陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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悪魔に涙はない ―――ダンスマカブル

推奨BGM:Fallen Angels(Paradis Lost)


 銃声が響く。

 弾丸が連弾として吐き出され弾丸が弾丸と衝突する。GOOの使用上弾丸同士の衝突はありえない現象なのに、それでも弾丸と弾丸は衝突を果たす。ありえなくとも、その現象は確かに発生している。弾丸と弾丸がぶつかり合い、火花が散り、そして反射して角度を変える弾丸は再び襲りかかる。それは鏡合せの様な展開でだが、同時に一方的な姿を見せる戦場でもある。二人の赤い服装の男達―――ジューダスと司狼の戦いには、ジューダスにはあって司狼にはないものがある。

 つまりは異常性。つまりは秘術。つまりは業。

 ジューダスはその存在自体が超越しているのに対して、司狼はない。死なないという事実しか存在しない。故に司狼二は決定打が存在しえない。本当に死なないのか、それも怪しい。だがジューダスの放つ異形の銃からの超連射はハンドガンという形をしながらマシンガン以上の連射力を持ち、そしてライフル並の精密性を持つ、異常な能力の銃だ。司狼がデザートイーグルの二丁で応戦しようとも弾丸の量、阻止江速度にはかなわない。一発一発が強力なデザートイーグルでも、数発合わせてジューダスの一撃を弾いているのだ。大砲の様な威力を持つ銃に対抗するにはそれしか方法がない。それ故に司狼は相手の攻撃を弾く度に何発かを通している。

 そしてそれが大地に着弾する度に大地がさく裂し、巨大なクレーターを穿つ。結局のところ司狼とジューダスは似ているが、その存在はここに至って全く別の存在となっている。威力においても、精神状態においても。この二人は似ているようで違う。いうなれば、同じ起源をもつ存在が成長するにつれて分化してゆく―――そういう違いは二人を持っている。

 それは”誰か”と非常に似ているようで、全く違う結果を生んでいる。


「おおおお―――!」

 司狼が吠える。常に余裕を見せる男にしては随分余裕のない声だ。弾丸を二丁拳銃で打ち出しながらする動きは全力で弾丸を回避している。驚異的としか言いようのない動きだ。既に司狼の目にはジューダスの弾丸は映っていない。ジューダスの弾丸は音速を超過していて、目に映る事の出来ない脅威として存在している。故に司狼ができるのは最初から存在する隙間に身を躍らせる事だ。そしてそんな事は奇跡街には出来やしない。

 だからこそ、司狼の異常性は際立つ。

 常人には不可能な現象を司狼は成し遂げていた。偉業だと言ってもいい。それは人類が到達しえない領域で、人の身のまま成し遂げた司狼は間違いなく”人間”という部類に置いてはハイエンドな存在だ。

 ―――そこに汚染さえなければ。

 水面に落とされた一滴の黒の雫。

 墜ちた黒は水を汚し全てを黒一色の染めてゆく。それが司狼の世界。既知の世界自滅因子の世界。未知は既知によって汚染され司狼の成す行動すべてがその親友の死につながる。それが運命。それが必然。だがそれに抗うような咆哮を司狼があげる。既知に囚われており、それで死ぬことはない運命だとしても、この瞬間、司狼は本気だった。一撃一撃避ける事、迎撃する事、その全てが全力である事。そして全力を振り絞るからこそ成す事が出来る既知。それは結局のところ全力だからこそ成就してしまう既知であり。手を緩めれば死という既知もまた存在する。だが司狼に油断も慢心も、そして手を緩めることもあり得ない。だからこそこの既知は酷く性質が悪い。そして絶対に抜け出せない。

「君も足掻くね。まあ、僕としても頑張ってくれた方が嬉しいんだけどさ」

「舐めんじゃねぇ―――!!」

 銃の連射を続けながらも反撃に出る。一瞬、弾丸をデザートイーグルに再装填するその瞬間、銃のグリップを超しに下げている手りゅう弾に引っ掛け、リロードしつつひっかける動きでそれを投擲する。遮蔽物のないこの地域でお戦闘、司狼は隠れて再装填も投擲する時間もない。全ての動きを行いつつ回避しなければその瞬間、司狼はただの的となってしまう。それを回避するためにも、司狼の動きからは無駄という無駄が排除されており、全てが奇抜にも見えるが合理的に計算され、実行されている。そう、全ての動きはこの一人の天才に計算されている。

