々過剰演出だったのかもしれない。次回からは封印しよう。要反省。

 しきりに首を抑えながらブルブル震えるサラマンダーは広場の隅っこで蹲っている。声をかけるべきっか道なのかはわからないが、ともかくアレではもはや声をかけられそうにないなぁ、と雰囲気から察する。アレは多分近づいて放しかけようとしてももっと恐れられるタイプだ。でもここまで恐れられていると一体なにがトラウマなのか逆に気になってくる。これは話しかけた方がいいのだろうか。軽く藪をつつくべきかどうか、葛藤していると、

 前に出てくる姿がある。

 挑戦者だ。

「貴女が絶剣?」

 絶剣―――それは最近になってついた二つ名だ。何を略して絶剣と呼んでいるかはわからないが、とりあえず強そうなので気に入っている。絶剣のユウキ―――

 ―――ハッ。

 何故か脳内で見下すような目で笑う明広の姿が思い浮かんだ。絶対に笑いそう。

「うん、僕がそうだよ」

 頭を軽くうなずかせて挑戦者の言葉に応える。今回の挑戦者は珍しく女だった。ALOは男女の比率が結構イーブン化されているゲームだが、それでもやはり前線プレイヤーは男が多い。基本的に女性プレイヤーは生産を楽しんでいるのだ。僕ほどの実力者と戦える女性プレイヤーというのは非常に稀有な存在だと思う。

 目の前の女性は赤と白の衣装を着ていた。白がベースに、赤のラインの服装、とてもよく似合っている、水色の髪も普通の色なのに決して見劣りすることなく、全体的にレベルの高い女性だ。ここまで容姿的にレベルが高いとそれなりに有名人じゃあなかろうかと思えてくるが、今の自分が求めているのは有名かどうかではなく、強いか強くないか、その事実だ。

 だから握手を求め手を前にだす。少々驚かれたが、手を握り返してくれた。こうやって素直に握手を交わしてくれる辺り、結構いい人なんだろう。

「よろしく! いい勝負をしようね!」

「そうね」

 どうやら他のプレイヤーみたいな必死さも、無駄に気負うような感じもこの人物にはない。適度に利絡子しているようだ。無駄な緊張は筋肉を弛緩させ、体の動きを仮託してしまうために緊張のし過ぎには注意したい。この人物はそれなりに戦いなれているように思える。……それともただの楽観主義者かもしれない。まあ、それも戦ってみればわかる話だ。長剣を抜いて、デュエルの対戦申し込みを相手に送る。デュエルの設定ウィンドウには≪Asuna≫と対戦相手の表示が出ている。全損設定でデュエルを設定し、申請をアスナに送る。相手は全損設定を見て少々戸惑い―――了承する。

 最近分かる事がある。

 対戦をしていると全損設定を嫌がるプレイヤーと、そして全損設定を見て戸惑うプレイヤーがいる。これが何なのかは最初は解らなかったが、少し前に話を聞いてやっとわかった。全損設定で嫌な顔を浮かべるのは元SAOのプレイヤー達だ。いくらALOが安全だと解っていても、それでも全損という言葉に対して恐怖を忘れられないようだ。

 ―――死の恐怖というものは数年経過しても薄れないものなのだろうか。

 既に数年がSAOの攻略時から経過しているのに、それでもまだSAOの影が残っている。その影響力は凄まじい。だが同時に、一つだけ解る事がある。

 相手はSAOの元プレイヤーだ。

 今度こそ、期待できるかもしれない。

「……」

「……」

 長剣を構える此方に対してアスナはレイピアを構えている。レイピアは結構メジャーな武器の一つだ。現実としてフェンシングが存在するためだ。競技などで枠が存在する武器はそれなりに人気だが―――相手のレイピアは堂々とした構えをしている。体を横にして、敵に向ける面積を最小限にまで絞り、そして一撃必殺を狙い力を溜めている。開幕直後に一撃が来ると言う事を予感させる構えだった。それを認識しつつ武器を構え、カウントダウンを意識し―――

