陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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冬の日常 ―――アズ・ウィー・ユナイト

推奨BGM:Mein Kampf


 最近。

 早起きする事に楽しみを覚えている。

 まだここへとやってきた一週間しかたっていないが、なんだか体がそわそわして、何時までも布団の中でじっとしていられない気分になる。なんだか精神が若返っている気もするが、それは毎日が楽しいと言う事の証拠だと思いたい。少なくとも毎日がつまらないということはありえない。だからこの早起きは悪くない。寧ろグッドだということで自分の中では片を付ける。

 ……最近、段々と何かに染め上げられている気がする。

 まあ、それは置いておく。正直考えていてもしょうがない話だ。

 まず朝は起きて、服を着替える。特にどこに行く予定がある訳でもないが、マルグリットと数日前、一緒に私服を買いに行った。今までALOでは戦闘用の装備ばかりで私服なんてことも考えなかったからファッションセンスが壊滅的だと怒られてしまった。

 ……黒一色の何が悪いのだろうか。


 ともあれ、そんな事もあって私服の多くは青色をベースにしたものが多い。理由は僕が納得できて、そして尚且つマルグリットも納得できる、というものだ。目だたない黒一色を望んだ僕に対して、可愛い系の服装を着せようとしたマルグリットと話し合った結果、大人しく可愛い系の服装という所で合意を得た。

 そんな事もあって購入した服装にパジャマから着替える。この時は大体朝の八時ぐらいになる。着替え終わって部屋から出ると、リビングに出る。そこではリビングのソファに珈琲を片手に新聞を読み、優雅朝を楽しんでいる明広の姿と、キッチンで朝食の準備を進めているマルグリットの姿がある。こうやって見ていると二人は本当に普通の夫婦にしか見えないのに―――。

 まあ、ここら辺は語っても尽きないところがあるので、省略するとする。

「おはよう!」

「おう、おはよう」

「おはよう、ユウキ」

 おはようのあいさつを済ませたら真っ先に洗面所に向かい、そこで顔を洗って歯を磨く。歯を磨き終わる頃には明広が朝の珈琲を飲み終わって、新聞も読み終わっている。基本的には料理はマルグリットに任せているらしく、手伝いに呼ばれたときに手伝っているらしい。なんというか、男の人が、しかも明広の方が得意なのを見ると―――激しく違和感がある。とは言え、料理は普通に美味しい。昼食もマルグリットが作り、そして晩御飯は明広が作る。ここでの食卓は大体そんな風になっている。

 しかし地味に気になるのはこの二人の睡眠時間だ。一緒に暮らし始めてもう一週間、僕よりも遅く寝て、そして早く起きている。僕が寝ているのを十一時前後だと考えて、そんなに睡眠時間はないのだろうが、大丈夫なのだろうか。というよりも、寝ている姿を見た事がない。

 まあ、見てないところで寝ているんだろうなあ、とは思う。

 朝食は基本的に全員揃って食べる。昼食は大体僕とマルグリットの二人で、夕食は三人全員で。こうやって数人でテーブルを囲んで食事をすると、昔、両親や姉と一緒に食事をしていた時を思い出しそうになる。

 本日の献立は味噌汁にしゃけとご飯に卵焼き。先日のレシピとは全く違う。手間ではないかと問いたい所もあるが、正直それは失礼かもしれないので問わない事にしている。ともあれ、料理に罪はないのは確かである。

「木綿季」

 と、そこでスーツ姿の明広が問いかけてくる。

「何?」

 何故かこの男にだけは何を気負う事もなく話す事が出来る。やはり前から知っている事が幸いしているのだろうか。あぁ、それにしてもスーツが似合わない。やはり顔立ちが柔らかすぎるのが原因だろうか。スーツよりももう少しカジュアルな方がいいかもしれない。

「お前、なんか失礼な事を考えてるだろ?」

「そ、そんなことないよ! それより何?」

 慌てて否定し、話題を逸らす。明広のジト目から逃れる事が出来たが、その様子を見てマルグリットが軽く笑っている。……少し、恥ずかしい。

「今日が何の日か知ってるか?」

「何の日?」

 明広に問われたことを考えてみる。だけど、

「―――全く解らない」

「迷いのない返事にパーパは若干不安です」

「いきなり人を娘にしないでよ」

 立場的にはそれに近い所はあるが、年齢的には娘というより義妹に近いのだ。それにこんな人格破綻者を父親にとか頭がどうにかしてるとしか思えない。母親の方は合格点ぶっちぎりだが。ともあれ、質問に戻ると、今日は何らかの特別な日らしいのだが、それを自分は全く理解していない。それは少しだけ悔しいが、