 投擲された手榴弾はそう遠くない位置でジューダスの弾丸に触れ、爆発を起こす。だがその爆発でさえジューダスの弾丸は食い破る。爆炎を、爆風を、土煙を一瞬で食い破りながら弾丸は司狼へと殺到する。既にこの程度の爆発ではどうにかなるような状況ではなくなっている。故に爆炎が視界をふさいだのも約一秒以下の瞬間。それ以上は爆炎は爆炎としての機能も、爆発の機能を行使できなかった。

 だが、

 その一瞬が司狼にとっての全てだった。

 場縁の向こう側から何本かの鎖が伸び、それが全てジューダスへと向かって先端を伸ばす。その全てが淡いオレンジ色の光に包まれ、通常ではない状態を表している。その先端、から中腹までを全て銃撃し、機動をジューダスは逸らすが、爆炎が消えてその向こう側にいる人物が姿を現し、軽く口笛を吹く。

「ヒューッ、やるじゃない」

「アレだけ見てききゃあサルにだってできるわ」

「じゃあ人類の大半がサルって事になるんだろうね」

 司狼の周りを光に包まれた鎖が存在していた。明らかにそれは通常のシステムエフェクトではなく―――キリトが得意とする心意の光。想像力の光だ。司狼のそれはキリトと同じく、驚異的なレベルでの再現性を持っており、システムを軽く逸脱していた。その証拠にジューダスの銃撃を受けてもその鎖は砕けていない。威力と速度、量でも負けてはいるが、それでも破壊されていない。それを示す光が鎖にまとわれている。そして司狼の体も、その光によって守られている。

 キリトの話を洞窟で聞いてたのは何もシノンだけではない。誰よりも司狼は永劫破壊、そして心意、両方を間近で何度も見てきている。それに使用者からのレクチャーを聞けばもはや能力の譲渡に近い状態だ。これだけ条件が揃っていれば司狼なら余裕で使いこなせる。

 なによりも。

 司狼もまた、現実を否定している。

「逝っちまえよ!」

 司狼に絡み付く鎖が一斉にジューダスに襲い掛かるのと同時に、心意の込められた弾丸がジューダスへと殺到する。二丁のデザートイーグルから吐き出される弾丸は速度も威力も向上している。それを受け司狼の攻撃はジューダスへと通じる脅威と化している。連射と連弾が暴威となってジューダスに襲い掛かる。

 しかし、

 それでも悪魔には届かない。

「―――アクセス我がシン」

 その一言で司狼の強化は意味を無くした。再びジューダスと司狼の間には埋まる事のない溝が出現した。巨象と蟻の差は埋まらない。その一言でジューダスの存在は段違いに凶悪化する。シンそれは罪。埋め込まれた罪。

 悪意を持ってそれがジューダスの魔弾という名の意味を刻みつける。

「イザヘル・アヴォン・アヴォタヴ・エル・アドナイ・ヴェハタット・イモー・アルティマフ

イフユー・ネゲット・アドナイ・タミード・ヴェヤフレット・メエレツ・ズィフラム」


 ジューダスの握る異形の銃に暴食のシン、ジューダスの本質―――ベルゼバブの性質が宿る。それは最終形態と比べてあまりにも弱く、そして低く、弾丸を変質させる程度でしかない。だがジューダスの真の能力とは魔弾を操るその魔神としての技量に他ならない。こと銃の扱いに関してはこの男以上の存在は永劫出現しえない。故に弾丸は変質する。

 ただの弾丸から、

 暴食の―――プラズマの弾丸に変質する。

 閃光となって破壊する弾丸は一瞬で鎖をと化し、弾丸を蒸発させ、そして弾丸と弾丸が衝突を繰り返し、跳弾して司狼に襲い掛かる。全てがジューダスによって計算された軌道であり動き。司狼の死角など測るべくもなく、全方向から一斉に狙いを定めてくるプラズマの魔弾は回避が不可能だ。そして司狼レベルの防御力では防ぐこともできない。