 ―――ゼロに表示が鳴った瞬間、駆けだす。

 そして、アスナは動かなかった。

「……ッ!?」

 明らかに力を溜めているように見えたのはフェイントだった。力を入れているように見せていただけだ。この相手はかなり対人で戦うことに慣れている、と感じさせられる。相手の思考を一瞬だが誘導できる相手だ。そしてまんまと引っかかった自分は全力で迎撃するためのしょおづに入った。全力とはすなわち直線的な動きだ。一瞬で速度を乗せて凄まじい威力の攻撃を繰り出す。

 が、それは直線的すぎるのだ。小さな動き、小さく受け流すだけで矛先は容易に変えられる。敵―――いや、アスナは最小限の動きで誘導と受け流すを発揮し、長剣の切っ先を逸らすとカウンターの一撃を叩き込んでくる。だが僕の最大の武器は技術でもステータスでもない。この世界にて発揮できる最高峰の反射神経。あの黒の英雄キリトさえも超える程の反射神経。それこそが最大の武器であり、防具でもある。

 アスナがレイピアを叩き込んでくる瞬間、体を何とか捻りながらも片手でレイピアの切っ先を追う。レイピアが前に出てくるのと同時にソードスキルを発動させる。それは体術に分類されるOSS、膝蹴りだ。なんかの役に立つかと思い、基本的な攻撃手段でソードスキルに存在しない動きは自分で緊急時の為に登録しておいた。それが初めて実戦で役に立つ時が来る。エフェクトを纏った高速の膝がレイピアの切っ先と正面から衝突する。衝撃を受けて、レイピアと膝が弾く、まるで股関節の付け根から吹き飛ばされるような感覚を得るが、それを我慢し、

 回転しながら斬撃を叩き込む。

 着地しつつアスナw接近戦に追い込む、レイピア最大の弱点は距離だ。レイピアという武器は結構な技術が要求される上、斬撃という攻撃手段によるダメージがほぼ皆無に近い特殊な武器だ。距離がなければ引いて、前に出す、突きのモーションが繰り出せないのだ。どんな武器にも言える事だが、距離の、間合いの把握と意地は戦闘における最大のキーポイントだ。アスナの懐に入り込みつつ、長剣を逆手に握る。そのままナイフを扱う様に長剣を逆手で振るい、戦う。狙うのはもちろん一撃必殺、首への攻撃だ。レイピアの内側の範囲へと入り込みながら刃の長い武器を逆手で握る事で戦う。剣だからこそできる間合いの内側の戦い方だ。本当はナイフなどのサブアームを用意して戦うのが賢い選択だろうが、今更使い慣れた武器を手放す気はない。

「っと、フッ!」

 だがアスナも決して追い込まれるだけではない。まるでワルトを踊る様に体を後ろへ引き、回転しながらレイピアを薙ぎ払う。鋭い動きは既にこの状況はよそうの範疇だったことを伝え、薙ぎ払いを回避し距離が空いた瞬間、アスナが体勢を整え直し、接近されることないようにレイピアで連続で突きを繰り出してくる。正確無比なアスナのレイピアは確実に防具のない所、そして防御が一番緩い箇所に攻撃を繰り出してくる。それに対抗すべく、レイピアの軌道を見切り、最小限の動きでその打点を何とかズラし、此方も長剣の連撃で対応する。

 ラッシュとラッシュの応酬。ほぼノーガードで行われるダメージレース。

 先に苦い顔をしたのはアスナだった。正確無比な連撃と連撃の応酬、レイピアと比べて武器攻撃力が高いのは長剣だ。突きに特化し、更にその技能にも特化しているプレイヤーだとはいえ、打点をズラして攻撃を受けている以上ダメージレースはこっちが圧倒的に優勢なのだ。何よりも攻撃が精確すぎる。そこから優秀さが見えるが―――予想もある程度で来てしまう。

