陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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犯罪者の宴 ―――ガン・ローデッド

推奨BGM:Bottomless Pit
*1推奨BGM:Deus Vult
*2推奨BGM:Unus Mundus


 結局。

 大人気なかった……!

 ライフルの弾丸を切り落としてシノンの首を刎ねてしまった。迷う事無く首を刎ねてしまった。相手は女なのに、戸惑う事無く首を刎ねてしまった。これはアレではないのか。明広の首フェチが少しずつアレを媒介に俺に汚染をはじめているのではなかろうか。もう因子の縁は切られたはずなのに剣が残っているのだし可能性はある。つまり何を言おうとしているかというのは、俺は悪くない。俺は絶対に悪くない。綺麗に跳ばしたとか感想を持ったのも俺の聖じゃない。全部は首切り妖怪と言うやつのせいなんだ。

 と、そんなくだらない考えを持てる程度には、余裕がある。

 シノンも驚いた事にかなりの余裕を持っていた。ラフィン・コフィンと相対した姿から少し心配だったがー予選最終戦、つまり四回戦で戦った時には十分元気な姿、そして本線でリベンジをすると宣言されてしまった。まあ、個人的にはそんな展開も悪くはナイト思う。可能であればの話だが。

 そう、可能であれば。


 転移され、戦場である最後の決勝フィールド―――ISLラグナロクへと転移する前の空間で、装備を確認する。と言ってもカウントが始まってからすでに三度は確認しとり、そのたびに装備は問題ない事を示している。少しだけナーバスが入っているかもしれないが、それも仕方がない話しだろう。幾ら心配しても足りるような相手ではない。どの相手も苦戦が必須とされる強力で凶悪な敵なのだ。シノンには悪いが、

 一般プレイヤーにはまず避難してもらう必要がある。

 ラフィン・コフィンやあの超越者たちよりもさきに、まずは一般の参加者を排除する事から始める。これ以上無駄な犠牲はいらない。目的を達成するためなら心を鬼にする。

 背中、ALOでなら剣を下げているであろう位置に手を持ってゆく。そこに伸ばした手は空を切って何を掴めないが、それでも今はない、確かな武器の感覚が存在する。次、あの超越者達の誰かと戦う場合は絶対にこの剣を抜く羽目になる。そして―――必然的に殺す羽目になるだろう。誰かを殺したいとは思わないけど、殺す必要はある。Pohやジューダスの目を見てしまったっ見えてしまった。アレは、不思議な事に明広やラインハルトと同じ色をしていた。つまり信念だ。何か自分の命よりも強い思いを抱えている。狂信を超える、現実を否定するレベルで何かを祈っている。そんな荒唐無稽な願いを持って何かを成そうとしている。

 アレは、そんな願いを持った人間の目だ。

 そして、そういう人間は死んで始まって止まる。

 俺は今、アインクラッドで戦っていた俺がどれだけ子供だったのかを思い知らされる。強くなったつもりで何かを守れると思って、強さだけで何とかなると思っていた。結局、そんな事はないし覚悟も足りなかった。必要なのだ。

 殺す事は。

 肯定するわけではないが―――時には殺人も手段の一つだと覚えてしまった。どんなきれいごとで事を場を飾ろうと誰か、致命的に間違えている生き物を終わらすには殺すしかない。いキアして改心させるなんて夢の様な選択肢は現実ではありえない。そんなのはフィクションの世界だけで十分だ。不殺主義とか笑いがこみあげてくる思いだ。そんな生温い事でアレを止められるのなら止めてみろ。

 両手足をなくしても首を食いちぎって動く化け物だ。アレは。

 それを嫌でも理解してしまったから―――

「―――殺す」

 この意志を忘れてはならない。何かが、誰かが犠牲にならなくては大団円はありえないと、それを忘れてはならない。綺麗なだけの物語なんてありえないのだから。

 そこでカウントがゼロとなり転移が始まる。体が転移の光に包まれる。BoB本線は三十を超えるプレイヤーで、巨大な島でバトルロイヤルをする形式となっている。そうとなれば敵が自重する必要もない。相手も即座に得物を捕捉して殺戮に興じる。その前に相手を排除しなくてはならない。

