陳情の先を行く部屋

基本的に二次創作を公開しているブログです。楽しく読んでいただければ幸いです。

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Acht

 水銀が登場と共に放ったのは重力の波動だった。瞬く間に戦場に広がったそれは黒の王に群がっていたアバターひとつ残らず地面に倒れ、圧力の中で動けぬままにHPを減らしていた。それは赤の王の強化外装に群がっていたアバターにも言える事だった。ほぼ同時に二つの王を救い、宙に立つ姿に視線が集まる。

「ま、マーキュリ先輩!」

 それで呼び名は落ち着いたのか、と妙なネーミングセンスに関心を抱きながら、両手を広げる。重力操作の必殺技が解除されるのと同時に体が落下する。そして、

「―――諸君らは罪深い。故に1から学び直したまえ」

 その言葉に黄色の王が敏感に反応する。

「今すぐ逃げなさい!」

 だが遅い。既に必殺技ゲージを消費し発動された青の波動は広がり、クレーター内部にいる敵アバターに触れる。それはHPを削らないし装甲強度を下げない。その波動に触れたアバター達は重力から解放され立ち上がり―――そして驚愕する。


「え……」

「鴉殿」

「あ、はい」

 驚愕する事態を置いて、言葉を放つ。

「何をしているのかね。今こそ女神を救う好機だぞ」

「は、はい! 先輩! 先輩!」

 黒の王ブラック・ロータスと自分の間に存在するアバターをあまりにもあっさりと粉砕する違和感にシルバー・クロウは駆られつつも、急いで女神のもとへと向かう。突然の乱入者にシアン・パイルが声を漏らす。

「メルクリウス……そして今のはまさか……」

「―――データ・リセット」

 赤の王スカーレット・レインが忌々しげに言葉を引き継ぐ。

「強制的にレベル、スキル、そしてアビリティをアバター作成時の初期状態へと戻す必殺技だ。振り直す事が出来ないこの世界ではレベルダウンの方法はすげぇ貴重だけどよ、一方的にしかも苦労して習得したアビリティやスキルまで強制的にリセットさせちまうそれは多くのプレイヤーを発狂させる原因にもなった―――マーキュリ・メイガスが恨まれる原因となった一因だ」

 あぁ、

 然り。

「だがその言葉をある程度訂正させてもらおう赤の王よ。私はただ新たな可能性を発掘する機会を与えているのだよ。人には無限の可能性がある。にしてもそれを偏った方向で固めてしまうのは非常に勿体ない。私としては人類の可能性が見られればいいのだよ。故にこれは呪いではなく祝福の類として認識していただけると私は嬉しいのだがね」

「ッハ! 言ってろ。だがおい、マーキュリ・メイガス」

 スカーレット・レインは視線を向けないも、しっかりとマーキュリを捉えているのが解る。

「テメェ―――味方か」

「―――あえて言わせてもらおう」

 間を置き、

「否、と」

 あぁ、やっぱりかと言葉を漏らす赤の王と驚愕するシルバー・クロウにシアン・パイル。そして、

「言わせてもらおう。私は奴隷だ。我が女神の奴隷だ。心の底から従属を誓っている。跪く事を決めているのだよ。我が女神の為であれば命など惜しくないとさえ言える。あぁ、私は彼女を思えるだけで満たされている。故に否。私は味方ではない。私はだれの味方でもない。ただ唯一に私は女神という花の奴隷でありそれが全て―――」

 急速に空だったマーキュリ・メイガスのゲージが回復を始める。それはまるで消費されたゲージが消費する前に戻るような、逆再生を見るような光景だ。だがその不思議な状況に赤と黄の王は一切疑問を挟まず、

「下がれシルバー・クロウ」

「え?」

「これから王の戦いだ」

「然り。下がられよ鴉殿。どうか我が女神を下げてほしい―――ここは飢える獣を加え苛烈な戦場となる。私としてはその余波の欠片でさえ触れて傷つく女神を見たくないのだよ。赤の王との約定を気にするのであれば女神を安全なところでシアン・パイルに預け戻ってくるがいい。私としてはこの場で拳を振るうのが非常に不本意な結果なのだよ。我が身の未熟さが恨めしい」

 マーキュリ・メイガスにも勧告を受け、

「行こうハル、マスターを連れていったん離れるんだ―――」

 シアン・パイルがそう言った瞬間、

 廃ビルを突き破って新たな姿が現れる。

 災禍の鎧を纏ったチェリー・ルーク―――クロムディザスターとなった存在がそこに現れた。到着と同時に獣の様な咆哮を上げるチェリー・ルークは黄の王、赤の王、そして水銀の王を視界にとらえ殺意を漲らせる。

 それは王に対しての宣戦布告だった。

 先代のクロムディザスターは終結した王によって弱らせられ、討たれた。

 その屈辱をここで払う、獣の本能とも言うべきものがクロムディザスターには存在していた。

「ック、逃げられませんか。ならば―――」

「まってろチェリー・ルーク……今解放してやるだからよ―――」

「あぁ、胸が躍る。悪手だと解っていても女神の為なら私は醜態をさらすだろう故に―――」

 まるでオペラの指揮を執るようなポーズをとる。黄の王が自分以外のアバターに対する撤退の支持をだし、自らの強化外装であり武器であるバトンを取り出す。赤の王も弾薬の全てを必殺ゲージの消費によってリロードし、次の瞬間に発生する三つ巴、状況次第では四つ巴の戦場に対する準備を始める。

 その場にいる誰もが確信していた。

 この先、

 真の戦争が待ち受けていた。

            「―――ここで狂い果てなさい赤の王、水銀の王」

            「―――このバカげた乱痴気騒ぎを終わらせようか」

            「―――あぁ、それでは今宵の恐怖劇を始めようか」

 クロムディザスターが吠えあがり、

 王たちの戦場が始まる。




もうそろそろオリジナル展開ここからぶっこんでもいいと思うんだ。
そんなわけで読者諸君。

 心意の解禁おk?
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| 短編 | 13:33 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

おk

| 雑食性 | 2012/09/09 14:14 | URL |

にじふぁんから読ませていただきました。
初コメです!!

心意の解禁?
いいぞ、やっちまえ!!

| ほろ | 2012/09/09 14:39 | URL |

おk

| インカ | 2012/09/09 14:46 | URL | ≫ EDIT

おっけえーい!

これから心意に疑問を持った鴉と杭が強化されるんですね!

| 13 | 2012/09/09 14:49 | URL | ≫ EDIT

おk

| tuyuri | 2012/09/09 15:20 | URL | ≫ EDIT

こいよ!常識なんて捨ててこいよ!
というわけでおk

| モグラ | 2012/09/09 16:57 | URL | ≫ EDIT

いいですとも!

むしろキャラクターロールしてる水銀が自重する方が(ry

| おk | 2012/09/09 17:35 | URL |

おk

| 空 | 2012/09/09 18:58 | URL |

おk!!

| ossann | 2012/09/09 19:58 | URL |

文句なしの、おk!

| 名状し難きナニカ | 2012/09/09 22:59 | URL |

レベルダウンの方法はすげぇ記帳

貴重かと思われます。



| 名状し難きナニカ | 2012/09/11 23:12 | URL |















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