陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-5

 ―――4日目。

 セイバーは言った。

 慎二はアホだと。そして初戦の相手にはちょうどいいカモだと。それは三日目、うっかり無敵艦隊とキーワードを口から零した事で理解した。自分も段々と調子が乗ってきたのか、慎二をそろそろワカメと呼ぶかどうか迷い始める。もうここまで来たらそろそろ勢いよく踏ん切りをつけることが大事かもしれない。

 個人の個室となっている2-B教室から出て朝の情報収集を始めようと思ったところで、

「おや」

 二階の中央には見た事のある少年がいた。凛みたいに制服ではなく私服姿なのはおそらく情報を改ざんしているから。立っているだけで他者を魅了するカリスマを持つ少年は予選の時、少しだけ時間を共にした―――

「レオ君……?」

「あぁ、また貴女には会える気がするとは思っていましたよ」

 レオに注目が行くのもそうだが、その背後にいるサーヴァントも注目せざるを得ない。レオにも負けず劣らずカリスマ的なものを放っている気がする。見た印象から連想するのは清廉潔白という言葉。その視線を受けてレオがあぁ、と言葉を零す。


「すいません、驚かせてしまいましたか―――ガウェイン、挨拶を」

「ッハ」

 ガウェインと呼ばれたサーヴァントが軽く頭を下げる。

「サーヴァントセイバー、ガウェインです。よろしくお願いします―――そして我が主の良き好敵手であることを」

 印象としては好青年と言ったものだが……目の前にしているだけでこの二人のカリスマとも言うべきモノに飲まれかけている自分がいる。自分が勝ちぬいたら確実にこの二人と戦う機会はあるだろう。果たしてその時私は本当に……?

「相棒、あと三秒以内に復帰できなかったら胸を揉むぞ。こう、嫌らしい手つきで」

「だ、駄目!」

「よし、その意気だ」

 出現するのと同時にそれだけ言ってセイバーは消えた。だがセイバーのおかげで飲まれかけていた意識を引き戻す事が出来た。さっきの発言はアリーナで追及するとして、今はレオ、そして―――円卓の騎士の中でも剣技はあの騎士王さえも凌いだとされる騎士、ガウェインへと向き直る。

「どうやら貴女も中々良いサーヴァントに恵まれたようですね。発言は少々紳士にあるまじきものがありますが、純粋に心配してくれていたようですね」

「うん。私には勿体ない相棒だよ」

「僕たちが対戦できる日を楽しみにしています……ガウェイン、行きましょう」

「ッハ。それでは失礼します」

 レオとガウェインが去って行く。レオは聖杯戦争におけるサーヴァントを隠すという鉄則を破り、真名まで明かしてきた。それは決して信頼ではなく―――

「あの小僧、慢心はしてないけど、侮ってるな。純粋に自分が負けるはずがないと信じている」

 誰もいなくなったところでセイバーが再び出現していた。

「ガウェインか、そりゃあ自信もあるってわけだ。まぁどんなに運が悪くてもアレと早々当たる事を神様が許しちゃくれねぇだろうよ」

「神様を信じてるの?」

 その言葉にニヤリ、とセイバーが笑みを浮かべる。

「見たものなら信じている」

「つまりどっちなの?」

「さてな?」

 セイバーが消える。つくづく謎の多いサーヴァントだ。他のマスターが真名と宝具を把握している中で、ここまで自分のサーヴァントの事を把握していない、出来ていないマスターは稀だろう。本当にこのまま勝てるのだろうか……一瞬そう思ってしまいそうだが、慎二の間抜けさを見ている限りはなんだかいけそうな気がしてくる。

 だがアレでもアジアのゲームチャンプと呼ばれる男らしい。警戒を怠る理由には―――

「ふん、僕と僕のサーヴァントの黄金の鹿号で戦えば一瞬で終わるさ!」

 警戒を怠る理由には……。

「へぇ、って事はアンタのサーヴァントは船に関わるサーヴァントなんだ? 艦って事は物理的攻撃かしら? これは物理障壁でも用意すれば良さそうね。艦なんてものを動かせるって事は必然的にクラスはライダー辺りかしら?」

