陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-3

 踏み込んだ瞬間目に見える光景が今までの場所とは異なることが解る。

 NPCがアリーナと呼んで教えてくれた場所はセイバーと出会う前に、オートマタと共に駆け抜けたエリアに似ている。まるで光もない、海の底にいるような世界で、そこにPCのよるCGエフェクトを加えたような世界だと思う。

「ここがアリーナだな」

 と、セイバーが前触れもなく現れる。アリーナでは試練(タスク)をこなし、そしてここで出現する攻勢プログラムを倒しながら腕を磨かなければいけない。それは未熟なマスターとして最優先の義務だ。

「まあ、気負ってるのは解ってるけどあまり緊張しすぎるのも良くないぞ?」

 振り返れば両手に剣を持つセイバーが武装状態で待機している。そう、今の自分にはセイバーがいる。あの時オートマターを相手したような無様を晒す事はない、と思う。

「あ、ありがとう」

「おう」


 サムズアップを見せるフランクな様子のセイバーに安心しつつも再びこのダンジョンともいえるアリーナの様子を見る。中々に入り組んでいて、一番奥を目指すのは面倒そうだ。だが生き残るためにはやらなくてはならない。

「相棒、意気込むのはいいけど戦い方は大丈夫か?」

「戦い方? ……あ」

 そういえばオートマタを操作した時はこっちで動きを命令していたのだ。

「え、ええっと、何か私黙った方がいいのかな」

 その言葉にセイバーは苦笑する。その逆だ、と言って、

「練習用のオートマタとやる事は一緒。俺に命令を出して手足の様に動かせばいい。基本的に首置いて行かせろとか、首を置いて行かせろとか、頑張って首を置いて行かせろとか。そんな感じに命令すると若干テンションアッパーになって頑張るから」

「妖怪首置いてけ……?」

 このサーヴァントはなぜここまで首に執着するのだろうか。首に関わる何らかの偉業を成した英霊なのだろうか。セイバーとなると騎士などがタイプとしては多いらしいが、ここまで首を求める存在がセイバーとは中々思えない。だがとりあえず、

「戦ってみよっか」

「ヤヴォール」

 今のはドイツ語だったかな? 中々ネタというか引出の多いサーヴァントだ。一瞬、命のかかっている舞台だという事を忘れそうになる。そこらへんの胆力もやはり英霊だからなのだろうか。

 アリーナの中を少し進むと噴水が見えてくる。その奥には箱を二つに割ってワイヤーでつなげている様な姿の存在、この際クリーチャーとでも言おう、そんな存在がいる。アレを相手に練習するのがいいのだろう。それではさっそく、

「セイバー! アイツの首を置いて行かせて!」

 パートナーのリクエストに応えてみた!!

「いよっしゃああ―――!! やるぜぇ、任せろォ―――!」

 今から最終決戦へと挑む様なテンションでセイバーが突貫する。まだ他のサーヴァントを見たわけじゃないがこれは何かがおかしいと思う。だがセイバーは素早く踏み込むと箱のクリーチャーが此方へと気づく前に左手の刃と右手の刃を交差させ、鋏で切り落とす様に真っ二つに箱を切り裂いた。あまりにもあっさりした終わりに拍子抜けする。倒された敵がそのまま分解されて行く姿を見ながら、セイバーが此方へと戻ってくる。

「首が残らなかった」

「セイバーって首フェチ……?」

 セイバーの情報マトリクスを見る限りそんな情報はなかったのだが。というか今の敵、首があったかさえかなり怪しかった。だが一撃で死んだという事は、

 首を切り落としたという事だろう。セイバーが言うには俺に首を飛ばされて生きていられる生き物は存在しない、という事であるし。

「どうだ、俺も捨てたもんじゃないだろ」

「うん、頼りにしてるよセイバー」

 セイバーの笑顔が頼もしい。発言は物騒極まりないが、彼とパートナーになれたのはかなり恵まれているのだと思う。だからもう少し自信を持つ事にして、前に踏み出す。

「セイバー、今日はどれぐらいやった方がいいのかな?」

「うん、そうだな……」

 セイバーがアリーナの奥を見つめ、そして視線を此方へと向けてくる。

「あそこ辺りが無難かね」

 セイバーが指さす先には巨大な蜂の様な存在がいた。今倒した箱の様な奴よりは強そうに見える。だが奥に進むにはアレを倒す必要があると考えれば、近いうちにセイバーに首を落としてもらう必要があるのだろう。

「まだ初日だ。対戦相手が決まっていないから軽いウォーミングアップを兼ねて、戦闘に少しずつ慣れようぜ?」

「はい!」

 とりあえず今日はまず、暫定目標の達成を目指す。


                           ◆


「……まぁ、大体こんな感じかな?」

 予選を通過したマスターには個室が与えられる。椅子やら机やらいっぱい置かれていた部屋だが、それはセイバーの趣味のもと改造されていた。に机やいすを横に並べ、その上にクッションやシーツをかぶせる事で大きなソファーを何とか作っていた。その上で満足そうに足を組みながら座るセイバーは中々威厳がある。

