陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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硝煙は雨に消えて ―――レッツ・オール・セイ・グッドバイ

推奨BGM:Burlesque


 目的地が見えた事からバイクの速度を落とす。到着した場所はもはやおなじみとなっている店の前だ。少々路地裏っぽく、人通りが少ないが、天主から言わせれば夜になった方が盛況らしい―――ダイシーカフェだ。とはいえ、夜に繁盛していた頃の昔のダイシーカフェとは違い、ALO事件が終了してからは少々変な方向で有名になってしまい、SAOリターナーであり現ALOのプレイヤー、そういう人間が安心して顔を出す事の出来る場所となってしまっているフシがある。まあ、それもALO事件終了時、アスナや皆が帰ってきたことを知り合いを集め、此処で盛大に祝ってしまった事が原因なのだろうが。

 まあ、そんな事件もあってダイシーカフェはSAOから帰還した人間の間では密かな交流スポットとなっている。バイクを店の前に止め、鍵を駆けたらシノンからヘルメットを回収する。それも適当にしまったところで、

「ここだよ」

「ここは……」

「ダイシーカフェ、知り合いが経営してるカフェなんだ。ちょいとここで待ち合わせをしてるんだ」

「って完璧アンタの用事じゃない」

「まあ、まあ」

 シノンの背中を叩き、ダイシーカフェの扉に手おかけ、一気に扉を開ける。寒い冬の利益が満ちている外とは違い、ダイシーカフェの扉の向こうからは暖かい空気が流れ込んでくる。暖房が利いているのはいい事だ。ダイシーカフェへと上がり込みながら片手をあげる。


「おーい、エギルー、何か暖かいものを―――」

「よぉ、キリト」

「いらっしゃいませ。愛を奢ろう」

「こんにちわ、キリト」

「―――」

「待ち人ってこの人たち?」

 ―――何時からダイシーカフェは修羅道になった。

 ダイシーカフェに入り込んでエギルに挨拶をしようとしたところで、待ちうけていたのはカオスだった。知り合いの中で危険人物の三本指に入る内の二人が店内に存在しただけではなく、その地一人が何故かウェイター服に着替えていた。そして危険人物Bが嫁を連れてカウンター席で身を寄せ合ってココアっぽいものを飲んでいる。こっちの危険人物は長ズボンにカーディガン、そしてニット帽姿で、嫁の方も暖かそうな服装だ。というか店内にいる違和感が凄まじい。

「こんな奴らが待ち人であってたまるか」

「酷いではないかキリトよ」

「こうやって人生の先輩が折角女の子をひっかけている姿を笑いに来てやったのに」

「危険人物は早く修羅道に帰れ。いいから黙って修羅道に帰るんだ。というかお前ら俺がガンゲイルに言った事を色々尾ひれをつけてバラしただろ!」

「ごめんね、でも嘘はいけないと思うの。好きな人だから全部教えて、信じてもらうべきだよ」

「美しい話だけど帰ってきて最初にもらったものはビンタだったよ!」

 と、そこで少し冷静になって状況を見つめる。ここは現実で、ここはダイシーカフェで、

 ここは仮想ではない。

「……なんでマリィが―――」

「あん? 俺の女がいて何か不都合があるのか? あぁん?」

「いえ、なんでもありません。えぇ、問題などありませんよ。はははは、おかしな明広だなぁ。はははははは!」

「うむ、笑顔であることはいい事であるな。では私は着替えてくるぞ」

 もはやツッコミする気すら失せてくる。此処へ何故来たかは死地たくないし知る必要もない。というか教えないでほしい。いいからお前ら消えてくれ……なんてことは絶対に口出せない。

 ここ数日、全く出会う事の出来なかった人物たちが集っている。死銃事件終了時から数日が経過し、その間に真っ先にやったのは菊岡への確認や交渉、そして明広へ会いに行くことだ。だがどこへ行っても見つからないし、痕跡も見つからない。仕方がないのでマリィに居場所を聞こうとしたらマリィも見つからない。これはいよいよ夜逃げでも品tのかと思ってラインハルトを探したらラインハルトもいなかった。ALOの運営は大丈夫か心配に思ったが、カーディナルが完璧すぎて門ぢアはなかったらしい。

 ともあれ、

 この三人には―――特に明広には聞きたい事がある。

 が、今はそれをグっと抑え込む。今はそれを聞くべき時ではない。ここへ来たのはあくまでもシノンの為であり、俺の用事を終わらせるためではない。はあ、と露骨に溜息を吐きながら店内に入り込むと、シノンが後ろから追いかける様に店内に入る。まだ到着しただけだというのに凄い疲れた気がする。本来は俺がトリックスター的役割で引っ掻き回すはずなのに、その役割を取られた気分だ。