 覚悟を決めて、目を閉じる。

 まぶたの裏からでも視界を白い光が満たすのを感じる。VRゲームを遊んでいれば慣れる現象だ。だがそれも長く続かない事は知っている。一秒、二秒と目を跳ぶったまま過ごし、光が消えたところで目を開ける。そこには黒い空間も白い光もなく、

 広がっていたのは辺り一面の荒野だった。

 風の音が聞こえ、遠くには廃ビルの都市群が見える。方向を変えれば草原や砂漠も見えたりして、中々変化に富んだ島らしい。普通に楽しむ分には十分すぎるエリアだと判断する。風にあおられ髪を揺らしながら、視線を後ろへもって行く。

「ぁ」

「ぇ」

 後ろにはイナンナががいた。

*1

 BoB本戦。

 その開始出現位置は、完全に―――ランダムだ。

 何万、いや、何億分かの確率で開始位置がイナンナと被ったのだ。もはや作為すら感じるが、

「―――悪いなっ!」

 体は状況に対して素直に反応していた。振り向くのと同時に気配を察した瞬間、腕は腰の光剣へと延びて抜刀の為のスイッチを押すのと同時に抜き打ちを放っていた。そして開いている左手は銃を討つために握った得物を持ち上げ始める。だがイナンナの対応も早く、光剣の軌道を完全に見切りながら、両手に得物を持っていた。それは―――シングルアクションアーミー……ピースメイカーと呼ばれる銃と、ウィンチェスターライフル。どっちも古いがアクション映画では好まれる様な派手な銃だ。目の前の相手の服装を見ていれば派手好きなのは嫌でもわかる。しかしイナンナはピースメイカーを光剣との間に挟み込み、そしてウィンチェスターでP90を殴るコースで振るう。瞬間的に自分の初動の不利を悟る。だからこそ、

 前に踏み込む。

 予選を見た限りイナンアは多少の被弾は無視しても攻撃を仕掛けてくるタイプだったが、その動きはここで初動を潰して明確に攻撃のチャンスを潰す動きへと変わっていた。おそらく今までの戦い方がカモフラージュか何かだったのかもしれない。そう思うと予選では上手くやっていたのだろう。しかし、

 光剣とP90の動きを強引に進める。接触した瞬間強い抵抗を覚えるが、それ以上のバグった筋力ステータスが此方には存在する。大事なのは一般プレイヤーの排除であり、救出。故に、手段は少しだけ、自重しない。そのまま押し切ってイナンナの事を断ち切ろうとする。が、

 不意に、抵抗が完全に消えるのを感じた。

 ……え?

 イナンナが完全に抵抗を止めていた。いや、抵抗したのもほんの一瞬だけの話だ。そしてその一瞬が終わったに過ぎない。一瞬だけ武器と武器をぶつけ合い抵抗したイナンナはその瞬間には既に後ろへと体を傾けていた。まるで背中から倒れる様に体を倒しつつ両手から武器を解放する。力を込めてしまった得物を急に放され、勢いは軽く乗ったままウィンチェスター、そしてピースメイカーは俺によって弾き飛ばされる。しかし肝心のイナンナ自身は無傷で仰向けに倒れそうになる。瞬間。イナンナの手には球体のアイテムが握られていた。

「仕切り直させてもらうわ」

「しまっ―――」

 球体のアイテム―――スモークグレネードが爆発し辺りに煙が充満する。それと同時に足音がどこかへ遠ざかるのを感じる。即座にそれを追いかける様に煙の中から飛び出す。煙から飛び出すのと同時にイナンナの背中を確認する。が、それと同時に後ろへと跳ぶ。

 瞬間、今度は煙ではなくプラズマが爆発した。追いかけてくるのを予想したかのように配置されたプラズマグレネイドは広範囲に爆発を与え、衝撃が全身を打撃してくる。それを敏捷力を生かして回避するのと同時に、散発的にスモークグレネードがバラまかれているのが見える。煙に囲まれ、どっちへ逃げたかはよく見えない。