「くっ」

「―――見切った」

 アスナのレイピアをスウェーする様に回避し、長剣を後ろへ引く、同時にエフェクトが得物を纏い、攻撃の予備動作が完了したことを告げる。数日ぶりにこれを繰り出す気がする。間違いなく必殺のOSS、

「ハァ―――!!」

 名前を叫ぶまでもなく、十一の連撃が繰り出される。おそらく長剣よりも突きに適したレイピアや槍で繰り出した方が威力の高い奥義、バツの字を描く様に突きを重ね、そして最後の一撃をひときわ強い突きで仕上げる。十一連撃の間アスナはダメージによるヒットバック効果で一歩も動けず、反撃もできない。そして十一連撃全てを受け切った体はダメージに耐えきれず、爆散する。

 WINNER YUUKIと、見慣れた勝利の表示が出現する。外野が口笛やファンファーレを送って、今の勝利と健闘を称えている。片手を持ち上げてそれに応えながら、

「誰かー! いつも通りおねがーい!」

「はいはーい」

 一斉に数人が蘇生魔法を詠唱し始める。もはやこうやって外野に蘇生頼むのも結構日常的な風景になっている。まあ、ユウキというキャラは完全に近接特化故にもはや魔法何て一つも取得してないのだが……。

 ともあれ、

 蘇生されたアスナの姿に駆け寄る。

「お姉さんナイスファイト!」

「うん、負けちゃったのは少し悔しいけど、いい勝負だったね」

 そうやって微笑むアスナの両両手を握る。

「ねね、お姉さんギルドとかに所属している?」

「え、いや、してないけど……」

 決定だ。丁度いい人物だと思う。強いし、ギルド所属してないし、OSS目当てじゃない、無欲な人間。剣を交えれば大体相手の事は解る。この人は、かなりのお人よしで―――少しヤンデレ混じってる。

 いい物件だ。

 だから、

「お姉さんこっち来て!」

「え、あ、ちょ?」

 アスナの手を引きながら翅を出し、そして飛び上がる。

 決めた。

 スリーピング・ナイツ最後の一人は―――アスナしかいない。

 それを胸に決めつつ、少しだけ胸に突っかかるような感覚を感じ、

「げほ、ごほ」

 咳き込みながらスリーピング・ナイツの招集命令をだす。

 今度こそ、今度こそ僕たちは―――勝利するんだ。




ようやくマザロザ原作だと思ったら二代目妖怪になってた何を言ってるか(ry
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| 断頭の剣鬼 | 08:37 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

おいィ妖怪が増えたぞどうしてこうなったorz
しかもねじ切るとか初代より酷いし
これが妖怪の英才教育か(

| とろつき | 2012/12/06 10:16 | URL |

妖怪か増えるとかなにそれこわい(
ニゲテー!トラウマ持ちニゲテー!!

| 暇人 | 2012/12/06 11:08 | URL | ≫ EDIT

いやーあれよね。嫌なところばっか遺伝するのよね。遺伝というか感染?
そして二代目ではなく三代目だよ!
ALOの妖怪キリキリいたよ!

| 柳之助 | 2012/12/06 11:24 | URL |

ALOに妖怪の系譜が増え始めた件について。

アキヒロン蔓延中なのかっ……!

| 断章の接合者 | 2012/12/06 13:43 | URL |

マザーズ・ロザリオの時のアスナはウンディーネ種族だし髪は水色?っぽい色だったとおもうんだ。

| | 2012/12/06 16:58 | URL | ≫ EDIT

ケェーーーーーーッ!妖怪が増えやがったぜ!AHAHAHA!!
アスアスが関わると首切りマスィーンが増えるのか!

| nao | 2012/12/07 07:18 | URL | ≫ EDIT















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