「なんというか……新鮮ね」

 俺が一方的に弄られているこの状況の事だろう。

「俺からすればまだまだ若いしな、和人は」

「和人?」

「あぁ、俺の名前」

 そういえばシノンにはまだ本名を伝えていなかったな、と思い出す。エギルが笑いをこらえているカウンター席へと向かい。最上夫婦の横に並ぶようにカウンター席に座る。

「エギル、俺とシノンにココアよろしく」

「あいよ」

 早速作業に取り掛かるエギルを無視し、シノンに手を伸ばす。

「言い忘れてたから改めて自己紹介―――俺の名前hア桐ヶ谷和人。キリトでも和人でもどっちでも構わないから好きに呼んでくれ」

「あ、うん。多分もう知ってると思うけど朝田詩乃。改めてよろしく」

 シノンと握手を交わし、改めて友好を深める。仮想世界ではあんなに叫んだり励まし合ったりしてたのに、リアルでは握手すらしたなかったと思うとなんだか少しだけ、不思議な気分になる。

「んじゃついでに俺も挨拶しとくか」

 と、明広の方も片手をあげて挨拶をする。

「最上明広だ」

 横に座りマリィが軽く頭を下げて、笑顔を向ける。

「マルグリット・ブルイユ、分け合って名前が違うけど夫婦だよ」

 そこで奥の部屋の扉が開き、カジュアルな服装のラインハルトが劇の様なポーズを決めながら登場する。

「そして私がラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒである。少女詩乃よ、卿の存在を歓迎しよう、盛大にな」

「うわぁ……」

 詩乃が濃すぎる個性の面子の前に言葉を選ぶように口を開き数瞬、俺の方へと顔を向け、

「控えめに言って物凄い個性的よね」

「正直に濃いって言ってもバチは当たらないとおもうぞ」

 マリィを抜いた二人はアルヴヘイムのGMになってからは昔の荒々しい雰囲気というか、戦士としての色が一気に抜け落ちてとっつきやすいというか、色々と笑う事の出来る人間になったような気がする。まあ、これはこれで話していて楽しいので問題はない。だがまあ、最近若干エキセントリックすぎないかと思うところもある。まあ、こういう楽しい日常をもt目て俺は頑張っているのだから、文句はない。

「ごちそうさま。邪魔したなエギル」

「ん? もう帰るのか」

「あぁ、これ以上邪魔したら悪いだろ」

 明広が立ち上がり、サイフからお金をだし、それをカウンターに乗せる。エギルが俺とシノンの前にホットココアを置き、それを受け取ったのを確認すると明広の支払いを確認する。なんだ蚊様子から推測して、俺とシノンの様子を確かめに来ただけのように見えるが、まあ、そこまで自惚れてはいない。普通にかちあったとだけ思っておこう。

「じゃあね、キリト、シノン。また会おうね」

 そう言って手を振ってくるマルグリットの姿はどこからどう見てもリアルでしかない。それは―――と、考えて思考を止める。

 いや、いいだろ。楽しければそれで。

 馬鹿やって、はしゃいで、アホみたいに騒いで。そんで疲れてぶったおれて、それでいいだろ。元々俺みたいに馬鹿な奴が深く考えている時点で何かがおかしいのだ。マルグリット・ブルイユがマルグリット・ブルイユとして存在しているのであれば、それでいいだろ。現実っとして存在するからアスナは買い物友達が増えて、そして明広は現実でも嬉しい。また馬鹿する相手が増えて、笑顔が増える。

 ほら、深く考える必要なんてない。

 だから、手を振りかえす。

「おー、またALOでな」

 マルグリットが先に店を出る。それに続いてコートを羽織ったラインハルトが通り過ぎながら、

「時には立ち止まり、過去を振り返る事も良かろう。再び会おう、少女よ」

「え? あ、はい」

 若干ラインハルトの気配に押されながらも、シノンは返事をした。しかし、ラインハルトのあの様子からすると俺が何をしようとしているのか、それは完全に見抜かれているようだ。なんというか、悪戯を看破された少年の様な気持ちになってくる。まあ、実際いたずらに近い事をするわけが。

