陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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DAY8

「今期は八割が合格か、本当に優秀で困ったなあ」

 そう言って頭を掻くのは解説席にいた騎士だ。改めて見ると結構若く見える。おそらくまだ十代後半に入ったばかりの年齢だ。フロニャルドの年齢で言えば十分現役の年齢だ。そんな人物が合格者を集め、改めて別室で俺達を整列させている。横にはビオレがいる。最終試合はワンパンKO決めてしまって、個人的には嫌な空気にならないか若干不安だったが、恨まれる事もなく、笑顔でおめでとうとビオレは言ってくれた。

 流石フロニャルド。どうってことはないぜ。

「ここにいる君たちは将来の騎士となるべく、これからの数年を従騎士としてここで過ごす事となる。そののち、君たち全員が部隊を率いる人間か、それに該当する地位にまで上り詰めるだろう。つまり、君たちがガレットの新たな未来となる訳だ」

 騎士―――そんな言葉とは今まで無縁な生活を送ってきていただけに、いきなりそうなる未来が用意されていると言われると少し戸惑う。自分の中で知っている騎士と言えばミハエルとベアトリスぐらいだ。そして多分どちらも参考にならない。

「特に優勝したサイアス君と二位のビオレちゃんは、人一倍期待されているから、ぜひともプレッシャーに負けずに頑張ってほしい」

「そっか」

 今まで自分勝手な理由で優勝を目指していたわけだが、こうやってトップに立つという事はそれだけ期待されるという事だ。今まで期待とは無縁の生活を送っていたわけで、そういうことに関しては気にしないものだったが、人の上に立つ将来が約束されているのであれば相応の責任もついてくるのか。

 責任……。


 今生の父も母も楽しくやれればいいという性格だったせいで、子育ては今までは基本的に緩い感じだったから、責任とかはあんまりなかったなぁ……。

 服も髪型も好き勝手やらしてもらっているし。

「サイアスさん?」

 首をかしげる此方を不審に思ったのか、ビオレが言葉をかけてくる。

「あ、いえ、責任って言葉は重いなぁ、と」

「そうですね、でもそれも将来の事ですからあまり気にしすぎない方がいいのではないでしょうか」

 出来た子だなぁ、と歳が近いビオレの事を思い、そしてそりゃそうだ、と納得する。五歳児に期待しすぎれば、下手をすると潰してしまう。だから責任がついてくるのは後の話しだ。今のところはそれを教えて立場を自覚しろとの話か。いや、物事を深く考えすぎなのかもしれない。周りを見れば疲れて眠そうな顔をしている子もいる。良く考えれば年若い少年少女ばかりの集団だ。

 早朝の集会見たいなもんだろうなぁ。

 それを向こうの騎士も理解しているのだろう。と、もう一人、ガレットの騎士団の制服を着た女性が出てきた。此方は騎士の男の方よりも少しだけ歳を取っているように見える。

「さて、皆疲れているみたいだし、長い話はここまでにしようか」

 その言葉に何人かが少しだけ顔を恥ずかしそうに染め、はい、と声をそろえる。

「では、男の子は僕の方に、女の子は彼女の方に行ってくれ。これから君たちが世話になる部屋へと連れて行くから」

 はい、と再び返事をし、二つのグループに分かれる。

 俺ももちろん自分の行くべき場所へと向かい、グループに混ざる。

 が、

「アレ? 君はこっちじゃなくてあっちでしょ?」

 俺が混じったのは女性グループだった。女性騎士が苦笑しながら逆側、男の騎士の方を指で示す。が、

「いや、こっちで会っていますよ」

「男の子はあっち」

「いえ、自分―――女子ですよ」

「えっ」

「え?」

「えっ!?」

 今の言葉に一気に場が凍り付く。女性騎士だけではなく、周りの子や逆側で話を苦笑しながら聞いてたイケメンの騎士までもが凍る。いや、まあ、それこそ男物の着物来てるし、髪は短く切ってるし、口調も俺で顔も中性的だからって―――。

「受験票に女だって書いてます」

「ちょ、ちょっといいかな?」

 受験票を女性の騎士に渡すと、確認したい事を確認され、受験票を返される。そして、

「……」

「あ、あは、あはははは……」

 苦笑いをするイケメンと、鋭く睨む女がそこにはいた。

「ちょっと」

「い、いや、だってパっと見……」

「それを怠慢って言うんですよ?」

「あんな口調だし……」

「……」

「あ、あははは……」

「後でお話があります」

「……はい……」

 耳と尻尾がしゅんと項垂れるイケメン騎士に内心ざまぁと言葉を送りながら、その姿が男子従騎士達と城の反対側へと消えるのを見送る。

 この生別の違いが何よりもの未知だ。生まれてきたら性別は違うし。獣耳と尻尾があるし。人格の中身は男だし。無理に慣らす必要もないのでそのまま男物の服を着て男の様に振る舞い、特に問題もないので今までこう過ごしてきたが、やはり誤解の原因となっているらしい。何気にここへ来るときに乗った馬車でも男と間違われていた。

 まぁ、

「子供に性別なんてあってないようなものだからなぁ……」

「そこまで自意識をはっきりさせている子を子供と呼んでいいのかどうか、私には疑わしいですけどね」

 本当に今年は色んな意味で豊作だと女性の騎士は口にし、こっちだと、道を示して寝泊りをする部屋へと案内を始める。

「……女の子だったんですか」

「まぁ、この口調で服ですからねー」

 子供の頃は大抵何をやっても許されるものだと思う。

「ともあれ、これからよろしくビオレ」

「はい、よろしくお願いします」

 握手を交わし、此処へ来て初めての友情を確かめあう。

 そう言えば、―――両親は男装についてどう思っているのだろうか。




TSキツネミミのイラスト貰ったので、急遽設定変更。ヒロインなどいらぬ。
読み直せばちゃんと表記を変えているよ!
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| 短編 | 13:29 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

TS狐耳サイアス可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ可愛いのぅ

| 暇人 | 2012/10/08 13:47 | URL | ≫ EDIT

あのTwitterのアイコンはそういうことかぁぁぁぁぁぁぁ!

TS妖怪とか歓喜

| reficul | 2012/10/08 14:25 | URL |

狐耳サイアスぇ・・・
TSとか歓喜で小躍りしてるわ

| ikarebito | 2012/10/08 15:05 | URL |

ひーまんェ……。
というかこの感想欄ェ……。

TS好きすぎだろう。自分もTS好きだが……。

まぁ、前作断頭でもTSあって喜んでた自分が言える義理じゃないか……。

|    | 2012/10/08 15:59 | URL | ≫ EDIT

TSサイアスぇ・・・
いや好きですが。むしろ大好物ですが
にじファンの頃のを思い出しますなぁ

| 雑食性 | 2012/10/09 20:03 | URL |















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