陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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DAY5

 場所は城の裏から変わり、城内へと移っていた。それも城内の練兵場―――つまりは戦闘のできる場所。その横に存在する休憩室の中で順番を呼ばれるまで待機していろと命令されたために、順番が回ってくるまでは休憩室……いや、この控室で待機する事となった。流石戦争業が盛んなガレットというべきか、高いレベルで清潔さが保たれ、道具揃えられている……気がする。この時代のレベルの基準をよく把握できていないのが本音だ。ガレットから出た事もない為、他の国のレベルもよく解らない。ただ戦争をよくしかけて儲けてる脳筋国家だという事は理解している。

 どう足掻いても脳筋。


 そんな事を考えつつも、無手のまま、控室で周りの状況を窺う。それなりの数の受験者達がいる。見たところ三十や、それ位。手の中には鉄製の武器が見える。子供だから振れないと侮るなかれ、フロニャルドの住人は幼い頃から身体能力が高い。ここへ来るレベルの子どもだったら武器を振るぐらい造作もない事だろう。おそらく実家から持ってきた自前の品だろう。我が家に持ち込みの武器があるわけがなく、俺は無手だ。やはりここに来るという事はそれなりに裕福な家庭から来ているのだろう。

 フロニャ力の加護は戦闘しない者は軽いダメージでけものだまへと変化するようになっているが、戦闘をする者となると、その加護は戦争でも暴れられるように、軽くダメージを受ける事のできる程度に変化する。前ならけものだまになっていたレベルのダメージは服が脱げる程度に変化されている。正直この世界の神には一度会って握手を交わしたいところだが、その欲求を抑え込み、戦力を測る事とする。

 ぶっちゃければ―――余裕だ。

 自分の環境が異常だということもあるが、どいつもこいつも戦の作法を、心得を知っているようには見えない。武器を安易に衆目に曝したり、それを近くの受験者へと自慢したり、それは手札を見せているようなものだ。あまりお勧めのできる事ではない。

 というかこんな思考の五歳児嫌だ。しかしこれで正常な状態だ。異常であり異物は俺一人。

「すみません」

 そこで声をかけられる。振り返ってみればすみれ色の髪の少女だった。少女、と言ってもおそらく年齢は此方よりも高い。それは姿よりも、一番最初にかけてきた声の”色”でそれを判断した結果だ。相手がそう言う口調である以上、

「なんでしょうか?」

 服装からして中々の家から出てきた少女だということが解った。ここは大人しく対応するのがベストだと判断する、というかあまりにピリピリしすぎるのも”大人”としては少し余裕がなさすぎる。

「いえ、その恰好を見るに東洋街の出身ですよね?」

「えぇ、まあ」

 やはり着物は王都の方では見慣れない物らしい。他の領でも東洋文化は見かけるが、ガレットはそこまで文化が浸透していなく、認識も薄いらしい。こんな恰好をしていれば興味を持たれるのも仕方のない話かもしれない。

 ……案外それが、

 視線の正体だったのかもしれないと思う。この年齢の子供たちに闘争心や興味心はあっても、マイナス的な感情は存在しないだろう。フロニャルドの気質からしてもピリピリしているのは緊張からだし。

「少々服装が珍しいから声をかけたのですが……」

「あ、いえ、迷惑ではないですよ。どうも、サイアスです」

 手を前に出す。それに少女が手をだし、

「ビオレです」

 とはにかみながら言う。

 ……おや?

 こういう場合は家名を持っていればそれを言うのが普通なのだが、言わないという事は一般家庭の出なのだろうか。教養が成されている様子からしてどこかの貴族とでも思っていたのだが、こうやって”読み”を外すのは珍しい。既知感がなくなったから的中率は百パーセントではなくなったのがアレだが、それでも大体八割から九割程の的中率を持っていると思っていたのだ。少し、戦場から離れすぎていたかもしれないと思うのは、やはり戦狂いな部分があるからだろうか。ともあれ、珍しく外したな、等と思う。

「ガレットに東洋文化はあまり馴染みがないようですからね」

「えぇ、実は見るのは初めてでして」

「ほう、それはそれは……では東洋料理も経験ないとか?」

「恥ずかしながら……」

「それは人生を損していますよ。白米に味噌に醤油の味を知らないとは」

 長らく日本の基本的な食生活と離れていると解る。帰ってきた時に食べるあの白米の味は異常に美味く感じられる。アインクラッドの二年間は日本食が食べられんかったため、乳児としての期間が終わって初めて白米をこっちで食べた時の感動は中々忘れられない。あぁ、本当に生まれて来てよかったなどと、ふざけた事を考えるほどにはよかった。

「そうなんですか? 今度試してみますね」

「それがいい。東洋街へ来るような事が……あ、しばらくは無理ですね」

「それは……?」

 ニタリ、と笑み浮かべる。人差し指を持ち上げ、

「一番」

「はい?」

 ビオレが良く意味が解らない、と首をかしげる。この年代の子供の動作は可愛いな、等と評価しながら教える。

「主席入学、狙ってるから。しばらく田舎の方に帰る予定はないんで」

「あ、なるほど。そういう事でしたか」

 得心した様子でなるほど、とビオレは頷くが、

「すみませんがそれは無理な事だと思いますよ」

「ほう?」

 何故か、とは問わない。帰ってくる答えは解っている。

「私が主席入学を果たしますから、どちらにしろ案内してもらうのは後になりますね。というわけで、残念ながら主席入学という夢は諦めてもらいましょう」

 この少女、可愛い顔をして中々口が回る。こういうノリはいい。長らく離れていたが嫌いではない。いや、むしろ好きだ。こういう挑戦者は好ましい。あぁ、そうでならなくては困る。人生は少しハードなぐらいがちょうどいい。

「サイアス君、いますか―――?」

 入り口の方から声がする。出番なのだろう。これから、入学試験が始まる。背を預けていた壁から身を放し、片手をあげる。

「それじゃ」

「はい、武運を」

「祈らなくても大丈夫さ」

 もう祈ってくれる女は間に合っているんで。




実はDOGDAYS2期から見てるので1期の内容が、という (
口調もワリとテキトーだったり。アニメ見てないんだよなあ、基本的に。
そんなわけで、レンタル屋へ走る俺☆

ビオレさん可愛い。ユッキーさんひゃくじゅうななさい
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| 短編 | 23:33 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

なんせビオレさんの中の人って丹下さんだからね。
可愛さも拍車がかかってる。

| 御前 | 2012/09/22 00:20 | URL | ≫ EDIT

誤字報告
>>服装からして中々の家から出てきた焦女だということが解った。
☓焦女 〇少女

ビオレさん少女時代ってことは、原作開始の十数年前か…。

| reficul | 2012/09/22 00:39 | URL |

一瞬ビオレさんって誰だっけと思ってしまった・・・

| 雑食性 | 2012/09/22 13:16 | URL |















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