「……開幕でこれかよ」

 なんというか。

 ほんと、一筋縄でいきそうにない。これがBoB本戦出場者のレベルだったら本当に困った話だ。油断も慢心もできない場所となる。

 大地に落ちたシングルアクションアーミーとウィンチェスタライフルを見、それを拾い上げてインベントリへと投げ込むとインベントリからあるアイテムを取り出す。それは本戦前に参加者に配布されたレーダーの様なアイテムで、使用した場合、数十分に一度、プレイヤーの姿を映してくれるアイテムとなっている。これを使用しているために隠れて待ち続ける戦法が取れず、スナイパーは特に不利となる。今はまだ試合が開始したばかりの為、これが使えない。

 だが、さて、

「皆はどこかな」

 それをしまいながら歩き出す。


                           ◆


*2

 ―――役者は揃った。

 今舞台の上に立っている役者はどれも一流の輝きを持つ者たちだ。あぁ、確かにその中には塵の様な悪臭を放つ汚物もいる。だが彼らもこの舞台の立派な役者であり、役者としては十分に通じるものであると私が保証しよう。

 堕天使。

 欲界の細胞。

 そして英雄達。

 あぁ、確かにそこには取るに足らん役者もいるだろう。私はそれを不要として切り捨てはせんよ。誰にでも平等に役割と台詞を与えよう。あぁ、諸君らにはこの舞台の悦棒と歌劇を彩る笑いの一部となってくれればいい。正直に言おう。私は君たち、そう、君たち全員の生死などどうでもいい。彼女以外は全て芥だと思っている。むろん、そこには友という例外が存在するのだがいやはや、世とは奇妙なものだ。言葉を飾ろうとすればするほど陳腐で、少しずつ意味が意味を殺し始める。

 では、

 天主を裏切った堕天使、滅尽滅相を心地よく染まる細胞、そして愛と平和を良しとする英雄。どの者たちも粒ぞろいの役者だ。用意した私が断言してあげよう、これは良い一幕になると。決して私っも貴方も、そして君を飽きさせることはないと。

 なぜなら此処こそが君の始点であり、終点でもあるのだ。欲心に刻み、そして括目するといい。この物語により世界は始まりと終わりを得る。■にはまだ遠いが、これでついに真実の全てを知る事もできるだろう。故にささやかなながら、私から再び諸君らへと言葉を送らせてもらおう。もうすでにいい飽きた、使い古された道化師の戯言だ。しかし君たちにはこの上ない特別な意味となる事を理解している。

                     Disce Libens

 喜んで学びたまえエル・キホーテよ。君の物語はまだ始まってすらいない。この程度で困っていたら未来などありはせぬよ。

 そして、

 喜んで学びたまえ―――息子よ。

 お前は私の最高傑作なのだから。

 あぁ、この程度どうにでもできないのならいらぬぞ。そんな無能を生み出した覚えは私にはないぞ。故に喜んで学びたまえ。友の死も、宿敵の死も、全ては押し上げる一因として血肉となってくれるだろう。魔界の軍勢を率いて天を滅ぼすその日を心待ちにしている。

 さあ、皆さまどうか私の恐怖劇をご照覧あれ。台本はありきたりながら、役者が良い。使い古された言葉だが私は至高と信ずる。故に面白くなるよ。

 あぁ、

 ―――それでは今宵のグランギニョルを始めようか。




忘れている人がいるけど、予選の最終試合は勝っても負けても決勝進出デスダヨ?
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| 断頭の剣鬼 | 10:07 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

シノンさんがログアウトしました
そして水銀uzeeeeeeeeeeee!

| とろつき | 2012/10/19 11:28 | URL |

シノンがログアウト・・だと・・・!?
ヒロイン成分と常識成分がなくなるじゃないですかー
やだー

| モグラ | 2012/10/19 13:04 | URL | ≫ EDIT

予選で棄権してもらうため本気を見せつけたつもりなんだろうけど・・・

| ポートラム | 2012/10/19 16:41 | URL | ≫ EDIT

やだー、キリキリが「首おいてけ」病に感染しちゃてるじゃないですかー。

あとシノン、マジで命知らず。
素直にログアウト・・・は無理か。死なないでよー。

| 断章の接合者 | 2012/10/20 06:36 | URL | ≫ EDIT

水銀uzeeeeeeee
キリトが、首フェチ二号になっちゃうw

| とっつき | 2012/10/20 08:04 | URL |

シノンが死ノウになってしまう

しかし、水銀の言葉が気になるな
まさか妖怪がこの中にいる……?

| たけぼう | 2012/10/20 09:48 | URL |















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