「ツォ―――!」

「現実を噛みしめろ―――レスト・イン・ピース」

 叫ぶ司狼が抵抗に弾丸を打と落とそうと鎖を再生させ、それで薙ぎ払う。しかしそれも可能なのは一瞬だけで、弾丸の数は尽きない。周りの脅威を排除できてもその動きで一瞬の硬直が生まれる。絶対に回避は不可。

 ―――避けられない司狼に向かって弾丸の嵐がはなたれ、その全てが一閃によって滅び去る。

 それは一瞬だった。ゼロ秒の動きと言ってもいい。投擲された”何か”が瞬時にジューダスと司狼の間に入り込み、ジューダスの魔弾を全て根こそぎ暗い、破壊し、そして消し飛ばした。結果として司狼は救われ、ジューダスの攻撃は失敗に終わった。その結果を生んだのは、

「愛されているねぇ」

 異形の刃だった。

 厚く、歪で、そしてとてもだが武器と呼べるような代物ではない得物―――それを司狼は知っている。そんな武器を二刀握って振り回す馬鹿を司狼は記憶している。そしてこの結果は―――

「―――お友達に救われたね」

「あんの馬鹿野郎……!」

 明広の得物だった。その片方が司狼を救うためだけに投擲され、そして大地に突き刺さっている。直ぐに司狼は相棒の行った事の愚行を感謝せずに呪った。

 自滅因子。

 どんな行動をしようが。

 その全てが―――宿主の死へと直結する。


                           ◆


 斬撃が走る。体に傷が増える。消滅が消滅ぶつかり合い双方の存在が消え去る。故に純粋な斬撃が残り体に傷が生まれる。それが刻まれるのと同時に右腕が首を狩り取る動きで振るわれる。その動作の全てに消滅の力が宿っている。だが相手の全身を覆っているのもまた消滅しか結果を生み出さない力。完全に滅ぶまで永遠に燃え続ける無価値。そう、どこまでいっても無価値でしかない力。

「アクセス――我がシン。

無頼のクウィンテセンス。

肉を裂き骨を灼き、霊の一片までも腐り落として蹂躙せしめよ

死を喰らえ―――無価値の炎 」


 無価値。無価値の炎。地獄の悪魔、ベリアルが保有する最強にして最悪の炎。髪さえも殺すと謳われた炎はその威力の大部分を失っているが、消滅の力を健在としていた。神は殺せない。しかし神の出来そこないなら殺せる。それだけの力がそこにはある。だが相対する姿も消滅という概念に置いては劣っていない。寧ろその概念のみであれば一歩先を行っている。その存在は消滅の他にはほぼ何もできない。ありとあらゆる不純物を消し去り守る程度の事しかできない。そんな方法でしか何かを守れない。そんな処刑にのみ特化した存在が呼び出すのは―――

「―――汝はレギオン」


 その一生を新世界の創造に捧げた一人の愚か者だ。

「求めたものは至高の世界 新たな世界の産声

走り抜けたのは地獄 カロンの舟に乗りコキュートスを抜ける

見下したのは煉獄 罪を清めベアトリーチェの手を引き天を目指す

見放したのは天国 ベルナルドゥスの手を弾き前へと進む

我が道は求道の覇道 開け扉よ 我が前に新たな世界を見せたまえ

―――神聖喜劇・世界創世」


 詠唱ト共に姿を現すのは真紅のサーコート姿の男だ。剣と盾を持ち、灰色の髪は風に揺れる事がなく、その場でとどまっている。魂だけとなって世界を渡り歩いていた男はその魂を拾われ、契約を持って軍団の戦列に加わっていた。その祈りは新世界の創造にして維持。永遠にあの幻想の城を展開したかった。その願いを持って男自体が世界と化していた。男こそが世界であり、あの世界が男である。男の背穏罪がある限りあの空中城は、真の空中城は不滅である。純白に褐色の姿を持つ存在後ろに半透明な姿で立ち、男の無様を笑う。

