陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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EXTRA-1

 熱い。

 熱い熱が体を蹂躙し―――それが抜けて行くのが理解できる。命が毎秒毎に抜けて散って行くのが感覚として感じられる。今、自分は死んで行っている。このままでは命はそう長くない。なのに自分を守る術は存在せず、ただここで朽ちるしかない。

 まだ、死にたくない。

 その願いは強くあるが何もできない。先ほどまで身を守るために動いていたオートマタはその動きを停止し、同型のオートマタによって破壊されている。此方の動きを全て見切ったように動いたのには正直イカサマではないかと疑えるが、それでも結果は結果だ。

 体は動かないまま段々と時間が過ぎてゆく。体は動かない。だけど、

 死にたくない……!


 こんな所で死にたくない。まだ生きたい。まだまだやり残したことはいっぱいあるんだ。だからこんな所で倒れるのは嫌だ……!

『なら呼べ』

 唐突に、声が聞こえた。知らない人の声だ。それに呼べと言われた。

『呼び出せ』

 また同じ、無機質な声だ。事務的だが、何かを伝えようとしているのは解る。そしてそれが自分に一番必要な事だとも理解できる。だが、懸念はある。この声に従っていいのか。呼び出す者は本当に正しいのか。自分は助かるのか。だまされていないのか。

 でも、それでも、

 死にたくないよ……!

 今、この瞬間を必死に生きていたいから―――。

『なるほど、その魂の咆哮、しかと聞いた』

 それは先ほどとは全く違う質の声だった。勇ましい、そして逞しく感じられる男の声だった。それこそが自分の呼び出すべき存在だと理解した瞬間には口を開いていた。

「助けて……!」

 円形の部屋、その周りを浮かんでいたステンドガラスから光が現れ、自分の横に現れる。何とか力を振り絞り上半身だけを持ち上げる。視界の中で光が人の形を形成し、そして一つの姿を生み出す。現れたのは赤い衣の男だった。

 フードのついた和風の赤い衣に青のロングパンツ、黒のインナーシャツとそして白いマフラー。青い髪の人物は妙な出で立ちをしており一度見れば忘れることはありえない。だから何も思い出せないから、確実に初対面のはずだ。誰かを聞こうとして口を開こうとし、

「―――俺を呼んだのはお前でいいんだな?」

 反射的にはい、と答えると男が頷き、

「サーヴァントセイバー。召喚に従い参上した。色々と話し合うべきこともあるだろうが―――」

 セイバーと名乗った男が背を向ける。その視線は先ほど自分を圧倒したオートマタがいる。たった一撃で自分をこんな状態に追い込んだ存在だ。その実力は人を超えている。不思議な現象で現れたセイバーには悪いが、どこからどう見ても強そうには見えない。

「まずはこれからの相棒となる者に勝利を献上しようとするか」

 そう言った途端、セイバーの姿に変化が生じる。

 両手足に防具が現れ、

 そして二刀の刃が出現する。かなり巨大な刃で、それ自体が二メートルほどの大きさを持っている。西洋と東洋の武器を合わせたようで肉厚で、それでいて歪な刃。感じられるイメーじは”処刑”の一言のみで、それを逆手に握っている。どう見ても普通じゃない。いや、普通じゃないのは学校を抜けて、ここへと辿り着く前から解っていた。だから目の前の異常事態は現実だ。

「その首を置いていって貰おうか」

 セイバーがオートマタへと接近した。

 待ち構えていたかのようにオートマタは鋭くとがった足による突きを繰り出す。まるでバレエの様な滑稽な動きだが、それに自分を守っていたオートマタが破壊されたことを考えると食らった時の姿が想像でき、ぞっとしない。しかし、

「……ふむ?」

 セイバーは間一髪という所であの鋭い蹴りを交わし、一気に接近した。そのまま右手の刃と左手の刃で連続して斬撃を繰り出し、オートマタにダメージを入れるとそのまま攻撃を続けずにバックステップで距離を取る。攻撃を受けてオートマタがよろめいている間に、セイバーは体の調子を見ていた。

「……ふむ? 妙だな」

 なにが妙かは解らないが、今のでセイバーが凄まじい実力の持ち主だということが解った。かなり嬉しい話だ。これであのオートマタを倒してくれれば、

「だが、それも後か」

 再びセイバーが踏み込む。待ち構えてたようなオートマターの一撃は左手の刃であっさりと受け流し、懐に入り込んだセイバーが刃を振るう。流れる、熟練された動きによって刃はオートマタの首にあっさりと食い込み、抵抗もなしに撥ね跳んだ。高く跳びあがってから、首が床に落ちる。崩れ落ち始めるオートマタに背を向けながら、セイバーが此方へと振り返る。

「俺の実力はこれで解ったと思う。多少の不安もあるが、これから聖杯戦争、共に勝利を目指そう、相棒」

 頼もしいセイバーの声が聞こえるのと同時に、意識が落ちるのを感じる。聖杯戦争、サーヴァント、よく解らない言葉だらけだが、とりあえず、

 私死ぬのかな……。

 体から熱が消えて行くのを感じる。死はまだ去ってくれなくて―――

『―――これによりムーンセルにおける聖杯戦争最後の予選通過者とする―――』

「相棒!」

 そんな声が聞こえつつも、意識は完全に闇に落ちる。

 記憶のない私の、

 聖杯戦争が始まる。
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| 短編 | 20:13 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

まさかのEXTRAから。
ステータスの強制変更を受けたから、妙に感じているのかな。

| 空 | 2012/09/10 20:21 | URL |

おじさんじゃなくて、ザビ子の方・・だと・・・!?
少し予想外です

| モグラ | 2012/09/10 20:22 | URL | ≫ EDIT

fateきた!
久しぶりにサイアス見ました(笑)

| 通行人D | 2012/09/10 20:26 | URL |

ああそうだ、すごく久しぶりに見た感じだこれ!
やっぱりサイアスが居ないとw

| 羽屯十一 | 2012/09/10 21:33 | URL |

誤字だと思います
青い神の人物
   ↓
青い髪の人物

| asura | 2012/09/10 21:55 | URL |

サイアス先輩お久しぶりです!!

相変わらず首置いてけで安心しました(ニッコリ

| ほろ | 2012/09/10 22:25 | URL |

アスアスさんキターーーッ!

一体、どれだけの首をコレクションするのか?

続きを楽しみにしてますよ!!

| 尚識 | 2012/09/11 06:07 | URL | ≫ EDIT

サイアスキターっ!

やっぱりサイアスは、ある程度ヒャッハーしてないと。

続き楽しみにしてます。

| 断章の接合者 | 2012/09/11 12:04 | URL | ≫ EDIT

サイアスキターー!

これからもどんどんヒャッハーしてください

| 雑食性 | 2012/09/11 20:33 | URL |















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