「お疲れ様、初陣……と言えるレベルの戦闘じゃなかったな。これから戦い続ければちゃんとした戦もあるさ。とりあえず初日を生き残れた事に感謝しようぜ」

「うん。私一人じゃ無理だったから、ありがとうセイバー」

「別にもっと感謝してもいいんだぜ?」

 自信が凄いと言うか、中々上から目線とも思えるセイバーの言葉は、不安ばかりの現状ではかなり精神的な支えとなっている。NPCに話を聞いても戻らないし、修復される事もなかった。つまり私はこの聖杯戦争を記憶のない状態で戦わなければならない。そこには動機も覚悟もなく、ただ死にたくないと言う気持ちしか存在しない。そんな曖昧なままで勝ち抜けるのか……。

「相棒よ、ちょっとマジメな話いいか?」

「うん?」

「マジメな話、相棒がヘッポコなせいか、それとも記憶がないせいか、俺の霊格がかなり落とされている。ギリギリサーヴァントとして扱っていいレベルに落ちてる。正直な話今日のアリーナの相手基本的に一撃で終わらせてたよな?」

 記憶の中でアリーナでの頼もしいセイバーの姿を思い出す。確かに一撃で敵を葬り去り、その姿はかなり凄かった。

「アレは別に一撃で終わらせたんじゃなくて、そうするしか方法がなかったんだ。相棒に”読み”の経験がない状態で戦闘を長引かせれば死ぬ可能性があったからな」

 ……まさかそこまで深刻な事態だとは思わなかった。サーヴァントと言う生き物は基本的に元のステータスにマスターの力量に合わせた補正がつくらしい。こうなると相手は確実に強化されたサーヴァントを出してくる。不安が再びぶり返してくる。

「幸い俺のコイツ」

 セイバーが剣を一本だけ取り出す。何度見ても本能的恐怖を想起させる歪な刃だ。

「まぁ、こいつは首への攻撃に成功した時は無条件で即死させてくれるもんだと思ってくれ。こいつのおかげで武道の心得がないプログラムだけの存在だったらそう苦労する事はない。相棒は今日の通りに相手の動きを観察して、少しずつ戦闘経験を積んで、命令のバリエーションを増やして欲しい。それまでは基本的に首を落としてソッコーで終わらすから」

「ご、ごめんね……へっぽこで……」

 セイバーも聖杯に願うべき願いがあってこの戦いに参加したのだろう。なのにこんな大外れを引いてしまった。その苦労は計り知れない。が、セイバーは笑う。

「気にするな。俺は生前からいつも逆境の中で生きてきた。今回も同じさ。ほら、笑おうぜ相棒。極東じゃ”笑う角に福来たる”っつー言葉があってな、笑ってると人間に幸運は舞い降りるって意味だ。だからどんなに辛くても笑おうぜ、な?」

「……うん」

 少なくともセイバーは自分の事を嫌っていないし、あきらめていない。ならマスターとしてセイバーにそこで応えるべきだ。セイバーのマスターとして相応しい存在になれるように、努力するべきなのだ。新たに闘志を燃やす。覚悟はまだできていないが、当面の目標は出来上がった。

「いい闘志だ。とりあえず今日は寝て終わらそう。対戦発表は明日だから、明日に備えよう。お休み、相棒」

 そう言ってセイバーは目を閉じて眠りだす。サーヴァントに睡眠が必要かどうかは解らないが、この中々にエキセントリックとでもいうべきセイバーは寝る予定らしい。だがさて、

 これでも一応女性なんだがどこで私は寝ればいいんだろう。




情報マトリクス1

クラス:セイバー
マスター:岸波白野
真名:???
宝具:???
キーワード:斬首

ステータス
筋力 21 E
耐久 18 E
敏捷 19 E
魔力 11 E
幸運 9  E

クラススキル
対魔力:B
セイバーとしては少し低め。
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

固有スキル

???:?

???:?

処刑人:A+
戦闘よりも敵を”処刑”することに長けている。
特殊な動きは戦闘における優位性には低く、しかし致死性は恐ろしく高い。
その在り方を戦闘者としてではなく最後まで処刑人として貫いた存在の証。
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| 短編 | 19:08 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

オールEとは思ったよりもステが下がってる。
というか魔名の表示がカッコいいな。

| ろくぞー | 2012/09/12 19:14 | URL |

首が残らなくて落ち込んでるサイアスを想像して萌えた

| ほろ | 2012/09/12 19:54 | URL |

うむ、…閣下がランサーでラスボスだといいなとか思った。

個人的にはルサキャス見たい。

| アミノ酸 | 2012/09/12 20:16 | URL |

むしろセイバーにキリキリを期待

| ぜんら | 2012/09/12 20:35 | URL |

初陣……とは言えるレベルの先頭じゃなかったな
              ↓
初陣……とは言えるレベルの戦闘じゃなかったな
ではないかと

| asura | 2012/09/12 21:17 | URL |

幸運が一番低い……やっぱりか……
育てるなら、確定即死ありでは敏捷一択だろうけど、やっぱり能力開放な感じになるかな?

| 羽屯十一 | 2012/09/12 21:33 | URL |

ランサーはヴラドの代わりにベイ中尉でアサシンは李書文の代わりにマキナだったらいいなと思っている

| インカ | 2012/09/12 22:01 | URL | ≫ EDIT

魔名に悪意を感じる、主に水銀の
・・・不思議!

| おk | 2012/09/12 22:39 | URL |















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