「―――何をしている」

 男は笑っているようで笑ってはいない。だから褐色の男は一撃をからぶらせ、黒衣の無価値と距離を生み、刃根を何百と振るいながら答える。

「いいじゃねぇか」

「貴様には倒れてもらっては困るのだ」

「倒れねぇさ」

「ならば問題はない」

 問題はない。二人は昔は敵だった。それこそ命を奪う程に憎みあい、そして殺し合う仲だった。だからこそ男は、―――茅場晶彦だった存在はsの言葉を疑わない。どんな劣勢であろうと目の前の男が吐いたのであればそれを実現するであろうと信じている。故に茅場晶彦は疑わない。

 疑わず、自らの創造へと昇華された奥義を発動させる。

 つまりはレギオンの招来。

 空中城に存在する異形達。

 それらをすべて統括し、把握し、制御し、そして”生”を与える力。

 空中城の全てが茅場晶彦の血肉であり、それがア茅場晶彦の率いる軍勢。

 処刑人の背後に立つ真紅の色の空中城の王の背後に異形の姿が集う。それはゴブリンと呼ばれる存在であれば龍の姿をもしている。共通点としてこの者たちには誰一人として人間の姿はない。アインクラッドでプレイヤーに狩られてきた存在も、登場する事もなく空中城の崩壊とともに消え去った異形も、その全てが集結し―――黒衣の無価値に、

 ナハトを食い殺そうとその咢を開く。

 だがそれらは全て無価値の炎によって阻まれ燃え散る。その程度では決してナハトの肌に触れる事は出来ない。とりわけこの黒衣だけは他の二人とは違い、解放されている力が段違いのレベルにある。故に何物もこの男の肌には触れられない。■が解放されてない故に出せる力は限りがあるが―――この男に触れる存在は一人しかいない。

「さあ、第二ラウンドだ」

「お粗末な第一ラウンドだったな」

「あぁ、だからこっからが本番だ」

 何時の間にか左手には処刑刃が戻っていた。その両方を構え、そして背に生える六枚の刃根も構え、消滅の光を持つ存在は―――明広は空を踏む。空に立ち、そして同じく空に立つナハトを正面から見る。

「お前を殺して(なっとく)させてやるよ」

「来い、これ以上の言葉は不要だ―――そうだろ、兄弟」

 言葉も動きも、その全てが知覚できないレベルへと到達してしまった戦いはもはや本人たちでさえ止められない。戦いは終わらない。

 神格の魂を保有する者の戦いは、

 常に世界の終わりとともに終わる。




名前:神聖喜劇・世界創世
位階:創造
発現:覇道
人物:茅場晶彦/最上明広
原典:神曲
渇望:「新世界を見たい」「あの世界を永遠にしたかった」
能力:
 アインクラッドという異世界を永遠に展開し続けたかった茅場晶彦の願いを明広が自らの戦列に加えた結果生み出た創造。レギオン能力は本来ラインハルトにしか存在しない能力だが、神格が流出域にあることに加え、レギオン能力を保有していた残滓を取り込み、その在り方を理解した事でレギオン化の行使が可能としている。
 この創造は茅場晶彦がアインクラッドの存続から生まれ出た渇望を創造化させたものであり、本来は覇道系の創造を維持する程度の力しかない。しかし茅場晶彦、その魂自体がアインクラッドの情報を全て把握し、記憶している事もあって、創造の発動はつまりアインクラッドの展開である事にも等しい。しかしアインクラッドの中にある全てを自由に展開し、操作できる事はあくまでも副産物であり、本来は世界の維持しかできない能力である。茅場晶彦が特異な存在であるという事実がこの様な能力の応用を許している。


詠唱:
求めたものは至高の世界 新たな世界の産声
走り抜けたのは地獄 カロンの舟に乗りコキュートスを抜ける
見下したのは煉獄 罪を清めベアトリーチェの手を引き天を目指す
見放したのは天国 ベルナルドゥスの手を弾き前へと進む
我が道は求道の覇道 開け扉よ 我が前に新たな世界を見せたまえ
―――神聖喜劇・世界創世
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| 断頭の剣鬼 | 16:04 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ヒースクリフのデレ期ktkr
しかし、これがヒースクリフと共同ということは、アスアスにはもう一つ創造があると見る。

| 空 | 2012/10/28 18:54 | URL |

いつも続きを楽しみにしています。

それにしてもこれは掲示板が荒れるぞ・・・!

| 烏 | 2012/10/29 00:52 | URL | ≫ EDIT

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| | 2012/10/31 00:58 | |















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