陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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DAY13

 王族という存在を前にし、ビオレと共に頭を下げる。

 場所は謁見の間―――ではなくレオンミシェリの私室だ。既に招聘に応え、領主から命令を受けとり、そして私室でレオンミシェリの前で跪く。これから尽くす主に対して見せる最低限の礼であり、敬意であり、同時にこれから臣下として働くための姿である。たとえ相手がたった六歳の童女と言えど、彼女がこれからのガレットの未来を担う存在だという事に違いはない。暗殺などとは無縁のフロニャルドではあるが、それでも明確な脅威という存在はある。

 魔物だ。

 彼らの存在は大地のフロニャ力を減退させ、そして俺達が受ける事の出来るフロニャ力の加護をなくす。つまり、普段は致命傷をけものだまになって回避できるはずが、出来なくなり、普通に血を流したり死ぬ事となってしまう。各国が戦争をする本当の意味は実はここにあり、競い合うことで実力を高めて、魔物の脅威へと備えるための戦争なのだ。だがそれも今では優秀”すぎる”退治屋のおかげで完全なスポーツとなり果ててしまったが、それでも、俺達親衛隊の役割りは変わらない。


 常に主に最高の結果を届け、守る事。

 この領主の娘が、レオンミシェリ姫が潜在的に秘める輝力は莫大なもので、俺やビオレでは遠く及ばないほどにある。流石領主の家系とも言うべきであるが―――今はまだ六歳の童女、出来る事に限りがあり、成す事を成すには手伝いと、そして守りが必要である。特にこの小さな主には三つ年下の弟までいる。彼が領主としての能力を身に着けるまではレオミシェリが領主代行であると、現領主は言っていた。

 中々面倒で重い話だ。

 しかし、やるしかないのだろう。

 そのための首席卒業の俺であり、ほぼ同じ成績のビオレなのだろう。

「サイアス・ノエル」

「ビオレ・アマレット」

「両名、召喚に馳せ参じました。これよりレオンミシェリ姫の御側役として常日頃から御世話をさせていただきます。どうか、よろしくお願い致します」

 ノエルもアマレットも、卒業の際に頂いた家名だ。騎士となると家名が貰えるのはやはり、”箔”をつける為らしい。何度か練習した名乗りを成功させ、臣下の礼を続けた状態、頭を下げた状態でレオンミシェリの前に傅く。その姿を見―――レオンミシェリは頷く。

「うむ、許す。表をあげい」

 ……六歳にしてはかなり尊大な口調だよなぁ。

 これもおそらく父である領主の影響だろうと思う。あの領主も領主で、かなり尊大な話し方をする。その姿には威厳が存在し、カリスマ性も感じられる。事実、領主が指揮した戦争では敗北が存在しない。いや、一度だけビスコッティに敗北したことがあったが、アレはチートのせいだからノーカウントととして、ほぼ常勝無敗の猛将なのだ、領主は。子供がその姿にあこがれてもおかしくはない。そう思った途端、この童女が今までよりも遥かに身近な存在として感じられた。

 親を真似する、可愛らしい子供に見えてきた。

 顔を上げて見るレオンミシェリは、俺とビオレを見比べ、

「どちらがワシの親衛隊の隊長なんだ?」

「私です姫」

 そう言って返事したのは―――ビオレだった。

 しかしその返答にレオンミシェリは眉をひそめる。

「ふむ? ワシは今年度の首席卒業はサイアスだと聞いていたが?」

 そう言って視線を俺に向ける。

「適正の問題です、姫様」

「ほう? 言うてみよ」

 可愛いなぁ、その無駄に胸を張った言い方!

 おそらくビオレも同意見だろう。少しだけだが、他人には解らない程度でビオレが和んでいるのが解る。ビオレはああ見えて可愛いもの好きな部分があるからな。ともあれ、

「姫様、私では隊長としての適性が低いのです。部隊を率いる長としての適性は部下を把握し、効率的に運用し、そして先を見通す能力です。確かに私は成績は優秀で、この分野においてもビオレには勝っていますが、成績が全てではありません。細かい所に気が利くビオレの方が教科書に書かれている事ができると判断し以上、隊長をビオレに任せ、私は副隊長職に就きました」

 さらに言えば、

「個人的に言いますと―――私、どちらかというと殴っている方が得意でして」

「ほう?」

 ビオレが此方に少し黙れと視線で送ってくるが、アイコンタクトで返事を返す。

 ―――相手はまだ六歳だぞ?

 かしこまりすぎても逆に相手が困る。いや、この年だからこそかしこまるべきではないのだ。相手は背伸びをしなくてはいけない子供なのだ。だからこそ俺達の前だけでは、子供らしく居て欲しいと思う。

「よい、許す! ワシはそち達二人を気に入った! これから長い付き合いになるであろう、よろしく頼むぞ!」

「ハッ!」

 レオンミシェリがそう言い、声を揃えて返答する。

「後ワシの事は姫と呼ぶな。その言い方は好かん。閣下と呼べ、閣下と」

 ……くくく。

 内心で少しだけ笑いつつ、口をビオレと共に開く。

「はい―――姫様」

「こ、こら! 閣下だ!」

「了解しました、―――姫様」

「お主ら―――ワシで遊んでいるな!?」

「そんな事はありません、姫様」

「閣下と呼ばんかぁー!」

 レオンミシェリの声が響き、軽くだが吹き出してしまう。その状況が面白かったのはどうやら俺だけではなく、ビオレ、そしてレオンミシェリ姫もそうだったらしい。なんだか無性に楽しくなって、笑い、そして改めて礼をする。

「これからよろしくお願いします。レオンミシェリ閣下」

「私達二人で閣下を生活を支えますので、どうぞ頼ってください」

「うむ! おぬしらのお披露目を兼ねて近いうちに戦争をパスティアージュにでも仕掛ける。その時はよろしく頼むぞ!」

 ……なんですと?
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| 短編 | 09:30 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

次はリス狩りか。
原作同様、一方的な戦になるのか・・・?

そう言えばこのTSサイアスは永劫破壊の恩恵は有るのだろうか?

| reficul | 2012/10/09 17:04 | URL |

断頭バージョンに二期なんてなかった
つか年齢差を考えるとリスまだ赤子じゃね?

| ぜんら | 2012/10/09 17:11 | URL |

パスティヤージュ逃げて超逃げてーーー!
サイアスたんの紋章砲に期待

| 雑食性 | 2012/10/09 20:30 | URL |















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