「えーと……なにか忘れてる?」

 マルグリットが微笑みながら答えをくれる。

「今日はクリスマス・イブよ」

「あ、言おうと思ったのに」

 クリスマス・イブ。という事は、もう十二月の二十四日になっているということだ。素直に驚いた。寒い寒いとは感じていたが、まさかもう年末が直ぐそこまで迫っているとは思いもしなかった。

「あぁ、その様子だとやっぱり、すっかり忘れてたな?」

「うぐっ」

 その事に関して何も言い返せないが、明広が小さく笑う。

「となると別に予定なんか入れてないよな?」

「えーと……」

 確か今のスリーピング・ナイツは活動資金と装備の調達で忙しいが、今日は特に集合とかなかったはずだ。クリスマスも家族と過ごせるようにわざと集合なしにしてあるし、

「うん、何も問題ないよ」

「じゃあ参加決定だな」

 なにに、と言葉を出す必要はなかった。答えをその前にくれた。

「―――パーティー」


                           ◆


 暗くなってから僕らは車に乗った。明広の運転で車に乗り、住んでいるマンションからは少し離れた、さびれた住宅街へとやってくる。冬は空が暗くなるのが早いが、十二月となる六時には既に完全に日が沈みきっている。家の外に出ているのは午前中の間だけだったので、こうやって暗くなった夜の街を見るのはALOを抜けば実に十五年ぶりで、中々感慨深いものがある。見た事のない道を車は走り、ある場所へ向かっている。

 パーティーらしい。

 クリスマス自体は仕事があって皆が忙しいらしいためその一日前、クリスマス・イブを知り合いでパーティーして祝おうと言う話だったらしい。今まではクリスマスにこうやって集まるのが恒例だったらしいが、社会人になるとクリスマスに仕事の予定が入って、それが不可能になるらしい。だけど恒例行事を失いたくない結果、この形で今年は落ち着いたらしい。集める人間も全員身内、職場でも会う知り合いばかりらしい。

 若干、自分は場違いかもしれないという感覚はあったが、一方でパーティーに参加したいという気持ちは大きい。

 静かな通りを車は走り、やがて目的地へと近づいてきてそのスピードを落とす。レンガの道の上にゆっくりと乗ると、そのまま奥に見える建物―――教会の前まで車を動かし、脇の方で車を止める。そこでエンジンを切り、シートベルトを外して扉を開ける。

 まず最初に僕が出て、マルグリットが出て、そして明広が出る。そこで到着した教会を見上げる。教会はそこまで大きなものではなかった。いや、ALOにある教会と比べ過ぎで目の前にあるのが標準サイズなのかもしれないが、割と小さく感じられた。だが、それでも構造的には二階までの高さはありそうな教会だ。

「もう揃ってると思うし、中に入るぞ」

「あ、うん」

 白い息を吐きながら放たれた言葉に対して、此方も白い息を吐き出しながら答える。こうやって口から吐き出す息が白くなると、やはり冬はこうでないと、と思う。

 ともあれ、明広とマルグリットの背中を追って教会へと近づくと、明広が教会の扉を開けてくれた。中に入れとジェスチャーを取っているので、軽くありがとうと声をかけてから中に入る。教会の中は冬の寒さを感じられる外と違い、暖房が行き届いているのか暖かった。古い外装とは違って意外と中は近代化されているのかもしれない。

「うーあったけぇ」

 後ろで明広が中に入り、教会の扉を閉める。広い礼拝堂には誰もいない。が、扉の開く音を聞きつけたのか礼拝堂の奥の方にある扉から小柄な女性の姿が現れる。

「最上君遅い」

「先輩、俺、別に遅刻してないんだけど」

「最上君を待っている時間は一分一秒でも長く感じられるんだよ。あともう卒業しているんだから先輩じゃなくてもいいのに」

 名前で呼ぶのにはまだ抵抗があるんだよなぁ、とぼやく明広の姿を見ていると、先輩と呼ばれた女性が近寄ってくる。マルグリットに挨拶すると、此方に向き、

「初めまして紺野木綿季君」

「は、初めまして」

 リアルで明広とマルグリット以外の人物に話すのは良く考えればこれが初めてだ。マルグリットが拳を握って応援し、明広がにやにやと笑みを浮かべて此方を見ている。あの男、絶対に性格悪いと思う。軽くどう話せばいいのか困っていたところに、先輩と呼ばれた女性が口を開く。