 警戒……。

「く、クソ! 調子に乗るなよ!」

 凛から逃げるように慎二がこっちへと向かってくる。此方に会話が聞こえていたことをここで気が付き、

「お、お前まさか今の盗み聞きしていたのか!?」

「ごめんね。でもライダーって事はもう知ってるから……」

「なんだよそのいかにももう知ってる情報でガッカリだった的な顔は! クソォ―――!!!」

 慎二が叫びながらどこかへと走り去って行く。その姿を凛と共に呆然と見つめ、

「どう、調子は」

「何とかなりそう」

「その油断は危ないわよ? 一応アレでも凄腕のハッカーだから」

「うん。解ってる」

 解ってるけどそれ以上に慎二がムキになって自爆するから、その姿を見ているとどうしても焦る事が出来ない。本当は生死を賭けた聖杯戦争のはずなのに、なんだかなぁ……。

「まぁ、言っている意味は解るけどね。じゃあね」

 凛も特に話す事がないのかそのまま去って行く。よく屋上にいるため、また屋上へ行ったのか、それともアリーナへコードトリガーを探しに行ったのだろうか。さて、

「一応図書館で調べておこうかな?」

 無敵艦隊、黄金鹿号、フリントロック式の銃、これでだいぶ情報は集まった。この情報をもとに図書室で検索を掛ければ結構あっさりと相手の真名が判明するかもしれない。図書室へと入ろうと足を動かした瞬間、

「うおおおお―――!」

 去って行った慎二が走って戻ってくる。そのまま此方の横を走りぬき、図書室へと入り込む。

「廊下で走るな!!」

 NPCが忠告を飛ばしているが、それを聞く人物はもういない。

 とりあえず慎二の後を追って図書室に入ると、

「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ、よ、よお、岸波、お前、今の話、から、はぁ……はぁ……僕のサーヴァントに関する情報を集めようとしただろ」

『率直に言ってこいつ馬鹿だろ』

 普段姿を消している間は口を開かないセイバーだったが、耐え切れなかったのか私にしか聞こえない声でそんな事を呟いてくる。思わずクスリと笑ってしまいそうだが、敵がいる手前、そんな姿は見せない。

「残念、だった、なぁ! 必要なものはここにあるぞ、アリーナに隠しておくから欲しかったら探してみるんだな! はははははは!」

 そのまま慎二は走って図書室から出てゆく。入れ替わる様にセイバーが出現する。

「これってつまり情報が欲しかったらアリーナで探してみてねプンプン! ってツンデレだよな。馬鹿じゃねぇの。隠す前に自分で持っておけよ。奪われない様に逃げ回っていれば情報は手に入らないのに……」

「セイバー……解ってても口をだしちゃいけない事が世の中にはあると思うの……ほら、相手がどんどん自爆してくれている時とか」

「相棒よ、どんどんキャラが固まってきたな」

 そう言ってセイバーの姿が消える。慎二を追いかけるのはもう少し後に回そう。今はとりあえず慎二に奪取された情報、そのあたりを調べれば残った情報から何か情報を増やせるかもしれない。聖杯戦争、その初戦の相手が慎二で良かった。そんな事を思い始める。




ワカメは萌えキャラだったと思うの。(過去形)
これ書くのにあたって原作プレイ中。セイバーで筋力特化。読み外したら即アボン。けっこー楽しいです。
マトリクスの取得準がおかしかったり、情報が違ったりするのは行動が微妙に違ったりするから。
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| 短編 | 11:21 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ワカメェ……
情報集めなくても勝てそうな気がしてくる。
これがワカメトラップなのか?

| 羽屯十一 | 2012/09/14 14:38 | URL |















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