「あぁ、そうそう。俺達アルブヘイム・オンラインってゲームのGMやってるから、興味があるならおいで。あんな硝煙だらけの世界よりは精神的にはいいと思うぞ」

「あ、はい、うん、そのうちに」

 明広が名刺を残し、ダイシーカフェから出てゆく。まるで台風のような連中だった。まだ熱いココアを口にする。そして視線をエギルへと向ける。

「あの三人、いったい何をしてたんだ?」

 好奇心には勝てなかった。

 知りたくないとか言ったのは全部うそだ。実は死ぬほど知りたかった。

 質問されたエギルはさあ、と答えて頭を横に振る。

「なんかよく解らねぇけどここで待ち合わせしてたみたいだぜ? 集まったら今度はお前を驚かせてやろうってな」

「俺連絡一つも入れてないんだけど……」

「それでも普通に行動を見抜いてくるのか。何とかならないのかあの連中は」

 何とかなったらあんな連中とはいわない。と、若干放置しっぱなしのシノンに申し訳なさそうに笑みを送る。

「置いてけぼりだったな、悪い」

「いや、知り合いなんでしょ? そういう事もあるわよ。ただ」

「ただ?」

「……ううん。なんでもないわ。それより、ほら! 私をなんでここに連れてきたのよ」

 あぁ、そうだった忘れるところだった。遊ぶためにここへ来たのではない。リストyォッチで時間を確認すると時間は既によ字を大きく過ぎてもうすぐ誤字になろうとしている。それは約束された時間だ。あと少しだ、とシノンに告げてココアを飲んでいると、そう時間がかからずにダイシーカフェの扉が開く。

 今日はこのためだけにダイシーカフェを頼んで貸切にしてもらった。

「お、きたきた」

「ん?」

                      推奨BGM:Walhall

 扉を開けて入ってくるのは子供を連れた母親だった。冬服の可愛らしい小さな女の子と、その母親。特に特徴といった特徴を持った人物でもないが―――シノンは彼女を見た瞬間、その全身を強張らせて動きを止める。この邂逅の為だけに店を貸し切ってもらったのに、先にあの三人が来ていて本当に驚いたが―――

「―――あの、朝田、詩乃さん、ですよね……?」

「あ……はい」

 女性が確認するように名前を確認すると、シノンの前に来て頭を下げる。

「申し訳ありませんでした。もう覚えていないかもしれませんが昔、郵便局で貴女の行動に救われた者です」

「あ……」

 シノン―――朝田詩乃はそう言われて動きを完全に停止し、そして視線を子供に向ける。

「あの時、貴女に救っていただけなければ、お腹の中にいた娘共々助かる事はありませんでした。当時は救ってもらって何とかお礼の一つでも言えないかと思ってたのですが時間が過ぎるごとに忘れて行って……こんなに苦しんでいるとは思わず本当に申し訳ありませんでした」

「あ、いえ、苦しんでいるだなんてそんな」

 詩乃が若干こっちを睨んでくるが、その視線を受け流し、少女が前に出る。その手の中には紙が握られており、

「おねえちゃん、たすけてくれてありがとう」

 その紙には詩乃と、少女と、母親の姿が描かれていた。そこまでが限界だったようで、詩乃の目の端から涙が流れ出す。

「ありがとうございます。貴女のおかげで私たちは今日、こうやって生きていけます」

「シノン……確かに誰かの命を奪った事実は重いし、潰れそうになるし、途方もない苦痛だけど、それだけじゃないんだ。それが善意から生まれた行動であればどこかに救いがあるんだ。俺達の罪科は消える事はないけど、それでも少しだけ、ほんの少しだけ救いがあるんだ。この件の様にどこかに救われた人だっているんだ。誇る事は出来なくても、……それでいいんじゃないかな」

 少なくとも、

 生きる為に殺した、というよりは詩乃の犯した殺人はもっと高潔だ。

「うん……うん……ありがとう、ありがとうございます……」

「いえ、私こそ、ここまで遅れてしまい本当にすいませんでした……そして、ありがとうございます……!」

 詩乃は涙を流し、そして女性も少し目を潤ませていた。これ以上この光景を見ているのは少し意地が悪いかもしれない。その光景に背を向け、

「エギル」

「おう」

「―――ホットココア二人分追加で」

「あいよ」

 ―――これをGGO事件の終幕とする。




 これにてGGOは終わりです。完全なシリアスで終わらせようと思ったら深夜だったせいか電波が着まして、こうなっちゃいました。

まあ、そんなわけで危険人物AとBが何故あの場にいたか、マリィが何故現実で形成してるのかは秘密として、

 てんぞーはまた数日筆をおいてからバーサス編、そしてマザーズロザリオ編に映ろうかと思っています。

 マザロザ編は脇役が活躍すかもね!
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| 断頭の剣鬼 | 07:53 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

マ、マリィさぁぁぁぁぁんん!

| 烏 | 2012/11/05 18:56 | URL |

め、女神が光臨なされた!?
嫁がリアルに来たんだリアル結婚早よう――あ、先輩達にトドメかw

| 女神は至高、金髪少女は至宝 | 2012/11/05 19:50 | URL | ≫ EDIT

この世界自体が胡散臭く思えてきちゃったじゃないですかやだー!
(女神様がご降臨なされたぞヒャッハー!)

| サガリ | 2012/11/09 14:57 | URL |















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