「私は氷室玲愛。最上君の元先輩で現愛人」

「愛人なんかいねぇよ!? 俺一筋だよ!?」

「大丈夫、私の中で決定済みだから」

「あぁ、そうですか……」

 今のやり取りで大体関係が把握できた。

 つまりは、大体はあの綾瀬香純と同じ、片思いの恋”だった”のだろう。同じくマルグリットに負けた一人。ただ片思いだったり負けたという割には若干アグレッシブにも感じられる。

 と、そこで、玲愛と話していた明広が強引に話を変える。

「どうせ奥の方に皆集まってるんでしょ、いい加減待たせるのもアレなんで」

「あぁ、うん。そうだね」

 少しだけゲッソリした様子の明広も中々珍しいものだと思う。とはいえ、そんなに相手を知っているわけでもないのだが。

 礼拝堂の奥の扉から教会の奥に入ると、そこは廊下と扉が待っていた。なんだかアリの巣を思わせるような、そんな構造だった。そこを迷うことなく進んでいるということは玲愛はここに住んでいる人物なのかもしれない―――その発言はとてもだが聖職者のそれには聞こえなかったが。迷うことなく入り組んだ廊下を進み、扉の一つを開けると、扉の向こう側から軽い熱気を感じられた。どうやら既に結構な人数が集まっていた様だ。最初に玲愛が入り、それに続いて明広とマルグリットが入る、それに一歩遅れる様に、恐る恐るといった様子で中を窺いながら、中に入る。

 意外と広い部屋だった。中央にはテーブルがあり、奥には大きな暖炉が設置されていた。テーブルの上には色々と料理が並べられており、そしてそれを囲む人の数はそれなりに多い。

「お待たせー」

「来るのが遅ぇんだよぉ!」

「予定より三十分早く来るのは常識だろ?」

「戒、ヴィルヘルム、お前ら酒臭いぞ。何時から飲んでるんだよ……うわ、弟が既に潰されてる。憐れナリィ……」

「来るのが遅ぇんだよぉ!」

「予定より三十分早く来るのは常識だろ?」

「おい、こいつらループ入ってるぞ。誰だこいつらにここまで酒飲ませたのは。こいつら酒への耐性クソみたいに高かったはずだぞ」

「もちろん私」

「いや、胸を張る事じゃないでしょ先輩……」

 入ったところで早速明広は友人に掴まったらしい。そして部屋の隅で無造作に放置されているのが弟らしい。そういえば家族構成等をまだ聞いていないから、弟がいても不思議ではないのだ。とはいえ―――兄弟がいた事に関しては純粋に驚きだ。それにしても兄に会うことなく潰れるとは憐れな。と、そこで視線を変えればマルグリットが知っている女性や、他の女性と混じって話し合っていた。

「やっほ、マリィちゃん」

「やっほ、カスミ、ベアトリス、リザ」

「うーん、肌も綺麗だし調子はいいみたいね」

「ストレスのない夫婦生活いいなあ、私も早く戒と結婚したいなぁ」

「それにはまずエレオノーレを倒さなくちゃ無理ね」

「飼い主か、彼氏って事ですか……!」

「いや、何でそこで迷うの?」

 女性陣は女性陣で中々にカオスな会話を繰り広げていた。とてもだがあの中に混ざる勇気が自分にはない。

 と、良く考えたらこのグループの中で、完全な部外者は僕だけなのだ。そりゃあ会話に混ざれないのもおかしくない。仲のいいグループ程割って入るのは難しい。しかしパーティーの雰囲気自体は悪くはない。どれ、まずは料理の一つでも試そうか。

 そう思って前へと踏み出そうとした時に、

「こ、こんにちわ」

 話しかけられた。




木綿季のファッションセンス=キリトと同レベル。
まあ、作者もファッションと化にはそこまで詳しい方ではないので、
作中では服装に関する描写は軽くやって、あとは読者の想像力に任せてます。

ウチはクリスマスにパーティーはせず、
大体はクリスマス・イブにやってるので、ちょっとそれを真似た感じです。
クリスマスって大体忙しいので、クリスマス・イブ・パーティーな感じで。

それにしてもベイと戒が安定したオチ要因になってる。
一番のイケメン二人が一体どうなってるんだ……ウゴゴゴゴゴ。
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| 断頭の剣鬼 | 10:19 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

獣殿はいないんですか。
いいカオスになれそうな予感だったが…

| 渚 | 2012/11/26 13:01 | URL | ≫ EDIT

あれ、螢はどこに

| Feick | 2012/11/26 17:43 | URL | ≫ EDIT

パーティーって出た瞬間、すごい悪い予感がした。
いや面白そうな予感かな?
さて、これからどうなるやらw 特に閣下。

| | 2012/11/27 03:37 | URL |















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