陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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DAY4

 朝一に王都の中央に聳えたつ城へと向かう。美しく出来上がっている城は芸術の様で、他国にも誇る事の出来る立派なものだ。だが特筆すべきなのはその点ではなく、この城こそがエリートコースに挑むうえでの暮らす場所だという事だ。というのも、騎士になる、その道に入るという事は必然的に将来は領主の為に、城で寝食を同僚たちと共にしながら戦争に備え、腕を磨くという事になる。

 ガレットは中々好戦的な国で、その利益を戦争により稼いでいる。戦争をする場合にちゃんと利益を計算し、採算がとれるように計算してから行っている所が賢い。故に騎士や兵士、そう言った人材を育てる事に関しては少し進んでいる。というよりも門が広いと言うべきか。ガレットのシステムは簡単で、現代のシステムで言う受験の様な事をやっている。入学届をだし、当日に城へと行く。そこで騎士なら騎士用の幼年学校の試験を受ける。これに合格すれば従騎士となる事が出来る。従騎士となれば寝食を城で過ごし、先に入学した先輩たちに礼儀作法を教わりながら訓練を積み、騎士を目指すのだ。


 ちなみに従騎士の間は学生扱いで学費を出す必要があるが、優秀なものに対しては学費の軽減や全額免除等と結構優秀なシステムが導入されている。ここら辺結構進んでいると思っている。自分の目標は首席で幼年学校へと入学し、従騎士となる事。そしてなるべく早く騎士になり、給料をもらえる身分となる事だ。あぁ、最低でも奨学金は取らないといけない。

 そう言えば中世に奨学金制度ってあったっけ。

 便利だからいっか。

 等と軽く考えつつも、城へと向かいながら参考書を開く。一番苦手なのが語学である。歴史関係ならそれなりに自信がある。そう言うのを覚えるのだけは得意だ。司狼から言わせれば応用できなきゃアホらしいが、ナチュラル天災様の話はもう思い出すまい。

 服装は新品の和装となっている。いつも着ている物よりも少し見栄えのいい、そんなものになっている。本当なら洋装で来たかったがそこまでの金銭的余裕はないし、洋装は東洋街では滅多に見れない。だからこの格好で我慢するしかない。が、もう慣れているので特に我慢する事もない。

 と、いつの間にか城の前にまで到着していた。参考書を閉じてそれを持ってきた袋の中にしまう。城の入り口に立つ二人の門番の内、片割れが此方を見て、

「君も受験生かい?」

「はい。これで……」

 用意しておいた受験票を見せる。うむ、と頷く門番。そしてその横の兵士が此方を見て、

「おや、東洋街の方から来たのかな?」

「はい」

「おぉ、そうかそうか。田舎町から出てきて夢を咲かす、うーん、実にロマンだねぇ……お兄さんは応援してるよ! やっぱこういう子が夢を叶えなきゃねぇ」

 女一人を探すために騎士になりたいとか口が裂けても言えない。両親の期待とか善意とか目の前の門番の心遣いが槍となってグサグサ心臓に突き刺さる。だが鋼の表情筋は笑顔を張り付けたまま、その程度では崩れない。とりあえず受験票を着物の中にしまい、片手を持ち上げて、

「では遅れたくないので」

「あぁ、うん」

 巨大な門の横についている小さな、日常業務用の扉を門番が開く。

「この中に入ったら看板があるはずだから、それに従えば迷う筈はないぞ。頑張れ少年」

「応」

 門番に背中を押されるようにして、城の中に入る。間近から見ても中々美しい建造物だと思う。庭も綺麗で整えられている。

「えーと」

 あった。看板だ。それが示しているのは城の中ではなく、城の庭を行くことだ。受験と言ったら確実にまずペーパーテストが来るものだと思っていたが、身体検査から始めるのだろうか。だとしたらそこまで体を鍛えていないので若干ヤバイ。もう少し筋肉つけて……五歳には関係のない話だった。

 看板に誘われるままに城の敷地の、その庭部分を歩く。丁寧に整えられた庭園が美しくもあるが、元現代人としての感想は”広い”の一択に落ち着く。所狭しと住居が並ぶ東洋街で育ったため、あまりに広いところに出ると逆に安心できなくなるところがある。

 ついでに広いと狙撃されやすいし。

 戦争の事を考えていたら発想が少し物騒になってしまった。思考を再び試験モードへと戻しつつ、看板が指し示す方へと向かう。何度か角を曲がり、おそらく城の裏側と思える場所に辿り着く。かなり広い敷地で走っていたわけでもないため到着まで数分かかったが、迷うことなく到着する。

 試験会場と思わしき場所には既に十数を超える子供たちで溢れていた。年齢は見たところバラバラだ。確かに幼年学校、つまりは五歳前後の子供が多めにいるが、もう少し歳を取った子供の姿も見える。そういえばこの騎士養成コースは別に年齢制限なかったな、等と思い出しつつ、

「……」

 見る。

 よく見ればどれもこれも貴族っぽい、というか少し上品な服装に身を包んだ奴が多い。やはり温厚で飢えなど存在しないフロニャルドでも、金によるある程度の格差は存在するのだろうか。確実に服装と教育の差が出ているのは解る。が、さて、

「君も受験生かい?」

「あ、はい」

 受験票を取り出し、確認に来た男に見せる。嫌にイケメンだ。鎧を着ている事からこの男が騎士だというのは解る。長いクリーム色の髪に、豹の様な耳と尻尾だと思う。此方の受験票を確認するとこれもまたいい声でうん、と頷いて笑顔を見せる。

「ありがとう。じゃあ、時間的にも君が最後だからそこで待っててくれるかな?」

「了解です」

 指示された場所は他の受験者が待っている所だ。一斉に視線を受け、少し気後れしながらも待っている集団に交じる。声はかけられない……というよりフロニャルド人としては珍しくピリピリした集団だと思う。

 その疑問にはすぐに答えが来た。

「さて、今日は来てくれてありがとう。ここから未来の後輩達が生まれる事を願っているけど―――」

 さて、

「―――1対1のトーナメント形式で実力を測る。順位ではなく内容次第で合格だから全員、常に本気で当たる様に」

 脳筋国家ぁ―――!
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| 短編 | 11:32 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

脳www筋www

|   | 2012/09/19 11:35 | URL | ≫ EDIT

まあ、ある意味平和だよね・・・?

| モグラ | 2012/09/19 12:22 | URL | ≫ EDIT

まぁ、内容で評価なあたりは救いだろうか・・・

| 雑食性 | 2012/09/20 20:41 | URL |















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